カイオーガを探して   作:ハマグリ9

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消えたポケモン達と企業

「結局、キョウヘイ先生達は4日間帰ってこなかったね……秘密基地での生活はどうだったの?」

 

「秘密基地内が思っていたより居心地が良くて。水場が近くに有る……というか湖を抜けなきゃいけないから嫌でも水浴びすることになるし、気にするのはトイレぐらいだったかな」

 

 そのトイレもいつもの旅みたいに簡易トイレを持ち込んでおけばなんとかなるし。

 

「結果だが、110番道路にある湖上にある大きな木に対して大賀が【ひみつのちから】を使い、秘密基地を作って昼夜問わず観察したが、やっぱり電気タイプのポケモンは見つからなかった。そして、電気タイプのポケモンがいなくなった分なのか飛行タイプのポケモンが増加していて、好戦的になっていた。そして最後に、110番道路の東側に行くとポケモンの姿を見なくなった」

 

 よく集まる餌場などの細かいデータは後で纏めるとして、ここまで電気タイプのポケモンが姿を見せないのは予想外だ。森の奥へ相当潜ったのか、それともこの周辺からは消えてしまったのか……電気タイプのポケモン以外もそうだ。西側や南側でしか見かけることがほとんどない。また、南に行けば行くほどポケモンは増えるようだ。

 

 そして、データ取っている夜中に秘密基地内に何故か慌てたように潜り込んでくるズバットやヘイガニがいたり、まさかのモルフォンが現れて網代笠が戦闘不能になったりと、色々あってイベントには事を欠かない感じだったな。夕立を抜いた1人と3匹で交代制の見張りを立てていなかったら奇襲されていたかもしれん。あと何故かわからないが、御神木様達がポケモンバトルをする時以外でも興奮状態になりやすい気がするし、夕立も時たまじっと北東の方向を見ていた。

 

 トレーナーもほとんど見なかったし、どうなっているんだ。まったくもって訳がわからん。

 

 だがしかし、そんな特殊な状況下での戦闘が相まってか、大賀が対炎技である【みずあそび】を覚えたり、網代笠が【やどりぎのタネ】や【メガドレイン】などを覚えた。少々寝不足気味だが、俺的には実りのある4日だった。特に【みずあそび】! これでハルカに一泡吹かせてやろうじゃないか。

 

「キョウヘイ先生の方も? 117番道路も今のところ電気タイプのポケモンを全然見つけられていないのだけれど、飛行タイプのポケモンを凄くよく見かけている状態かな。ジョーイさんのお話は本当だったということだね。あと、しきりに東南東の方向を気にしているみたいだったかも」

 

「それと似たような反応はこっちでも見せているぞ。でも110番道路だと北東の方向を気にしていたから微妙な違いがあるな」

 

 何の差だ、これ。安易に考えれば場所の差なんだろうけれど……他の二箇所を調べれば分かるのだろうか? 後で紙の地図買って観察していた地点から線で引いてみるか。

 

「あッ! それとね、観測とは別の事なんだけれど、今日117番道路で主みたいなポケモンと出会ったんだッ!」

 

「マジか。どんなポケモンだった?」

 

 その手のことに運のないハルカが出会うとは……明日は雨か?

 

「色違いのロズレイドが林の奥で水浴びしていて、威圧感がありながらもとっても綺麗で見惚れていたら【はなびらのまい】を纏わせながら更に奥へ行っちゃって……写真撮ればよかったなぁと若干後悔してる」

 

 ハルカがとても残念そうに語っている。それにしても、色違いロズレイドか……草タイプの中でもトップクラスの特殊攻撃力を持つポケモンだな。相性的にはハルカ達の方が有利そうだが、主レベルとなると話は変わってくるだろう。それにしても、見惚れるほどの綺麗さとなると俺も見てみたいな……彫刻で残してみたい。

 

「今度は見ているだけでなくて、時間がある時に戦いを挑んでみたらどうだ?」

 

 主か……俺も、ミシロタウンへ向かう時があればもう一度101番道路の主であるマッスグマと相見えたいところだ。

 

