Superstar-Z   作:星宇海

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あけましておめでとうございます。
今年度も本作品をよろしくお願いいたします。

恋ちゃん編、昨年度中に終わりませんでした。
申し訳ございません。


第35話 未証明の過去

 

 

「どうかスクールアイドルだけは、やめて欲しいのです!」

 

 

 恋は瞳を震わせ、5人に向かって声を上げた。

 一瞬、辺りは静寂に包まれる。これまでも彼女に言われてきたことではあったが、改めて受け止めてみると、なかなかに受け入れがたい言葉であったからだ。一体……何故。以前にも理由は尋ねたが「この学校に必要ないから」と、納得しかねる返答があっただけ。そして何故、わざわざ部室まで来てそのようなお願いをするのか……。疑問は疑問のまま、ただ状況に流されるままにいるのが始たちであった。だからこそ、納得するためにかのんが恋へ投げ掛けたのであった。

 

「葉月さん、それは一体どういうことなの?」

「詳しく教えてくれなきゃ、私たちも納得できない。葉月さんも、それはわかってるよね?」

 

 千砂都からも再度念を押される。彼女もわかっている筈だ。自分の言葉だけでは、誰も納得してくれないという事に。けど、それでも言葉にし辛いのは……言葉にしたくないほどの、嫌な思いがあるからという事なのだろう。

 

「葉月さん。葉月さんが辛いのはなんとなくわかるよ。けど、俺たちも俺たちなりに頑張ってここまでやってきてるんだ。理由もなく「はいわかりました」って頷けないんだ」

「嵐さん、夏空さんの言う通りですね……」

 

 彼女はようやく、その重たい口を開いた。声音が震えていることからも、どれだけ辛いことなのかが感じ取れる。けれど聞かなきゃいけない。5人は覚悟を決め、その言葉に耳を傾ける。

 

「かつて神宮音楽学校(ここ)には、廃校から救うためにアイドル活動をする生徒が居ました」

 

 可可から聞いたことのある話に、そんなスクールアイドルがいたという事を思い出す。

 そのスクールアイドルも、廃校から学校を救うために始めたとのことだ。彼女たちは見事廃校を阻止し、結成から1年でラブライブを優勝。スクールアイドルへの人気やレベルを爆発的に上げた立役者ともいえる存在だ。まさしくレジェンドと呼べるグループ。けれど、当時のライブ映像くらいしか資料がなく、愛好家たちの中でも詳しいことはわからないらしい。また彼女たちの学校は、廃校の話があったのが噓と思えるくらい、入学希望者が増えているとのことだ。

 恋の語る生徒もそのスクールアイドルと同じように……いや、時代的に考えて彼女達よりも早くその方法を考え付いていたという事だろう。しかし、昨日の恋の言葉からも終着点がどのようなものだったのかは察しが付く。

 

「その生徒が……(わたくし)の母です。当時はスクールアイドルという言葉が生まれるずっと前の事です。ですから尚更、母たちの活動は周囲からとても注目を集めていました」

 

 言葉を失い、唖然として恋を見る。廃校から救わんとし、アイドルとして活動を行っていたのが葉月花。学校でアイドル……まさしくスクールアイドルの原点ともいえる人物だ。それが、結ヶ丘の創設者で恋の母親である人物だとは……運命のイタズラと言わずなんと言えよう。

 

「でも、目標は叶わず学校は廃校に……。だから私は母が新たに作ったこの学校で、スクールアイドルを始めようと思っていました」

 

 さらなる告白に、目を見開く。あれほど解散させようとしていた彼女自身が、何よりもスクールアイドルを始めようとしていた事実に。それを聞き、始は再度確信した。やっぱり……君は同じだ、と。

 

「母が願ったスクールアイドル活動で、学校を盛り上げようと!」

「だったら尚更、私たちと一緒にやろうよ! そうすれば──「ですが何も残っていなかったのです!!」

 

 かのんも訴えに、恋の声が被さる。

 スクールアイドル始めんと、大先輩でもある花の記録を探し回ったのだ。しかしいくら探せど、探せど……学校アイドルという文字も、写真も……記録という存在が見つからなかったのだ。授業の一幕、休み時間や放課後といった生活の一部を切り取った写真は数多く残っているのに。アイドル活動の記録のみ……消えているのだ。

