かくしてタイキシャトル主催のバーベキューに参加することになった俺とミカ以下は、教室を出るとすぐに裏庭に案内された。
「ハーイ!こちらデース!準備はばっちりデス!」
「準備速ぇな」
すでにバーベキューの一式がそろっていた。俺も実は存在だけしか知らないバーベキューなのだが、ミカはそれ以下だろう。
「へぇ、外で食うんだ…CGSの頃みたいだね」
「確かにあんときは外だったな…でも今は食えるモンがダンチだぜ!」
「その通りデス!今回はワタシの国から送られてきたこの世界有数の高級牛肉をプレゼントしマース☆とってもおいしいと評判なんデース!私も一人で食べるのはもったいないと思ってマシタ!」
空気が変わった。
「とってもおいしい肉、だと…?」
「高級…牛肉?」
そう呟いたオグリキャップとスペシャルウィークの目の先にあるのは『明らかに一人分しかない』肉だった。
「…オイ?スペ?」
「…ません…」
「?」
「あげません!!!!!」
「はぁ!?」
*
「よろしい、ならば正々堂々と勝負で肉を勝ち取ることにしましょう!!いやーいいアイデアですね!皆をまとめるまさに学級委員長です!!!」
ミカに肉を食べさせるはずが四人で(なぜかタイキも勝負に加わった)肉の争奪戦が始まることになった。
「私が取ります!」
「勝って貰えるというのなら、本気でやらせてもらう」
「OH!これがジャパニーズ・イクサ!」
「オルガ…これどうすればいい?」
厳正なる抽選の結果、四者によるトーナメント『腕相撲』となった。勝負がいま始まる…!
スペ ―|
タイキ ―|―|
|―肉
オグリ ―|―|
ミカ ―|
「ではッ!第三回!バクシン・腕相撲・真剣勝負コロシアム!レッツ・バクシーーーン!!!!」
いったい第一回と第二回はいつやったのだろうか。第一回戦はタイキシャトルvsスペシャルウィーク!
「イキマスヨー!」
「…私は」
「Oh?スペチャン?」
「私は本気ですッッッ!!!!!!!」
勝負はすぐについた。スペシャルウィークの勝利。恐ろしい…
続いてはミカとオグリ。
「悪いけどオルガに言われたんだ…あんたに勝っちまえってさ!」
「負けるつもりは…ない!」
激戦だった。オグリの腕力は底知れず、ミカは必死に食らいつくが…その時!
「見つけましたよ~オグリちゃん」
「えっ」
突然乱入した謎のウマ娘のために勝負が中断され、オグリは彼女に「今日はタマちゃんとお好み焼きの日ですよ~」と引きずられていった。去り際にオグリが一言。
「いい勝負だった…勝てよ、ミカヅキオーガス…!」
「え…うん」
「さぁさぁついに決勝戦ですッッ!!!!はたして勝つのはどちらのバクシンか!?それではバクシンファイト…レディーッ…ゴーーーーッ!!」
バクシンオーの合図とともに両者の拳に、腕に力が入る。
「ミカさん…私、負けません」
「おれだって譲るつもりはないよ…!」
両者の拳が動かない。完全に拮抗している…!
「しかしスペちゃんには『末脚』が…いえ、『末腕』がありマース!」
「末腕!?」
「はぁぁぁぁぁッッッ!!!!」
スペが仕掛けた。その気合と力にミカの腕が机すれすれまで落ちる。
「…くっ!」
「ミカァ!お前の追込はそんなもんかァ!」
「そうだ…俺はまだ止まれない…おい腕、お前だって止まりたくないだろ…?」
「…っ!押し戻される!」
「じゃあ行くかあ!」
*
「いやー負けちゃいました…ミカさんの追込、すごかったです」
「うん…」
「ってお前いつの間にそんな肉食ってんだ!?」
見るとミカはもう結構な量の肉を食べていた。
「意外といける…というか、分かったんだ…この肉はおれと、オルガと勝ち取ったものなんだって。何にも持っていなかったおれが勝って手にしたもの。そう考えると不思議と食べなきゃって思ったんだ」
「ミカ…」
重くね?
「というか普通にうまいし」
やっぱりただの食わず嫌いでした。
「うんうん、一件落着ですね!さすがは私、完璧に学級委員長をしていました!」
「ありがとな、ミカのためによ」
「いえ、マクギリストレーナー殿に聞いたときはこれは私の出番だ!と思ったので!」
「やっぱりあいつかよ…」
またアイツのいいようにさせられてしまった。待てよ?ということは何か理由が…
「オイお前、次何のレースに出るつもりだ?」
「私ですか?私なら…」
*
「ミカ」
「ん?」
「決まったぜ、次のレースが!」