白いものは何にでも染まる。赤、青、黄色…白は混じり気のない色だ。例えその染まる色が…たとえ黒でも綺麗に染まってしまう…。
ーウマ娘と出会う6年前、大本営ー
提督「…お呼びでしょうか」
元帥「うむ、君に頼みたい事がある」
提督「…頼み事ですか」
元帥「ああ、もしかしたら死ぬかもしれない仕事だ」
元帥「…君に横須賀鎮守府に着任して欲しい」
横須賀鎮守府…聞いたことがある。ブラック鎮守府で提督が無茶な進軍や補給無視、艦娘の酷使で更迭された鎮守府だと…。
元帥「過去に3人の者を送ったが尽く追い返された。皆這う這うの体でかえってきた…。そこでだ、文武両道の君を送りたい」
提督「…分かりました。できる限り頑張ってみます」
元帥「ありがとう…。もし何か準備して欲しいものがあれば言ってくれ。艦娘が襲ってくる可能性もある」
提督「…では1つだけ頂けますか?」
元帥「なんだ?」
提督「木刀1本です」
ー横須賀鎮守府、正門ー
駅をおりてしばらく歩いて鎮守府に到着した。門はボロボロであり建物は原型を留めていなかった。
提督「…取り敢えず入ろうか」
?「…覚悟!」ダッ!
提督「…そう言っている暇も無さそうだな」
神通「恨みはありませんが…!」
提督「…恨みがないなら攻撃するなよ」パシっ!
神通「?!(取った?!)」
提督「これは没収だ」ドガッ!
神通「うぐっ?!」
提督「隙ありだ」押し倒し
神通(や…殺られる…)ドスッ!
提督「…型がガタガタだ。基礎から学び治せ」←神通の顔の横に刀を突き刺した
神通「…」ペタッ…
神通「…な…なんなんですか…」
摩耶『軍人はかえ…うわぁ?!』ドガッ!
提督『お前も軍人だろ』
加賀『貴方が来る場所ではないわ…?!』パシュッ!
提督『弓は接近戦に弱い、刀で近づかれたら終わりだ』
天龍『おい勝負しよ…うげぇ?!』ドガッ!
提督『話す暇があれば攻撃しろ』
道中に立ち塞がる艦娘を全て気絶、もしくは戦闘不能にしてようやく執務室に着いた。
睦月「な…何者にゃし…」
時雨「…ここまで来るのに艦娘を薙ぎ倒してきたんだ…」
陽炎「…な…なんてやつよ…」
提督「…別に俺は攻撃するわけじゃない。まずは話を聞いてくれ」
夕立「そんなの嘘っぽい!早く帰るっぽい!」
提督「…なら俺が指揮官に足りえない者だと感じたら殺せばいい。信じないやつはいつでも襲ってこい、それで気が済むなら俺はいつでも相手になる」
吹雪「…」
その翌日から艦娘による攻撃が始まった。
神通「覚悟!」
提督「甘いな」ガギッ!
神通(攻撃をはじかれた?!)
提督「…勝負ありだな」←腹に木刀を当てられた
神通「…くっ…」
提督「腕はいい。もう少し鍛えろ」
由良「提督さん、どうぞ」←ご飯
提督「お、ありがたいな」パクッ…
由良「…」
提督「…ん…なんだ…この眠気…」
由良「今よ!」
五十鈴「好きだらけよ!」
鬼怒「じゃあね!」
ガキッ!
提督「…奥歯に気付け薬があって助かった…。睡眠薬か…確かにふらっと来たよ」←書類でガード
五十鈴「嘘?!」
提督「…書類ボロボロだな。後で作り直そうか」
由良「…」
天龍「おい、昨日の続きだ。覚悟しろ」
提督「そう言って昨日も負けただろ…」
天龍「うそ…だろ…」バタッ…
提督「…お前は単調だ。もう少し攻撃に幅をつけろ」
そう言ってしばらくの間、死に直面しながらも何とか生を保ってきた。その中でも協力してくれる艦娘も現れた。
提督「…もうしばらくかかりそうだな」
吹雪「…あ…あの…何か手伝いましょうか?」
提督「…じゃあこれを頼む」
赤城「提督、お疲れ様です。お茶を入れましょうか?」
提督「ああ、頼む」
赤城と吹雪は特に積極的に手伝ってくれた。赤城は後に殺すために近づいたと分かったんだけどな…。
そんなある日、俺と艦娘の関係を一篇させる出来事が起こった。
夕立「て…提督さん!吹雪ちゃん達が捕まったっぽい!」
提督「…何?」
吹雪達が捕まった。艦娘が対応に困っている時、俺は敵に遭遇した場所、そして捕まってどのくらいだったかを聞いた。
瑞鶴「どうするのよ!赤城さん達が捕まってもし殺されでもしたら…」
大和「取り敢えず救出部隊を…」
提督「…その必要は無い」
長門「何?」
提督「お前らが行ったら警戒される。下手したら人質に取られて身動き出来ない」
瑞鶴「じゃあどうしろと?!もしかして見捨てろでも…」
提督「逆だ」
蒼龍「えっ?」
提督「俺があいつらを助ける」
俺は1人敵の薄いところから入り、頭を潰した。
提督「…敵が弱いな。これならあいつらの方がよっぽど強い」
ル級「ガボッ…」
提督「さて…最期に言い残すことは?」
深海提督「ま…まて!死にたくな…」
提督「さよなら」ドキューン!