「うん! もう一度訪れてみようと思う」

 

「なら、残りの3日の観測を終わらせないとな。挑む時は俺もついて行っていいか?」

 

「勿論オッケーだけど、その間キョウヘイ先生何しているの?」

 

「夕立と観戦しながら彫刻でもしているさ」

 

 それが終わったらキンセツシティでゲームセンター探さないとな。探してみたんだけれど見つからなかったもんなぁ……相変わらず探すのが下手だな、俺。その代わりに美味い焼き鳥屋なら発見できたからトントンかもしれんが。御神木様達にも好評だったし、今日も一度ポケモンセンターに戻る時には寄っていこうかね。

 

「じゃあ、これで伝達終了だ。次は12:00頃に一度ポケモンセンターで合流するということで」

 

 それまでに秘密基地片付けないとな。

 

「わかったかも。あ、お昼はどうするの?」

 

「俺達は焼き鳥買ってからポケモンセンターに向かうつもりだから、別々でいいんじゃないか?」

 

「えー……ならわたし達も何か買って戻る!」

 

 別に合わせなくてもいいのに。まぁいいや、なら買い占める覚悟で買ったほうがいいな。その分値段を引いてくれないだろうか……いや待て、その前に電話して一度にどれだけ用意できるのか店側に聞いておこう。無茶苦茶な客にはなりたくない。

 

「そうか。ならまた12:00にな」

 

「また後で~」

 

 さて、焼き鳥屋に電話をしなければ……

 

   ◇  ◇  ◇

 

 昼の分の焼き鳥を割り引いてもらいながらほぼ買い占め、ハルカ達と昼食を食べ終えた後に118番道路へやって来た。来たのだが……今のところポケモンが一切見当たらない。電気タイプのポケモン、飛行タイプのポケモンなんて区別すらなく、一切見かけないのだ。そして、何故かわからないが御神木様達の入ったボールがバイブレーターみたいに震えまくっている。

 

 なんだこれは……異常だ。異常すぎるぞ。

 

 2時間ほど海岸を歩き回ってみたり、海に軽く潜ってみたが一向にポケモンを見つけることができないので、少し怖いが網代笠に力を借りることにしよう。

 

「網代笠、出てきてくれ」

 

「き、キノノノノッ!」

 

「お、おい! どうした急nブッ!?」

 

 ボールから網代笠を出すと、半狂乱のように辺りをぐるぐる走り回ってから俺の顔面に飛びついてきた。いったいどうしたと言うんだ。

 

 ワニマスクから引き剥がすが、網代笠はバタバタと暴れまわっている。これは手がつけられそうにないな。一度ボールに戻そう。

 

「戻れ網代笠!」

 

 赤い光が走り、網代笠はボールに戻った。なんだ、何が起きているんだ? 御神木様を出して確認しようかとも考えたが、御神木様が暴れだしたら洒落にならん。と、言うことは……さっきのボールの震えは怯えかなにかって事か?

 

「自力でやるしかないか……」

 

 その前に御神木様達をポケモンセンターに戻そう。震えている状態で連れて行ってもロクなことにならなさそうだし、ポケモンがいないのなら連れて行かなくても問題ないだろう。それに、無理やり連れて行くぐらいならポケモンセンターの部屋の中で夕立と親睦を深めてもらいたい。

 

 とりあえず、まずはポケモンセンターに戻ろう――

 

 ――結局、往復に2時間半もかけて、再度118番道路へやって来た。

 

 最近網代笠にずっと先導してもらっていたせいか、キンセツシティを出るだけでだいぶ時間がかかってしまった……大通りを歩いていたはずなんだがなぁ……

 

「ボヤいていても仕方がない……か」

 

 さっさと観測を始めよう。とは言え、今目視できる限りではキャモメ一匹視認できない。まるであの時の海を思い出させるかのような静けさだな……嫌な感じだ。潮風のせいかマスクがベタつく感じがする。

 

 ここで3日間調査……不安しかない。どうしたもんかね。原因の考察でもするか? おそらく黒い雷が関係しているのだろうが、発生原因に挙げられるものってなんだ?

