書いてて気づいた事「今回のメンバー、殆どウチにいねぇわ」
後に世界中を騒がせる海賊、モンキー・D・ルフィ。これは、彼が海へと旅立つ一年程前の出来事。
新世界のある島、海軍支部にて。
海の治安を守る彼等の要塞は、怒号と炎、恐怖に包まれていた。町と敷地を区切っている壁はとうに崩壊し、肝心の建物も半分瓦礫と化している。
その影響で外から丸見えになった通信室に、一人の海兵の姿があった。
「至急至急! こちら──ッ!?」
他の支部、または海軍本部に通信しようとしていたであろう海兵の頭を、妖しく輝く朱槍が貫く。
「すまんな。私個人ならともかく、我等としてはそれは困る」
何時の間にそこに居たのか。そう言った朱槍の持ち主は、穂先にぶら下がった肉塊と汚れを落とす様に槍を振るう。
一息吐く様に「ふぅ……」と溢したその人。
左右に一本ずつ朱槍を持ち、均整の取れた黄金のボディラインがくっきりと分かる濃紫のタイツと、必要最低限急所を守る為の装甲を纏った美女・スカサハの背後にトンッと軽い音を響かせて仲間の一人が着地する。
「急にどうしたのケルトのお師匠さん」
実に気負った気配も無く彼女に声を掛けたその人物は、急に飛び出したスカサハに実に不思議そうな表情を浮かべている。
「援軍を呼ぼうとした者がいたのでな、そうなると厄介だろう」
「あぁ成程。私達的にはともかく、他の人達もそうとは限らないものね。立香ちゃんを待たせる訳にも行かないし」
たはは、と笑いながらそう返すのは和装の女剣士。
スカサハとは似て非なる二刀流。見る者に彼女の剣気だけでなく、一種の麗しさも感じさせる青を基調とした装い。そして武芸者としての鋭さと、年頃の明るさが同居した整った顔立ち。
その全てを返り血で染めた大剣豪、宮本武蔵は振り返る。
その眼下に広がるのは、端的に言って地獄絵図。
彼女達と共に基地に突撃した仲間達によって生み出された狂騒の戦場。
立ち向かう者がいれば、黒い騎士王が切り捨てる。逃げる者がいれば、六腕人馬の鬼将とその寵姫が追撃する。惑う者がいれば、第六天魔王の銃火の餌食。
その様を見れば、誰一人生かす気はないと分かる。他にも竜の魔女や大江山の二人の鬼、源氏武者の頭が猛威を振るっている。戦局も終盤に近い。
「武蔵、下に降りようか」
「そうね、そろそろ終わりそうだし」
スカサハと武蔵は頷き合うと、剥き出しになった二階の通信室から地上に飛び降りる。それと同時に武蔵が駆けて来る海兵達の首を刎ね、スカサハが心臓を穿つ。彼女等も仲間達と共にラストスパートに入った。
「いや~大量大量!」
「えぇ、えぇ。我が子等にいい土産が出来ました」
数分後、戦いを終えて敷地内に座り込んでいるのは織田信長と源頼光。艶やかな黒髪を自身の笑い声で震わせながら、上々の戦果にホクホク顔の信長と、豊かな胸に立香達の笑顔を浮かべて幸せそうな頼光。立香には事前に電伝虫でその場でささやかな祝勝会をする事の許可は得ている。
二人から少し離れた所では、敷地内に転がる海兵達の死体を使った焚火の前で毎度の如く言い争うジャンヌ・オルタとアルトリア・オルタ。
「火を起こしたの私なんですけど!」
「多く斃したのは私だ」
どうやら厨房から奪った食料を取り合ってるらしい。既に二人共口いっぱいに詰め込んでいるというのに、欲張りな事だ。因みに二人共、適当に積み上げた死体の上に座っている。
焚火を挟んだ反対側では、酒呑童子と武蔵、スカサハが仲良く酒盛りをしている。
「イェーイ! 酒呑ちゃん~、お師匠さ~ん、吞んでますか~? もう一回乾杯~!」
「はいはい、乾杯。シケた酒やけど吞んどるわ」
「ふふ、あぁ乾杯だ」
武蔵は既に出来上がっている。絡み酒なのか、もう何度目かの乾杯を二人にせがむ。それが意外と面白いのか、その度に二人も付き合う。
「あ~茨木ちゃんが可愛い! 食べちゃいたいくらい、いやもう頂いちゃいましょう!」
そして次の瞬間、武蔵は茨木にセクハラを始めた。戦闘中でも見せなかった様な速さで肩を抱き、胸だの尻だの触り出す。悲鳴を上げる茨木を気にも留めず、段々その手つきがいやらしくなっていく。遂には無理矢理接吻を迫り、自身の服をはだけさせた上で脱がせにかかる。
「し、酒吞! スカサハ! 助けてくれ!」
「アンタ鬼やろ、それぐらい自分で何とかしぃや茨木」
「ご愁傷様だ」
茨木は助けを求めるが、酒吞は笑って梯子を外す。スカサハも同じく助ける気はないらしい。茨木の受難の夜が幕を開けた。
それを汚物を見る様な目で見ながら、虞美人は項羽と肩を寄せ合い二人酒に興じていた。
それから数十分して、信長の号令で皆ボーダーに戻る。愛しのマスターの待つ、今生の我が家へ。
ウチにいるのは項羽様とパイセン、水着ノッブ、茨木(狂)です。