「ん、オルガこれ」
「あ?ったく…」
昼食は食堂でミカと食べる時が多いが、ミカの目的のたいていは『これ』だろう…
「そろそろ肉くらい食えるようになりやがれ」
「えー」
だって生き物の肉ってなんかやだ…とぼやくミカ。多分味が云々というより感覚の問題なんだろうな。
「そうですか!!!!!!!あなたですね!!!!!!!」
「!?」
急に近くで叫ばれたからびっくりした。見ると俺とミカのテーブルの横に腰に手を当て仁王立ちしているウマ娘がひとり。
「…なにあんた」「誰なんだよお前はぁ!」
「お話は聞いています!!!なんでもお肉が食べられないそうなので!!!!栄養の観点で非常に好ましくないと思います!!」
答えになってないな…
「安心してください!!この学級委員長が、あなたに肉を食べさせてあげましょう!!」
「いや…だからあんた誰なんだよ」
「ちょわーーーッ!?まさか!?学級委員長と言えば私、私と言えば学級委員長ではないのですかッ!?むむむ、仕方ありません…ならば教えて差し上げましょう!!」
一体何が起こっているんだ…
「私、サクラバクシンオーと申します!!」
*
「フムフム、なるほど…生き物の肉が食べられない、と」
「なんかやだ」
どうせなら成り行きに任せようと思ってこのサクラバクシンオーの提案を受けることにした。これで肉を食えるようになってくれれば万々歳だろう。火星にいたころと違ってこっちは肉を食わねぇとやってけねぇもんな…代替食もないし。
「やはりプランAですね、ささ、次の場所へ行きましょう!!レッツ・バクシーーン!ハイご一緒に」
「「ば、ばくしーん…」」
連れられやってきた教室には数人のウマ娘がいた。
「この方々に肉の魅力を教えてもらいましょう!!」
「なるほど、肉の良さを伝えてもらえりゃ確かに改善するかも…いいんじゃねぇの?ミカ」
「うん、ちゃんと聞くよ」
「肉はうまいぞ…スタミナがつく。食事はいい」
トップバッターは芦毛のウマ娘…オグリキャップ。
「その…以上だ」
「あれ?」
思ったよりあっさり終わった。
「肉はうまいからな」
「さっき聞いたぞぉ…」
「うむうむ、肉にはこれほどまでに人を魅了するものがあるということ…多くを語らないオグリキャップさんは『言葉はいらない』と言っているのでしょう。うーん、奥深い!私ほどではないですが」
「あのですね!お肉は確かに動物の命を頂くものですが、それは私たちにとって必要なものであって、その…ええと…」
二人目はスペシャルウィーク。言葉足らずだが伝えようとしていることは分かる。
「特ににんじんハンバーグなんてとってもおいしくて!あれ?でもおいしいってことより伝えることがあったはずで…あれ?」
「大丈夫、伝わってるぞ!」
「はい!ありがとうございます!特ににんじんハンバーグなんてとってもおいしくて!」
「さっき聞いたぞぉ…」
「うむうむ、肉にはこれほどまでに人を魅了するものがあるということ…具体例もあげてわかりやすいですね!私ほどではないですが」
「それもさっき聞いたぞぉ…」
「食べればいいんじゃないデスカ?」
三人目はタイキシャトルというウマ娘だが、いきなり核心を突いた。
「たしかに」
「たしかにな」
「うーん、確かに!」
「確かにそうだ」
「そうですね!」
こうして一行は唐突に始まるタイキシャトルのバーベキュー大会に参加することになった。