カイオーガを探して   作:ハマグリ9

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 ~~現在のポケモン達~~

 

 今日、大賀が進化した。とても喜ばしい限りである。この喜びを噛み締めつつ、スクラップブックに情報を更新させよう。

 

 まずはうちの御神木様からやるか。

 

 No.597 テッシード(NN:御神木様) 性別:♀ 特性:鉄の棘 生意気な性格

 色違い個体 現在の推定レベル21

 

  覚えている技

 

  たいあたり

  やどりぎのタネ

  タネばくだん

  ステルスロック(派生:城、鎧、槍、檻)

  ころがる

  こうそくスピン

  のろい

  メタルクロー

  ミサイルばり

  ジャイロボール

  おんがえし

  タネマシンガン(派生:フルオート、3点バースト、弾幕、バックショット、スラッグショット)

  

 

 イッシュ地方からホウエン地方へ向かうマリンホエルオー号の船内で出会った。なぜ居たのかは未だに不明であり、その場で高数値個体であることを確認している。どこかから逃げ出してきた可能性あり。情報のかく乱が必要か? 現在検討中。調べた限り迷子登録はされていなかった。

 

 食べ物は鉱物や苦目の物を好み、あまり甘すぎるものは食べたがらない。少量の金を与えたところ狂喜乱舞していた。偶に部屋で張り付いたり転がったりしているのを確認されている。ただ人が近くにいるとあまりやらないようだ。幸運を運んでくることが多い気がする。

 

 マッサージ内容は古くなった刺を抜いてやったりコンパウンドを使ったボディ磨きを中心に行う。現在、抜いた刺は大事に保管している。最近ボディの輝きが前よりも良くなった気がする。最近買った森の中のような匂いを放つお香はお気に召したみたいだが、本ポケが本当に欲しかったのは白檀のお香。

 

 複数の耐性を前面に出した高耐久を武器に根強い戦い方を好む。ボロボロになった相手の疲れた顔が見たいというドSなのか、打たれるのが好きなドMなのか判断に苦しんでいる。打撃力が足りないのが弱点か? ドラゴンや水、毒、草、岩などのタイプに特に強い。気は長い方のようだ。

 

 ツッコミが最近苛烈になってきているが一体どう言うことなのだろうか?

 

 現在ゴツゴツメットを探しているがなかなか見つかっていない。自作できないだろうか?

 

 

 No.270→No.271 ハスボー(NN:大賀)→ハスブレロ 性別:♂ 特性:すいすい 臆病な性格

 通常色個体 現在の推定レベル17前後

 

  覚えている技

 

  やどりぎのタネ

  ギガドレイン

  カウンター

  れいとうビーム

  しろいきり

  しぜんのちから

  しぜんのめぐみ

  ひみつのちから

  おんがえし

  タネマシンガン(派生:フルオート、3点バースト、弾幕、バックショット、スラッグショット)

 

 

 トウカシティのポケモンセンターで看病中に出会った。102番道路の大洪水の被害者。氾濫した川の濁流に巻き込まれ、自慢の蓮の葉や全身がボロボロになっていた。この際に岩、石に対してトラウマを持った模様。現在になってようやく乗り越えられ、無事ハスブレロに進化した。

 

 食べ物は清らかな水や甘いものを好み、辛いものが嫌いなようだ。辛いものを食べると珍しく激怒していた。飴ちゃんを与えると一番喜ぶ。スイクンが居た地下水脈の水を偶に欲している。もう一度あそこで泳ぎたいらしい。生態からくる欲求なのだろうか? 当分は、忌々しいあの金ダライに水を張ってそれで我慢してもらおう。

 

 マッサージは足を中心に葉なども含めて全体を揉む。使用するマッサージオイルはさらっとしたタイプの刺激の少ない保湿・保水系オイルが好みのようだ。最近お肌がもちもちしてきた。お香に関してはアレでいいらしい。

 

 それなりの速さでかく乱し、射撃攻撃や搦手を扱う戦闘方法を好むようだ。野戦を行う際、個人的に一番作戦が立てやすい子。やっぱりアウトレンジからの一方的な攻撃が一番勝ちやすい。現在の課題は【タネマシンガン】の精度を上げることと、肺活量を上げること。岩、地面などのタイプに特に強い。楽しみを優先するタイプ。また、思いの外いたずらっ子でもあるようだ。

 

 最近射撃訓練が楽しくなってきたらしい。指示をしなくても木に向かって練習しているのを確認している。恐らく一番射撃に対する適性があると考えられる。

 

 進化したのはめでたいのだが、なんかすっごくゴツくなったね君。腕太すぎない? 

