ノンケウマ娘を狂わせるウマ娘(トレーナー)の日々 作:樽薫る
―――あのプールから二日。
へへ、忘れたい記憶ほどよく覚えてる……たぶん後に思い出して毎回悶えるヤツ……。
くっ、そんなことはどうでもいい、重要じゃない!
とりあえず、そんなことは忘れよう。今日は休みだー!
「どしよっかな~」
そうです。休みだってのに家でゴロゴロしています。
「ん~暇だなぁ」
ゲームも飽きたし、そろそろお腹も空いてきたし……。
なにか閃いてトレーニングの役に立つかもだし、行きますか!
んぁ、丁度メッセージ来た……。
「あれ、ブライアン?」
珍しい……。
―――ようやく少し涼しくなってきたなぁ。
ブライアンからの連絡を受けて少しして、私は軽くシャワーを浴びてから着替えを済ました。
今日は少しばかり肌寒いようで、膝下ほどまでの長さのワンピースにしておく。
しっかり上腹部あたりでベルトをしておかないとめっさ太って見えるので忘れるわけにもいかないから、あとは……カーディガン羽織っておこう。
うん、これでもやっぱり暗く野暮ったい感じするのは色合いのせいか私のせいか、たぶん私のせいですね。はい。
靴は、そろそろブーツでも良いかなぁ。末端冷え症だし。
あとはバックは、面倒だしリュック……いやいやこういうとこ!
「でも、出かけるって言ってもブラっとブライアンとだし……フフッ」
ルドルフ思い出しちゃった。
まぁとりあえず、そこまで気合入れてもしょうがないね。どこ行くか決めてないって言ってたし男の人とデートってわけでもないんだから……。
まぁバックは肩掛けで行こう。うん。
あとは……まぁ大丈夫かなぁ?
「あ、きた」
インターホンが鳴った。
十中八九ブライアンだけどねぇ、わざわざ家のインターホン押す相手なんてブライアンぐらいだ。
そもそもウチのチームの娘たちにだって私の部屋なんて教えてないし……教える必要も特にないし、ブライアンにもさっき教えたぐらいだ……。
マルゼンスキーが来るとすれば、電話あるだろうしなぁ。
「は~い」
扉を開けば、やっぱりブライアンだった。
薄い長袖Tシャツにスキニージーンズ、ジャケットを羽織ってる。
髪型とかはいつも通りだけど、やっぱ素材が良いってのもあってかっこいいなぁ。
「おはよう」
「ん、悪いな急に……」
「いいよ。暇だったし……それに新しいシューズだったら私も付き合いたいしね」
タマちゃんは順調にオープンを勝っていってるし、大一番ということならブライアンたちの方が早い。
「むしろ、相談してくれてありがとねっ」
「……もう今日中に行ける気がしてきたな」
「なにが?」
「ん、なんでもない」
そう言うと、軽く咳払いをしたブライアン。
私はブーツを履いて外に出ると、しっかりと鍵をかけて頷く。
なんか生徒とこうやって出かけることがあるとは思わなかったなぁ……マルゼンスキーは別として、たまたま合流しちゃうならともかく、ねぇ。
チラッとブライアンの方を見ると、どことなく……嬉しそうにも見える。
「……だったら、嬉しいなぁ」
「ん、どうした?」
「なんでも、ほら行こっ?」
頷くブライアンと一緒に、階段を下りていく。
とりあえず向かうは、人が多い方だし……憂鬱だなぁ。また人酔いしなきゃいいけど、さすがにブライアンの前でそれは恥ずかしい。
タマちゃんは開幕があれだったからしゃーなし。
「あそこってまだあるのかなぁ……」
「とりあえず行くか」
「無駄足かもよ~?」
まだあるかもわからないし、好みの物があるかもわからないし。
「お前となら無駄足も悪くない」
「あ、う、うん……」
そういうこと言わない! てか、やっぱデカいな私!
