エスカルゴン閣下presents ~陛下をディスカバリー~   作:海老の尻尾

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・この小説はゲーム星のカービィディスカバリーの二次小説です
・アニメ星のカービィの要素を多分に含みます
・ネタバレ注意です
・キャラクターの性格等はアニメ基準です(カービィは喋らずデデデは畜生路線)
・キャラ崩壊ありです


以上の項目に『どっちでも同じようなもんじゃろ』と言ってくれる愚かなる人民共諸君は見ることを許可するゾイ!


ステージ1 消えた陛下

 ここはプププランド。海と山に囲まれた自然豊かな土地であり、人民どもは質素なごく普通の暮らしを過ごしていた。国ということでここを治める領主は当然存在する。それが17052代(自称)領主デデデ陛下である。肩書きが陛下とはいっても彼を慕う人民どもが皆無といって差し支えない。それもそのはず、彼はこの国の存亡を脅かす魔獣と呼ばれる獣たちをおもちゃ代わりにして遊んでいたからだ。そんな悪人であるデデデ陛下だがその姿が見当たらない。

 

「陛下ー! どこ行ったでゲスかー!」

 

 デデデ陛下を見つけるためお城の中を歩き回っているのは歩く蝸牛ことエスカルゴン閣下である。彼はこの国で二番目に偉い、と言えば聞こえはいいが実際は陛下の部下にすぎない。その上偉そうで陛下とともにいつも悪だくみをしているためもちろん尊敬されていない。語尾にゲスが付くのが特徴である。

 

「ったく。トイレに行ったと思ったらいないしで困ったでゲス」

 

 今日もデデデに連れられて中庭で無理矢理パターゴルフの練習のつきそいをさせられていたエスカルゴン。いつものようにアイアンではなくハンマーの素振りをしていると急にトイレに行きたいとデデデは言い出した。しばらく待っていても中々帰ってこないため見に行くと個室は全て空いていた。気まぐれでどこかに行くこともあるのであまり気にしていなかったがあまりにも時間がかかっていた。

 

「陛下知らないでゲスか?」

「ワニャワニャ」

「あー、ワドルディは喋れないんでゲシたね」

 

 口はないのに食事はする不思議な生態のワドルディだったが首を横に振ったのでどうやら知らないようだ。仕方がないので喋れるワドルドゥを探すことにした。少し歩くとそれらしき影が見えた。

 

「ワドルドゥ、陛下見なかったですか?」

「ぽよ!」

「あぁーん! カービィでゲスか。似ているからややこしいでゲス!」

 

 振り向いたその姿はピンクの悪魔、カービィであった。ここプププランドに漂着した星の戦士であるが若すぎたため今現在喋ることはできない。ポヨポヨ言うことしかできないが人民から愛されている。今日はお城に遊びに来ていたようだ。笑顔でジャンプしており遊んで欲しそうにしていた。

 

「構っている暇ないでゲス。私は今忙しい……ん?」

 

 エスカルゴンは何かを閃いたようだ。カービィといえば魔獣との戦い。もしかしたら魔獣関連で間違ってどこかに行ってしまったのでは。そう思ったエスカルゴンは城の中央、デデデの執務室。魔獣デリバリーシステムのある部屋に向かった。

 

「ここにも……いないでゲスね。とりあえず……」

 

 部屋の中心はシステムの装置が鎮座しており、その近くにソファが置いてあった。早速エスカルゴンがソファの肘置きのボタンを押すと壁に収納されていたモニターの画面が出てきた。

 

「こちら魔獣配信サービスへようこそ。本日はどのような魔獣をご所望でしょうか」

 

 画面からは髪をピシッと分けたサングラスの男が現れた。彼の名はカスタマーサービス。紫色の肌にスーツをきめており、常に口角を上げているその姿からは胡散臭さが溢れんばかりに出ていた。

 

「おおカスタマー。今日陛下見なかったでゲスか?」

「陛下ですか? さあ……本日はアクセスはされておりませんね」

「ここもハズレでゲスか……」

 

 陛下のことだからと思ったがどうやら違ったようだ。肩を落としてシャットダウンしようとするとカスタマーが話し始めた。

 

「それと関係あるかどうか分かりませんが……」

「ん? どうしたでゲスか」

 

 カスタマーサービスは顎に手をかざしていた。何か心当たりがあるようだった。

 

