中央歴1639年6月13日 ムー
「共和国から送られてきた信じられない映像です」
今日のニュース12は特番が組まれ共和国軍がオミ沖海戦で使った無人機攻撃の映像を空軍技官や政治家が解説をする番組となっていた。
「・・・無人機自体の原理は魔法社会のゴーレムと変わりません。しかし。誘導距離の長さが画期的なのです、対ゴーレムの戦法である術師を狙うことが難しくなります。」
「術師の目視ではないとすると彼らはどのように運用しているのでしょうか?」
「無人機に取り付けたカメラからリアルタイムに情報を受け取って操作しているはずです。」
技官はは一区切りをつけると
「これは軍事機密でしたが伝えるべきでしょう。無人機の概念と実物は我が国にも存在しています
しかし運用面や信頼性は実戦に耐えられるものではない。しかし彼らはそれを私たちの理想以上に
運用している。」
技官は言い残すとスタジオを後にした。そうして軍事に対する解説が終わると。次の話題は共和国の国家体制について移り変わった。
「共和国が掲げる社会主義体制とは何なんでしょうか?」
「近頃のごろつきどもが言っている労働者と資本家の平等。労働者による評議会による企業運営などですねまさか、そんな体制成立できるとは思いもよりませんでした。」
コメンテーターの一人が苦々しく答えた。
国内の不穏分子は共和国の存在によって革命への意欲を高め治安の悪化が起こるだろう
「第三文明圏における多数の国の崩壊はかの国の手引きで行われています。その上に彼らは世界革命を掲げ文明圏を超えた勢力の確立を明言しています。非常に警戒すべき国でしょう」
この放送は各国に共和国への警戒感を抱かせるのに十分であった。それと同時にその強さに救いを見た人々も多数生まれたのだ、情報部はかれらをを革命への先兵にすべく暗躍を始める
同日 第八帝国 グラ・バルカス帝国
「見たか、あれを」
「はい、この世界で最も警戒すべき国家でしょう。我が国も無人機の概念は持っていますし
試作機でのテストをやっております。ですが・・・」
グラ・バルカス軍においても爆撃機を無人機化し突っ込ませるアイディアは軍上層部からの支援を受け複数の試験運用をされていたがどれも誘導面での不具合が多発し計画は放棄されていた。
「いわなくてもいい。共和国は我々が完成させようとした無人機システムを完成させていると言いたいのだろ。あの国に対しての評価は改めなくな。」
グラ・バルカス帝国は共和国の戦力評価を改めこの世界で最も危険な国として共和国を位置づけ重点的な諜報活動を始めた。
その活動は情報部の認知されることとなり偽情報を流すために利用されることになる
同日 神聖ミリシアル帝国
謎の侵略国家である共和国の内情を探るために四苦八苦していた外務省に共和国からの要求が届いたのはニュース12の放送が終わってすぐのことだった。
「共和国がわが軍の兵器の購入を打診してきただと!」
「それも現在退役寸前の旧式兵器群をです」
ムー帝国から流れる共和国からの映像はこの国に高度な兵器体系が存在していることは明らかだった。それだというのにはるかに劣る兵器の購入を打診するのには何かわけがあるに違いない
「共和国の人間は魔法が使えないと聞いているぞ。なぜ魔道兵器を法外な価格で購入しようとしているのだ?」
「一つは30カ国の国がかの国の傘下に入ったことが関係しているでしょう、いきなり科学文明産の兵器の導入は彼らにとっても負担がかかりますから」
「二つ目は共和国が魔法に恐怖しているのでは?かの国は異世界からやって来ました
魔法を知らぬ彼らが魔法文明の力に慄いているのならわれらの技術体系を知るために購入するのでしょう」
共和国という危険な国家が魔法まで知ったらそれこそラヴァーナル帝国の再来だ。やはり・・・
「この交渉はなかったことにすべきだな」
「いいえ閣下、我々も共和国の旧式兵器を要求するべきです。奴らが技術体系を知らないように我々もまた知りません。パーパルディア皇国の兵器から学習をされる前に奴らの技術を知るべきです」
パーパルディアの魔道技術は劣っているがそれでも技術体系を知ることができるというわけか。
逆に我が国はこの交渉を逃せば共和国の技術水準を図ることが難しくなるということだな。
「分かった、奴らの技術水準を知ろう。私は皇帝陛下に共和国との兵器間取引の実施と外交関係樹立を働きかける」
外務省からの提案をミリシアル8世は共和国側の外交官に監視をつけることを条件として承諾
