目が覚めたらパチュリーになっていた件について 作:レアブルー
肩くらいまで伸ばされた金髪、ふわふわ羽毛な一対の白い翼、頭の上に赤いリボン。どうみても幻月です本当にありがとうございました。
「……なんで?」
いや、確かに知名度は旧作内ではある方だけどなんで?こう、妹様とか、地底の妹とか11点の女とか、普通の魔法使いでも虹色の人形遣いでもなんでもあったでしょ。よりによってそこ?容姿は確かに髪色は金髪で学生としては不自然ではあるものの人の範疇ではあるが、思いっきり大きな翼が生えてるんだけど。流石に無理がないか?
「……というか案の定、あっちも周りに気にされてないのか」
周りの生徒たちは明らかに異物である金髪リボンで翼を生やす少女を気にもとめない。少女も少女で特に何も気にせず登校している。……翼、制服貫通してるのか?根元がよく見えないけど服から生えてるよね?なんか、程度の能力とか魔法を与えない割に認識とか制服とかそこらへんはファンタジーな感じなんだな。
「……?」
「!!」
やべ、気づかれた。明らかにこっち見て驚いてる。せめて人となりをある程度観察してから接触したかったんだけど。原作ではそうでもないけど、二次創作とかでやたら最凶な悪魔扱い多いから慎重にいきたかっ――うおっ、めちゃ走ってきた!
「おはよう!!」
「ぅえ?あ、え、おは――」
「綺麗な紫の髪なのに誰も見てないし、多分君も変わった人だよね!」
『いや、君の方が"変わった人"だと思うけど』なんてくだらない冗談が脳裏を脳裏をよぎるが、普通にこの自分たちの容姿の変質について言ってるのだろう。唐突に走ってきて目の前で止まった最凶の姉。暫定、"幻月"は。
「あ、変わった人っていうのは悪口じゃなくて、朝起きたら見た目がって――」
「おけい、ちょっと落ち着こう。容姿以外で普通に注目浴びてるから」
「え?」
押し寄せるパワーで圧倒されそうになりながら、力を振り絞って何とか言えた。校門前で猛烈ダッシュから大声で話す人が居たら誰だって見る、俺だって……いや、スマホ触ってたら見ないかも。……とにかくそこそこ注目を集めている中でする話でもないだろう。普通に危ないヤツだし。
「あ、ごめん、一昨日から結構どうしようかなって焦ってたからつい嬉しくて」
「……いや、気持ちは分かるよ、自分も不安だったし」
元の性別は知らないけど、そう伏し目がちに言われると罪悪感がすごいな……。確かに気持ちはよく分かる。流石に容姿が容姿だったからすぐに話しかけるのは躊躇われたというか、そんなコミュ力は俺にはないというか。……後半が殆どな気がしてきたが気のせいということにしておこう。なんにせよ、彼女……彼女?を見て安心した自分がいるのは本当だ。
「じゃあどうしようか、体育館裏とかでいいかな?」
「……いいんじゃないかな」
うーん、場所のチョイス。いやそりゃ人目に付きにくい都合が良いところはそうなるんだけど、まさか我が人生でリアルに体育館裏呼び出しイベントが発生するなんて……。しかも(少なくともガワは)美少女。……いや今は自分も美少女なのか。
「さて、とりあえず自己紹介でもしようか。ボクは月宮 霞(ツキミヤ カスミ)。君は?」
僕っ子じゃぁあ!!……というわけではなく元男なんだろう。少し安心したような残念なような――いや相手に失礼だな、やめやめ、自分自身だけが男どころか同じ境遇のほうが確率は高いし。最初は性別が変わってることを知らせずにいこうかとも思ったけど正直に話そう。
「……俺は読河 緑(ヨミカワ ミドリ)、同じく元男だよ」
「え、同じ?ボク、元々女の子だよ」
……僕っ子じゃぁあああ!!!!
ごぶさたしてます。