「昨日私とお話していたときに意味ありげなことを仰っていたのですよ。『ワシは新世界の王になるゾイ』と」

「あのオヤジ本当わっけ分かんないでゲスね。どうせ漫画か何かに影響されたんでしょうけど」

「ホホホ。私もただの比喩表現だと思っていたんですが……実は調べたところ本当に存在するようですね。しかもこのプププランドからそれほど遠くない場所に」

「マ、マジでゲスか?」

「ええ」

 

 新世界という場所は聞いたこともない場所だったがどうやら実在するらしい。エスカルゴンはカスタマーからどんなところかを聞いたが、何の変哲もない荒れ果てた土地らしい。昔は人民どもが住んでいた痕跡もあったらしいが何故か今は住んでいないという謎が残る土地のようだった。

 

「偶然口にしたとは考えられないでゲスね。陛下にそんな知能はないでゲスから」

「何か根拠があってそれを私に伝えてきたと考えるのが妥当ですね」

 

 いるかどうか分からないがデデデがいる可能性が上がった。

 

「でもどうやって行くでゲスか?」

「潜水艦をお送りします。こちら料金はサービスとさせていただきますのでご心配なく」

「気が利くでゲスね」

「我が社としてもお得意様が行方不明というのは気がかりですので」

 

 ビタ一文払っていないのにも関わらずお得意様という皮肉たっぷりの言葉もエスカルゴンには効いていなかった。ともかく潜水艦で行き先も分かったのですぐさま準備をし始める。どんな危険があるか分からないため念入りに準備を整えた。隊長であるワドルドゥにしばらく留守にすることを告げて海岸に向かった。今回はワドルディは連れずに単独で新世界に向かうことにした。

 

「まあ危なくなったらすぐ帰ればいいでゲスしね」

 

 エスカルゴンは独り言を言いながら潜水艦に乗り込んだ。カスタマーが用意してくれたこの潜水艦は以前ホエールウォッチングのときに使用したものよりも質が良かった。武装はもとより内部にもこだわっており、メタナイトが用意した戦艦ハルバードといい勝負をしていた。乗組員はエスカルゴン一人だけだが操縦はオートメーション化されているので特段しなければならないことはなかった。

 

「あと二時間くらいでゲスか……少し寝るとしますか」

 

 ずっと海中ばかり見ていても面白くないのでフカフカの快適なベッドに体を横たえることにした。城のベッドよりも上質なものを使っているらしく、すぐさま眠りに就くことができた。

 

 

 

 

「ふあ~、よく寝たでゲス」

 

 昼寝を済ませた後、エスカルゴンは時計を見た。どうやら到着目前に目を覚ましたようだった。艦体中心の機械室に向かい異変がないか確認しに行った。丈夫な潜水艦のシステムに一切のトラブルはないようだった。

 

「お腹空いたでゲスね……」

 

 あくびをしながら厨房に向かい冷蔵庫の扉を開けた。しばらく遠出することになると思い、食料をたくさん買い込んでいた。そのはずだった。

 

「……あれ?」

 

 三個ある冷蔵庫を開けるもどれも中身は空っぽ。もちろん食べた覚えはなく、まだ夢の中かと思って頬をつねるもしっかり痛かった。嫌な予感がして艦内を早足で歩き回った。エスカルゴンが眠っていた隣の寝室にその答えがあった。

 

「カ、カービィ! い、いつの間に!!」

 

 布団にくるまり幸せそうな顔をして眠っていたのはピンクの暴食者、カービィだった。エスカルゴンが入る前に潜水艦に忍び込んでいたようだ。どうやら興味本位で入ったようでしばらく寝ており、エスカルゴンが眠っている間に起きたようだ。

 

「ぽ、ぽよぉ……?」

「ぽよぉじゃないでゲス! 食料全部食べちゃダメでゲしょうが!」

 

 エスカルゴンの大声でカービィは目を覚ました。カービィが犯人だというのは口の横についた食べカスが証明してくれており、疑いようがなかった。当の本人は笑顔でまた眠り始めた。艦外に異常はなかったが艦内に不届き者がいた。

 

「ちょ、はぁ……とりあえず電話でゲスね」

 

 エスカルゴンはホーリーナイトメア社製のスマートフォンを手に取り、カスタマーに電話をかけた。

 

