カイオーガを探して   作:ハマグリ9

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アーカイブ8

~~修復完了~~

 

 研究員達が海底から引き上げた石版の調査のためにバタバタと走り回る中、吹き抜けの通路から修復作業中のアレを眺めている白衣を着たイズミを発見した。オレを呼び出しておいて何をそんなに暗い顔をしてやがる。

 

「件の物の修復は順調か?」

 

「アオギリ……ええ、いつでも使えるって。でも……本当にアレを使うの? アタシは……」

 

 一度は顔を上げて俺を見るが、また暗い顔のまま俯いた。そんな顔のままであいつらの前に出す訳にはいかん。

 

「野郎どもの前ではそんな嫌悪感丸出しで居るなよ。分からなくもないが、アレは戦力差で負けているオレ達の切り札だ。アレさえ数を揃えられればマグマ団……ひいてはあんな化物などに負けん!」

 

 あの時にアレが手元にあれば……何度そう思った事か。歴史の真実を知れば知るほどに怒りで狂いそうになる。

 

 だから誓ったのだ。この身を犠牲にしてでも人間という欲望の塊や過去に囚われた化物などに、この美しい世界を穢させないと。もう二度と会うことのないであろうオレ達の親友に。

 

 お前も理解しているだろう? と、目で言うと諦めたのか白衣の脇に抱えていた資料をこちらに手渡してきた。

 

「……アレはあんまり使いすぎるといくらアオギリでも命に関わるわ。何事もなく使えるのは3発までね。その後はたぶん2日は動けなくなる」

 

 資料に目を通しながら説明に耳を傾けるが、それは予想していた数よりもあまりにも少ない。いや、少なすぎる。多少の無理をすれば10発まではいけると踏んでいたんだが……当てが外れたか?

 

「この実験結果は刺青の効果を加えたものか?」

 

 白衣の上から刺青をなぞる。俺個人が最も忌み嫌う穢れそのものの技術ではあるが、今はこれすら有効活用しなければならないほどポケモン達の負担が大きすぎる。だからこの体に彫り込んだというのに。

 

「いいえ。でも志願してくれた団員が、その命を使って示してくれた使用回数よ。刺青によって多少増加したとしても1発追加が限度だと言わざるを得ないわね」

 

 もって4発……か。

 

「そうか……なら留意しねぇとな」

 

 留意ではなく意識しろと目で訴えられる。どうにも分が悪い。他に何か聞くべきことは……ああ、あのお方の事を聞いていない。

 

「ああ、そうだ。氷の守護者殿は今何をしていらっしゃる?」

 

「封印が解けてからは、ずっと海を眺めていらっしゃるわ。あの方にも明日の襲撃に参加していただくの?」

 

 そのつもりだと言おうとしたタイミングで、どすどすと大きな音を立てながらウシオが走って来るのが見えた。

 

「アニィ、襲撃の準備が整ったぜ!」

 

「おう、なら先に決行メンバーをホールに集めておいてくれ」

 

「わかったぜあにィ!」

 

 急な作戦変更にも関わらず、文句一つも言わないで準備した野郎どもが頼もしい。ウシオはそのまま通信室へ走っていった。

 

「……これで完全に目をつけられるわね」

 

「それは今更だ。物資を回収しないとオレ達の望む未来はねぇ……」

 

 これから始まるであろう聖戦でオレ達が負けることは許されない。にも関わらず想定していたタイミングとかなり違ったせいで食料や物資が足りていない。だから、どうしてもどこかで無理をする必要がある。それが今だ。

 

 せめてもの救いはマグマ団の基地がチャンピオンに襲撃されたことで、かなり弱ったという所か。

 

「本格的に動くのは来年の皆既日食だと踏んでいたのに、まさか今更になって見当違いだと分かるなんて思っても見なかったわ」

 

「オレもお前も、そして他の研究員達も、アレと共に手に入れた石版の文を鵜呑みにしちまったのがいけなかった。だが、だからといって動かない訳にはいかねぇ」

 

 『日が月に飲み込まれたとき、儀式を行い我らの悲願が叶う』なんてアレと共にあった石版に彫り込まれていたから誰もが単純に皆既日食だと考えていたが……まさか全く異なる星辰とはな。最早世界に残された時間は約2ヶ月しかない。

 

 あれだけの数の石版に古代のポケモンに対しての尋常ではない恨みが向けれていたのだ。失敗すれば全ての自然と全てのポケモンが死ぬ可能性だってあるだろう。昔は好きに利用しておいて今邪魔になったから殺し尽くす……そんなこと許せるはずがねぇ!

 

「それに、受け身なのは性に合わねぇ。せめて祭りの狼煙ぐらいはオレ達が好きなタイミングで炊き上げてぇからな」

 

 だからさっさといつものイズミに戻りやがれ。

 

「…………絶対に死なないで」

 

「おいおい。オレを誰だと思っているんだ? オレはアクア団を率いるリーダー、アオギリだ! あんな化物には負けねぇよ!」

 

 背中を軽く叩いて気を入れ直してやり、さっさとホールへと向かう。

 

「…………これはあなたの命を削ってまでやらなきゃいけないことなの?」

 

 最後にぽつりと呟いたイズミの小さな問いをオレは聞かなかったことにした。

 

 

~~現在のポケモン達について~~

 

 

 あれから色々とあったことだし今日中に全員分の情報を纏めなおすか。

 

 そう思い立ってみたものの、いつのまにやら昔と比べてファイルやスクラップブックの厚さが倍以上になってしまっている。こいつは纏めなおすのにそれなりに時間がかかりそうだなぁ……さっさと処理しないとまたハルカに毒を吐かれそうだ。

 

 ファイルを小脇に抱えて移動しようとすると、タイミング悪くハルカに見つかってしまった。結構な量の課題を終わらせたせいか、既に眠気がピークらしい。寝巻きを完全装着して微睡んだ目をこすっている。あんまり目を擦ると目に悪いぞ?

