ユダの黙示録   作:神代リナ

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第五十四話 地下の民

 ???

 Side:蒼山響子(あおやまきょうこ)

 

 自然と瞼が開く。

 ……明るい。

 いや、そりゃそうだろうけど。

 24時間365日灯りがついてるのだから。

 そうでもなきゃ生きていけるか、という話だ。

 

 腕時計を見れば、時間が11時ピッタリである事を示していた。

 午後から始まる仕事には間に合うから、管理者から叱られることはあるまい。

 少しホッとして胸を撫で下ろす。

 

 私たち一般人の朝は遅い。

 早いのではないのか?

 そう思う人が居るかもしれない、地上には。

 また、そう思っている人たちはこぞってこう言うに違いない。

「規定に従って、地底に住んでいる一般人の生活はきちんと管理されているのではないか?」と。

 別段得がない一般人を管理する仕事をしている人々なんかとっくに腐り切ってるっての。

 

 地上から私たち地底の民たちを見下してるだけで、ここの実情を知らないお貴族たち(素晴らしき我が姉は除く)は頭に花が生えてるに違いない。

 いや、下を省みない幻想(覇権主義)で大英帝国連邦やらアメリカ共和国、イタリア=バチカン帝国みたいに戦争しまくらない辺り、この国の上流階級はマシな部類ではあるのだが。

 世界規模で見れば。

 

 ……まぁ、そんなこと考えるよりさっさと身支度を整えて朝食でも食べに行こう。

 ここでの生活のいいとこなんて大した事をしなくてもそれなりのご飯が食べれる事くらいなんだから。

 

 気怠げにカッチカチのベッドから起き上がった私は、寝巻きから国民服に着替えてから歯磨きをし、角にヒビが入っている粗悪品の鏡で茶色の髪を櫛で整えてから、狭苦しい白色に統一された若干気味悪い自室を後にして配給所へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 さて、部屋への入り口が敷き詰められているだけで味気なさの極みを感じさせる壁を見つめながら廊下を歩む。

 たまに他の人と出会ったが、彼らも挨拶ひとつしなかった。

 ちなみに、私は一応挨拶した。

 別に、彼らの態度が悪い訳ではない。

 彼らの、深海の如き深い絶望感が漂う瞳を見れば余裕がないのはすぐに分かる。

 私はまだ子供だからね、一応。

 そこまで酷使されてないのさ。

 

 そんな事をぼんやりと考えていると、広い場所へとたどり着いた。

 安物(中には破損している物もある)のプラスチック製机や椅子がたくさん並んでいる。

 そう、ここが食堂だ。

 ここで私たちは、朝食と夕飯を食べることになる。

 昼食はない。

 

 さて、今日はどんなご飯が出てくるかなー。

 ちょっとした楽しみに心が躍る。

 

 好物が多く食べれますように。

 そんな事を願いながら、ご飯の乗ったプレートが流れてくる小型ベルトコンベアがある場所へと向かう。

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