 

 ポケモンが発生させている説が今のところ最有力説だろうか。だが()()()を出す技なんて俺はダークポケモンぐらいしか知らんぞ。しかも巨大な雷ともなるとかなり強力なポケモンということになる。準伝説クラスだろうか? それともアレか? 獄狼竜でも出たのか?

 

 次に人工発生説。ただ、街の周囲で行うメリットもなければ、わざわざ放電のようにするメリットもない。怪我人が出たら企業的によろしくないもんな。それに雷、ないしは電流を黒くするメリットがわからん。もしかしたらそれを調べているのかもしれないが……それなら告知ぐらいするだろう。

 

 ん? 機材の暴走とかの線もありうるかもしれんのか。しかも企業的には全くもって雷と関係のない作業なのだとしたら関連性を発見できなくて……という事も無きにしも非ず? ありえなくはなさそうだ。ただそんな莫大な電力が消費されているのに気がつかないなんてことはありうるのだろうか?

 

 最後に自然発生説。こればっかりは専門家を呼んで調べてくれとしか言い様がない。雷の発生原因は電位差による静電誘導だっけか? 記憶が曖昧だな……まぁともかく、そんな感じでバチコンカマしてくるのが雷だったはずだ。色だって基本的に青紫や薄い黄色、あるいは白に近い青といったものばかり。温度や湿度でかわるんだっけか? 黒く光る雷なんてものは普通は発生しないはずだ。

 

 だいたいこの3つに絞れると思うのだが……まさかの第四の説とかないよな?

 

 お、ハートの鱗ゲット。ハートの鱗を集めておけば技を思い出させる時に重宝するだろう。大賀とか【ねこだまし】を思い出させてもいいかもしれないな。

 

 ……暇だ。物を拾うことしかやることがない。望遠鏡なんかも使って探してみるが本当にポケモンが見つからないな。海側ではなく北側の森を探索するべきか。

 

 そう思い至ったので森の中へ突入してみる。よく下を見ておかないと、根っこや凸凹に足を取られて捻ったり転んだりするかもな。もうだいぶ暗くなってきてしまったせいか、ただでさえ木々で視界が悪いのに、暗さや濃い目の霧も相まって10m先ぐらいまでしか見えない……迷子にならなければいいんだけれど。

 

 まぁ迷ったら南に進めばいいんだしなんとかなるだろう。そう考えてそのまま森の中を彷徨うが……ズバット一匹出てきやしない。本当にこれ黒い雷関係あるのか? 雷だけで本当にこうもなるものなのか?

 

 森の中では枝の揺れ動く音と俺自身が草をかき分けて進む音ぐらいしか聞こえてこない。何かないものかと数時間かけて奥へどんどん進んでいくと、ふと、ちゃぽんと水の滴るような音が聞こえたような気がした。

 

「む……どこからだ?」

 

 辺りを見回すが水源らしきものは見当たらない。もうちょっと奥だろうか? 何故か真っ直ぐに進めば水源があると確信して草木をかき分けて足を進める。しかし進めば進むほどに霧が濃くなってゆき、7m、5m、3mと視界がどんどん悪くなった。それでも尚、まるで呼ばれているのかのように足が止まらない。

 

 だんだんと水音のようなものは近づいてきた気がした。それに比例して水の澄んだ匂いのようなものを感じる。

 

「もう少しか?」

 

 そう一人ごちて進んでいると、ふといつの間にか俺が草をかき分けていないことに気がついた。いつの間にか森を抜けていたようだ。だが霧が晴れる気配はない。こんなところで奇襲されたらたまったもんじゃないだろう。大賀の【しろいきり】も練度が高くなればこれぐらい濃い霧を出せるようになるのかね。

 

 そんなことを思いながらも足は止めない。すると、ぴちゃりと靴が水に浸かった感触が広がってきた。どうやら霧の泉に着いたらしい。さて、俺は何でこんなところに来たのだろうか? 今のカメラの映像を見てもきっと霧しか写っていないだろう。

 