 

「キョウヘイ先生はまだ寝ないの?」

 

「もう少ししてから寝るつもりだ。隣の部屋の机で作業するから襖を閉めてもらえるか?」

 

 そう言ってファイルの一部を見せる。すると納得したのかふらつく頭のまま布団に不時着した。

 

「わかったかも。おやすみ~」

 

「おやすみ」

 

 電気を消して部屋を移る。机にファイル類やパソコンを並べてから襖にもう一度目をやるが、完全に閉まっているようだ。問題なさそうだな。甚平のお陰かこのジメジメとした暑さの中でも汗をかいていない。これなら資料が滲むなんて悲惨なことは起きないだろう。

 

 さて、まずは御神木様からだな。

 

 No.597 テッシード(NN:御神木様) 草/鋼タイプ ♀ 鉄の棘 生意気な性格 色違い個体 現在の推定レベル30前後

 

  覚えている技  

 たいあたり

 やどりぎのタネ

 タネばくだん

 ステルスロック (派生系列:城 鎧 大石槍 檻 岩散弾 鍛造 串刺ノ城)

 ころがる

 こうそくスピン

 のろい

 メタルクロー

 ミサイルばり

 ジャイロボール

 タネマシンガン (派生系列:フルオート 3点バースト 弾幕 バックショット スラッグショット エアバースト)

 おんがえし  

 てっぺき

 ミラーショット

 

  派生方法

 蓮の花のように自身を中心に【ステルスロック】を展開するのが城

 自身に纏うように【ステルスロック】を展開するのが鎧

 鎧+【こうそくスピン】によって纏ったステルスロックを弾き飛ばすことで面攻撃を行うのが岩散弾

 【ステルスロック】を【こうそくスピン】によって1本1本弾いて撃ち出すものが大岩槍

 【ステルスロック】を相手に纏うように展開するのが檻

 鎧+【のろい】で防御をしながら【のろい】を積んでいくのが鍛造

 城+城+【やどりぎのタネ】で通常よりも大規模の【ステルスロック】群をばら撒き、【やどりぎのタネ】でいたるところに宿り木を発生させ視界や移動を制限、小さな森を作ることを目的としたのが串刺ノ城

 

 【タネマシンガン】を区切らずに一気に発射するのがフルオート 近距離用

 5発ごとではなく3発ごとで射撃するのが3点バースト 中~遠距離用

 足止めをメインとして可能な限り撃ち続けるのが弾幕 遠距離用

 一度に25発以上のタネを散弾の如く発射するのがバックショット 近距離用

 25発分のエネルギーをタネ1つに集中させて打ち出すのがスラッグショット 近距離用

 タネマシンガン+タネばくだんによって接触か時間で爆発するタネを連続発射するのがエアバースト 中~遠距離用

 

・イッシュ地方からホウエン地方へ向かうマリンホエルオー号の船内で出会った。なぜ居たのかは未だに不明であり、その場で高数値個体であることを確認している。どこかから逃げ出してきた可能性あり。ダイゴさんにそれとなく聞いてみたが事件関係の厄介事は見つかっていない。

 

・最近、プラズマ団のことを調べている時にイッシュ地方でテッシードを専門としていたブリーダーが破産した記事を発見した。大量に産まれてしまったが故の破産とのことなので、もしかすると御神木様も関係しているのかもしれない。ただ、ブリーダーが店を開いていたサンギタウンは本来の生息地である電気石の洞穴からは程遠い為関連性は低そうだ。スクラップブックに一応記事を残しておいた。

 

・相変わらず食べ物は苦目のものを好んでいるが、最近甘いものにも手を出すようになってきた。もしかすると……というよりも当たり前なのかもしれないが、性格で好みの味が決まるなんてのは当てはまらないのかもしれない。どうにもゲームであった頃の知識に引っ張られすぎている気がする。これからはあんまり深く考えないでおこう。抹茶やグレープフルーツに目がないのは確認した。

 

 あと最近やけに鉄の玉の消費が激しい。それに加えて貴金属、卑金属関係なく色々な金属類を欲するようになってきた。御神木様が吸収しているようなのだが何なんだろうか? 進化が近い? いや、推定レベル的にそんなことはないはず。とりあえずダイゴさんに貰った上質の鋼やタングステン鋼を与えて様子を見る事にする。経過は後に書くとしよう。

 

 最近はビスマスがお気に入りらしい。柔らかく脆い性質のはずだが何にそこまで惹かれるのだろうか? 構造色か? そういえば以前よりも棘の反射が独特なものに変化してきている気がする。写真……は確かポケモン大好き協会の会長やオダマキ博士が激写していたな。今度画像データを送ってもらって見比べるか。

 

・やはり、生態的に暗いところや狭い所が好みのようで、押し入れに隠れていたりすることが多くなった。あと移動は大賀の頭の葉に乗って移動しているのをよく見かける。仲がいいのはなによりだが偶には自分で歩いたらどうだろうか?

 

 それと天井に張り付いて回転する際、天井に穴が開かないのを確認した。どうやって張り付いているのだろうか? 棘と天井の間にはカラー下敷き一枚分の隙間がある。この実験を行った際に御神木様から凄く不思議そうな目で見られてた。相変わらず興味が尽きない。

 

・マッサージの内容は以前と変わっていない。古くなった刺を抜いてやったりコンパウンドを使ったボディ磨きを中心に行う。最近抜いた棘が100本を突破した。これこのペースで抜けていいものなんだろうか?