 当時の恋はアルバムを悲しそうに見つめる。アルバムに写る彼女の母は、屈託のない笑みを浮かべていた。だからこそ、恋は思ったのだ。

 

「アイドル活動を後悔していたのではないか……学校を救えないと感じ始めていたのはないかと。……スクールアイドルでは」

「そんな……」

「そうと決まった訳ではナイデス!!」

「ではどうしてないのですか? 大切な思い出の写真1枚もないなんて、あると思いますか!」

 

 他の思い出がアルバムに保管されているという事実がある以上、恋がそう思うのも無理はなかった。それにもう確かめようがない。直接会って確かめられるものなら、今すぐにでもそうしたいのは彼女自身が一番そう思っているだろう。彼女には似つかわしくない拳が、静かに震えている。瞳に溜まった涙は、今にも零れそうであった。

 けど、だからこそ……そうは思いたくないと心が叫んでいる。だって、彼女に家で見た写真の中の花は、まぶしいほどの笑顔を見せていたのだから。

 

「違う、後悔なんかしてない……後悔なんて……きっと、何か意味があって……」

「そう言える証拠は! 何の根拠をもって、夏空さんはそう言えるのですか!!」

「……っ!」

 

 確証なんてない。証拠だってこの場にはない。始の言葉には、説得力が圧倒的にない。すべて彼の推測。考えでしかないのだから。

 

「何も知らないのに、勝手なことを言わないでください。はっきり言って迷惑です。人助けだけなら、ストレイジでやっていてください」

 

 始は視線を落とす。それが答えだからだ。今の彼には、彼女へ返す言葉など持ち合わせてはいない。空気が一層重くなるのを感じたのか、恋はそのまま部室を後にした。

 

 彼女が去った後の沈黙は永遠に続くほど長いものとなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

*****

 

「パトロール、異常ありませんでした」

「ご苦労様。始、食べるか? って気分じゃなさそうだな」

 

 ストレイジの作戦指令室へと戻ってきた始。恋や学園祭に頭を悩ませながらも、ストレイジの任務を果たしているのだ。通常任務ともいえるパトロールで気分を晴らそうとしたものの、その考えは甘かったらしい。どうやら正太にも見破られてしまっている。とはいえ、彼は少し特殊なのだが。

 

「ありがとうございます……後で食べます」

「気分が落ち込んでいる時こそ甘いものを、と思ったんだが……」

「隊長のチョイスが良くなかったのかもしれませんね」

「え!?」

「冗談ですよ。……真に受けないでくださいよ」

 

 晶子は冗談のつもりで言ったらしいが、あまりにも彼は驚嘆するものだから直ぐ訂正した。彼は隊長として申し分ない人物なのだが、プライベートとなると少々心配になるとは晶子や浩司の言葉だ。

 

「すまん。じゃあ始、そこ使って良いぞ」

「わかりました……」

「あ!? そこ私の怪獣サンプル置き場なんですけど!」

 

 彼は手に持ったプリンを研究用冷蔵庫に入れんと手を掛けた。がしかし、すんでのところで結衣が飛び込んでくる。彼女曰く、これまで集めた怪獣の表皮や付属器官等を保存しておくために使用しているのだとか。実験と言うものの、どんな使用用途なのかまでは怖くて聞けない。

 

「そう言うなよ結衣。先輩としてもっと寛大に───「こんな状況で寛大でいられると思ってるんですか!?」

「いっ、いや……」

 

 途端に結衣の怒声が正太の耳を貫く。彼女も彼女で余裕がない。その種はもちろん特空機2号である。

 

「関節部も、胴体部も私の設計と変わってるんですよ! 隊長が何とかしてくれないから!!」

「すまん、すまん。ぼ、俺も頼み込んだんだが「ロボット部隊が注文に来るとはいいご身分だなって」まともに取り合ってくれない……」

「だったら小原の方から頼んでもらってくださいよ!!」

「工場がグループで提携してるとはいえ、仮を作りたくないんだよ」

 

 詰められる正太を横目に、始は階段を降りていく。場所は特空機の格納庫である。去り際の背中が目に入ると、先ほどまでヒートアップしていた言い合いも止まる。

 