 泉の水を掬い上げてみると、なかなかに澄んだ水らしい。生水はやばいという認識は持っているがそれでも飲んでみたい衝動に駆られる。一口だけ飲んでみようか。

 

 ごきゅっごきゅごきゅ……ぷはー。

 

「う、美味い!」

 

 テーレッテレーと頭の中に効果音が鳴り響いた。てかマジで美味いな、なんぞこの水。湧水だろうか。

 

 大賀が居ればテンション上がっていただろうに……残念でならない。お持ち帰り用で空いているビンにでも汲んでおこう。そんなことをやっていると後ろから背中をコツンと押された。

 

「今いいところだからもうちょっと待って」

 

 誰だよ、ちゃんと自分の順番守れよな。それでも背中をグイグイ押される。微妙に冷気を感じ始めているが、そんなことより水を調べることを――――強いられているんだ!

 

「ガフッ!?」

 

 ずっと無視していた後ろの奴からなかなかの衝撃を食らい、全身が前方へ倒れ込んだ。

 

「何をす……る……?」

 

 全身を浸していた水から起き上がり、振り返って俺を押した犯人を見てみる。

 

 水面の上にに凛々しく立っているそれは、透明感のある水色の外見をした体、豹の様なしなやかな体躯をしており、額には特徴的な水晶の飾りがある。口には円盤を咥えていて、青のたてがみの様なものをなびかせ、体の所々に白いひし形模様が特徴的なそのポケモンの名前は――

 

「お、お久しぶりですね。スイクン=サン」

 

 スイクンさんが何故か背後にいたらしい。何しているのさあんた。俺のこの訳がわからないという心の声は届いていますか?

 

 そんな俺の心の声は届いていないようで、スイクンはこちらをじっと見ている。そんな澄んだ目で見られると恥ずかしいんですが……とりあえず録画しておこうか。

 

「……ドッキリか何か?」

 

 前回程のプレッシャーを感じないものの、スイクンが何を考えているのかわからない。しかも今、俺は御神木様達が近くにいないんですが……

 

「~~~~~」

 

 何か仰っているようなのですがすみません。わかりません。ごめんなさい。進研ゼミで教わっていないんです。感じれば分かるものなのでしょうか? というより鳴き声? のようなものすら聞こえない。人の知覚外の言葉なのだろうか?

 

 そんな感じでやりとりのようなものをしていると、スイクンが咥えていた円盤状のモノを差し出してきた。貰っていいのか?

 

「お、おう? くれるのか。ありがとう」

 

 技マシンか? なんにせよありがたいです。あのお酒のお返しなのだろうか。

 

「~~~~~」

 

 スイクンは南側を向いて何かを言っているようだ。やっぱりあっちの方に何かあるのか? どうにもイライラしているような雰囲気を感じる。最近イライラしているポケモン多いな。原因はなんだ?

 

 色々な謎を残してスイクンはそのまま更に泉の奥へ行ってしまった。ついて行くべきか否か……

 

 迷っている内に見えなくなってしまった。もう付いて行けそうにないな。

 

「……戻るか」

 

 これ以上奥へ進んだらポケモンが出てくるかもしれない。そうなったときに対抗する手段がないのは不味いだろう。そう言えば頂いた技マシンってなんだろうかと確認してみると――――№18【あまごい】。俺のキーアイテムと言っても過言ではない技だ。

 

「これは夢か何かか」

 

 俺は物の怪に化かされているのかもしれない。二の腕を軽く抓んで捻ってみるが、普通に痛みを感じた。今度からスイクン=サンではなくスイクン様とお呼びすることにしよう。

 

   ◇  ◇  ◇

 

「結局あれから3日間118番道路を探し回ったけれど、見つけたのはスイクンだけだったわ」

 

 そう言って録画した動画をハルカに見せると、口をあんぐり開けていたので口の中に先ほど買ってきたマシュマロを詰めてこんでみる。

 

「むぐッ! モグムググッ!」

 

「人間の認識出来る言語で頼む」

 

 そう言いながらもコップに水を用意してやる俺。なんと慈悲深いことか。

 

「ほれ、水でも飲んで落ち着け」

 