 

・基本的な戦い方は、複数の耐性を前面に出した高耐久を武器に根強い方法を好む。ボロボロになった相手の疲れた顔が見たいというドSなのか、打たれるのが好きなドMなのか判断に苦しんでいたが、最近ドS側だと気がついた。

 

 やはり打撃力が足りないのが弱点か? どれだけ工夫を加えても射撃系統がメインだと辛いものもある。【ジャイロボール】以外にも接近技を覚えて貰いたいところ……【パワーウィップ】を覚えることが出来たら劇的に変化すると思われる。ドラゴンや水、毒、草、岩などのタイプに特に強い。最近、【こうそくスピン】で相手の技を受け流す、或いは弾く事を覚えた模様。

 

 次は大賀かな。大賀も以前より色々と面白いところが発見できるようになったなぁ。

 

 No.270 ハスボー→ハスブレロ(NN:大賀) 水/草タイプ ♂ すいすい 臆病な性格? 通常色個体 現在の推定レベル25より上?

 

  覚えている技

 やどりぎのタネ

 ギガドレイン

 カウンター

 れいとうビーム

 しろいきり

 しぜんのちから

 しぜんのめぐみ

 ひみつのちから

 タネマシンガン (派生系列:フルオート 3点バースト 弾幕 バックショット スラッグショット バウンドガン バウンドショットガン)

 おんがえし

 みずあそび

 あまごい

 かげぶんしん

 ねこだまし

 かわらわり

 みずのはどう

 ねっとう

 バブルこうせん

 

  派生方法 上記と同じものは省略

 【タネマシンガン】が着弾点からスーパーボールのように数回跳ね返るのがバウンドガン

 バウンドショットガンはそれの散弾タイプ

 バウンドガンは前述の派生系列の攻撃方法と同じことができることが確認されている

 

・102番道路の大洪水の被害者であり、トウカシティのポケモンセンターで看病中に出会った。氾濫した川の濁流に巻き込まれ、自慢の蓮の葉や全身がボロボロになっていた。この際に岩、石に対してトラウマを持った模様。現在になってようやく乗り越えられ、無事ハスブレロに進化した。俺に自然災害の恐ろしさを自覚させてくれたポケモンでもある。

 

・食べ物は清らかな水や甘いもの、肉等の内臓系を好み、辛いものが苦手なようだ。以前は辛いものを食べると珍しく激怒していたが、最近は麻婆なども食べるようになった。進化して味の好みが変わったか? ただ甘いものは相変わらず好みのようだ。あと今のところ唯一メンバーの中で酒を好む。甘口辛口などは関係なく、名水か否かで選別しているようだ。今のところハズレを買った記憶はない。水に関してはとてもうるさく、俺が一番管理に徹底しているのは資料類よりも水な気がする。

 

・スイクンが居た地下水脈の水を偶に欲しているようで、もう一度あそこで泳ぎたいらしい。生態からくる欲求なのだろうか? 俺が118番道路のスイクンのいた泉から汲んだ水を持ってその場から逃走するという珍事を起こした張本ポケでもある。最近はよく金ダライに井戸水を張って、足水を行いながら日光浴をするようになった。

 

・大賀もマッサージの内容に変化はない。身体的な変化は以前よりも頭の葉肉が厚く、色味も増した気がする。腕も前よりも太くなったか?

 

・戦闘方法はそれなりの速さでかく乱し、射撃攻撃や搦手を扱う戦闘方法を好むようだ。最近では【かわらわり】にハマっているらしく、よく御神木様や網代笠と共に練習しているのを見かける。御神木様が【ステルスロック】で的を作り、そこに【かわらわり】や【きあいパンチ】を打ち込んでいるようだ。野戦を行う際、個人的に一番作戦が立てやすい子。やっぱりアウトレンジからの一方的な攻撃が一番勝ちやすい。【タネマシンガン】の精度を上げることと、肺活量を上げることを課題としていたが、精度や肺活量を上げながら同時に跳ね返る弾を作るという斜め右上な偉業を成し遂げてしまった。どういうことなの……あと、うちのパーティで一番射撃に対する適性があると思われる。時折ワンホールショットじみたものを見せるようになっており、ついでにバウンドガンのバウンドをかなりの精度で制御しているのだが射線でも見えているのだろうか?

 

 ノーマル、岩、地面、草、飛行、氷などのタイプに特に強く、霧に隠れながら全方位に跳ね返る弾でスナイプする河童が誕生した。一方的な攻撃は想定していたが予想外にも程があるだろう。なお本ポケが一番好きなのは真正面からの真っ向勝負である。そんな【タネマシンガン】の影に隠れてしまっているが、水技も覚えた為にかなり炎ポケモンに対して一定以上の戦果を期待できるようになった。一番技が多彩であり、実は俺の知らない技があるのではないかと様子を見ている。

 

・意外と楽しみを優先するタイプのようで、思いの外いたずらっ子でもあるようだ。河童っぽいと言えばぽいのかもしれないが、河童って五行の金が苦手って記憶があるんだけれどもその辺どうなんですかね? モンスターボールや金ダライは問題ないらしい。特に金ダライは木の桶が使えるのに金ダライを使っているから案外お気に入りなのかもしれない? 要観察。

 

・頭に乗せられなくなったのは残念だが、その代わりに一緒に筋トレをする機会が増えた。

 

