エスカルゴン閣下presents ~陛下をディスカバリー~   作:海老の尻尾

5 / 7
・この小説はゲーム星のカービィディスカバリーの二次小説です
・アニメ星のカービィの要素を多分に含みます
・ネタバレ注意です
・キャラクターの性格等はアニメ基準です(カービィは喋らずデデデは畜生路線)
・キャラ崩壊ありです


以上の項目に『おー勝手に切るでないゾイ』と言ってくれる愚かなる人民共諸君は見ることを許可するゾイ!


ステージ5 ラスボス

「フェ、フェクトエフィリスだと!?」

「知っているんでゲスか、トロピカルウッズ?」

「ああ、団長から聞いたことがある。この新世界をたった一匹で滅ぼした者がそのような名前だったと書物に残されていたらしい」

 

 この新世界にはかつて人間たちが生活していた痕跡が確かに残っていた。しかし突如としていなくなった謎が残っていた。その理由はもしかするとこの目の前に立ちふさがる者にあるのかもしれないとエスカルゴンは考えた。

 

「フ、物知りなようだな。見事正解だ。といっても数百年前の出来事だがな」

「何の用だ。言っておくがここには特に珍しいものはないぞ」

 

 エスカルゴンたちのときとは打って変わって随分敵対心を抱いていたトロピカルウッズだった。元侵略者という肩書き。そして彼自身フェクトエフィリスの強大な力を感じていたという事実。チンケな小国の閣下や、純粋無垢な星の戦士など脅威にはなりえなかった。だからこそ友好的に接したというのもあった。

 

「珍しいもの、ね……。私もこんな辺鄙なところに興味はない。お前たちがどんな暮らしをしようが知ったことではない」

「じゃ、じゃあ何でここに……」

「あ?」

「ひっ、いえ、何でもないでござりまするでゲス」

 

 エスカルゴンは一睨みされただけで縮こまってしまった。今の相手は邪悪な心に強靭な力を有しており、いつものデデデの折檻に比べると月とすっぽんであった。所詮陛下なんぞセコイお人好しなチンピラ、能天気なボンクラ、アホ丸出しの風船オヤジだなと改めて心の中で思った。

 

「フン、それをお前たちに言う必要はないが……特別に教えてやろう。コイツも関係あることだしな」

 

 フェクトエフィリスは指パッチンをすると空中に何かを浮かび上がらせた。そこには赤い帽子に青い体。無駄に大きなマントに頭の悪そうな顔という見慣れた姿があった。

 

「へ、陛下!?」

「何、じゃああれがお前たちの大王か」

 

 いなくなったデデデはフェクトエフィリスの元に囚われていた。眠っている様子でこちらから呼びかけても応答しなかった。

 

「コイツを依り代として復活したからな。安心しろ、まだ生かしておく」

 

 フェクトエフィリスは封印から解放された後デデデの体を乗っ取り、この新世界に来た。エネルギーが満ち足りているのかこの場所に来さえすれば憑依する必要はない。しかしまだ始末していないということはデデデの役割があるということだ。

 

「復活した私は再びこの世界の頂点に立つ。今度こそヘマはしないさ」

「そんなこと……させるわけないだろう!」

 

 トロピカルウッズは自身の根っこを空中に浮かぶフェクトエフィリス目掛けて鋭く伸ばした。ドンッという激しい音とともに根っこはフェクトエフィリスの体を貫いた。

 

「やったか!?」

「いや……手ごたえがない」

 

 エスカルゴンはフラグビンビンの言葉を放ってしまった。それが原因というわけではないのだがフェクトエフィリスは平気な顔をして笑っていた。

 

「愚か者め、これはホログラフだ」

 

 実際そこにいるように見えるがただの精巧に作られた映像であった。しかし受け答えしていることからリアルタイムで動いているようだった。

 

「私は今現在とある場所にこの間抜けとともにいる。返してほしくばできるだけ早く見つけ出すことだな。じゃあな」

「ちょ、待つでゲス! どこにいるんで……」

 

 ブツン!

