でもアブサントも普通に推しです。
なんか頭なでなでしたくなるよね。
※チェルノボーグ事変でのドクター救出までの時系列がよくわからないので間違っていたら教えてください。間違っていなくても教えていただけたら大変助かります。
「ぅぐ.......おえぇぇぇぇ...」
誰もいない、暗い路地裏に生々しい吐瀉物の音がビチャリビチャリと響く。鼻につくような悪臭は、しかし同様に香る肉の焼けるような匂いと鉄臭さでかき消される。
最悪の気分だ。
気持ち悪くて気持ち悪くて、今すぐにこの首を掻きむしって死んでしまいたいとさえ思う。
でも───
「っ......はは、は...まあ、楽には死なせてくれないか」
首につけられた頑強な首輪の存在がそれを阻む。
だが私にどうしろというのか。
私にはまだやることがあるというのか?
無理だ。
口先だけならどうとでも言える。
今の私には、もう無理なんだ。生きたい。そう思ってしまったから。
かつての私だったらどうだったのだろうか。
自らの欲望のためにさらなる悲劇へと拡大させたか?
それとも自らの命など鑑みず、私を思う人のことも想像せず、罪滅ぼしなんていう自己満足のために己の命を差し出しただろうか。
...ああそうさ。自己満足だ。
これまで私は散々“償いだ”、“私の責任だ“、などという綺麗ごとを言ってきたわけだが、それも全て、ぜーーーーんぶ。
他でもない私自身のための行動だ。
結局私はどこまで行っても利己的な、救いようのない人間だった。
そして何より、人間は、他の誰でもない、自分自身によって救われるのだから。
......そうさ。人は自分自身で救われるんだ。私が罪滅ぼしに救おうなんて、意味がないことなんだ。
なら、もう、いいじゃないか。
身近な幸せだけを守っていればいい。
これは彼らが選んだ選択なんだから。わざわざ私が全く関係のない赤の他人を助ける必要性なんて全くないんだ。
そうだろ?名前も、性格も、好きなものすら知らない他人を助けるなんてさ。私はヒーローなんかじゃないのだから。
「こんなところに隠れていやがったのか非感染者が!!」
「ひっ!?」
だから、あの少女を私が助ける必要は、全くない。
「くくく....ここならあの鬱陶しい盾兵どももいないからなぁ!!たとえガキだろうと好き勝手できる!!」
そもそもの話、私にあの少女を助け、そしてあの男を罰する資格があるというのだろうか?無論、そんなものが存在するはずがない。
全ての元凶であり、裏切り者である自分にそんな資格があるはずがない。
「ひははははは!!逃げたって無駄だ!てめえら非感染者はここで全員死ぬんだよ!!テメェらが散々見下してきた感染者によってなぁ!!!」
だから、私は──────
「いや...!お父さん!お母さん!」
──────ダメだ。
「がっ!?」
柔らかな感触が、人1人の人生が終わる瞬間が、源石剣越しに伝わってくる。こぽりこぽりと口から真っ赤な体液を垂れ流し、眼球は白目を剥き、体は痙攣を繰り返す。
「ひっ」
抜くと同時に首元から噴き出す血液が私の髪を赤黒く染める。
ああ、せっかく貰った制服がこれじゃあ台無しだ。などという場違いな考えがよぎった。
いや、でも...もう着ることは無いだろうし、もういいか。
「は、ははは」
人が死んだ。
私が殺した。
でも、やっぱり何も感じない。
この人は、欲にくらんで私を襲ってくる金目当ての賞金稼ぎどもじゃ無い。もしかしたら私が先導しなければ、感染者として、感染者なりの幸せを手にしていたかもしれない。そんな私の被害者を殺した。
なのに、何も感じない。
いっそ笑えてくる。
偽りの幸せで覆い隠そうと、私はどこまでも狂っていた。
もういっそ好きに生きよう。
罪?罰?資格?そんなものは関係ない。
自己満足でもいい。
初めの私が望んでいたように、好き勝手に生きよう。
これはちんけな正義感からでは無い。
全て私のため。私を満たすための行動だ。
私の中にこびりついた罪悪感などという不純物を削ぎ落とすための行動だ。
...........だから、私は
そんな資格私にはないのだから。
私は、
「お怪我はないですか?お嬢さん」
さあ、仮面を被ろう。
◆
「あの...アルベルト....さん....?」
「はい、なんでしょうかゾーヤさん?」
ゾーヤ。
それがこの少女の名前でした。
暴徒たちが作り上げた、監獄と化した学校からたった一人逃げ出したという勇気あふれる少女です。その理由もまた家族の無事を確認すると言うなんとまあ健気なこと。
ただ、彼女の願いが叶うことは難しいでしょうね。
それは彼女も知っていたようですがまだ諦めきれていない様子。
...彼女から先ほど聞き出した住所は、非常に聞き覚えのあるものでした。
今まで数えるほどしかこの都市に訪れていない私が覚えている場所...