 

 個人的に、もう頭に乗せられないのか……と少し落ち込んでいる。

 

 

 No.285 キノココ(NN:網代笠) 性別:♀ 特性:早足 意地っ張りな性格

 通常色個体 現在の推定レベル13

  

  覚えている技

 

  たいあたり

  しびれごな

  タネマシンガン(派生:フルオート、3点バースト、弾幕、バックショット、スラッグショット)

  きあいパンチ

  やどりぎのタネ

  おんがえし

 

 

 トウカの森(眠りの森)で出会った。侵入者を見つけるために見回りに出ていた際、俺とかち合ってしまった子。あの結果は個人的にはドローな気がするが俺に付いてきてくれたようだ。勝負事が好きらしく、今でも偶に追いかけっこを行う。

 

 食べ物は清らかな水や辛いものを好み、渋いものが嫌いなようだ。間違えて御神木様の苦渋いおやつを食べた時には悶絶していた。そんなに嫌だったのか。うちの3匹は互いの嫌いなものが好きなものと重なっているから、偶にめんどくさいことになる。

 

 マッサージは頭を中心に全身を揉み込む。最近ボール使ったやつにもハマってきているようだ。使用するマッサージオイルはトロっとしたタイプの刺激の少ない保湿・保水系オイルが好みのようだ。最近、笠の張りが良くなったらしくテンションが上がっていた。お香に関してはアレでいいらしい。

 

 それなりの速さで踏み込み、近距離から強力な一撃を叩き込む戦闘方法を好むようだ。道中でいつもお世話になっています。接近できなければ途端に動きが悪くなってしまうため、どうにかして懐まで潜り込ませなければならない。水、岩、地面などのタイプに特に強い。興味を惹かれるものがあったらとりあえず観察するタイプ。

 

 ♀だから美容に気を使っているのか、最近マッサージをよく催促される。あと半身浴にハマっているらしい。なんだか今までの書き込みを改めて見ると、美容グッズにハマりだした30代OLに見える。なぜだろう。

 

 

No.255→No.256 アチャモ→ワカシャモ 性別:♂ 特性:加速 意地っ張りな性格

 通常色個体 現在の推定レベル16

  

  覚えている技

  ひっかく

  なきごえ

  きあいだめ

  ひのこ

  つつく

  にどげり

  おんがえし

 

 オダマキ研究所で出会ったらしい。1番最初にハルカの仲間になったポケモン。どういう経緯で出会ったのかはまだ教えて貰っていないが、何か訳ありのようだ。普段はそんな気を見せないが偶に何か話しているのを見かける。これは俺が入り込んでいい問題なのだろうか? 現状維持。

 

 食べ物は穀類や辛いものを好み、渋いものが嫌いなようだ。この前おやつのフィラの実を黙々と食べていたが、その日の晩御飯はあんまり食べれなかったようだ。

 

 マッサージはあんまり行っていないが、偶に袖などを引っ張って頼んでくる時がある。足を中心にマッサージを行い、締めに櫛で毛並みを整えてやると喜ぶ。マッサージオイルなどはあまり好まないようだ。お香は木炭の香りが好きらしい。

 

 徐々に速度を上げていき、接近技で相手を蹂躙する戦闘方法を好むようだ。何度かやられたから分かる。あいつはドSだ。ただ、むやみに突っ込む癖があるので、轡をしっかり握ってやらないとただの暴走軍鶏になる。ノーマル、虫、草、岩、氷、鋼などのタイプに特に強い。御神木様の天敵……と言うよりも俺のポケモンの弱点を的確に突いてくる技を覚える。仮想敵としてだけでなく、実際に戦うことも多い。真正面からバトルを行うタイプ。

 

 一緒に筋トレすることが多い。マラソンではまだ俺が勝っているが、果たしていつまで勝ち星を維持できるのだろうか……

 