 次は網代笠か。網代笠については以前のものに大量に情報を書き加えないといけない。ちらりと時計を見ると既に01:40にまで達してしまっていた。ハルカ達も完全に眠ってしまっていることだし、なるべく物音を立てないようにしないとな。

 

 No.285 キノココ(NN:網代笠) 草タイプ ♀ 早足 意地っ張りな性格? 通常色個体 現在の推定レベル25前後

   

  覚えている技

 たいあたり

 しびれごな

 タネマシンガン (派生系列:フルオート 3点バースト 弾幕 バックショット スラッグショット バウンドガン バウンドショットガン) 

 きあいパンチ

 おんがえし  

 やどりぎのタネ

 メガドレイン

 かげぶんしん

 ずつき

 どくのこな

 

 組み合わせ技 上記のものは省略

 【しびれごな】を撒き散らしてから【かげぶんしん】を行うことで安全に【かげぶんしん】を積むことができるしびれ分身の術

 

・トウカの森(眠りの森)で出会った。侵入者を見つけるために見回りに出ていた際、俺とかち合ってしまった子。あの勝負の結果は個人的にはドローな気がするが俺に付いてきてくれたようだ。勝負事が好きらしく、今でも偶に追いかけっこを行う。あの時持っていたケチャップは俺の前に眠りの森に挑んだトレーナーの物らしい。

 

・食べ物は清らかな水や辛いもの、落ち葉を好み、渋いものが嫌いなようだ。間違えて御神木様の苦渋いおやつを食べた時には悶絶していた。そんなに嫌だったのか。うちの3匹は互いの嫌いなものが好きなものと重なっているから、偶にめんどくさいことになるなぁ……なんて思っていると、いつの間にか少しずつだが改善されているようで、渋いものを食べても多少怒る程度になった。今度特製のジャムを作ることを約束しているから早めに作らないとな。アルコール類はそこまで好きではないらしい。

 

・マッサージ内容は変更なし。性別が♀だからか美容に気を使っているようで、ハルカと共にファッション雑誌を眺めているのを目撃したことがある。あれはどっちが持ち寄ったのだろうか? また、以前よりも笠や足が大きくなっている。特に如実なのが足のサイズで、前のサイズより1段階大きくなった。やはりすぐに進化できる状態だからだろうか? 進化待機状態でストレスになってなきゃいいんだけれどなんて思っていたが、別段問題はないようだ。ただ、偶に歩幅や勢いが思っていた感覚と違うのかアレ? っと頭をかしげている時がある。

 

・要注意観察対象であり、その実態はおそらくだがマグマ団の怪電波実験によって突然変異を起こしたポケモンの一匹。毒、眠り、麻痺、火傷、氷、混乱、等の基本的な状態異常に耐性がある。また、他の突然変異したキノココなどには体の一部が奇形化したものがいるため、網代笠が進化する際には細心の注意を払う必要があるだろう。今のところおかしなところは見受けられないが自らのその特性を理解している節があり、それを上手くバトルに利用しているようだ。網代笠が自らの強みとして認めるのならば俺はそれを後押しして最大限に活かせる場を整えることを決めた。今のところスタンスを変えさせる予定は無し。

 

・それなりの速さで踏み込み、近距離から強力な一撃を叩き込む戦闘方法を好むようだ。以前は接近できなければ途端に動きが悪くなってしまっていたため、どうにかして懐まで潜り込ませるのが課題であったが、今では【かげぶんしん】を囮に使うことで上手く立ち回っているようだ。ならば今の課題は接近した上での一撃技を鍛え上げることだろうか? 他の3匹に比べ野生の勘が働くことが多く、現にバトルロワイヤルで初代勝者になった。特性:早足による周りをよく見て、先んじて動くという行動がこの結果を生み出しているのだろう。いつも道案内でお世話になっています。

 

 水、岩、地面などのタイプに特に強い。うちのパーティは基本的に水、岩、地面に強い子ばかりである。最近は自主訓練にも余年がないようで、大賀や御神木様を連れてよく訓練を行っているのを見かけるようになった。どうにも接近技のみ自主連している気がするが気のせいだろうか? まぁ長所を伸ばすのはいいことだ。自主的にやる分には構わない事にしよう。

 

・一応日光浴もするようだが基本的にじめっとしている方が好みのようで、最近はテンションが少し高めだ。雨期が終わったら元に戻るだろう。

 

 次は夕立か。ファイルにしっかりと書き込むのは初めてだな。とは言え夕立についてだと書けることも限られてくるのだが……まぁそれでも纏めておいた方が後で見る時に楽になるだろう。

 

 №133 イーブイ(NN:夕立) ノーマルタイプ ♀ 危険予知 図太い性格? 通常色個体 現在レベル1~5の間ぐらい

 

 覚えている技

 あまえる

 じたばた

 のろい

 ねがいごと

 あくび

 みきり

 たいあたり

 てだすけ

 しっぽをふる

 バトンタッチ

 かげぶんしん

 

・117番道路にある育て屋のテンカイさんから譲り受けた生まれたばかりのポケモン。マグマ団にタマゴの状態で攫われ、俺がいじめ、もといシバいて取り戻した辺りで孵化した子である。生まれてから一番最初に見たものがダイオウホウズキイカのマスクというのは俺も悪いことしてしまったななんて思ってる。好奇心が旺盛なようで、よく全員の訓練やトレーニングを見ているようだ。

 