ブライアンの方がこう……か、かっこいいのに、私がデカいせいでこう、バランス悪いって言うか。
もっとこう、タマちゃんとかライスみたく小柄でかわいかったら良かったのになぁ。
「あの二人みたく?」
「え、口に出してた?」
頷くブライアンに、私は少しばかり気恥ずかしくなって頬をかく。
「……ほ、ほら小さくてかわいいし、私としては憧れが」
「私はお前が好きだ。今のお前が」
「……ふぇあっ!!?」
ななな、なにをおっしゃるこのウマ娘!?
まだ家出たばっかですことよ!?
「ん、告白みたいになってしまった」
「なってしまってます!」
わわわ、わけわからん!
「まぁ良い、いくぞ」
「よくないけど!?」
どういうことですかブライアンさん!?
こっからの行動に支障がでますことですわよ!
そういうとこ、トレセン学園で女子から人気の理由だぞ!
「もぉ……ていうかブライアン、最初の頃さ、わ、私の胸、触ったけど」
「吸引力がすごくてな」
ダイソンかな? んなわけあるか!
「な、なんで?」
「……たぶん、好きなんだろうな」
ま、またそう言うことを言いやがります!?
「クロネの、身体」
「あ、うん、なんていうか……帰る?」
「家、だと……?」
「やっぱ行こう、天下の往来の方が安心」
たったか行こう! 米くいてー! でも痩せてー!
「安心しろクロネ、同意なしに胸以上は触らない」
「キリッて顔すんな!? 胸もダメだよ!」
◆◇◆◇◆◇
―――あのプールから二日。
未だに、記憶から消えないその光景……思い出して毎回悶えるヤツ……。
パーカーを脱ぐあたりで真っ赤になって記憶は飛んでる。ああ、勿体ない。
「またやってしまってました!」
あたしは、デジたんはウマ娘ちゃん相手にそんな下心を抱いてはいけない!
えっちだったとか微塵も思っちゃいけないのにぃ!?
「うぅ、デジたんは……」
クロネさん、最近話題のウマ娘ちゃんでトレーナーさん、それからあたしの推しの推し。
尊さの権化、カップリング戦争の引き金……最近そんな話も聞く。
というか属性過多しゅぎて尊いむりぃっ!
「どうにかなっちゃいそぉ!」
「もうどうにかなっちゃってるねえ」
ハッ!? たたた、タキオンさん!?
というより、あたしはクロネさんのトレーナー室近くでなにを!
「これは一体!?」
「わからないけど、たまたま見かけてついてきたらここに来たんだよ」
「無意識……!?」
そんな、デジたんは―――スタンド攻撃を受けているッッ!!?
「えー無意識だったのかい?」
「まさかっ、まさかあたしは、ここまで……心酔を!?」
何回も保健室に運んでもらってるしっ!
優しさに包まれすぎたっ! ゆーみんっっ!
「君もトレーナーくんが好きだねぇ」
「タキオンさんと一緒みたいですっ!」
恐れ多くも!
「……えっ!? な、なんの話かなー!?」
え、なにその反応……尊みがふかみなんでしゅがぁ~。
◆◇◆◇◆◇
なんだかんだ、普通に目当ての買い物は終わった。
シルバーウィークも半ば、そりゃ人も多ければウマ娘も多い……気が狂う! もう狂ってんだよなぁ! あ~陰キャにはキツぃんじゃないですかねぇ。
シューズとか選んでた時は集中できてたから気にならなかったんだけどなぁ、道中もしんどいし出てからもしんどい。帰路はもっとしんどい!
とりあえず昼過ぎ、場所はファミレス。
ちょっと遅めのお昼御飯をブライアンとし終えたところだ。
「はぁ、人多いなぁ」
「ん、ホント苦手のようだな、人ごみ」
「てか人が苦手なんだよねぇ……」
こればかりはしょうがない。そういう生き方してきたので!
「……レース場は?」
「あ~あっちは大丈夫だなぁ、お母さんに昔、連れてってもらってたのもあるかも」
懐かしい。あの頃に見てたレース、全然走ってたウマ娘とか覚えてないけど……。
というかそうなると私、別に人ごみ苦手ではないのでは……?
「いや、やっぱ無理だね」
「お前は本当に……」
「そうです根暗喪女です」
待った、喪女とか死語? いやいやセーフセーフ。
「喪女……?」
くそっ、チェンソーマンめ! 喪女の悪魔を食いやがって!
