エスカルゴン閣下presents ~陛下をディスカバリー~   作:海老の尻尾

4 / 7
・この小説はゲーム星のカービィディスカバリーの二次小説です
・アニメ星のカービィの要素を多分に含みます
・ネタバレ注意です
・キャラクターの性格等はアニメ基準です(カービィは喋らずデデデは畜生路線)
・キャラ崩壊ありです


以上の項目に『私は陛下の忠実なるしもべDEATH☆』と言ってくれる愚かなる人民共諸君は見ることを許可するゾイ!


ステージ4 元凶

 それはここ新世界に来る前日の出来事だった。無駄に広いデデデ城にカツカツと足音が響き渡る。ここには住んでいる人間はあまりいない。デデデとエスカルゴンをはじめとして大臣一家にワドルディたち。そして一応家来の身分であるメタナイトたちもいた。

 

「ふむ。異常なしだな」

 

 メタナイトはこの日城の中のパトロール任務に当たっていた。デデデたちにバレないように普段から地下にて戦艦ハルバードを製作し、その傍ら警備業務も行っていた。たまには働けと言われているのもありカムフラージュのためにもこうして巡回していた。

 

「あー、暇ゾイ。何か面白いことはないのかゾイ」

 

 ドスンドスンといううるさい足音を鳴らしていたのはこの城の主、デデデ大王だった。今日はエスカルゴンも連れずに一人城の中をウロウロしていた。やることがなくて猫背になりながらあくびをかましていた。

 

「ホーリーナイトメア社もいい加減飽きたゾイ。もっとマシなのは……」

 

 徘徊していると左手に見えたのはメタナイトの部屋だった。簡素な作りで部屋も狭く、一等地に暮らしているとは思えない間取りだった。

 

「そういえばアイツの部屋は見たことないゾイ。どれ、ちょいと入ってみるゾイ」

 

 人の部屋に勝手に入るのは犯罪ですぞ! というボルン署長の小言が聞こえたような気がしたデデデ。しかし『ここはワシの家ゾイ! ワシがどの部屋にいようとワシの自由ゾイ』という会話を脳内で展開させながら扉に手をかけた。

 

「ん? グフフ、不用心な奴ゾイ。鍵が掛かっておらんゾイ」

 

 メタナイトといえどもいつも完璧なわけではない。ほんの少しパトロールに回るつもりだったため鍵を閉めずに外に出てしまった。これがあの悲劇を生むきっかけになってしまった。

 

「お邪魔虫」

 

 中も想像通り何もなく、あるのは寝るためのベッドとテーブル、そして細々したものばかり。何の変哲もない面白くない部屋だった。

 

「何だアイツの部屋は。見た目だけでなく部屋の中もつまらんゾイ! お、そうだ。何かないか探すゾイ」

 

 ここまで何もないのもある意味珍しいためデデデはメタナイトの部屋を漁ることにした。ベッドの下から掛け軸の裏まで探したが何も見当たらなかった。

 

「あとは棚の上の本くらいか。んー、でもよく分からんゾイ」

 

 デデデは左端から本を手に取りペラペラとめくった。しかしデデデは字が読めないため一切理解できなかった。せめて挿絵でもないかと探したが一面文書ばかりだった。ちなみに置かれている書物は星の戦士の伝記にまつわるものであり、戦った魔獣の名前や性質、弱点などが記載されている。それだけではなくカービィをはじめとした星の戦士の能力についても詳しく書かれており、メタナイトが物知りなのはこの書物を頭に完璧に入れているからである。

 

「こんな堅いものばかり見てアイツは頭がガチガチになるゾイ! デェアッハッハ!」

 

 何が面白いのかデデデは面白くない本を見て笑っていた。どの本を見ても同じに見えるデデデは残り一冊の本を手に取って自室に戻ろうとしていた。しかしここで違和感に気付いた。

 

「ん? こりゃ何ゾイ? さてはへそくりか!?」

 

 最後の一冊は本であるはずなのに先程よりも重量があった。それに加えてカラカラと音がしたため気になって本を開けてみた。そこには小さな指輪入れのようなケースが入っていた。本の中身をくり抜いて隠されていた。余程のお宝だと思いパカッと開けてみた。すると……

 

 

 

 

「さて、そろそろ戦艦作りに戻るとするか……ん? 私の部屋が空いている?」

 

 つい鍵をかけ忘れていたため扉が少し開いていた。部下のソードとブレードは戦艦作りで地下におり、そもそも勝手に侵入する者たちではない。おのずと陛下か閣下だろうと候補は絞られ、開いている扉をガチャリと開いた。

 

「やはり陛下でしたか。どうかなさいましたか?」

「ん……!? メ、メタナイト! ……か」

「ええ、ここは私の部屋ですので」 

 

 デデデはこちらを振り向くと目を丸くして驚いた表情を見せた。そして後になって気付いたことだが一瞬目の奥に怒りのような敵意のようなものが見えた気がした。

 

「そうだな……それにしてもお前の部屋は何もないのだな!」

「余計なものは置きたくない性分でして」

「邪魔したな。それじゃあワt、ワシは戻るとする……ゾ、ゾイ!」

「? ええ、承知しました」

 

 何をしにきたのか分からないがとりあえず荒らされた形跡はなさそうだと一安心するメタナイト。しかし先程のデデデには何か違和感を覚えた。それが何かは分からなかったがひとまず放置していて問題ないと判断した。それが大きな判断ミスだった。

 

「……さて」

 

