ユダの黙示録   作:神代リナ

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第四十九話 前線基地での日常Ⅱ

 Side:宵月瑠奈

 

「ねぇ、氷華」

 

「はい、なんですか? 」

 

「貴女、このあと暇よね?」

 

「そうですね、特に用事はありません」

 

「じゃあさ、私と一緒に前線基地整備の手伝いをしない? 」

 

 お昼ご飯であるレーション2個を食べ終わった私は、一人でいると先ほどのように思考の無限ループに陥りそうだったので、氷華を前線基地整備に誘ってみる。

 

「そうですね。どうせ暇なら人助けをした方がいいですもんね。分かりました、私も同行します!」

 

「ありがとう。じゃ、行こっか!」

 

 こうして私たちは、手伝えることがあるかを尋ねるためにこの基地の最高責任者の元へと歩き出す。

 気が晴れるといいのだけど。

 

 

 

 

 

 5月4日 17:05 D-3地区前線基地自室

 Side:宵月瑠奈

 

 魔術で壁作ったり、結界を張ったり、整地したりして、私たちは今日のところは十分、前線基地の整備に協力した。

 

 さて、これから夕食までの微妙なあまり時間に何をしようか?

 氷華は用事があるらしく、どっかに行っちゃったしなぁ。

 

 ……せっかくなら情報収集でもしようか。

 休憩中の兵士たちの会話を聞けば、D-03地区の情報が得られるかもしれない。

 

 まずは……一番近くにいる男性兵士2人組の話しを聞こう。

 それとなく近づいて、携帯端末をいじっているフリをしておく。

 

「なぁ、中央政府の噂を知ってるか?」

 

「中央政府? また、黒い部分の噂でも流れたか? 」

 

「いや、今回は一味違う」

 

「へぇ、どんな噂なのさ? 」

 

「なんでも、本州連合が連合皇国を解体して日本を単一政府の元支配する体制を確立しようとしてるとか」

 

「今更、日本統一内戦をおっぱじめるってか? 冗談キツイぜ」

 

 ……政府の黒い噂は知れたけど、D-03地区の情報は知れなかったわね。

 次に行くとしましょう。

 

 今度は、そうね。

 あそこの女性兵士3人組の集団にしよう。

 また、同じように近づいてっと。

 

「ねぇ、知ってる? 」

 

「ん? 何々?」

 

「このD-03地区にいる原初派の魔術師についての噂なんだけど」

 

「へー、凄い気になるわね! 」

 

「なんと……元親衛隊の精鋭魔術師らしいよ!」

 

「マジで? かなりヤバいじゃん、もし本当だとしたら」

 

「ねー」

 

 ……その後も彼女たちはしばらく話し続けていたが、それ以降の話しはどうでもいい、身の上話しだった。

 

 にしても、元宮廷魔術師の原初派魔術師か。

 もし、本当ならD-03地区の完全攻略はなかなか困難そう。

 ま、信憑性がアレだから、そこまで気にする必要もないかな?

 

 とりあえず、この情報は頭の片隅に置いとこうか。

 必要になったら、それとなく思い出す程度みたいな。

 

 ……時間もいい感じ。

 一旦、自室に戻りましょうか。

 氷華も戻って来てるといいのだけど。

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