・乳離れも意外と早く、食べ物は酸っぱいものや果物、肉類が好きなようでここで新たなレパートリーが必要だという事態になった。とりあえず当分の間は離乳食代わりに果物系を食べてもらっていたが、途中で酸っぱめのバランス離乳食を購入し事なきを得ることに。思いのほか特性が活きているのかちょっと危なくなった食べ物には一切手をつけない。こういう特性の子が生き残ってきたのだろう。

 

・マッサージに関しては額や耳、耳の後ろの付け根、足や胴体などなどで、ツボはどこでも好きらしい。予想外だったのは耳の中に指を突っ込んで耳毛ごと揉み込むのが一番のお気に入りになってしまったことだ。手元が狂って耳に入ってしまった時にはやってしまったと思ったが、まさか違う意味でハマるとは……最初こそ恐る恐るで揉み込んでいたが、今では親指の根元まで突っ込まないと怒られるようになった。耳をピクピク動かして催促してくることもしばしば。

 

 網代笠のボール類も借りることが多く、使用するマッサージオイルはさらりとしたタイプの刺激の少ない保湿・保水系オイルが好みのようだ。お香に関しては森の中のような匂いを放つお香はお気に召したみたいだが、別段キツすぎなければ気にならないようだ。まぁこの辺の好みの追求はもう少ししてからでもいいだろう。

 

 つい昨日、ビンゴゲームの商品であるカット、毛づくろい券を使うためにハルカと共に美容室HOKAGEに行って夕立のカットや毛づくろいをしてもらったのだが、やはり資格取りたての整体師とはレベルが違うと実感した。毛艶が凄まじい。白いマフラーがとても似合っています。

 

・バトルに関しては今のところ実践を一度も行ったことがないため不明。しかし、訓練中に見せる動きはどんどんと最適化されており、こと【かげぶんしん】については既に大賀よりも早く、多く、そして上手くなっている。ただ攻撃技がほとんどないため、適度な相手を見つける必要がある。

 

 今までの激闘を見せてきたせいか思いの他度胸があり、訓練で【タネマシンガン 弾幕】に突っ込みながら【バトンタッチ】を行う等の練習を実行した際にはミスらしいミスをほとんどしなかったのが印象的だ。これも血の成せる技なのだろうか? 今後に期待。ただ、初戦で緊張してしくじるパターンもあるためほどほどにすることを留意しておくべきだな。

 

・今の技的にはサポートがメイン。将来的には水タイプのシャワーズになってもらう予定なので有効なタイプは炎、飛行、岩、地面、草に加えて物理受けとして格闘、鋼だろうか。

 

 とりあえず【あくび】と【ねがいごと】と【バトンタッチ】を俺がしっかりと活かせるようにならなければ話にならない。

 

・一応既に水の石は報酬として手に入れてある為、いつでも進化はできる。しかし、一回もまともなバトルを行わずに進化するのはどうかと思うため、推定13~22レベルの【でんこうせっか】を覚えた辺りで進化させようかと考えている。テンカイさんにも釘を刺されているしな。何かしらを行ったらすぐにできてしまうという夕立の今後を考えると変に増長させない方がいいだろうし。

 

 ここまで書いて今更だが、俺は夕立を甘やかしすぎているかもしれないと自覚した。思い立ったら吉日と言うし、明日辺り夕立のデビュー戦をやってみるか。丁度いいトレーナーがいるといいのだが。

 

 次はハルカのポケモンの項目だな。正直、ハルカ自身がノートに書くようになったから俺のデータはいらない気がしなくもないが、俺視点ではどうなのかというのを纏めておいて後日見合わせることで全く新しい視点を持てるようになるかもしれない。まぁディスカッションのネタにはなるか。

 

 No.255→No.256 アチャモ→ワカシャモ 炎タイプ 性別:♂ 特性:加速 意地っ張りな性格? 通常色個体 現在の推定レベル26?

 

 覚えている技

 ひっかく

 なきごえ

 きあいだめ

 ひのこ  (派生系列:火花 大玉) 

 つつく

 にどげり (派生系列:纏蹴り)

 おんがえし

 かわらわり (派生系列:火鉢割り)

 すなかけ

 かえんほうしゃ

 オーバーヒート

 

 派生方法

 一塊の【ひのこ】を空中で崩壊させて範囲攻撃を行うのが火花

 通常よりも巨大な【ひのこ】を吐き出すのが大玉

 大玉を【にどげり】で蹴り砕いて加速させて打ち出すように扱うのが多い

 また、最近訓練中に見かけるようになったのが【ひのこ 大玉】を砕かずに足や手に纏わりつかせて攻撃する方法だ。仮名として足に纏う方を纏蹴り、腕に纏う方を火鉢割りと呼称することにする。ハルカと真正面からバトルすればわかるのだろうけれど……今やったら確実に負けるよなぁ……

 

・オダマキ研究所で出会ったらしい。1番最初にハルカの仲間になったポケモン。どういう経緯で出会ったのかはまだ教えて貰っていないが、何か訳ありのようだ。普段はそんな気を見せないが偶に何か話しているのを見かける。これは俺が入り込んでいい問題なのだろうかと考えていたが、どうにもハルカの方からぽつりぽつりと情報を漏らし始めている。それについては後に考察。

 

・食べ物は穀類や辛いものを好み、渋いものが嫌いなようだが、一応食べられなくもない程度に矯正することに成功。やはりポケモンの好みは性格ではなく個体差じゃあなかろうか? データが必要だ。

 

・以前よりも俺にマッサージを頼むようになった、ただ内容は変化していない為前述を参考に。以前よりも体全体の筋肉量が増している気がする。特に足の筋肉が凄まじく、強力でありながらしなやかさを兼ね備えている。これが特性:加速を生み出しているのだろう。

 

