キキーッバンバン団長〜!止まるんじゃねぇぞ!
死んだ。
転生した。
「ここは…?」
俺はある施設の門の前にいた。
入口から既にわかるほどの広大な敷地を持つだろうその施設の門には「日本ウマ娘トレーニングセンター学園」とある。ここで気づくが今回の転生の「設定」はこういう識字とかはご都合で誤魔化されるタイプのようだ。
「オルガ」
後ろから俺を呼ぶ女性の声がした。聞いたことは無いが何故か聞き慣れたようなその声の主は…
「やっぱり、オルガだ」
三日月・オーガスだった。しかし声もさることながら髪、体つきは全て女性のものだった。
「ミカ、その姿は…」
「わかんない。おれ、女になったみたいだね」
自分の胸を触りながら「邪魔だなこれ、クーデリアは大変だったんだ」とか呟いてるミカにはまだ見慣れないものがついている。
「ミカお前それ…」
「ああこれ?なんかついてたんだ」
ミカのその頭についているのは間違いなく動物の耳だった。
「尻尾はバルバトスのおかげで違和感ないや」
「えぇ…これってどういう…」
そんなことを言ってると門の方から一人の帽子の女性が駆けてきた。
「あなたが転入してきた子で、あなたが新人のトレーナーさんですね!ようこそ、トレセン学園へ!」
転生の経験からこういうのはなりゆきに任せるのが吉と知っている。
「ああ、よろしく頼む」
「うん、よろしく」
自身を駿川たづな、と名乗ったその女性は何も知らない(仕方ねぇだろ)俺たちにこの学園のいろはを教えてくれた。
ミカのような耳と尻尾の生えたやつが「ウマ娘」。俺はトレーナーとしてそのウマ娘を「レース」に出し一着を取らせればいいわけだ。この学園はその育成のためのものらしい。
ミカに聞いてみると「なんか足がすごく軽い、速く走れそうな気がする」だそうだ。
たづなはミカを生徒寮に連れていくという。俺は後から来る先輩のトレーナーに色々教わるといいですよ、と告げられた。
「それじゃ、私たちは行きますね。これからよろしくお願いします!」
「じゃあねオルガ、また今度」
二人が行くのをぼうっと眺めてたら俺の肩を叩く者。
「君かな、新人トレーナーは」
振り向くとやっぱり。もう嫌。
「なんてね、久しぶりだなオルガ団長」
ハイハイ出ました変態金髪。マクギリス・ファリドの登場です。
「君も転生してトレセン学園に来るとは…運命か」
「いつものことだろ」
俺とマクギリスで並んで歩く。なんでこいつといっつもセットみたいになってんの?
「速いウマ娘が勝つ。シンプルな力が支配する世界…私の求めていたものはこれだ」とどうやらこの金髪はご満悦らしい。
トレーナー室で他のトレーナーに挨拶し、不服ながらマクギリスにトレーナーの仕事やら何やらを教えてもらった。最後にチームの話を始める。
「このトレセン学園ではトレーナーと複数のウマ娘でチームを組むことが定石。例えば私のチーム『チームアグニカ』にはかなりいいウマ娘が揃っている」
嫌なチーム名だ。メンバーはどう思ってるのか聞いてみたい。
「君はどうする、オルガ団長」
「俺か…」
どうせ鉄華団だろ鉄華団にしろと言わんばかりの目をしてくるマクギリスにイラッとしてたまには鉄華団から離れてみようか…と思ったが鉄華団以外思いつかない自分に嫌気がさす。
「考えとくよ、メンバーもミカ以外思いつかねぇし」
「そうか、では明日から共にトレーナーとして頑張ろう」
握手した。いつものなので別にもうなんとも思わん。