一月後共和国側からはT-54が3両がミリシアル側からはイクシオン20mm対空魔光砲2門ががそれぞれ外交関係の始まりを告げる贈り物として贈られ両国の技官をひどく驚かせることなる。
同日 パーパルディア皇国
「カイオス!なんだこれは!!!!」
パーパルディア皇国が完成させていた映像システムに映し出されていたのは。共和国軍の攻撃によって沈んでゆく監察軍の艦隊だった。
皇帝ルディアスは激怒した。パーパルディアの威信を見せる行動の結果がムーのテレビ番組によって知らされたからだ。激怒の理由にはもう一つ理由がある。近年皇国にライバル国が登場したのだ。
魔族領に対しての聖戦の勝利によって兄弟国であるエスペラント王国に再会した後に一つの国となったトーパ連合王国はエスペラントの技術力によって急速に国力を強め新たな列強と呼ばれるほどの力を持つにいたりその影響力を拡大していた。
その中で世界中にパーパルディアの弱さを見せることは列強の地位と大陸の覇権を奪われる可能性を高めるのだった。
「陛下、トーパは此度の敗戦の結果魔王領征服戦争に我々が介入しないと確信しています。すでに
動員の向けて準備が行われ開戦は間近でしょう」
エルトが敗戦による連合王国への影響を皇帝に伝える。
「両国の戦力から考えてトーパは魔王領を征服するでしょう、グラメウス大陸の豊富な魔石資源を獲得すれば連合王国は名実ともに第三世界の最強の列強になることは間違いなしです。」
すでにトーパの近隣諸国は皇国の支配下からトーパに鞍替えを済ませている。
共和国の出現でさらに属国を失い外交での敗退は明らかだった。
「連合王国といえば連発式銃の威力が脅威だが新式銃の開発はどうなっているんだ」
連合王国のリボルビングライフルを秘密裏に入手した皇国は性能審査をしたところ
マスケット銃の2倍の射程に3倍の斉射速度という圧倒的な性能差が実証された。
その脅威を知っているアルデが技官に兵器開発の進捗を尋ねた。
「幸いなことに開発は順調に進み、来年には配備が可能かと」
その話を聞いたエルトは技官に詰め寄っていう
「来年!?それではこの状況を打開するのには間に合わん欠陥品でもいいすぐに配備しろ」
今の状況下で軍事的な劣勢を示すことは連合王国ににさらなる行動。パーパルディア属国への侵攻という可能性まで秘めているのだ。
新式銃の配備をすれば連合王国の脅威からは一旦は身を守れる。しかし共和国という得体のしれない
強国をどのように相手にするかが残っていた。
「連合王国だけではありません目下最大の脅威は共和国です。かの国は我が国に対してしきりに攻撃的な姿勢を見せています」
映像を見たアルデ含め高級軍人たちが下した判断は非常に高度な技術水準を持って作られたゴーレムであり
現状では敵の自爆攻撃を阻止するのは不可能という結論だ。それをを聞いた皇帝は軍事的に対抗するのは無理であることを知った。
「共和国との友好関係を築かねば我が皇国の繁栄は危ういか・・・」
皇帝ルディアスのつぶやきはパーパルディアが第三文明圏唯一の列強であることを諦め共和国を新しくより列強とみていると受け止めた。
「陛下!何を弱気なことをおしゃっていますか皇国は劣等国に頭を下げるほど弱くはありません!」
そんな雰囲気のなか一人気勢を吐くのは皇族であり未来の皇后のレミール、彼女はフェン王国の後始末に忙しく遅れてやってきたのだ。そんな彼女に皇帝は
「レミールよ、お前もこの映像を見てみよ。悔しいが奴らの実力は本物だ。」
皇帝から言われ映像を見ていくうちにレミールの顔色は刻々と青く染まった。
「こ、これは・・・」
「無理にしゃべらなくてよい。アルデもこれを見た時には同じ反応だった。よいかレミール
お前はエルトと共に共和国の外交をやってほしい何としても奴らとの友好関係をを築かなくてはならんのだ。」
皇帝の目算では皇族という地位と未来の皇后である権威が外務局員の相手を見下す行動を抑えてくれることを期待していた。
「はい陛下」
お答えを聞いて皇帝は外交面での共和国との融和に大きな期待を抱いた。かの国が強国をであろうとも皇国の列強国としての承認は欲しがる上に、第二文明圏、第一文明圏の国々との橋渡しとしても皇国を必要として攻めるマネは行わないと読んだのだ
しかし、皇帝は大きな読み違いをしていた。共和国は第一第二文明圏諸国との友好関係だと望んではいない。共和国は列強という立場も欲しがっていない。共和国が望むのは第三文明圏の革命とパーパルディアの解体だ。