鉄血のウマ娘!   作:すろー

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#21 団長、どんとすとっぷ!

 『さて紅白曲大戦!つづいて白組、歌うのは…』

 

 年末年始はチームのメンバーたちも実家とかに帰んのかな…って思っていたら意外や意外、誰が言い出したのか「チームで年始を迎えよう!」と鉄華団年越し会が開催されることになった。

 

「蕎麦ぁ?なんで」

「日本の文化よ…あなた本当に常識がないとこはないわね」

 

 キッチンに立つアヤベがため息交じりに言う。年越しが開催されているのはファインがどこからか借りてきたキッチンやら何やらが全て揃っているレンタルルーム。

 

「アヤベちゃ~ん!次何か手伝えることある?」

「マヤノ…ありがと。それじゃ、これとこれを…」

 

 マヤノもアヤベの手伝いで蕎麦作りを手伝っている。

「待っててねトレーナーちゃん♪マヤがイブクロヲツカムから!」

 胃袋をつかむという言葉がカタコトなのはきっと誰かに吹き込まれたまま言ったからなのだろう。

 

 

「オルガ、はじまるよ」

「おお」

 蕎麦ができ、全員がコタツに入ったところでテレビに映ったのは…

 

『みんな~!年末も見てくれてありがと~!トキメキ☆ウマドル、スマートファルコンですっ!ファル子って呼んでねーっ!』

 

「…まさか紅白に出るとはね」とアヤベ。

「こうはく…ってそんなにすげぇのか?」

「おれもわかんない」

 火星人特有の無知が晒されたところで、

 

「トレーナーちゃん!ウララちゃんが!」

「何っ!起きろウララ!年超すんじゃなかったのか!」

「ぐーっ…っ!えっ!そうだった、としこし!ぜったいに起きるぞって…おきるぞ…おき…」

「ウララーッ!」

「アヤベ、蕎麦のおかわりはあるかしら♪」

「さすがファイン、速いわね」

『ということで〈Make Debut!〉でしたーっ!ファル子からみんなに!よいお年をーっ!!』

 

 こうして夜は更けていくのだった…

 

 

 

 

「ふいーっ、冷えんなー」

「オルガ、大丈夫?」

 翌朝。俺たちは初詣に来ている。結局年越しの時にはウララは熟睡し、ミカもマヤノも眠りかけていてグダグダに終わった。

 ちなみに初詣のことはさっき知った。テイワズとか蒔苗のじいさんみたいな恰好した奴が多いと思ったがあれはもともと日本の服らしい。

 

「願いを言うだぁ?なんすかそれ、うさんくさ」

「…通例というものよ」

「わたし、つぎの年越しには起きておけるようにねがうんだ!」

「ウララちゃん!無駄遣い!」

 

「キミは?」

 気が付くと横にファインが立っていた。

「これもアヤベに聞いたぜ…人には教えないほうがいいってな」

「ふふ、そうだね」

 

 順番が回ってきた。金を投げ入れ、鈴を鳴らし、礼を…!

(なんだっけ?まあテイワズでやった時のようにやりゃあいいか)

「頼んます…!」

 正座し、礼…!

「土下座っ!?」

 最近アヤベの声が高く大きくなっているような気がする。

 

 

「帰って早くWDT見よっ!トレーナーちゃん!」

「おお、そうだな」

 マヤノに急かされる帰り道。それを聞いたファインが唐突にあることを提案した。

「ねぇ、私たちは鉄華団、だよね?」

「ん?おお…」

「こうやってチームでいる時に思うんだ…私たちはトレーナーとウマ娘である以上にチームのメンバーなんだって。だから…」

 

「これからトレーナーのことは団長ってお呼びします♪」

 

 意外だった。

 しかし、意外である前にその懐かしさを感じた。

 

「そう呼ばれんのも久しいかもしんねぇな…ヘッ、上等だぜ!お前ら!今年も一年俺たち鉄華団は気張って行くぞ!目指す場所なんて決めんな!今いるところからさらに先へ進み続けることが俺たち鉄華団の目標だッ!」

 

「オルガが望むなら…俺たちは進み続けるよ」

「…団長、ね。分かった、よろしく頼むわ」

「団長ちゃん、団長ちゃん…うん、なんかこっちのほうがカッコいいかも!」

「わたしがんばるね!だんちょー!」

「いい案だったよね!ふっふーん♪」

 

 皆の顔を見渡す。

 俺はミカヅキオーガスを、アドマイヤベガを、マヤノトップガンを、ハルウララを、ファインモーションを、鉄華団を再び率いている。

 

「てっかだん・どんとすとっぷ!ユー・コピー?」

「マヤノ…!いいじゃねぇかそれ!アイ・コピー!鉄華団…?」

「「「「「どんとすとっぷ!!!」」」」」

 

 即席の円陣声掛けが、冬の空に響いた。

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