ニーゴヤンデレ概念   作:匿名

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主人公がだいたい悪い


結構みんないるセカイ

気がついたら灰色一色の場所にいて、挙句両手縛られててウケる。いやウケないけど。全く面白くないんだけど。なにこれ誘拐?

 

…いや、この場所のことはよく知ってる。ここは『誰もいないセカイ』…原理はよく分からないが、何故か2Pカラーみたいな初音ミクを初めとしたバーチャルシンガー(ボーカロイド)が存在している俺たちの住む普通の世界とはまた違った()()()()()()()()()()()

 

というよく分からない説明を既に五回くらい受けた。まじで意味わかんないもん。一字一句間違えずにここの説明を思い出せるけどそれでも理解できない。

 

そんなことはどうでもいい!この場所のことなんてどうでもいいんだよ!なんで俺縛られてるわけ?

 

「ドッキリにしてはタチが悪いんだよなぁ…どうしたもんかね」

 

手を縛ってる…感触的に恐らく結束バンドと思われるそれを力で引きちぎろうとしてみるが、ギチギチと軋む音は聞こえても一向に壊れる様子は無い。

 

「誰かー…というか、ミクたちはどこ行った!?」

 

「呼んだ?」

 

「呼んだぁぁあああ!?いたのかミク!これ外して?」

 

「…ごめんね、まふゆのお願いだから」

 

ですよね。何となくそんな気はしてました。ミクが居た方を見てみれば、呑気に手を振ってるルカやため息をつくMEIKO、面倒くさそうにこちらを見てくるリン…あ、これ全員お揃いですね。

 

「あーはいはい、魔王様(まふゆ)お願い(命令)なら仕方ないね。…で、アイツらは?」

 

「そろそろ来ると、思うよ?」

 

「ああそう…」

 

待っているのも暇なので、バチャシン勢を呼んで雑談をしていると、キラキラと光が四つ発生する。このセカイにやって来る時によく見る光だ。

 

光と共に現れたのは、このセカイの主である朝比奈まふゆを初めとした『25時、ナイトコードで。』のメンバーたち。

 

「…おはよう。起きたんだね」

 

「おはようまふゆ。なあ、これ外してくんない?」

 

「ダメ」

 

「なにゆえ!?」

 

オーバーなリアクションをしてはいるが、何となくそうだろうとは察していた。ミクが外してくれなかった時点でお察しではあったのだから。

 

「で、俺をとっ捕まえてどうする気?もしかして今から食べられる?」

 

「…それも良いかもね」

 

「良くないですけど!?」

 

いつも通りの無表情で平然とそんなことを宣うまふゆに慌てて言い返す。こいつならやりかねないからだ。…ふっ、短い人生だった。

 

「食べるなら煮付けがいいなぁ」

 

「お前…そんな性癖が…」

 

「瑞希あんた…」

 

「ねぇ待ってよ!なんでボクだけそんなに言われなきゃいけないの!?」

 

瑞希の叫んだ言葉に俺と絵名は顔を見合わせてつつ首を傾げる。なんでそんなに言われなきゃって言われても…

 

「そりゃまあ…」

 

「瑞希だから…」

 

「「ねえ?」」

 

「ねえ?じゃないよ!もう!」

 

こんな和気あいあいとした会話をしているが、未だ俺の手は縛られたままである。なぜなのか。

 

「三人とも」

 

「「「ん?」」」

 

「ちょっと黙って」

 

「「「ハイ」」」

 

まふゆの言葉に空気が三段階…いや、五段階くらい重くなった気がした。無表情な分さらに怖いんだよなぁ。

 

「笑えば美人なんだから笑おうぜ?いや、まふゆは笑わなくても美人だけど」

 

「…そういう所だよ」

 

「は?」

 

「いま、貴方が縛られてる理由」

 

ふむ、つまり俺が縛られてるのは…なんで?つまりどういうこと?

 

「あー…つまり?」

 

「直ぐに人を口説くところ」

 

「そうそう!そういうの治した方が良いとボクらは思うな~って」

 

「うん、治して」

 

まふゆ以外の三人にボコボコに言われた。口説いてるつもりは無かったんだが?

 

「待て、俺は口説いてるつもりは無い。本心から言ってるんだ」

 

「なおさらタチが悪いわよ!」

 

「…やっぱり、ボクらが管理するしか無いかも」

 

管理とか言い始めたんだが。みなさん表情が怖いですよ?ハイライトどこに落としてきたの?探したら見つかるかな?

 

「うん、とりあえず人権って知ってる?」

 

「人権?ああ、そこに落ちてたやつだよね?捨てといたよ」

 

「人の人権を勝手に捨ててんじゃねぇよ!」

 

パワーワードが過ぎる。なんだ人権捨てといたって。今すぐに回収してきてくれ、頼むから。

 

「…ねえ」

 

「はいなんですか顔が近いですまふゆ様ァ!」

 

ぐっと顔を近づけてきたまふゆから逃げようと体を逸らすが顔を捕まえられて逃げられない。

 

「ねえ、(シュウ)

 

「はい。あと近い」

 

「私たちは貴方のせいでこうなったの」

 

「うん、よく分からんけどちょっと離れようね…てか待った、達?達って言った?」

 

嫌な予感がして、チラリとまふゆの後ろを見てみるとにっこり笑顔の三人組。なお、ハイライトはどこかへ行ってしまった模様。ハイライトさん今すぐに帰ってきて!

 

「言ったよね、奏と一緒に私を救ってくれるって」

 

「ボクのことを繋ぎ止めてくれるって言ったよね?」

 

「それに、私の絵を()()()()応援するって言ってくれた」

 

「みんなを救うために、私を救ってくれるって言ってくれた」

 

だから…と、前置きされる。これはあれだね、既に詰んでる匂いがするぞ?

 

「責任、取ってね」

 

ニッコリと目が笑ってない笑顔を数センチ動けばキス出来そうな距離で浮かべられた。…責任取るのは良いけど、とりあえずこれ外してくれませんかねぇ…?




※ちゃんと結束バンドは外してもらいました。

主人公
春夏冬 秋(あきなし しゅう)
無自覚天然女たらし。
セカイに引き寄せられる特異体質を持ってるヤベー奴。誰もいないセカイに迷い込んだ際にまふゆと知り合い、そこからニーゴとの関わりを持つようになった男。
ニーゴの面々の出してきた、問題(SOS)全てに完璧な解答(救済)を出し続けたせいでこうなった。
だいたい全部こいつのせい。

この作品で一番狂ってるのは誰なのか予想しながら読んでみると楽しいかも。
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