「あ、ところでブライアンさ」
「ん?」
「アマさんにお弁当作ってもらってるじゃん?」
あのかわいいキャラ弁、たまにもらうけど好きだなぁ。
アマさん姐御肌もあるけど通り越して最近は母性感じるわ……うっ、クリークちゃんが頭をよぎる!
「そうだな、世話になってる」
「……今度さ、タキオンにお弁当作ってあげるって話になったんだけど」
「どういう流れだ。聞いてないぞ」
「彼氏みたいな反応するじゃん」
「フッ、悪くない」
なにその反応は……まぁいいか。
「ついでに、みんなにも作ろうかなって……これでも料理は人並みぐらいに自信あるんだよねっ!」
えっへん!
「揉むぞ」
「す、ストレートに言わないでっ」
胸を張った私が悪うございましたけども止め方!
「まぁ、クロネが良いなら……」
「ん、もちろん、まぁこういう機会がないとそんなことしてあげることも無かったしね」
「しかし、どういう経緯だ?」
「なんか栄養さえあればいいとかタキオンが言うからね。ごはんもうちょっと楽しめばいいのに~って話から、こんなことに」
私だって勢いで言っちゃったんで……。
タキオンったらずぼらだからなぁ、お姉さん心配だよ。まぁ私も人のこと言えない気もするけど。
ドリンクバーで取ってきたアイスコーヒーをストローで啜る。
「ん~そろそろ帰る?」
「家か、もうそんな段階まで来てしまったか……」
「嘘嘘、まだ全然遊び足りない」
この私にこんなこと言わせるとはブライアン。
「フッ、そこまで言うなら仕方ないな」
「手ぇ出そう」
「私もだ」
「こわい」
そんなキャラでしたっけ!? ていうかブライアンは学園内ファン多いんだから言動気をつけてよね!?
ていうか生徒に手を出される発言されるって、トレーナーとしてどうなんですか弱いなぁ私!
まぁとりあえず今はそんなことどうだっていい、重要なことじゃない……!
「えっと、行きたいとこ、ある?」
「ないな」
「即答……モテないゾ」
すいません、モテたことあるみたいな発言しました。無いデス。
「クロネは行きたいところとか、ないのか?」
「家で寝たい」
「家で寝るか」
「嘘嘘、やっぱちょー遊びにいきたい」
デジャヴ……?
「ゲーセンとか行く?」
「ん、了解だ」
別に悪くないという顔をしてるので、私も安心。
まぁ家でもいいけど、本気でなんかすることもないだろうし……でも私の家なぁ、おもしろいもん一つもないしなぁ。
てか誰かを招待とかしたことないなぁ、マルゼンスキーも入ったことないし。
「っし、じゃあ行こっかゲーセン」
「人多いが大丈夫か?」
「……たぶん!」
意気揚々と立ち上がって、ブライアンと一緒に店を出る。
お会計は任せなさいな!
◆◇◆◇◆◇
ウチ、タマモクロスは学園内のジムにおった。
無理しない程度での自主練中。持ち上げたバーベルを元の場所に戻して、首にかけたタオルで汗を拭いてから息をつく。時刻は3時を回ったとこや……。
いつもなら遊びに行ってもええんやけど、オグリは地元の友達と遊びに行ってるらしいし、クリークはトレーニングらしい。
ウチは次のレースに備えて、気ぃ抜きすぎんようにせな……。
「タマモ先輩、お疲れさまです」
「んぁ、シチーか」
金髪のウマ娘、ゴールドシチー。
モデルもやってるウマ娘で、キャッチコピーは100年に1度の美少女ウマ娘らしい……ウチのトレーナーも100年に1度ぐらいの逸材やと思うけどな! いろんな意味で!
まぁそれはどうでも、いやどうでもよくないけど今は良い。
「どしたん?」
「ううん、友達がタマモ先輩のトレーナー街で見かけたって言ってたから……トレーニングついでに見つけたし一応報告」
「まぁ街ぐらいに出……」
出るか? あの出不精、しかも人酔いするヤツが?