「んっ……ふぅ……あ、このお水おいしい」

 

 そうだろうそうだろう。あの大賀が他の奴に渡そうとしない水だからな。抱え込んで走り出した時はあまりに急すぎて反応できなかったもん。これだけおいしい水だし、もう一度あの泉に行ければ良かったのだが……もう行けなかったんだよな……後ろ向きでコインを一枚投げるべきだった。

 

「さて、結果に関してはだいたいメモの通りだな。おそらくだが118番道路の南側に何かがあるのだと思う。黒い雷の今のところの有力な説としてはポケモン説と人工説だ。個人的には最初はポケモン説を推していたんだけれども、スイクンがイライラしていたみたいだし人工の可能性がちょっと上がったかなと思っている」

 

 縄張り争いのようなものなら付近のポケモンが全て逃げ出すなんてことはないだろうし。

 

「キョウヘイ先生の変な繋がりや運はともかくとして、わたしの方は前回の報告を少しだけ変えるぐらいかな。飛行タイプのポケモンよりも地面、岩タイプのポケモンの方が多くなっていて、電気タイプのポケモンはまず見かけることができなかった。あとしきりに南東の方を気にしているみたいだったかも」

 

 気にする方角はだいたい同じということか……紙のマップに観測した地点とポケモンが気にしていた方向を書き込んでいくと一つの島の上で交差するような感じになった。少なくともこの周辺で何かがあるのだろう。

 

「ここは……キンセツ(じま)か?」

 

 ニューキンセツの北東、118番道路の南にある島……それがキンセツ島である。この島は俺の記憶より若干118番道路寄りに位置しているようで、ボートがあれば118番道路から15分程度で向かえるだろう。前に呼称名をキンセツアイランドにしようとしたが、住民投票で却下された過去を持つそうな。

 

 ノートパソコンで調べてみると、この島は|Moonlight Science Corporation《ムーンライト・サイエンス・コーポレーション》が購入した土地のようだ。

 

 そして、計画が頓挫していたニューキンセツを購入したのもムーンライト・サイエンス・コーポレーションらしい。金持っているなぁ、おい。しかもこの会社、カナシダトンネル開通を強行した会社の一つであり、過去にシルフカンパニーとも提携していたみたいだな。

 

 調べれば調べるほど黒く見えてしまうのは俺の調べ方が悪いのだろうか? しかし、黒い雷自体はここ最近の現象のようだが、ムーンライト・サイエンス・コーポレーションがこの地を買った時期は3年前のようだし……関係が本当にあるのかね?

 

 ……ん? 3年前? この数字を何かと目にしている気がする。

 

 まぁいいや。とりあえずその辺りの資料を纏めてレポートを作成し、電子媒体から紙媒体に変換していこう。これらのレポートをファイルにして明日の朝にでもポッポ便で送るか。

 

「さて、ハルカ。明日と明後日を準備期間として、明々後日にキンセツジムに挑む予定だが他にやりたいことはあるか?」

 

 明日にでもキンセツジムに連絡を入れるつもりだ。今更だが今のキンセツジムのポケモン達ってどうなっているんだろう?

 

「特にないかも? ……あ、精々117番道路の主に挑むつもりだから一部の道具類の購入はキョウヘイ先生に任せたいかな」

 

 それ、俺も見に行きたいんだがなぁ……まぁいいか。その間にゲームコーナーを探すとしよう。【かげぶんしん】の有無で今後の訓練がだいぶ変わるのだ。

 

「了解。ただこれだけは無いと困るって物は自分で買って来いよ」

 

「はーい。じゃあ、わたしは明日早いのでもう寝ます!」

 

 大丈夫なんだろうか……微妙に浮かれているみたいだが。明日に備えてもう寝るとか言っているがまだ20:00だぞ? 寝れるのか? 修学旅行前の学生のように見えて仕方がない。楽しみなのはわからなくもないんだが、まずもう一度会わないといけないんだぞ。

 

 ……まぁ、寝坊しそうだし明日必要そうな物を軽く見繕ってテーブルにでも置いておいてやるか。

 


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