 

 映像は途絶えて姿は消えた。残ったのは空高く突き出したトロピカルウッズの根っこだけだった。シュルシュルと根っこは虚しく元の位置に戻っていった。

 

「逃げられたか……」

「トロピカルウッズ、あの生き物について知っていること教えてほしいでゲス」

「すまない。私はそれほど詳しくはないのだ。先程の情報以上のことは知らない」

「そうでゲスか……」

 

 エスカルゴンは何か知っている風だったトロピカルウッズに聞くことにした。しかし有益な情報は得られそうになかった。そもそも植物であるトロピカルウッズは一定の範囲内を動くことができないため知っている方がおかしい。プププランドの偉大なる石の賢者カブーが異質すぎるだけなのだ。

 

「だが私たちの団長ならばより詳しいはずだ。聞いてみるといい」

「先程も話に出てきたでゲスね。それで団長って誰でゲスか?」

「獣王レオンガルフ。それが私たちのボスの名前だ」

「ぽよぉ」

 

 カービィたちはレオンガルフについて話を聞いた。廃墟と化していたこの地を住めるように開墾した偉大な者であり、全団員から慕われている。誰も来ない平和なこの土地であるにも関わらず一人有事に備えて日々訓練に勤しんでいる。強面であるが誰よりも他者のことを考えて動くところが好かれている原因なのだとトロピカルウッズは熱く語っていた。

 

「フェクトエフィリスを倒せるのは団長だけだ。頼む、団長のサポートをしておくれ」

「してくれって言われても……カ、カービィどうしますでゲス?」

「…………」

 

 カービィはエスカルゴンの方をジッと見つめていた。カービィにこの話は難しすぎたか? と考えていると右90度振り向きトロピカルウッズの方を向いた。

 

「ぽぉよ!!」

「ありがとう。助かる」

 

 カービィは胸に手を置き、力強く答えた。赤ん坊といえども星の戦士。悪を挫き困っている者を救うのは本能のようなものだった。おそらく詳しいことは分かっていないだろうが困っているこのトロピカルウッズを助けなければということは理解していた。

 

「あー、やっぱりそうなるでゲスよね。分かっていましたよ。ま、どっちにしろ陛下を回収しないといけないでゲスからね~」

 

 ビビっていたエスカルゴンだったがカービィがやる気ならば自分もやるしかなかった。そもそもここに来た目的がいなくなった陛下を発見することであった。簡単に見つかるかと思いきや強そうな敵に捕まっており、戦いは避けられなさそうだった。しかしエスカルゴンも修羅場をくぐってきた者の一匹。覚悟を決めるしかなかった。

 

「私の分まで頼んだ。必要ならば食料は好きなだけ持って行っていい。足りなければ戻ってきてもよいからな」

「いいんでゲスか?」

「動けない私にできるのはこのくらいだからな」

 

 トロピカルウッズは全力で後援してくれるようであり、これでひとまずの食料問題は解決した。エスカルゴンとカービィは持てるだけの野菜をリュックに詰めて頂くことにした。

 

「ありがとうでゲス。それじゃあ私らはもう行くでゲス」

「ああ、団長に会ったらよろしく頼むと伝えてくれ」

「ぽよー!」

 

 こうして一行は怖そうで優しいトロピカルウッズの住む農場を後にした。立ちはだかる敵も現れてしまったがデデデ陛下の安否も確認できた。後はレオンガルフという者とやらに協力を仰ぎ、メタナイトと合流するのが今やらなければならない課題だった。

 

 

 

 

「なるほど。それは厄介ですね」

「本当困ったことばかりでゲス」

 

 食料の在庫補充をしに潜水艦に帰還したエスカルゴンは、再びカスタマーサービスに連絡していた。この短いスパンで色々なことが起きてしまったのでこんなにも連絡するとは思わなかった。カスタマーはエスカルゴンの話を頷きながら聞いていた。

 