・徐々に速度を上げていき、接近技で相手を蹂躙する戦闘方法を好むようだ。何度かやられたから分かる。あいつはドSだ。ただ、むやみに突っ込む癖があるので轡をしっかり握ってやらないとただの暴走軍鶏になる。【かえんほうしゃ】の技マシンはまだ渡していないが明日にも渡す予定だし先に書き記しておいても問題ないだろう。

 

 ノーマル、虫、草、岩、氷、鋼などのタイプに特に強い。かなり万能な力を有している。将来的には【ブレイブバード】も覚えるだろうしな。

 

 これに勝つには俺達はどうしたらいいのだろうか? 現状、このワカシャモが最大の天敵である。【ステルスロック】でフィールドを構築しても叩き壊され、特性故に持久戦は選択できない。【しびれごな】を当てれれば一発だがその前に焼き払われるだろう。大賀が先に潰すかワカシャモが先に潰すかのガチンコになる未来しか見えない。2匹とも正面からのバトルが好きだしな。

 

・一緒に筋トレすることが多い。大賀や俺と共に回数や順位を競っている。先日、とうとうマラソンで負けてしまった。とても悔しかったので他の勝負を挑み、見事腕相撲で勝つことが出来た。ただそのあとに大賀に負けたけど。水泳なら確実に一位になる自信があるんだがなぁ……

 

 こんなところかね。最後の方なんか違うこと書いている気がするが……まぁいいか。次はガーディ。昔に比べてだいぶおとなしくなったし俺にも吠えなくなった。思い返せば最初の頃は前途多難だったなぁ。

 

 No.058 ガーディ 炎タイプ ♂ 威嚇 腕白な性格 通常色個体 現在の推定レベル25前後?

 

 覚えている技

 かみつく

 ほえる

 ひのこ 火花 大玉

 あさのひざし

 インファイト

 おんがえし

 かえんぐるま

 きしかいせい  

 かえんほうしゃ

 オーバーヒート

 

 派生方法 上記と同じものは省略

 

・トウカシティのポケモンレンジャーハウスで保護されていた。2番目にハルカの仲間になったポケモン。前のトレーナーに捨てられたため軽い対人恐怖症の気がある。特に背の大きな男がダメらしい。最近はようやく俺にも慣れたようだが、その代わりに噛みグセがついた気がする……気のせいだろうか? よく手をがじがじされる。俺以外の背の高いトレーナーは未だに忌避するようだ。

 

・食べ物は酸っぱいものや肉類を好み、渋いものが嫌いなようだ。イヌ科に近いせいか鼻が良く、渋めの食べ物を持っているとまず近寄ってこない。そのくせ匂いを辿ったのか変なところに頭を突っ込んで抜けなくなりかけるという珍事をやらかす。笑っていたら噛まれた。

 

 先日、太い骨を発見したらしく、ずっとその太い骨をがじがじ噛んでいると板前さんが処理をした牛骨を1本追加で持っていらしゃったのでありがたく頂戴した。今も牛骨がガーディの寝ている籠の横に置いてある。自ら発見した太い骨はいつの間にかなくなっていたがどこへ行ったのだろうか? ハルカもわからないらしい。意外とマイペースなタイプである。

 

・以前はできなかったマッサージだが、最近は少しずつ参加するようになった。夕立と同じく額や耳の裏のツボが好みのようで、以前よりも近寄ってくるようになった気がする。マッサージオイルはワカシャモと同じタイプのものを少量使っている。やはり炎タイプはそれなりに速乾性のある方がいいらしい。お香も相変わらずだ。ハルカに整体師の櫛の使い方を教えたからか、毛並みが前よりも良くなった。あとはカットだろう。最近、ハルカがポケモン用のトリマーの資格について眺めているのを目撃している。夕立の件で思うところがあったらしい。ガーディ達の為に一念発起するのだろうか?

 

・戦い方はトップスピードからの接近戦を好むようだ。強力な技をいくつか覚えており、それらを駆使して戦うが、持続性が低い。体力が余っているのに技のPPが足りないなんてことがよく起こる。未だに起こる。時たま命令を無視して先走るからだろう。あれはたぶんテンションが上がりすぎるからだろうな。それでもレパートリーは増えたので全体的な強化はされている。あとは体力だが……これは進化すれば簡単に解決できる点だろう。既に炎の石は持っているしな。ただ、今すぐに渡したらガーディが増長する気がするので、せめて確実に命令を聞くようになるまで待つべきだろう。

 

 虫、草、氷、鋼などのタイプに特に強く、俺たちの天敵パート2でもある。強力な一撃と回復技を両立させており、敵として出てくるとかなり厄介。出てくる前に場を整えて動く暇もないうちに圧殺するのが吉なのは相変わらず。こっちはまだ対策がついているだけマシだろう。

 

・もう安らぎの鈴を装備する必要はないだろうから、今度返してもらおう。

 

 こんな感じだろうか? ここ最近は基本的にハルカと散歩しているのを目撃してたばかりだからなぁ。ナックラーとの話し合いはナックラーの方に書くとして…………次はゴンベか。

 

 No.446 ゴンベ ノーマルタイプ ♀ 厚い脂肪 意地っ張りな性格 通常色個体 現在の推定レベル23前後

 

 覚えている技

 のろい

 しねんのずつき

 ゆびをふる

 かぎわける

 たいあたり

 まるくなる

 ドわすれ

 したでなめる

 おんがえし

 かわらわり

 リサイクル

 いやなおと

 ひみつのちから

 