 

 No.058 ガーディ 性別:♂ 特性:威嚇 腕白な性格

 通常色個体 現在の推定レベル9前後

 

  覚えている技

 

  かみつく

  ほえる

  ひのこ

  にらみつける

  あさのひざし

  インファイト

  おんがえし

 

 

 トウカシティのポケモンレンジャーハウスで保護されていた。2番目にハルカの仲間になったポケモン。前のトレーナーに捨てられたため軽い対人恐怖症の気がある。特に背の大きな男がダメらしい。未だに俺のことに慣れてくれない……地道に慣れてもらうしかないのだろうか? 打開策思案中。

 

 食べ物は酸っぱいものや肉類を好み、渋いものが嫌いなようだ。渋めな匂いがするとハルカの側にも近寄ってこなくなる。

 

 マッサージは基本しない。というよりもできない。近寄ってこないのだ。ハルカに櫛で撫でられるのが好きらしい。お香は木炭の香りでも問題ないようだが、一番反応があったのは伽羅(きゃら)のお香のようだ。

 

 トップスピードからの接近戦を好むようだ。強力な技をいくつか覚えており、それらを駆使して戦うが、持続性が低い。体力が余っているのに技のPPが足りないなんてことがよく起こる。虫、草、氷、鋼などのタイプに特に強い。俺たちの天敵パート2。強力な一撃と回復技を両立させており、敵として出てくるとかなり厄介。出てくる前に場を整えて動く暇もないうちに圧殺するのが吉。理論建てて動くにはまだまだ経験が足りない。意外とマイペースなタイプ。

 

 最近ようやく俺に向かって吠えなくなってきた。【やすらぎのすず】をまた渡したからこれによって改善されることを願う。

 

 

 No.446 ゴンベ 性別:♀ 特性:厚い脂肪 意地っ張りな性格

 通常色個体 現在の推定レベル13前後?

 

  覚えている技

 

  のろい

  しねんのずつき

  ゆびをふる

  かぎわける

  たいあたり

  まるくなる

  ドわすれ

  したでなめる

  おんがえし

 

 

 104番道路のフラワーショップ サン・トウカの裏の木に塗った蜜に寄せられて来たらしい。3番目にハルカの仲間になったポケモン。目と目が合った瞬間にビビビッと来て、その後ノリで連れてきてしまったらしい。何を言っているのか俺にはわからなかった……どう書けばいいんだ。本ポケはなんだか異様にテーブルマナーが上手い。なんなんだこいつは!?

 

 食べ物はほぼ全般を食べるが特に辛いものが好きらしい。渋いものも普通に食べていたが、その手は動くのが遅かった気がする。量があったほうがいいが、偶に量より質を取るらしい。本当にこいつゴンベか俺にはわからなくなってきた。ゴンベってなんだ? 情報の整理と満足させるポロック、ポフィンのデータが必要。

 

 マッサージはまだ行っていないから不明。お香は恐らく森の香りで問題ないと思う。

 

 ハルカ曰く、攻撃を受け止めたあと、全力の一撃で屠るらしい。動きが遅いはずだから遠距離から一方的に攻撃すればよさそう? 炎、氷などの特殊攻撃を行うタイプにめっぽう強い。律儀なタイプのようだ。

 

 まだまだ観察が足りない。何かあればメモ帳に残すようにしよう。

 

 こんなものか? ゴンベの情報が足りないなぁ……

 

 

 ~~生態のお仕事~~

 

 全身に黒いタイツのような服を着て、身を屈め、森の中の風景と一体化しながら網代笠の後をついてゆく。物音を立てないように慎重に……

 

「キノ」

 

 どうやら探している奴がいたらしい。網代笠は将来立派な狩人になれるだろう。

 

 改めて自分が風下にいることを確認する。大丈夫。ここならバレないはずだ。左片耳タイプのオーバーヘッドセットを通じてハルカに連絡をする。これ便利なんだけどなぁ……マスクを同時に付けられないのが欠点だ。

 

「……居た。耳のタグも確認。これより行動に移す」

 

「了解、手早くお願いします」

 

 右横にある、イヤーパッドの代わりに固定されたミニカメラの電源を入れ、録画を開始する。

 

