ご了承ください。
「はぁ……まだ帰る気がしない」
とはいえ、行く場所もないし。
はてさて、どうしたものか。
……流石に、あの夢に出てくる庭に行くわけにも行かない。
行けるなら、行きたいけど。
まぁ、無理なことを考えても無駄だ。
そうだ、適当にこの基地の中をふらつくことにしよう。
思い立ったが吉日。
早速、私は歩み始める。
こうして、よくこの基地を見てみるとかなりの人がここにはいる。
……つまり、これほど多くの人が例の手術を受けたことになる。
じゃなきゃ、地上に出れない。
そこまで、地下生活は苦しいのだろうか?
……見てみたいな、箱の外を。
2022年 5月6日 7:47 D-3地区前線基地自室
Side:宵月瑠奈
「しばらくはこの基地でやる事はない、とのことでしたね」
と、氷華がレーションを齧りながら言う。
私たちが、先ほど司令部からの呼び出しに応じて行ったら、約3日ほどは大規模進行作戦準備のために偵察作戦等は行わない旨を上級将校らから言い渡された訳だ。
「そうね。ありがたいっちゃありがたいけど……暇ね」
なーんにもない設営中の前線基地で3日間暇を潰せと言われても……そんなにやることもない。
だから、10時間程度で暇になることは想像出来る。
はてさて、何をしたものかな……。
「あの、宵月先輩」
「うん? どうしたの? 」
「あの、せっかくなので孤児院の方に入っている妹に会いに行こうかなと思っているのですが、よければ途中まで一緒にどうですか?……もちろん外出許可は取っています」
……ちょうど一般人の生活区域である地下施設を見てみたいと思っていたところだ。
付き合うとしよう、どうせ暇だし。
「そうね……どうせ暇だし、私も行くよ」
「そうですか! それは良かったです……1人だけで行くのは少々寂しかったので」
まぁ、確かにこの観光名所の一つもない殺風景な焦土と化した道路を1人で移動するのは退屈極まりないだろう。
私だって、そんなことは出来うる限りゴメン被りたい。
「それは何より」
「じゃあ、早速行きましょうか!」
「地下へ行くなら夜は避けたいしね。行くとしましょうか」
そうして私たちは、徒歩で10km先の地下施設入り口へと向かうことになった。
地下施設/某所・某日
Side:???
「なぁ、蒼山」
「ん? どうしたの?」
私は、隣にいる友達の男の子に突然話しかけられる。
んー、なんの話だろうか?
「お前は……地上に出るのか? 」
あぁ、なるほど。
そろそろ、そんな年齢になる頃か、私たちも。
「そうだねぇ。とりあえずお姉ちゃんに相談してからかなぁ」