・104番道路のフラワーショップ サン・トウカの裏の木に塗った蜜に寄せられて来たらしい。3番目にハルカの仲間になったポケモン。目と目が合った瞬間にビビビッと来て、その後ノリで連れてきてしまったらしい。何を言っているのか俺にはわからなかった……それをどう書けばいいんだ。本ポケはなんだか異様にテーブルマナーが上手い。なんなんだこいつは!? というのが俺の当初の感想だったが、今考えるとゴンベってどこかのトレーナーから放流された奴じゃないか? なんて思っている。食事のマナー関係は元より、ある意味一番しっかりしていてポケモンの世界でも人の世界でも生きられるような感じだ。人に溶け込めるポケモンというのはかなり少ない。発見から仲間化の流れからして逃げ出してきたという感じじゃあないっぽいからたぶん放流。ゴンベを放流って……いったい誰が? ちょっと前進したっぽいが未だに不明。

 

・食べ物はほぼ全般を食べるが特に辛いものが好きらしい。渋いものも普通に食べていたが、その手は動くのが遅かった気がする。最近はここの辛子明太子にハマっているようだ。量があったほうがいいが、偶に量より質を取るようだ。オダマキ博士経由でゴンベ、カビゴン系が好きなポフィンやポロックのレシピを送ってもらい、現在ハルカが調整中である。ときたま味見もしているみたいなんだけれども大丈夫なのだろうか? ただ、ここの旅館に来てからは量よりも質を取ったようでだいぶ食べる量は大人しくなっている。それでも十分多いのだがそういう種族ゆえ仕方がないだろう。

 

・マッサージは全身をくまなくやると喜ばれる。特に背中がいいらしい。なんとなくだけれどもマッサージを終えた後だと動きがいい気がする。ただ、ゴンベのマッサージをやるときは気力をフル活用して、尚且つ道具類も全て使う勢いで行わなければならない。脂肪の厚さでツボが途中でずれたり、普通に押すだけでは届かなかったりと何かと大変だと知った。使うマッサージオイルはさらっとしたタイプの刺激の少ない保湿・保水系で、お香は森の香りである。保湿系が好みなのはちょっと意外だった。

 

・戦闘方法は攻撃を受け止めたあとに全力の一撃でなぎ倒すストロングスタイルを好むようだ。種族値を活かした戦い方だろう。技も物理技が揃ってきている為、かなり強力。特にタイプ一致の【おんがえし】は懐ききっていたら凄まじい威力を発揮する。また【しねんのずつき】を交代読みで格闘ポケモンに、岩タイプが出てきたら【かわらわり】で叩き割る等の豪快な戦い方を好むらしい。

 

 特性:厚い脂肪故に炎、氷などの特殊攻撃を行うタイプにめっぽう強い。またエスパー等の特攻で攻める相手に対して強気に出られるだろう。ただ、俺達の場合物理技が多いから遠距離スタイルを変えなければ一方的に倒せる。

 

 最近になってハルカに言われて【ひみつのちから】を覚えさせた。律儀なタイプというのも相まって図面を引けばなるべくそうなるように部屋を作ってくれる。ただし時折大きさを間違えるようなので、要訓練である。多少のミスをなくせば安定するようになるだろう。

 

 結局、このゴンベはどういう理由で旅をしていたのかもの凄く気になっている。いつか教えてもらいたいものだ。あと懐き度はわからないがそろそろカビゴンに進化してもおかしくはないと思う。

 

 次は……あの砂漠の主である色違いフライゴンの息子か。あんまり交流がないんだよなぁ。とりあえずハルカのストーカーではなくガーディと何かあったようなのだが。なんなんだろう?

 

 №328 ナックラー 地面タイプ ♂ ちからずく 意地っ張りな性格 色違い個体 現在の推定レベル24前後?

 

 覚えている技

 でんこうせっか

 じたばた

 だいちのちから

 むしくい

 フェイント

 だましうち

 すなじごく

 どろかけ

 じならし

 いわなだれ

 かみくだく

 ばかぢから

 じわれ

 

・111番道路の一部である砂漠でガーディとの決闘に破れた。4番目にハルカの仲間になったポケモン。どうにもガーディに対してライバル意識を持っているようだ。これはこれで面白いので黙って見ていることにする。互いにとっていい刺激となって欲しいが……どうだろうか?

 

・食べ物は辛いものや肉、硬い食べ物を好むようで、嫌いな食べ物は今のところ見つかっていない。そう。見つかっていないのだ。ビックリである。だから前から薄々と思っていた性格と好きな味に関連性はないんじゃないかというものを再度浮上させることになった。別段普通に食べられるものならなんでも食べられるようで、これだけは嫌だ!って食べ物は本当にないっぽい。最近は辛く味付けされた殻付きの蟹に夢中になっている。ハマったらしい。

 

・マッサージは今のところ受けさせてもらっていない。お香もどうなんだろうか? 森の香りに対してはそこまで嫌そうな雰囲気ではなかったからおそらく大丈夫。ダメなら砂漠系のポケモンにオススメというやつでも漁ることにしよう。

 

 生態からか顔以外を隠そうとする為、ザルに隠れて顔だけ出しているなんて姿を見かける。あと、巣を作って待つという生態なので気も長いのかなんて思っていたのだが別段そんな訳でもなく、ガーディと喧嘩しているときがある。居場所の取り合いだろうか? そこまで大喧嘩という感じではないので今のところは放置しているが、これが吉と出るか凶と出るか……凶な気がしなくもない。明日辺りガチンコ勝負させた方がいいのではないだろうか?