「それほど脅威になりそうな者ならば我が社としても傍観に徹するわけにもいきませんね。僭越ながらサポートさせて頂きます」

「でも、一体どうやって? ここにはデリバリーシステムはなかったはずでゲスよ」

「閣下のお持ちのスマホでございます。ホーム画面に赤と緑のアプリ画面があったはずです」

「確かに……で?」

「緑の画面を押していただけますか?」

 

 エスカルゴンは言われるがまま緑のアイコンをポチッとな。するとカメラが起動して画面にはピンクボールが映った。画面の向こうのカービィはハテナマークを浮かべていた。

 

「例として画面に映ったカービィにタッチしていただけますか」

「あーハイハイ。こうでゲスね」

 

 パシャという音にカービィが興味を持って口を大きく開けようとしたが、エスカルゴンは何とか阻止した。これを食べられては一巻の終わりである。撮ったはいいものの特に変化は起きていないように見えた。

 

「それでこの後どうするでゲスか? 赤い方を押していいんでゲスか?」

「はい。押してください」

 

 スマホだから赤いボタンを押して暴走するようなことはなく、赤いアプリを開くと地図のようなものが開いた。半周この地を歩いたからこそ分かったがおそらくこの島の地図だろう。そして島の周りの会場に赤い点が一つ置かれていた。

 

「これは何を意味しているでゲスか?」

「緑のアプリで読み取った相手、これが星のどこにいようが赤のアプリで特定できます」

「ほー便利でゲスね」

 

 撮られたカービィが北に動くと点も北に。グルグル回ると点もグルグルと回った。かなり精度よく作られているようだった。

 

「GPSのようなものでございます」

「じぃーぴぃーえすぅー?」

「全宇宙測位システムと言いまして我が社の下位互換でございます。閣下たちの住むド田舎では不要のものでございます」

「また本当のことをストレートに」

 

 確かにププビレッジでこんなものあってもナゴに小判、ギップに真珠、馬の耳にマイクである。だがここ未開の地では重宝すると思われた。これでカービィやデデデ陛下を読み取れば位置を把握することができる。勝手に動いてしまうのが心配の種ではあるが。

 

「ひとまず我々ができるのはこのくらいです。またサポートは致しますのでご安心を。有料ですが」

「ドケチ! 守銭奴! 悪徳金融業者!」

「ホホホ。それではご武運を」

「あ、コラ」

 

 ブツン!!

 

 罵倒を浴びせてブツ切りされてしまった。本日二回目の強制終了だった。だが貰うものは貰ったのでよしとした。この後は島の一番の中枢であり獣王レオンガルフの本拠地であるワンダリア跡地に向かうことになった。元々は遊園地だったようで至る所にアトラクションが残存しているらしい。撤去するのは忍びないということでレオンが残しているとトロピカルウッズが言っていた。

 

「それにしてもどんな奴なんでゲしょうね。そのレオンガルフってのは」

 

 剛腕獣ゴルルムンバ、南国樹トロピカルウッズ。いずれも屈指の実力者であることは間違いなかった。それらをまとめる総大将とはどんな者なのか。話を聞くだけでは真実とは言えない。この目で確かめてみるまでは何とも言えないエスカルゴンだった。

 

「さ、少し休憩したらワンダリア跡地に向かうでゲスよ、カービィ」

「ぽよぽ~」

 

 のんきなカービィとは裏腹にエスカルゴンの胸中は穏やかではなかった。これから始まる戦いに向けて再びふんどしを締め直した。




 読んでいただきありがとうございます。ここで一言。

 話 が す す ま ん !!

 いや分かっていたんですよ? 今回の話で次の3面ボス行くかどうか微妙だったことは。でも多分行けるだろうなーと甘く考えていたらこのザマですわ。待っていただいてる皆さまには本当申し訳ありません。次の話ではちゃんとボスの〇〇〇〇〇〇出しますんでもう少々お待ちください。

~カービィインタビュー~
 今回フェクトエフィリスとレオンガルフ(名前だけ)が出てきましたね。そこで皆さまに質問です。

Question2.好きなラスボスは誰ですか?

表ボス(ドロッチェやデデデなど)はありとします。

(私は今回のフェクトエフィリスです)
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