....どちらにせよ、今は言わないほうがいいでしょうね。
足手まといになられても困る。
「....お父さんは、無事...だよね?」
「....ええ、きっと。あなたの父親は軍警なのでしょう?きっと大丈夫ですよ」
「そう....だよね..」
....今は状況を整理しましょう。
暴徒たち....レユニオンを名乗る者たちが起こした暴動は既に十数日ほど経過しています。さすがウルサス有数の大都市。あの旧型移動都市とは規模も防衛戦力も桁違いなためなんとか耐え凌いでいるようです...が、すでに都市のいくつかの区画は陥落し、感染者たちの手に堕ちているようです。
状況は改善せず悪くなるばかり。
徐々に徐々に終わりは近づいています。
しかし逃走は可能でしょう。可能性は非常に低いですが。
この都市に停泊中の小型の艦船を見ました。
すでに脱出しているか、又はすでに敵の手に堕ちている可能性もありますが、彼女に希望を与えるには十分でしょう。
次にこの都市で暴動を起こしている集団、レユニオンについてです。
はっきり言って有象無象の集まりです。
統率力もなく、ただ自由という大義のもとに暴力を振るうだけの無法集団...........一部を除いて、ですが。
感染者の盾。
みなさんはこの名前に聞き覚えはあるでしょうか。
ええそうです。伝説のウルサス軍人、ボジョカスティ率いる元軍人で構成された感染者集団です。
危険度で言えばかの雷獣、ジャスパー・ランフォードを大きく上回るほど。
さらにはスノーデビル小隊と呼ばれるウルサスでも名の知れた感染者集団や私が先ほど無様に逃げてきたあの炎龍。
それらの戦力の強力さを知っている私からすればこの都市が落ちるのも時間の問題と言えます。そもそも今もまだ生き残っているのが異常なくらいです。
さて....本当にどうしたものか。
「あ...ついた..よ」
「....本当にここですか?」
鼻が曲がりそうだ。
目の前に立ち広がるのは見た目だけは立派な学校の“ような”建造物。
しかし私にはそうは見えませんでした。
「ゾーヤさん、私が先行します。後ろへ」
「う、うん」
吐き気を催すほどの血の匂い。
私でも嗅いだことのないほどの。
「ひっ......これ、全部.....」
「学生...ですね」
まさに地獄です。
「一体...なんなの...?」
そこらじゅうに転がっている学生だったもの。
地面にも、外壁にまでついた焦げ跡が、ここで起こったことを示している。だが、それだけではない。
「刃物の跡...?」
「...切り付けられたようですね」
「なんで、一体どうしたらこんなことに...?レユニオンがやったの?」
「いえ....これは違いますね。切り口が雑だ。それに彼らは学生たちに利用価値があると言って生かしていたのでしょう?」
「う、うん...じゃあ、いったい......っ!?」
「ゾーヤさん?」
少女が一点を見つめ、動かなくなった。
彼女が見つめる先にあったのは焼け焦げた人間だったものたちの山。
そしてその中に見えるひとまわり大きな、軍警の制服を身につけた人型の物体。ああ、なるほど。
「あ、ああ......」
それはまさしく───
「父さん......?」
地獄そのものでした。
【アルちゃんの心境の変化】
テキサスへの償い....生きなきゃ。
(テキサス達に依存、生かされる&生存欲求の開花)
↓
自分が過去にしたことのせいでやばいことになってる。
自分のしたことのヤバさとのうのうと生きてきた自分に嫌気がさす。
死にたいけど死にたくない。もう何もしたくない。
(罪悪感と恐怖に押しつぶされる)
↓
なーんかかわいこちゃんが死にかけてる。
大体の原因自分のせいだ。
せや、助けよ。
(無意識下の責任感やらなんやらでこの子助けるまでは死ねない)
何かを支柱にしてなきゃアルちゃんすぐ死にます。
とりあえずローグライク楽しい。