その後赤城らを救出、生き残った深海棲艦は派手に死んでもらった。俺は元々特殊部隊且つ拷問官だったからそれはもう最期には命乞いしながら原型を留めずに奴らは死んだ。死んだ後は解体して秋刀魚の餌になった。
ー?ー
提督「冷凍した深海棲艦を解体する。俺が切っていくからそれを運んでくれ」
長門「…わ…わかった…」ギュッーーー!!
提督「次はミンチにしてそれを海にまく。そうすればこの世から奴らの死体が全て消えることとなる」※これはヤクザとかがやる死体処理法です。
瑞鶴「う…うえっ…」
神通「…な……」
提督「…」
ー数時間後ー
吹雪「…司令官は…なんでそんなに非情になれるんですか」ポイッ!
提督「…家族を深海棲艦に殺されたからだ。人知れず砲撃を受けて俺が駆けつけた時にはもう…人の姿じゃなかった」
赤城「…」
提督「…だから俺は非情になる。全ての深海棲艦を討ち果たしてこの戦いに勝利する…それが俺が両親にできる償いと恩返しだと思ってる」
赤城「…償い…ですか?」
提督「ああ…。魚が寄ってきたぞ。早く捕まえて帰ろう」
艦娘「…」
戦国大名、毛利元就の言葉にこんな言葉がある。
『まず、村を見つけたら第1、第2、第3発見者を殺せ。その後数件に家に火を放ち笑顔で村長に『味方にならないか?』と言え』
自らを侮られない力と逆らわないようにする為に知恵が全ての詰まった言葉と思う。俺の場合は艦娘を返り討ちにし、見せしめに深海棲艦を殺し艦娘を力で黙らせた。その後、飴である暮らしの改革をすることによって仲を深めていく。飴が強過ぎれば舐められ、鞭が厳しすぎれば氾濫を起こされる。そのさじ加減が大事となる。それを何とか実践できた。
それから艦娘が俺を見る目が変わった。今まで攻撃してきた艦娘がそれをやめて謝ってきた。俺はそれを笑って許し、2ヶ月でようやく艦娘との和解を果たすことが出来た。その後は環境を整え、艦娘に負担のない作戦を立て着実に功を重ねた。そして14人の艦娘と結婚した。敵対していた艦娘とも今は上手くやっている。
そして俺はある一言を艦娘に伝えた。
『人生は暗く道標のない大地をひたすら歩くようなものだ。1寸先がどうなってるかなんて明日の俺らには知る術もない。足元には崖下には拡がってるかもしれない、もしくは1歩進めば天に昇る階段があるかもしれない。それが知りたくて灯りを探す。間違っている、幻覚であるかもしれないがとにかく探し続けるために。自分の航海を無事に終える為に。お前らは今まで暗がりを歩いてきた。夜の海を灯台の灯りもなく、松明も無く、ただ間違った灯りを見ていた。ならば…俺はお前達を正しい航路に導く灯台の灯りとなろう』
着任して6年目、俺に突然辞令が下った。トレセン学園への出立だ。この事は一切艦娘に言わないように口止めされた。そして約束の日、俺はトレセン学園へと向かった。
これが全ての始まりだとは知らずに…。
ー前日談、〜完〜ー
ここから始まりに繋がります。気になった方は本編第1話を読んでみてください。
過去作ではありますが次に投稿する小説は何がいい?(カッコ内はテーマ)
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逃亡提督…艦娘から逃れろ!(人生)
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病んだ艦娘から逃れて…(ヤンデレ)
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光を求めて…(復讐)
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裏切り者に逆襲を(裏切りと忠義)
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そんな事より艦これの新作作れ
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そんな事よりウマ娘の新作を作れ
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ウマ娘と艦これのクロスオーバー作れ