……興奮してきたな。
視聴後
ace!Aceが喋ってる!
アァーーーミヤァァァァァァ!!
矢が刺さる描写とかモブオペちゃんの怯え顔とかウルサス少女のバイバイとか予想できる彼女らのその後とか…興奮してきたな。
クラスレネキ!クラスレネキじゃないか!
炎国の誇る移動都市、龍門。
ウェイ・イェンウーの統治するこの都市は数多くの摩天楼が立ち並び、真夜中だろうと都市の光が夜空を照らす。シエスタやボリバルのドッソレスに比べれば、観光名所としては劣るものの、私の様な一社員が休暇を楽しには十分すぎる都市と言えるでしょう。
ジェイ君の屋台やペンギン急便御用達のバーに炎国で有名なカンフー映画など、この都市には十分すぎるほどの娯楽があると言って良い。
さて、せっかくの有給です。ドクターからぶんどったというよりも半ば『働きすぎだ!』という形で押し付けられた有給ですが、楽しまなければ損という物。私がここで楽しまなければ各地に派遣されているエリート
「と、そんなわけでここにきたわけだが…なぜ君がここに?」
「僕がいちゃ悪いのかい?アルベルト。それに僕の居場所は君のそばと決まっているからね」
そんな私の休暇をぶち壊しにきたのが、我が物顔で私の飲み掛けだった酒をいっきに飲み干した真っ白なループスの少女、ラップランドさん。休暇くらい一人でゆっくりと過ごしたいという願いすら、大罪人である私には叶わないというのですか?
「ロドスではいつも一緒なのですからそれで十分では?」
「20年」
「うっ……」
「僕と■■■■■もずっと待ってたんだよ?やっと会えたと思ったらまたどっかに行っちゃうし…このくらい良いじゃないか」
「……うぅ」
「アルベルト?」
「わかりました!わかりましたよ!」
それを言われると弱い。
「敬語もだめ」
「癖は勘弁してくれ…あ、直った」
「大将。今のと同じやつもうひとつお願いね」
「あいよ!」
「…お金は持ってるのか?」
「ん?奢ってくれるんじゃないのかい?」
「……………はぁーーーーーーー」
財布の中身を確認する。
有給を受け取る際に同じ様に押し付けられたドクターからのお小遣いの龍門弊が1枚2枚3枚………映画は見れそうにない。
ラップランド。
シラクーザで私がまだテキサスファミリーの長を務めていた時に父が勢力の拡大を目論んで当時テキサスファミリーに次ぐ影響力を持っていた───記憶が定かではないが確かサルッツォ家との政略結婚、つまりは生贄として差し出された可哀想な人形。当時の私にはその程度の認識しかなく、似た様な立場からの哀れみから話し相手になっていた程度の存在。それは今も変わらず、テキサスと同じ“家族”では有りますが、少し距離がある……そんな関係…であったと私は思っています。
だからなぜ彼女が私に執着するのかわからないし、それを良いこととも思わない。
「ところでさ、アルマ。君はなんでテキサスのことを
「……さっきからなんですか貴方。もしかして
「使った方がいい?」
「やめてください死んでしまいます」
「引くくらいマジトーンだね」
あれは、人に使っていいものではない。(ガチトーン)
「……ハァ…ラップランド、白は、汚れやすいのです」
「?そうだね?」
「白は、白でなくてはならない。純粋で、純白で、無垢で、一切の穢れがついていてはならない。白く、永遠に、光輝いているべきなのです」
「うん?」
「ああ……私の光。私の希望。私の主。私の世界。人々は私のことを光だと、希望だと呼んだけれど、なんと烏滸がましいことか。なんと愚かしいことか」
「……酔ってるね」
「嗚呼そうだ。彼らの目は曇っている。彼らの目は腐っている。なんという悲劇。なんと哀れなことか。嗚呼、あゝ、アァ…可哀想に……彼らは、彼らは救いというものを知らなかった。そしてあの時の私は、愚かなことに彼らが真の幸せを得ていたと勘違いしていた。私の憎むべく敵だと勘違いしていた…彼らは私と同じ、真の幸福を見つけられなかった哀れな人々だったというのに……!何が私とは違うだ!何が自由だ!全て間違いだったではないか!」
「……」
「ああ、アァ……テキサス!■■■■■!貴方こそ我が光!我が希望!ああ……だからこそ…貴方は白くなくてはならないのです…」
「!その通りだよアルベルト!」