「画像は確認できそうか?」

 

「問題ありません」

 

「そうか。目視では怪我は無し……だが血色は少し悪そうだ。これから捕獲に入る」

 

 そう言ってからボールから御神木様を出す。

 

「御神木様、あの一匹でいるゴニョニョに、また【ステルスロック】檻を頼む」

 

「クギュル」

 

 また? みたいな感じに返事してから技が発動する。

 

「ゴニョッ!?」

 

 本来散らばるはずの【ステルスロック】は対象となったゴニョニョを閉じ込めるように囲んでゆき、やがて数箇所小さな穴があいた荒々しい岩の檻が生成された。

 

「よし、次だ。網代笠、檻がゴニョニョに破壊される前に、穴の中に【しびれごな】を流し込んでくれ」

 

「キノコッ!」

 

 サラサラと岩の檻に空いている穴の中に【しびれごな】が流れ込んでゆく。

 

「ハルカ、カウント頼む」

 

「了解、1分経ったら再度通信を入れます」

 

 今回も上手くいきそうだ。この待つ時間がどうにも心臓に悪く、慣れそうにないが……

 

「……1分経過しました」

 

「了解。御神木様、この空気穴を広げるように【メタルクロー】を頼む」

 

 グリグリと空気穴を広げてゆき、最後に邪魔な岩を引き剥がすと、中には完全に麻痺した状態のゴニョニョが中で横たわっていた。すぐにゴニョニョの耳からICチップを回収しなければ採血の時間がなくなってしまう。

 

「よし、タグを回収。これより血液サンプルの確保に移る」

 

 まずゴムでゴニョニョの腕を縛って血の流れを遅くし、急激に吸い出さないように配慮する。アルコールで静脈付近を拭いてから注射器を取り出して、静脈からゆっくりと採血を行い、入手した血を低温保存容器に移し替えてバックの中にしまう。最後にお詫びの印としてきのみ一式を入れた袋を持たせてその場から逃げる。あと2分もすればあのゴニョニョ復活するだろう。森の中に入って既に4時間は同じようなことを繰り返しているから慣れたものだ。

 

「ハルカ、これで何匹目だっけ?」

 

「丁度、記念すべき50匹目です。あと半数! ようやく折り返し……頑張ろう!」

 

「なんでこんなにタグの回収に時間かかってるんだろうなぁ……」

 

「網代笠が頑張ってくれてるからまだマシじゃない? 群れごとの生存域がこんなに離れているだなんて想定外だったかも……」

 

「早々に脱落したハルカがそれを言いますか……残りのICタグの反応は全部カナシダ山の中だな。あそこは私有地だから役所と所有者に許可貰いに行かないと……」

 

 ICタグは少しだけ標高の高い場所を示している。ゴニョニョの力を舐めてたな。116番道路で暴れていたから、てっきりカナシダトンネル開通時にカナシダ山から追い出された群れだと思っていたんだが……

 

「代わりに資料まとめてるもんねー! ……やめましょう。不毛すぎる……じゃあ今日はもう終わりね……あ゛~疲れた~っ!」

 

「纏めたICチップのデータはあとで見せてくれ。なんであんなに暴れていたのかが気になる。あとオダマキ博士がこっちに向かわせたペリッパーってもう来ちゃってる?」

 

「うん。さっきから仮眠とってるみたい」

 

「ありゃ、もう来てるのか。すぐ戻るがつもりだが距離が距離だしな……1~2時間はかかるって伝えてくれ」

 

「はーい。では待ってますね~」

 

 通信が切られた。急いで着替えて森を抜けなければ……結構奥来ちゃったなぁ……

 

「網代笠、道わかるか?」

 

「キノッ!」

 

 胸を張っている。どうやら道案内を頼めそうだ。

 

「頼んだ。森の中を走って帰ろうか」

 

 今日の調査で何か解かればいいのだが……

 

 




ICチップは、主人公が持っているタグ探知機に、シリアル番号ごとに大まかな位置情報を発信しています。回収したタグはハルカがパソコンからデータを読み込んで纏めていました。

ちなみに不毛だと言った理由は、これから主人公が帰ることでまだデータを読み込んでいないICチップが大量に増えるからですね。

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