目が覚めたらパチュリーになっていた件について 作:レアブルー
結局体育の着替えは男子に混ざるのも女子に混ざるのも怖くて空き教室で着替えることにしたのだが……
「……?読河、何やってるんだ。早く"
「──あい」
どうやら周囲の認識は"女の子"らしい。
「さて、今日から新しい種目をやっていくぞ。まず──」
顔が濃いめで体のゴツイ体育の先生、愛称ゴッティーがいつものように大きな声で説明をしている。
それを聞き流しながら脳内で思考する。周りの認識が女ならこれまで男として扱われてきた自分はどういう認識になっているのか。普通に考えるなら女の子として人生を歩んできた扱いになるんだろうが、そんな雑な修正だと何か致命的な矛盾が……矛盾が?……意外とぱっと思いつかないな。もしかして丸ごと男としてしかできないようなことは記憶から消されているのだろうか。
考え事をしながらも授業は進んでいく。どうやら今日は持久走をするようだが……。
「ぜぇ……!ぜぇ……!ぜぇ……!」
「……読河、お前大丈夫か?聞こえちゃいけない音がしてないか?」
「大……丈、夫、ぅおぇ……」
「どう見ても大丈夫じゃないが!?とりあえず止まって座っとけ!」
せんせー!と呼びに行ってくれる友人、山田に最大限の感謝をしつつ学校外周のコンクリ壁に寄りかかる。──いや、体が貧弱すぎんか?まだ十分も走ってないが?というか日光が体に刺さる……。
そのまま、保健室へと搬送される俺。山田が背負って運ぼうか提案してくれたが鋼の意思で自力で行くと伝えた。その意志は無かろうとパチュリーをおんぶする名誉は与えられん(とてもシツレイ)
とりあえず、完全に体力面に関してもパチュリーに引っ張られているようだ。とはいえ喘息の症状はでていないため、病気ごとではなく単純な肉体のスペックによるものだろう。
魔法使えないしこれじゃあ本格的にただの紫もやしだよ……。
なんとか体育の時間が終わるころには体調が回復して、その後の授業には出ることができた。次は音楽の授業だが……
「~~~(口パク)」
男だった時と音程感覚が違いすぎてまともに歌えなかった。歌おうとすると喉に蓋がされたように声が詰まって歌にならなかった。高めの声で歌おうと思えば行けそうだったが、ぶっつけだと変に音を外しそうなので今日は口パクでやり過ごすことにする。後で歌の練習もしなくちゃいけないのか……。
そのほか、数学、英語、現文は特に問題なかった。まあ、発表みたいなのはしないようにしたし、日付と自分の番号が違っていたので当てられることもなかった。とりあえず何とか今日一日を過ごすことはできそうだ。
そうして帰りのHRも何事もなく終わり、帰路につく途中の廊下で月宮さんと会う。
「読河ちゃん!今帰るところかな?」
「うん、月宮さんは?」
「僕は吹部の練習があるからまだかな。…そういえば体育は、どうだった?」
「あー……まあ、女の子扱いだったよ。あでも着替えは一人で別の場所でやったから!」
「周りもちゃんと変わってるんだ!なら別に同じ場所でもいいんじゃない?」
「えぇ、でも俺は男だし……」
「僕は前の読河ちゃん知らないから気にしないけどなー。あ、でもじっと見るのは恥ずかしいから無しね!!女の子同士でも恥ずかしいんだから」
「しないよ……」
なんてことを話して、月宮さんは部活の練習に行った。……そういえば俺がパチュリーの身体能力になっているのなら、月宮さんは……まあ、また今度聞いてみよう。
ごぶ(ry