突然ラップランドが机に手を叩きつけて立ち上がる。その音に何事かと幾人かの客の視線が集まるが、ここにそんなものを気にする者はいなかった。いるのは酔いの回った狂人どもだけだ。
「ラップランド…?」
「やっぱり、君もわかっていたんだね。テキサスは光だって。いや、光なんて言葉じゃ言い表せない。テキサスはもっとすごいんだ!」
「ラップランド!」
「…君がいなくなって、血に染まった日々から僕を引き上げてくれたのも■■■■■だった。僕は昔、彼女を君に重ねようとしたけれど、そんなことはできなかった。彼女は人の影になるような人じゃない。彼女はいつしか君と同じように、僕の一部になっていたんだ。だから、君を追い求めるのと同じように、僕は■■■■■も追い求めている。僕は、もう
「ラップランド…」
──ああ、そうか。そうだったのか。
「……私も、貴方に、そして何より彼女に重ねようとしているのかもしれません。私の本当の幸せ…初めから持っていて、気づくことのできなかった
「──それは間違いだよアル」
「え?」
その言葉に、金槌で後頭部を殴られたような衝撃が走りました。間違い?私が、また間違えていたのかという。そんな取り返しのつかないことをしてしまった時のような。いえ、私のにとってはまさにその通りなのですから当然と言えるでしょう。
「テキサスを失いたくないって思うなら、逃げちゃダメさ。もっとグイグイ行かなきゃ」
「な、なぜですか!?わ、私のような穢れが彼女に近づいて良いはずがない!よ、汚れてしまう!」
「その逆さ。汚す…いや、自分の色に染めなきゃ。じゃなきゃ彼女はいなくなってしまう。今はいいかもしれない。でも、いつか必ず彼女が僕たちの元を離れどこかに行ってしまう日が来る。君が僕を置いていったようにね」
「そ、そんな!どうすれば…」
「だから、彼女が僕たちのことを必要とするようにすればいいのさ。今の彼女はアルマにだいぶ依存しているようだけど、もう一押し必要だ」
「も、もうひと押し?ひと押しも何もそもそも私初めから何もしてない…」
「そう!告白さ!」
「KOKUHAKU!?」
その言葉に今度はアルマが立ち上がる。もうその音に振り返る客はいない。馬鹿なやつがいるなぁ程度には思われているだろうがそれも居酒屋では良くあること。すぐに忘れられるだろう。
「コッコココココッコッコッココクハクゥ!?」
「イエス・コクハクゥ」
「無理です不可能です!そもそもどうすれば」
「好きだって言えばいいんじゃない?」
「家族ですよ!?」
「はは、今のは冗談さ。ようはアルマも彼女のことを必要としているってことを伝えればいいんだ。どんな形であろうとね」
「あ、あなたそんなまともなこと言えたんですね。あ、もしかして中身モスティマあたりだったりします?」
「失礼だねアルマ。ミルフィーユにするよ?」
「ひっ!?」
しかし彼女の言うことも一理ある。テキサス、彼女から一方的な愛を送りつけられていることは流石に私もわかっている。あれだけのことをされてとぼける方が難しい。家族だから、穢したくないから。様々な理由をつけて拒んできたが、結局は私のわがままだった。
一方的に受け取るだけではダメなのだ。そんなこと誰にだってわかる常識だろう。だから、私もそれに応えなければならない。
「君も■■■■■のことが好きなんだろう?彼女に押し倒されていた時、君が満更でもないような顔をしていたのを僕は知ってる」
「……」
「だったら答えてあげよう?もう我慢なんてする必要はない。家族とか、罪とか、そういうのは一回全部忘れちゃお?それが、君とテキサスにとっての最善策になるんだから」
「…最、善策…」
そうか……今だけは、欲望に忠実になってみるべきなのかもしれない。
「よし……!」
「そうと決まったら早速向かおうか!僕たちのテキサスの元へ!」
二人で腕を組んで立ち上がる。
だがその時、私たちは知らなかった。ペンギン急便が、テキサスが、そして私たちが龍門を巻き込む砂嵐に直面することになるなど。
その時の私たちには知る由もなかった。
龍門が、喧騒に包まれる。
ラッピー「テキサス‘sがくっつけばアルが家族だって言ってる僕からテキサス(妹)が逃げることも無くなるし、アルがテキサスに束縛されるからどっかに行くことも無くなる。一石二鳥だね』