僕のヒーローアカデミア~吸血鬼と為った者~   作:暁月鈴

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十三話~役員決め…そして一騒動~

 学校で初めての戦闘訓練を行った次の日のこと。

 

「・・・・・・何これ?」

 

 学校の前は、たくさんの人で群がっていた。その人達の姿は、スーツや私服と格好こそ様々ではあるが、共通してマイクやカメラ、ボイスレコーダーを構えている。それに、皆して校門前を塞ぐ様に立っているため、学校に入ることが出来ない。『オールマイトの授業についてどう思ってますか』や『“平和の象徴”が教壇に立っているということで様子など聞かせて下さい!』なんて言うのが聞こえてくる。おそらく、というかほぼ間違いなくオールマイトが目当てだろう。

 

 日除けのために帽子とコートを身につけているのが幸いして、私が『雄英の生徒』と思っている人はいないけど、普通に入ろうとすれば、すぐマスコミに捕まるだろう。だったら……

 

──・・・上から行くか

 

 そう考えた私は、空を飛んで上から校内に入り込む。マスコミの人達は皆して地上にいる生徒に視線を向けているため、誰も私に気づいていない。そのため、簡単に学校に入ることが出来た。

 

「・・・ふぅ~」

 

「おい夜桜。仕方ないとはいえ"個性"を使うな」

 

「あ、相澤さん」

 

 学校に入ると、相澤さ……じゃなかった。相澤先生に"個性"を使ったことを注意された。あと、学校では"先生"を付けろとも言われた。その後、私は教室へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はいおはよう。昨日の戦闘訓練お疲れ。Vと成績は見させてもらったぞ」

 

 クラスに人が集まって、ホームルームの時間。相澤先生はプリントの束を片手に教卓の前に立つと、チャイムが鳴り終わるのを見計らったように口を開く。全体に対しては特に言及はなく、爆豪くんと緑谷くんにそれぞれ注意と、激励とも取れるような言葉を伝えていた。

 

「……さて、HRの本題だ。急で悪いが今日は君らに……」

 

 相澤先生がそういった瞬間、クラス全体にピリッとした空気が流れる。また、抜き打ちテストでもするのかな?

 

 私はそう思ったけど、それは違っていた。

 

「学級委員長を決めてもらう」

 

「「「学校っぽいの来たあああああ!!!」」」

 

 うわ、物凄い学校っぽい。あと、うるさい。

 

 学級委員長というクラスを導く役を決めるとあって、クラスの大半が手を上げて立候補を申し出る。まあ、私は立候補してないんだけど。学級委員長なんて私には出来そうに無いしね。

 

 誰もが妥協の姿勢を見せず、我こそはと手を挙げ続けている。このままではキリがないのは明らかだった。

 

「静粛にしたまえ!」

 

 そんな様子を鑑みてか、飯田くんが声を上げる。 

 

「"多"を牽引する仕事だぞ!『やりたい者』がやれるモノではないだろう!周囲からの信頼あってこそ務まる聖務だと俺は思う……!民主主義に則り、真のリーダーを皆で決めるのなら……これは投票で決めるべき議案ではないだろうか!?」

 

 なるほど……それは尤もな話だ。やりたいからと立候補し、実際にリーダーとして選ばれた人が人望の無い人だったら、ついていこうと思う人なんていないだろうし。

 

 確かに飯田くんの言う通りだ。ただー

 

(その"手"が無ければ、説得力があっただろうに……)

 

 そう。飯田くんは手を綺麗に上げていた。それは皆から「そびえ立ってんじゃねーか!!」と総ツッコミを食らう程には、真っ直ぐに。

 

 投票にしても自分に入れるという意見が多かったけど、相澤先生は時間内に終わればどんな決め方でも良いという。ならばと試しに投票してみた結果・・・

 

「僕三票―――!!!?」

 

「まぁ、私も三票ですわ」

 

 緑谷くんと八百万さんが得票同数のトップ、という形になった。

 

 その後は、二人で委員長を決めるジャンケンを行い、それに勝利した緑谷くんが委員長、八百万さんが副委員長に就任する運びとなった。八百万さんは少々悔しそうにしてたけど、まぁ決まってしまったものは仕方ない。他の皆も特に異論はないと言うので、さして時間もかからずに学級イベントは終了した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お昼休み

 

 他の皆よりも早く食事(吸血)を終えた私は、木陰でのんびりと休んでいた。そのままうたた寝をしようとした瞬間ー

 

「───・・・・・・っ!!」

 

 何か物凄い悪寒を感じて、思わず飛び上がる。辺りを見渡すも特に何かあるわけでもない。じゃあ、さっき感じたのは一体・・・?

 

 そんなことを考えていると

 

 

ウー!ウー!ウー!

 

 

〈緊急警報発令!セキュリティ3が突破されました!生徒は至急屋外へ避難してください!繰り返します……〉

 

 

 辺りに警報が鳴り響き、セキリュティ3が突破……校舎内に誰かが侵入したことを知らされる。

 

 そして、私は【レーヴァテイン】を片手に空を飛び、辺りを見渡す。すると、私の目はある光景を捕らえた。

 

「あれって・・・マスコミ?」

 

 そこには、大量のマスコミが校舎内に入り込んでいた。さっきの悪寒はこの人達が原因なのか?

 

 とりあえず、侵入者がマスコミだと分かって一安心した私は【レーヴァテイン】を解除し、地上へ降り立つ。そしてふと時計を見ると、そろそろ授業が始まる時間になるため、私は教室へと足を運んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ホラ、委員長始めて」

 

 お昼休みが終わると残った役職を決めるため、ホームルームの続きが始まった。緑谷くんは副委員長の八百万さんに促され、緊張から何度も言葉を詰まらせつつ進行を執る。

 

「──その前に、い、いいですか?……委員長は、やっぱり飯田君がいいと思います。あんなふうにかっこよく人をまとめられるんだ。僕は、飯田君がやるのが正しいと思うよ」

 

 さっきとはうって変わって穏やかな表情で話をする緑谷くん。いや、何があったの?というか、そういうのって勝手に決めていいの?すると、他のクラスメイト達も、緑谷くんの提案に賛同してくれる。

 

 当の本人はしばらく呆然としていたけど、我に返ると委員長になることを快く承諾した。

 

 こうして飯田くんは晴れて委員長となり、今日一日だけ、何故か『非常口飯田』なんて呼ばれましたとさ。めでたしめでたしってね。

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