「悩む学生……ですかね」

「そう言えば今月だっけ? 結ヶ丘の学祭」

「ああ。どうやら上手くいってないらしいからな。1期生は色々大変なんだろう」

「前年の記録ってものがないですからね。試行錯誤しながらってのは難しいかもしれないです」

 

 1期生故に抱える悩み。それは文化や記録がないこと。成功したことも失敗したことも、何もない白紙の状態。それはきっと楽しいことなのかもしれない。0から色を染めることができるから。けど同じくらい、試行錯誤を繰り返さなければいけないから、大変で不安も大きいことなのだと思える。

 

「けど、今悩んだことも、感じたことも……時が経てばいい思い出になるんですよね〜」

「……かもな」

「晶子も学園祭の思い出ある? できれば大変なヤツ!」

「当日に男子のバカどもが飾り付けを引き千切りったから逆に絞めた」

「……こわっ」

 

 

 

 

 

 整備中の特空機たちを眺め、始は息を吐く。

 廃校から学校を救い、スクールアイドルの文化を一気に押し上げた彼女たち。そしてスクールアイドルという文化の始まり……その一部を築きながらも、廃校から学校を救えなかった学校アイドル部。……そこに、一体どんな違いがあったのというのか。きっと違いなんてない。ない筈なのだ。だから後悔なんてしてない。そう信じたい。けどそれを決定付ける証拠はどこにもない。証拠がなければ恋に何を言っても届くことはない。

 このままでは決定的な溝ができたまま、学園祭を……ひいては学校生活を送ることになる。さらに不幸なことに、入学希望者が増えず学校の運営方針が変わってしまうものなら……。こんなこと、1学生には背負いきれない重みだ。だから一緒に向き合いたい。けれども、どうすればよいのかわからない。出る筈のない答えを巡らせる。このまま自分は何もできないのか、そんなもどかしく苦しい気持ちをどう処理するべきなのか……。

 

「どうしたよ、浮かない顔して」

 

 途端、背中を強く叩かれた。目を向けると、そこには因幡浩司の姿が。服や顔の汚れからして、特空機の整備途中だったのだろう。

 

「バコさん……」

「若いのがそんな浮かない顔をするもんじゃない……って、ついさっき言ったばかりなんだけどなぁ」

「ついさっき……?」

「始くん?」

 

 バコさんの隣から出てきたのは結衣。どうやら彼女もらしい。

 

「結衣さん、どうして?」

「俺が捕まえたんだよ。さ、お若いの2人とも俺が相談に乗ってやるよ。こっち来な」

 

 彼らはそのまま、休憩用のスペースへ通される。

 パチパチと聞こえる炭の音。普通であれば整備音にかき消される筈なのだが、その場ではよく聞こえた。それがとても心地よくて、ついつい聞き入ってしまいそうになる。さらにそのまま彼らに渡されたのは、アルミホイルに包まれた焼き芋だ。焼きたてだからか、手袋をしていても熱が十分伝わってくる。彼らは熱さを承知の上、勢いよく齧り付く。……プリンを買ってきてくれた隊長に謝罪を意を込めつつ。

 

「美味っ!」

「美味し~い!!」

「だろ?」

 

 2人の笑顔に、バコさんも笑みを溢す。優しい甘みが口の中に広がってくと、暗かったはずの空気が一気に明るくなっていく。なんだか心が軽くなっていく気分だった。すると彼は、団扇で仰ぎながら彼女に声をかける。

 

「結衣は、ウインダムの事だろ?」

 

 当たりだ。彼は整備班として、彼女に寄り添おうと言葉をかけ優しく見つめる。

 

「いっそうの事ダイエット……じゃなくて、機能を切り落として必要電力を半分にしたらどうでしょう……」

 

 ウインダムはセブンガーよりも出力は上、そして装備も豊富だ。しかしそれが充電時間が伸びる一因ともなっている。であればそれを取り除けば、充電時間を縮められると踏んだのだろう。性能よりも、まずは出撃させられることを選んだ故の方法。けれどもバコさんは頷きはしなかった。

 

「自分の理想を簡単に捨てちゃダメだ。そんなこと……他の奴らにだって出来る。見てみろ」

 

