僕のヒーローアカデミア~吸血鬼と為った者~   作:暁月鈴

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十一話~遊戯(ゲーム)を始めよう~

『ヒーローチーム……WIIIIIIN(ウィーン)!!』

 

 オールマイトがヒーローチームの勝利を告げて、第一試合が終了した。

 

 初めてのヒーロー基礎学で行われた、屋内対人戦闘訓練。その第一試合は、ヒーローチームの勝利という結果に終わった。しかし、その内容は余りにも凄惨なものだった。

 

 緑谷くんは全身ボロボロ。最後にアッパーカットを放った右腕にいたっては、他とは比べ物にならないくらいに破壊されていた。

 

 爆豪くんも、私怨丸出しの独断専行。更には、ビルの壁に巨大な風穴をぶち開ける程の大爆発を起こすという飛んでもない事をした。にしても……

 

(これはまた、思いきったことをしたね~)

 

 確かに、オールマイトは『怪我を恐れず思い切りやるように』的なことを言っていた。しかしこれは、思い切りやり過ぎである。何で核のあるビルがあんなボロボロになるわけ?

 

 訓練を終えた生徒達を迎えに行ったオールマイトを見送りつつ、私はそんなことを考えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まぁつっても……今戦のベストは飯田少年だけどな!」

 

「なな!?」

 

 大怪我を負って保健室に運ばれた緑谷くんを除き、試合を終えた者達が戻ってきたところで講評の時間になる。

 

 笑顔のオールマイトが放った一言に、飯田くんはこう驚きながら反応した。

 

「ケロ……勝った緑谷ちゃんやお茶子ちゃんではないの?」

 

 蛙吹さんが口元に人差し指を添えながら、首を傾げて尋ねる。

 

「さてさて、何でだろうな〜?何でだと思う〜?分かる人!」 

 

「はい、オールマイト先生」

 

 勿体ぶるようなオールマイトの問いに、八百万さんが手を挙げて答える。

 

 飯田くんがMVPに値するのは、彼が一番状況設定に準じていたからだと断言し、他の面々の悪い点を指摘し始めた。

 

 爆豪くんには私怨丸出しの独断専行に加え、ヒーローとしても(ヴィラン)としても愚かとしか言いようのない大規模な爆破を。

 

 緑谷くんも、爆豪くんと同様に、ビルの天井までをブチ抜いた凄絶な風圧を。

 

 麗日さんには、中盤の気の緩みと、最後の攻撃が雑すぎたことをそれぞれに指摘していった。

 

 それらに対して、飯田くんは相手への対策を最大限にこなし、核の争奪を想定していたからこそ、麗日さんの突拍子もない行動への対応に遅れてしまった。そういう意味でも彼がMVPとして選ばれるに相応しい。

 

 今回のヒーローチームの勝利は、〈訓練という甘えから生じた反則のようなもの〉という結論を述べて、八百万さんは話を締めくくった。

 

 

 途端、その場がシーンと静まりかえる。

 

 オールマイトは笑顔を保っているものの、その笑顔は若干ひきつっていた。

 

「ま、まあ!飯田少年にも固すぎる節はあった訳だが……正解だよ!くぅ〜!」

 

 若干プルプルしながらも、オールマイトは笑顔でサムズアップする。

 

「常に下学上達!一意専心に励まねばトップヒーローなどなれませんので!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一戦目からとんでもないものを見せつけられたものの、ここはヒーロー科。誰も委縮するようなことはなかった。むしろ皆、最初以上のやる気に満ちている。

 

 そうして、二戦目、三戦目と、初戦の出来事がまるで嘘のように、スムーズ進んでいく。そして、私以外の全てのクラスメイトの個性と戦い方をそれなり把握したところで、私の番となった。

 

「ふむ、どうやらあとは夜桜少女のKチームのみのようだね!戦いたいチーム!!」

 

 オールマイトが腕を掲げて対戦相手を募る。すると、この場にいない緑谷くんと爆豪くんを除いた全員が、それに応じて手を上げた。

 

 あの爆弾魔(爆豪くん)が手を上げなかったのが余りにも以外だったので、彼の様子を見てみると、完全に意気消沈としていた。アイツに敗北したのがよっぽどショックな様だ。

 

 

『ウンウン、皆やる気のあって結構!ただし、授業の終了時間も迫ってきてるからね!!対戦相手等はくじで決めさせてもらうよ!!』

 

 

 そして、オールマイトはくじ箱に手を入れて、一つの玉を取り出した。

 

 その玉に記載されている文字は『B』。二戦目でビル全体を凍らせるという、圧倒的な実力を見せて勝利したチームだ。

 

 対戦相手の二人に視線を送る。すると、対戦相手の二人と目が合った。

 

 

『ヒーロー側がBチーム、(ヴィラン)側がKチームだ!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ………夜桜フラン…か

 

 俺は対戦相手の彼女についてのことを思い出す。

 

 個性把握テストで見せた、あの圧倒的なまでの身体能力に加え、どんなものでも破壊するという、余りにも強すぎる能力も兼ね備えているらしい。

 

(──最初にやった、氷結はおそらく通じないだろう。それに全員の中で一番個性についての謎の多い。油断を誘ってから捕獲するか……?いや、一人が引き付けてもう一人が核に触れるほうが勝率が高い)

 

「──どうする?轟」

 

「───どちらかがアイツを引き付けて、その隙にもう一人が核に触れる。恐らくこれが一番勝率が高い。」

 

「──二人で一緒に戦った方がいいんじゃないか?」

 

「いや、二人で挑んでどっちも捕まるほうがマズイし、俺は一人の方が戦いやすい。だから別行動にしたいと思う。」

 

「そうか………分かった」

 

 

『さて、それでは両チーム準備は良いかな?それでは!BチームKチームによる、屋内対人戦闘訓練スタート!』

 

 

 オールマイトが合図を出して、戦闘訓練が始まった。俺はまず障子に中がどうなっているのかを聞く。

 

「──くっ……」

 

「……どうだ?」

 

「すまない……夜桜の位置と核のある場所がわからない」

 

「そうか……」

 

 こうなることは、ある程度予想していた。空を飛べる以上、足音は聞こえないのは当然の事だし、こちらから視覚になる場所、または窓がない部屋とかに核があるなら核を見つけきれなくても仕方ない。

 

「……中に入って確認するぞ」

 

「……分かった」 

 

 そして、俺たちはビルの中に入る。罠が仕掛けられている様子もなく、ビルの中はシーンと静まり返っていた。

 

「俺は右から探す。おまえは左だ。ただ、アイツを見つけたら連絡しろ」

 

「了解」

 

 そうやり取りを交わした後、俺達は分かれて行動を開始しようとした、その時だった

 

 

「かーごーめー

  かーごーめー♪︎」

 

 

 突然聞こえたその声に、俺と障子は身構える。すると、さっきまで何もいなかった場所からにじみ出るかのようにして、アイツは……夜桜は表れた。

 

 

「後ろの 正面・・・・・・

   ・・・・・・だ~あれ!」

 

 

 アイツがそう言った次の瞬間、俺達の周りは緑色に光る玉で囲まれた。そして……

 

 

(ヴィラン)チーム……WIIIIIIN(ウィーン)!!』

 

 

 俺達は手も足も出ずに、アイツに叩き潰された……

 




戦闘シーン フラン側の視点も書いた方がいいでしょうか?
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