カルデア海賊団   作:合将鳥

2 / 7
 取り敢えずモルシー親子は救われてほしいです。

 注、ウチにランサーオルタはいません。よってキャラ崩壊注意。



Fate/ONE PIECE その2

 カルデア海賊団の船、『ノーチラス・ボーダー号』船内にて…、

 

「…という訳で行きましょう姉上」

「誰が行くか」

 

 そんな一方通行な姉妹、或いは夫婦喧嘩が繰り広げられていた。

 

 

 

 場所は船内廊下。

 

 誰が見てもピクリともしていない無表情なのに、これまた誰が見ても分かる様なご機嫌オーラを放って両腕を広げているのはアルトリア・ペンドラゴン。数いる彼女達の中でも、度々珍事件を起こす事で有名なランサーオルタである。後ろには物凄く気まずそうな雰囲気でモードレットが控えている。

 

 それに対して、アルトリアに姉上と呼ばれた相手。彼女と瓜二つの顔でありながら、彼女と真逆で実に不機嫌な表情を浮かべているのが彼女の姉、モルガンである。その背後には彼女の娘であるバーヴァン・シーが立っている。

「何故ですか、そんな事言わずに共に行きましょう。それとも……」

 そこで一度アルトリアは言葉を切り、考える様な仕草を取る。そしてハッと思い付いた様に口を開いた。

 

「……ツンデレですか?」

「貴様、頭に蛆でも湧いているのか? 確か懇意にしている医者がいたな。ナイチンゲールと言ったか、一度診てもらえ。医療ミスで死ぬ様に呪いをかけてやろう」

「ふっ、姉上は魔術だけでなく冗句の才もおありなのですね。我々はサーヴァントなので死にませんよ? それと彼女は医師ではなく看護師です」

「空気を読んでくれ父上! 母上違うんだ、父上も悪気は無いんだ!」

 

 ……彼女達の会話は常にこんな感じである。

 

 

 因みにアルトリアには煽りや馬鹿にする意思は一切ない。純粋な感想と尊敬、親愛を込めての発言だ。

 

 

 

 言うまでも無く、伝承で分かる通りアルトリアとモルガンの関係はお世辞にも良いとは言えない。それを踏まえて、顔を合わせるとギクシャクするのが分かっている為、アルトリア(アーサーやX達も含めて)は必要最低限しか顔を会わせない様にしているし、その時も必要以上の言葉は交わさない。

 

 

 だが何事にも例外はあるもので、それがランサーオルタである。

 性質として王座に拘りを持たない彼女は、モルガンを政敵ではなく純粋に姉として接している。一家団欒と称して、モードレットを伴って頻繁に彼女の私室に出入りしている。その度に彼女を怒らせて珍事件を起こすのだ。

 

 

 中でも有名なのは、カルデア時代に起こした『生前は色々ありましたが、今世に於いては同じマスターを持つ仲間同士。……という訳で姉上、ここは仲直りのハグをしましょう』という発言と共にハグを迫った『ブリテン姉妹ハグ事件』や、『姉上の娘……つまり私の娘ですね。モードレット、妹が出来ましたよ。なのでバーヴァン・シー、私の事はお父様と呼ぶように』と言ったばかりか、更に飛び火してガウェイン達にも父上と呼ぶ様に迫った『ペンドラゴン一家事件』があるが、その最たる例が『姉上への敬意を表する為、セイバーの私に倣って宝具を【最果てにて輝ける槍(ロンゴミニアド・モルガン)】に改名しようと思うのですが』と言い放った『ロンゴミニアド・モルガン事件』である。その度にカルデアの壁や所長の胃に穴が空き、技術顧問が頭痛に倒れ、経営顧問が大笑いしたのである。

 

 

 因みに同じクラスという程度しか接点が無いのに、何故か仲の良い冠位槍兵(グランドランサー)がその場面に出くわした際、『かの騎士王の愛の深さ、広さ。正にローマである!!』と言ったとか言わなかったとか。

 

 

 さて、そんな彼女は今回何を言ったのかというと…

 

「まぁいいではありませんか。既に万能の天才と約束は取り付けてあります」

「そんな些事に嬰児の手を煩わせるな」

 

 早い話が、アルトリアは『家族揃っての絵をレオナルド・ダ・ヴィンチに描いてもらうよう約束をつけたので一緒に行きましょう』と二人を誘いに来たのである。

 しつこく同行を迫るアルトリアが鬱陶しくなり、モルガンがいい加減強硬手段に出ようとしたところで船内の全体放送がかかった。

 

『あーあー。こちら操舵班、ライダーのレオナルド。前方に島を発見したよ。アーチャー達やキャスター達の遠見で街があるのも確認できた。物資補給の為に暫く停泊するから、暫く自由時間だよ。因みに! 他の海賊団がいる様子らしいから、気を付ける様に!』

 

 その放送と共に、周囲で色めき立つ声が聞こえてくる。すると、

「……お母様」

 今まで一言も発していなかったバーヴァン・シーが口を開いた。モルガンの服の裾をちょこんと掴んでいる。

「……どうしました?」

「…私も、街に行って、いい……? お母様も…一緒に」

「……」

 沈黙で返したモルガンを見て、機嫌を損ねたと思ったバーヴァン・シーは直ぐに「ごめんなさい」と言おうとした。

 言おうとして、モルガンによって止められた。

「……条件があります」

 バーヴァン・シーの頭を撫でながらモルガンは続ける。

「今日は日差しが強く、他の海賊もいるらしいので、護衛を付けます。それでも構わないのなら許可します」

「……! はい…お母様」

 弱々しくも嬉しさの溢れる娘を見て、思わず苦笑を漏らすモルガン。一頻り撫でると、今度はモードレットに視線を向ける。

「モードレット」

「はい母上なんでしょう!?」

 稀代の叛逆者たるモードレットも、母の前では形無しだ。先程から緊張しまくりである。

「ガレスとバーゲスト、メリュジーヌに声を掛け速やかに準備なさい。お前も護衛として付いてきなさい。……姉、なのでしょう? 妹を守りなさい」

「は、はい!」

「よろしく…お願いします、お姉様……」

「…! 応、任せとけ!」

 途端、モードレットは誇らしげに胸を叩いた。何だかんだで妹が出来たのも、姉として頼られるのも嬉しいのである。

「姉上、私は…「絶対に来るな」」

 

 

 そうしてモルガンはバーヴァン・シーとモードレット、ガレス、バーゲスト、メリュジーヌ、そして何故か付いてきたガウェインを伴って街に繰り出した。

 




因みに、バーヴァン・シーは第三再臨設定です。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。