 バコさんが指差したのは、焼き芋を焼く鉄板部だ。始も覗いてみるが、彼にはよくわからなかった。しかし声を上げている結衣のことから、どうやら馴染み深いもののようだった。

 

「これセブンガーのダクトカバー! 始くんも見ておきな、これ旧式のやつだよ!!」

「これが……ゼブンガーに使われてたってことですか?」

「そうそう! 大体ね……あの辺り!」

 

 実機が目の前にあるため、彼女は指をさして教えてくれた。けれど信じられない。人々を守るために戦う特空機のパーツが、こうして焼き芋を焼くために利用されているとは。なんとも不思議な感覚である。

 

「いいか? 使えるもんをなんでも使って、理想を実現する……それが俺たちの仕事なんだ。意外なものが、別の場所で役に立ったりするもんなんだよ」

「意外なものか~、うーん……」

 

 再度悩む結衣。けれど指令室にいた時よりも、どこかすっきりした様子。答えはまだ見えてこないが、ヒントは貰えたようだ。

 妥協するのではなく、あらゆる可能性を模索して理想を実現する。工夫や発想力が必要になることだが、結衣の表情を見ていると……どうにか実現してくれるのではないかと思える。

 

「さて、次は始だ。長くなっても大丈夫だぞ。時間はまだまだあるからな」

 

 彼の優しさに甘え、始は胸の内をさらけ出す。力になりたいと叫ぶも、確証も手段も見つからない苦しさを。それでもと諦めたくないと叫ぶ己の気持ちを。

 

「そうだな……そういつは1人が背負うにはなかなかに重いもんだな」

「そうだよ! 大体、理事会も協力するのが筋でしょ!!」

「まあ、そいつは大人の事情ってやつだな」

「恋ちゃん……お母さんが後悔していないって思いたいけど……でもやっぱり思えないんだよ」

「それは……証明するものがないからですよね?」

「かな。私は怪獣研究で外部に発表とかしてるんだけどさ、そういったときにはデータが必要になるの。私がただ、データもなく話しても誰にも聞き入れてくれないし、間違った見解で被害を出すわけにもいかないしね。でもな~、恋ちゃんも信じていいと思うんだけどな~!!」

 

 結衣も同じように悩んでくれている。足をバタつかせながら唸る様は少し怖いが……それだけでも救われた気がしたのだ。自分が思ったのは間違いではないと。すると、バコさんは彼の肩をポンッと叩いて言った。 

 

「でも、始自身が確かめたわけじゃないんだろ? だったら、自分が確証を得られるまで、とことん突き詰めてみろ。そうすれば、何か答えが出てくると俺は思ってる」

「俺が、自分の目で……確証を得られるまで……」

 

 また少し、霧が晴れた気がした。聞いたのは恋の言葉のみであり、自分の目で確かめてはいない。迷ってばかりで止まっている暇があるのなら、最後まで突き詰める。そこに待っているものが、仮に思ったものでなかったとしても……違う形で答えが見つけられる。それができるのは、彼女の事情を把握している自分たちだけなのだから。

 

「人助けってのは、時には苦くて辛い思いをしなくちゃいけない時がある。でも、何もしないまま終わっちまうことの方がもっと辛い。それは……お前さんも知ってることだろ?」

 

 バコさんの言葉には、これまでの経験や想いが詰まっていた。防衛隊としての意思が。彼はこれまで、想像もつかないような経験をしてきたのだろう。辛いことも、悲しいことも……時にはその無力さに嘆いたこともあったのだろう。でもその積み重ねが、今の彼を形作っている。そんな彼の言葉が、始の心を突き動かす。始が目を向けると、彼は笑みを浮かべて2度肩を叩いた。

 

「その意気だ。頑張れよ、始」

「はい! ありがとうございます!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

*****

 

 人気のない駐車場に、冠木(その男)はいた。誰もいないことを確認しつつ、手に持ったカプセルを凝視する。それはとあるマッドサイエンティストがネス湖で調査を続け、見つけ出したとされる恐竜の生き残りのサンプルだ。正確には卵を持ち帰り、日本の湖で育てていた……とのことだが。結局その男は飼育しきれなくなり、果てには成熟したきった怪獣に食われたとされる。そして街に降りてくる前にストレイジによって倒されたのだ。彼が持っているのは、その死骸から採取された一部。……それを使い、一体何を起こそうとするのか。