「……ま、どうでもいいですよね」
「いや待てシチー」
「へ、はい」
いや、どうせマルゼンって落ちじゃ―――。
「えーおったまげーよ!」
ちゃうらしい。廊下から声聞こえてくるし言葉づかいが間違いない。
「誰や?」
「なにがです?」
「……一緒におったの」
くっ、別にオフの日ぐらい好きにすりゃええんやけどな、一応トレーナーの動向はな!?
「ブライアンらしいですけど」
「ブッライアンッ!?」
まさかのブライアン! なんやアイツ、デートか、デート誘ったんか!?
「……タマモ先輩、怖い顔してますよ?」
「ウチが? ハハハ、んなわけないやろぉ」
ま、まぁデートぐらいはな。ブライアンやってちゃんとしとるやろし……しとるよな? いやまぁ、ええっちゃええねんけどでもなんていうかなぁ。あかん、また考え込んでもうた!
シチーはポカンとしてウチを見てた。
静かに深く深呼吸をしてから、スイッチを切り替える。
「すまんなシチー、ちょっと気になることが」
「気になるなぁ、タマモ先輩のトレーナー……クロネさん、だっけ」
「いや、気にせんでええ……戻れなくなんで!」
「危ないなにかじゃないですか」
間違ってへんけどな。
「中毒性とかあるし」
「絶対危ないヤツだ……」
まぁ、おおむね間違ってへんな。
◆◇◆◇◆◇
ゲーセンって久しぶりに来たなぁ。てかここ、こんなに混んでたっけ……きつぅ。
興味ありげに見て回るブライアンの後をついていくのだけど……ひ、人の壁をなんとかする能力は私にはございませんよ!
わわっ、離れちゃう!
「……ん」
「へ?」
止まったブライアンが、左手を差し出してくる。
「そ、それはちょっと……」
さすがに手を繋ぐのはね。
うろたえる私を見かねたのか、ブライアンは私の右手を取る。
「へぁっ!?」
「いくぞ、クロネの案内がないとわからない」
「あ、は、はい……」
うわぁ、顔あっつぅ……いやいや私はノーマルなのよ!? そっちのケはないのよ!?
「て、てか、ブライアンってどんなゲーム好き?」
「……わからん。人形を取ったりはできる」
「あ~私も結構やったなぁ」
UFOキャッチャー、ものにもよるけど行列もできないし、対戦ゲームみたく乱入もなくて好きなんだよねぇ。まったりとできるし……。
当時はマルゼンスキーに頼まれてマルゼンスキーの人形獲った記憶がある。別にいらないらしくて私が持って帰ったけど、あれってどうしたっけかなぁ。
ブライアンに手を引かれて、一台のUFOキャッチャーの前で止まる。その中には、沢山のウマ娘たちの人形。
「あ、ルドルフとかいる」
「シービーもだな、まぁ当然か……」
来年にはタマちゃんとかも追加されるんだろうなぁ……人気ウマ娘になるだろうし!
それに、他にも沢山増えてくんだろうなぁ。なんだかその感じが懐かしい。
あ、マルゼンスキーもあるじゃん……昔よりもデキ良くなった?
「ブライアンもその内ここに、ね」
「ん、デビューしたら速攻だ」
「凄い自信」
「クロネがいるからな、私には」
……コイツ、天然ジゴロってやつか!
「あ、シリウスもある」
「ん……?」
「そう言えばまた海外行ったんだよねぇ」
基本的に今は海外で走っているシリウスは、たまにこっちに帰ってくるそうで……凱旋門賞にも出るとか言っていた。
ウマ娘にとっては出るだけでも名誉なことだけど……。
日本のウマ娘にとってはやっぱり不利だ。コース自体もそうだけど、海外のウマ娘にとっては当然のラフなレースは、ウチの娘たちには経験させたくないなぁ。
まぁジャパンカップなんてのもあるからどうなるかわからないけど……。
「なんか獲ってあげよっか?」
「……」
「え、なんか言ってよ」
空いた片手を顎に置いて、唸るブライアン。
「姉貴もまだ無いしな……」
「ルドルフぐらい獲っておこうか?」
「実物をよく見るからな」
それを言っちゃぁおしまいよ。
「クロネがあればよかったが」
「私のこと大好きすぎない?」
「そうだが」
―――ッッッ!!?
