「やったな、ミカ!」
「うん、オルガ…ありがと」
見事な結果でデビューを飾ったミカを地下バ道で祝した。
「オルガに言われたことだから…オルガとだから取れた一位だよ」
「まったく、そうやってお前は…まずは待機室に戻るぜ、みんな待ってる」
「うん」
「ミカちゃ~~~~んんん!!!!おめでと~~~~!!!!」
ウララの祝福に少し驚いた顔をしたミカは少し微笑むと「ありがと」と返した。
「とーってもワクワクしたレースでした!」
「ミカちゃんかっこよかった!」
「…おめでと」
チームメンバーが思い思いの言葉を口にするのを後方からほほえましく感じて見ていると、ドアをノックする音が聞こえた。俺しか聞こえなかったようで、俺が開けることにした。
「おめでとう、と言いに来たんだ、三日月・オーガス」
「あんた…チョコレートの人」
マクギリスと石動だった。
「准将を変なあだ名で呼ぶな…しかしさすがは鉄華団といったところか、私からも祝辞を述べさせていただく」
「いや石動、私は今は准将ではない…」
「いいえ准将、准将は准将です」
「そこは譲らないのか…」
やっぱりちょっとマクギリスと石動が仲良くなっている気がする。まあ無理もねぇか。あんな殺伐とした世界との落差ってのはあるもんだ…俺もこっちに来てだいぶリラックスできている。
「わざわざあんがとな、マクギリス」
「なに、同士だからね…それよりこれからのウイニングライブ、楽しみにしておく」
「おお、そうだった…そろそろ行くか」
*
『さぁ今日のウイニングライブ!主役はもちろん華々しいメイクデビューを飾ったこのウマ娘…ミカヅキオーガス!!!』
観客は大いに盛り上がってる。俺は別にいいといったんだが「必須だよ!」とファインに押されちゃんとペンライトも買った。
ステージにライトが灯り、いよいよ始まるようだ。
壇上のミカが息を吸い、歌い始める…曲は「Make debut!」。みんなで行ったカラオケで練習した曲だ…
「…すごい、歌」
「アヤベ」
アヤベが呟くが、それに反応した俺を見てビクッ!と耳を動かしやがて赤面…どうやら思ってたことがつい口に出たらしい。
「なァに恥ずかしがることねぇんじゃねぇのか?」
「…うるさい、ばか」
「いやでもほんとに…ミカに、アイツにあんな才能があったなんてな…」
ちなみにミカは踊らなかった。が、それをカバーして余りある歌唱力に涙を流している者もいて、会場はライブにしては異様な雰囲気だったという。
*
「んじゃあ改めて、ミカ!デビューおめでとう!!!」
「「「「おめでとー!!!!」」」」
「うん、ありがと」
この間打ち上げした場所をもう一回借りて、ミカの祝勝会が始まった。
「呼んでくれてうれしいよ…オルガ団長」
「フォーメーションは4-3で行く…そこ、まだカルビは焼くな!タンが先だ!」
一応マクギリスと石動も呼んだ。石動ってあんなキャラだったっけ…
「ちなみに次のレースなど、考えているのかな」
「次、か…」
「おれ、次は何を走ればいい?」
「待ってくれ…俺は全然レースに詳しくねぇんだ…」
ハハハ、と笑うマクギリス。
「焦らなくていい、ゆっくり決めることをお勧めするよ」
「准将の言う通りだ。急ぎすぎは…貴様何をやっている!ハラミは最後だ!」
平和な世界っていいな…マクギリスも石動も楽しそうだ。前世のあらゆることから解放されたんだろう…もちろん俺とミカも、な。
「おれ野菜セット追加で…あ、肉はいらないよ」
「ラーメンはございますかしら?…あらそう…ではこちらで用意させます♪」
「見て見てトレーナーちゃん!マヤの特性ミックスドリンクバー!」
「にんじん!にんじんもっと!」
「…このふわふわバニラスフレと…ふわふわチョコケーキを…はい、三つずつお願いします…」
「では、私もチョコケーキを頼むとしよう」
「そろそろ網を変える!…違う!今タンは焼くな!」
平和な世界って、いいな…
会計はファインの黒いカードで払った。なんか大人としてどうなの?と言われそうだが俺、金まったくねぇし…