 

・戦い方は強力な顎を使った【かみくだく】をメインに、じわじわと相手を削ってゆくスタイルを好むようだ。砂漠等のように砂場があればそれを纏うことで隠れたり、顎を強化したりするようだ。ただ、顎で噛むことに固執してしまう時があるらしい。プライド故か? 要観察。

 

 また技の豊富さもさる事ながら、個体の戦闘経験がこのメンバーの中では最も多いようで体中に傷がある。色違い個体というのもそれに拍車を掛けているのだろう。それ故に端々の行動選択はスムーズであり、真正面から戦うとなると苦戦を強いられるだろう。

 

 岩、鋼、電気、炎、毒などのタイプに特に強い。【じわれ】による一撃必殺系の攻撃や一貫性のある【ばかぢから】による単体高火力技を持ち合わせているため、どんな戦闘でも一定以上の活躍はできるだろう。

 

 ただ俺達の場合、網代笠辺りが一方的に攻撃しそうではある。それともう一つ弱点があるようで、フエンジムの水が流れている所ではまともに動けなかったらしい。全身が水に浸るというのは砂漠ではあまりない経験だろうし、尚且つ流されるなんてことになったらパニックになっても不思議ではない。むしろそうならないだけ強靭な精神力を持っていると言える。

 

 だからこそ水や草が主体の俺達とはかなり相性が悪い。【みずあそび】や、今は使えないが本来なら【あまごい】もあるしな。

 

「……こんなところか?」

 

 とりあえず一息付いたので冷蔵庫からおいしい水を取り出して一気飲みをしながら時計を見る。時刻は04:33……とても微妙な時間だな。

 

 今から寝れる気もしない。最近寝れる日と寝ることのできない日が如実になってきている気がするな。砂漠に戻ったらまた変わるのだろうか? 気絶するように眠るのは嫌だが、こうして一切眠らずにただただ夜が明けるのを待ついうのも個人的には好きではない。

 

 さて、ハルカが起きる前にアレの続きを書くか。体に変化が起き始めているのなら後で見直しても分かるようにしておかないと。

 

 そう思い立ってファイルの隙間に挟んである紙束を広げ――――ようとした所で部屋の向こうから物音が聞こえてきた為、すぐに元の場所に戻す。

 

 がらりと襖が開いて寝ぼけたハルカがぬるりと現れた。頭には盛大な寝癖が自己主張をしている。

 

「……あれ? キョウヘイ先生まだ起きてたの?」

 

「いや、さっき起きたから続きを書いていたんだ」

 

「ふーん。まぁいいや。お手洗い行ってきます」

 

 そのままトイレへフェードアウトしてゆく。今日は……これの続きを書くのは無理そうだな。砂漠にいる間に書き終えられればいいのだが。

 

 時間が足りない。本能的なものだがこういう嫌な予感はあの事件以来外したことがないから余計に焦る。何かが、何か大きな変化が起きる前に情報を纏めておかないと……

 

 

~~今日の天気と未来の星空。そして緊急ニュース速報~~

 

「――――なので、今日のホウエン地方はどこも晴れ模様が広がるでしょう」

 

 晴れか。洗濯物を乾かすにはいい日だな…………もうそろそろ雨が降ってもいいんじゃないの? 雨期ってなんだったのさ。

 

「雨も降らずにジメジメジメジメ……せめて水を大地に撒き散らせと」

 

 異様な天気だということは天気研究所でも感知しているのだろう。だからといって解決方法もないのだが。これもグラードンの仕業なのか? グラードンの日照りってもっと焼けるような強い直射日光だったはずなんだがなぁ。

 

「ほらキョウヘイ先生、街頭のテレビに文句言っていないでさっさとフレンドリィショップや八百屋に行かないと。新鮮な木の実を買うんでしょ?」

 

 うーん、どうにも頭の中が痺れたように働かない。昨日はしっかりと寝るべきだったか?

 

 ハルカに引っ張られるようにそのまま街頭に設置されている大型テレビの横を通り抜けてフレンドリィショップへ向かう。少し歩くと人のごった煮のような通路から外れて雑多な生活音が鳴り響く裏路地に出た。ここを抜ければフレンドリィショップも近い。人ごみが壁になっているのか、もうテレビの音は聞こえてこなかった。

 

 

 

 

「こうまで晴れが続きますと熱中症が心配になります。皆様水分補給や塩分補給はこまめに行ってください。塩飴などが今のトレンドのようです」

 

「最近は晴れ続きでもいいニュースというわけでないのが辛いですね……なのでここで一つ、天気研究所より皆様に耳寄りな情報がございます。ここまで雲一つない晴れが続いている為、夜に光の少ない場所で空を見上げれば綺麗な星空が見えることでしょう。山などから観察すると、より綺麗な星空を観察できるかもしれません」

 

「また2ヶ月後には輝線星雲と暗黒星雲が独特な星辰をとることが予想されており、この星辰が揃ったのは今から約10億年前だけとのことですので、その日までに天体望遠鏡などを用意しておくと星関係の話題に乗り遅れないかもしれません」

 

「そしてこの独特な星辰には不思議な言い伝えが残っていまして、実はこの星辰が揃った時に「番組の途中ですが、ここで臨時ニュースをお伝え致します」」

 

「つい先ほど、イッシュ―ホウエン間を輸送していた大型運搬船4隻がアクア団に襲撃を受けて鹵獲された模様です!」

 

「現場一帯にはとても濃い海霧が発生しており、大型運搬船4隻とその従業員の安否が気づかわれております」

 

「現場には既にポケモン警察が向かっているとのことですが……現在、最新の情報はまだ入ってきておりません。なぜ一切の連絡が帰ってきていないのでしょうか?」

 


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