「こ、この暴れウマ娘っ」
「ん?」
くぅっ、私がここまで押されるとはっ、心のATフィールドの硬度がたりねぇ! 硬度10ダイヤモンドパワー!
「クロネ」
「んぁ、なに?」
ふぅ、ちょっと落ち着け落ち着くんだ……冷却冷却。
ブライアンに手を軽く引かれてそちらをむけば……いやいや、ブライアンだってああいうの得意そうじゃないでしょ! 私昔のヤツしか知らないし!
やめとけやめとけ! アイツは陰キャの健康に悪いんだ。盛れるらしいけど良いんだか悪いんだか……プリントシール機、プリクラ、独身。
仕事はまじめでそつなくこなすが今ひとつ情熱のない機械……なんか陽キャご用達っぽいチャラついた外装をしているため中高生にはもてるんだぜ。悪いやつじゃあないんだが、写真然り色々と盛りすぎる存在感濃いめの機械さ。
「……クロネ?」
「ハッ、ご、ごめん……い、いくの?」
「ダメならいいが」
くっ、誘った手前NOはない!
しかし、私が最後に撮ったプリクラはマルゼンスキーとジャックフロストかなんかが写った古めかしいやつ! あ、自分で古めかしいとか言っちゃった!
くそぉ! でもブライアンが寂しそうな顔をして……いやいつも通りだけど!
「い、行こうか……!」
「いいのか?」
「ま、まぁなんとかなるでしょっ!」
ブライアンの手を引いて、機械の前に……うぷっ。
「顔、青くないか?」
「気のせい気のせい……」
キャピキャピ(死語)した娘たちが中に入っている声が聞こえる。
しょうがない、待つか……てか、視線集めてる気がする。いや、気がするじゃなくて視線集めてませんかこれ!? そりゃそうかー! ブライアンかっこいいもんなぁっ!?
ぐぅ、しかもそんなブライアンより頭一つデカい私よ、しかもド陰キャオーラあるし、くそぉ……笑われてやせんか!? 実に空虚じゃありゃせんか!? 私は先の時代の敗北者じゃけぇ。
くっ、テンション上げなくては乗り越えられない! お、出てくるみたい。
少しばかり、手に力がこもるのも仕方ないと思う。
「……でさー!」
「私のトレーナーさぁー」
トレセンの生徒じゃねーか!
「あ、ナリタブライアン」
「え、ホントだ」
「……」
うわぁ、ブライアンの後、私に視線動かされたぁ。
知らないふりするのが正解か!? どうするんですかブライアンさん!
「いくぞ」
「ふぇっ!?」
いつも通りの声音のブライアンに、少し強めに手を引かれて、仕切りをくぐって機械の中に入る。
数年ぶり、まるで別の機械かのようなそこに私は眩暈すら覚えるのも許してほしい。
うわぁ、やけに煌びやか……温暖色が恋しい。
「さっきのナリタブライアンとそのトレーナーだよね!?」
「え、そういう感じ!?」
「きゃー!」
「キマシタワー!」
言いたい放題言っちゃって……キテないよ!
「中、こんな感じなのか……」
「こんな感じだよ」
知らんけど。
ブライアンはしばらく機械とにらめっこしてから……。
「……頼んだ」
「えー、一緒に考えてよぉ」
「ん、わかった」
くそぉ、とりあえず小銭入れればなんとかなるかな?
てかデートっぽいなこれ……いや生徒とデートとかなに!? ダメでしょ!
あ、あ、焦るな、とりあえずプリクラ撮って帰るだけ、こんなもの造作もない……大人はプリクラなんかに負けないんだよ!
―――そのあとのことは、もう思い出したくない。二度と撮るか!
あとがき
デート回、まぁ個別イベントというかなんというか
とりあえず今回はブライアン回(第一弾)っした
次は別キャラの個別回になる感じっす
今回のその後とかは後々に小出ししてくつもりっすー
それでは次回もお楽しみいただければー