 通路を一人歩くデデデの目は赤く光り、体からは黒いオーラのようなものが出ていた。既にいつものアホだらの雰囲気はなくなっていた。この姿を自慢したいとカスタマーサービスに匂わせ発言をしてしまうくらい()自身も浮かれていたのだった。

 

 

 

 

 そしてその翌日、部屋の外でエスカルゴンが何やら叫んでいた。デデデがいなくなったとのことだがおそらく大したことではないだろう。そう考えてメタナイトはいつも通り読書に勤しんでいた。とっくに引退したジジイといえども日々知識を付けることは重要である。カービィのような次世代の戦士に教えたりサポートしたりとやることは山ほどある。星の戦士としての矜持は老いてはいなかった。

 

「よし、次の本を……おっとこれではない」

 

 棚の本を引き抜こうとして目当ての本の隣のものに手をかけてしまった。この本だけはむやみやたらに触ってはいけない禁書だということは重々承知していた。しかし手に触れた瞬間分かってしまった。

 

「……! まさか!」

 

 冷静なメタナイトから冷や汗が流れた。急いでその本を開くと本の中身は真四角にくり抜かれた跡のみが残っていた。この本こそ昨日デデデがお宝が隠されていると思った本だった。

 

「な、ない!? 封印が解かれている!」

 

 そう、あれはお宝でもへそくりでもない。凶悪な魔獣を封印しておく箱だったのだ。かつて銀河戦士団が全戦力を投じて立ち向かった仇敵であった。当時は倒す手段が見つからなかったため封印という形であの箱に閉じ込めておいたのだった。その責任者として大事に保管していたのだが予想以上に封印が解かれるのが早かった。おそらく本を開いた者に憑りついたのだろうがその者に心当たりしかなかった。

 

「陛下の異変にもっと早く気付いていれば……」

 

 後悔しても仕方がない。メタナイトも城中を駆け回り陛下を探したが見当たらなかった。おそらくこのププビレッジにはいない。ならば行先は自然と考えられた。

 

「もう一度行くか。新世界に」

 

 ギャラクシアの鼓動が聞こえた。再びあの敵と相まみえることになるとは思っておらず、その胸の高鳴りが武器を通じて聞こえていた。覚悟を決めたメタナイトは誰にも告げず新世界へと向かった。

 

 

 

 

「『というわけで陛下に憑りついた魔獣を討伐するため参りました』……でゲスか。なるほど」

 

 エスカルゴンはメタナイトの文を音読していた。忽然としてデデデが消えた理由もこれで理解できたが難しい顔は直っていなかった。

 

「とんでもない化け物を目覚めさせてしまったんでゲスね。もー陛下は」

 

 トラブルしか引き起こさないのは分かっていたが、まさかこれほど重大な出来事になっているとは思わなかった。メタナイトですら倒せない相手にどう立ち向かえばよいか分からなくなり暗鬱とした気分になってしまう。

 

「そうかあの者はメタナイトというのか。急すぎて何事かと思ったぞ」

 

 トロピカルウッズはメタナイトと出会うや否やこの手紙を受け取った。プププランド出身の者が来たら渡してくれという言伝とともに。おそらく浜辺という分かりやすい場所だからこそ後から来る者たちに連絡したのだろう。文明の波が来ていないプププランドには携帯電話のようなモバイルの通信手段はなく、手紙で伝えるしかなかった。

 

「そんなに急いでたんでゲスか?」

「ああ、あっちの方向に脇目も振らず飛んで行ったな」

「じゃあまずはメタナイトと合流するでゲス」

 

 根っこで指示した方向は島の中央部であり、ショッピングモールとは別の方角だった。デデデを見つけるにはまずメタナイトとコンタクトを取った方がいいと思ったエスカルゴンは彼の後を追いかけることにした。

 

「ところでその敵の名前は分かっているのか?」

「名前? そういや出てきてなかったでゲスね。えーっと……」

 

 エスカルゴンは途中まで読んでいた手紙を最後まで目を通した。よく見ると名前はしっかりと書かれていた。

 

「『迷惑かけますがよろしくお願いします。なおその魔獣の名前は……』」

「「フェクトエフィリス」」

「「!?」」

 

 エスカルゴンの声と同じタイミングで上空から声が聞こえた。驚いて空を見上げるとそこには水色をした大きな魔獣がいた。肢体はスラッとしており、大きな耳のようなもので浮遊していた。手には体長と同じ大きさの槍を携えており、ギョロッとした赤い目でこちらを眺めていた。

 

「ぽよ!」

「それが私の名前だ」

 

 突如現れた魔獣、フェクトエフィリスに二人はただ立ちすくむしかできなかったがカービィだけはジッと見つめていた。




 読んでいただきありがとうございます。今回はキリのいいところで終わったので少し短めです。四話にしてついにラスボス登場です! フェクトエフィリスは初見で見てかっこいいなーって思ったので今回のラスボスに抜擢しました。フェクトフォルガの方は出さないのでご安心を。というかグロすぎませんアレ? 

 発売してもう一週間が経ちますね。情報なしで一本目投稿したのでこの一週間ずっと構想考えてました。何とかラスボス出せて満足です。 また投稿しますので見ていただけると幸いです。感想もいただけると投稿ペースが上がる……かも?

 ~新コーナー カービィインタビュー~
 毎回この後書きに皆さんのカービィに関する好みを聞いてみます! 感想に書いてくださるもよし、心の中で思うもよし、エスカルゴンを殴るもよしです。どんどん参加してくれると嬉しいです。

Question1.皆さんが最初に触ったカービィのゲームは何ですか?

もちろんやったことないというのもOKですよ。

(ちなみに私は星のカービィ64でした)
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