「はい、カスタマーサービスでございます。エスカルゴン閣下いかがなさいましたか?」

「何かカービィが侵入して食い物全部食べられたでゲス!」

「おやおや、それは災難でしたね。ホホホホホホ」

「他人事だと思ってバカにして! いまにひどい目に合わせてやる! 笑うな!」

 

 実際他人事なのだから仕方ない。だがただ単にバカにしていたわけではない。ある意味ラッキーなのではないかとカスタマーは考えていた。

 

「そうカッカなさらないで下さいませ。ところで厨房にフライパンはありますか?」

「フライパン? ええっと……あ、大丈夫でゲス」

 

 厨房で奪われたものは食材だけであり調理器具その他は無事であった。

 

「それをコピーさせればコックが使えます。それでしばらくはしのげるでしょう」

「おお、そうでゲスな」

「それにどんな敵が潜んでいるか分かりません。カービィを連れて行って損はないでしょう」

 

 確かにエスカルゴンだけの戦闘力では心もとない。カービィがお供としてついてくれれば調査も捗るというものだ。

 

「でもいいんでゲスか? カービィの敵側がそんなこと言って」

「我がホーリーナイトメア社は魔獣をどこに派遣しているか把握しており、新世界には我が社の抱える魔獣はおりません。我が社に関係なければどうでもよろしいというのが社長のお考えでございます」

「随分適当なんでゲスね」

 

 ピーンポーン! 間もなく目的地に到着します。

 

「おや、そろそろ着くようですね。それでは閣下、ご武運を。何かあればお電話下さいませ」

「おー、勝手に切るでないでゲス! 全く……」

 

 到着のチャイムが鳴ったためカスタマーは電話を切った。エスカルゴンは城から持ってきたアイテムをリュックに詰めた。カスタマーから言われた通りフライパンも忘れずに。準備し終わるとカービィを叩き起こして上陸に備えた。

 

 潜水艦のスクリューの動きが九十度旋回し、海面に向けて浮上し始めた。太陽の光が艦体に当たり、エスカルゴンは外への蓋を開けた。

 

「おお、ここが新世界でゲスか」

 

 聞いていた通り人の気配が全くしない無人島だった。辿り着いた浜辺には砂と少々の漂着物以外何もなく、プププランドといい勝負だった。

 

「こんなところに本当に陛下がいるんでしょうかね……?」

 

 来たはいいもののやはりいなそうな気がしてきた。そんなエスカルゴンにカービィがクイッと腕を引っ張った。

 

「ぽよぽよ」

「何でゲスか。ん? あ、あれは⁉」

 

 カービィの指差した方向を見てみると遠くに茶色い物体が見えた。見覚えのある形状であり、すぐさま潜水艦から飛び出して浜辺に駆け出した。カービィも慌ててエスカルゴンに付いていった。

 

「ハァ、ハァ。寄る、年、波……や、やっぱりでゲスね」

 

 茶色く見えた物体。それは大きな木製ハンマーだった。しかもただのハンマーではなく、打面には黄色い星のようなマークが描かれており、エスカルゴンはいつもの見慣れた(殴られた)武器であった。

 

「間違いなく陛下のハンマーでゲスね。こんなの使っているの陛下ぐらいなもんでゲス」

 

 つい先ほどまでこれでパターゴルフをしていた。そのハンマーがここにあるということは当の本人もここにいるに違いなかった。デデデの言っていたことは戯言ではなかった。

 

「……カービィ!」

「ぽよぉ?」

「陛下を探しに行くでゲスよ!」

 

 エスカルゴンはカービィの手を取り、無人島内部に潜入し始めた。大昔、人はこの土地で生活をしていた。しかしいつの日か人はいなくなりこの土地は廃墟となった。プププランドの王、デデデ陛下を探すため重臣、エスカルゴン閣下はカービィと一緒にひた走る。この先待ち受けている数々の試練とともに。




 読んでいただきありがとうございます。おふざけ120%で書きました。20年も前のアニメのネタを放り込むアホです。(誰がネタ分かるねん)
 きたる2022年3月25日より星のカービィディスカバリーが発売しました! それを記念して私も書いてみることにしました。そのためにもスイッチの本体を買い、ソフトも買いました。数年ぶりにゲームをすることになりワクワクしています。
 投稿時間的にも気づいたかもしれませんが、実際にゲームプレイしてみてできるだけリアルタイムで書いていきます。どんな話の展開にするかまだ決まっておらず若干の不安はありますが見守ってくれると嬉しいです。
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