 

 

 ゼットライザーを起動させ、出現した門の中にその答えがある。

 

 

「……」

 

 目の前にあるのは、小規模のタンクに幾多もの鉄パイプが連結された装置だ。人間の背丈程あるその装置へカプセルの中身を流し込む。すると不気味な音と共に装置が起動。固形物を潰す不快な音が響くと同時に、冠木はバルブハンドルを回し始めた。何かがパイプを巡りながら、混ざり、固まり、凝縮される。何度か装置を巡った怪しげな光は、排出口へ向かう。

 カランカラン、と軽い音を奏でながら出されたのは……メダルだ。怪獣の横顔が造形されたそのメダルを、彼は無言で見つめ続けていた。

 

 

 

 

 

「結衣、改めてテレスドンについて情報を整理してくれ」

 

 結衣はすかさず、目の前のモニターに件の怪獣を映し出す。

 前回のグドン、ツインテールとの戦いの中突如として現れ、一通り暴れまわった後姿を消した地底怪獣だ。解析が済んだことと別件で関係があり、改めてブリーフィングを行っているのだ。

 

「テレスドンの体内には、2千度の温度を持つ火炎袋があります」

「火炎袋……?」

「そう。怪獣の……エンジンみたいなものって考えてくれればいいよ」

 

 その火炎袋のお陰で日中での活動や、強大なパワーを発揮したのだと結衣は推測している。にしても気になるのは”何故目覚めたのか”である。地底に住む怪獣が3体同時に現れるなど、過去の記録にもないのだから。何者か、もしくは何かの関与を疑ってはいるが、調査結果は未だ出てはいない。

 

「ジオフロントの開発工事で目覚めたんだと推測されるんだけど、その日は工事してなかったんだよね……」

 

 ジオフロントとは、地下に作られた都市およびその都市開発計画の事だ。昨今は怪獣被害も多くなり地下へと開発の場を広げているのだが、どうやら地中も怪獣の縄張りだったらしい。

 

「まあ、ジオフロントの騒音があいつらにとって耳障りなら、また来てもおかしくはない。今じゃどこ行っても地下は騒音だらけだからな。それで、だ」

 

 結衣が情報をディスプレイへ転送させる。場所的に東京から離れた地だ。

 

「最近、地中深くで異常な反応があるとの情報があった」

「前回の振動パターンや熱量から見て、前回の戦いで逃したテレスドンが関与してると踏んでる」

 

 動きや前回のデータを鑑みて、結衣はテレスドンが全く異なる地で活性化していると推測したのだ。活性化しているという事は、そのうちまた地上で暴れまわる可能性があるという事。どうやらこれを最小限に防ぐべく動くのが今回の任務であり、今呼ばれた訳らしい。

 

「あくまで仮説でしかないが、奴に動かれてからじゃ遅い。始と俺で現地に向かい調査を行う。結衣はここで解析、晶子はテレスドン若しくは別個体が現れた時のためセブンガーで待機。いいな」

「「「了解」」」

「始、お前は正規の隊員じゃない。それ以前に学生だ。スカウトした手前だが、無理しなくてもいいぞ」

「大丈夫です。俺だって生半可な気持ちで入ったつもりはありません。ストレイジとして……俺も行きます」

 

 彼の言葉を待っていたかのように、正太は笑う。それぞれの配置は決まった。次に待つのは、実行のみである。がしかし、始は彼へ問いかける。

 

「因みに、場所はどこですか?」

 

 始の問いに正太は言ってなかったと謝罪し、データを転送する。

 

 

 

 その地名を語るときの彼は、どこか懐かしそうであり、それでいて罪悪感を抱いているような……そんな声であった。

 

 

 

 

 

「静岡県沼津市……内浦だ」

 

 

 

 

 

 そこは初めて怪獣とウルトラマンが現れ、甚大な被害を受けた場所。そして、今に続く怪獣出現期へと至る……始まりの場所であった。

 

 

 




 どうも、結ヶ丘情報発信部です!

 今日は「怪獣とウルトラマンが現れた日」について紹介します!

 今から14年前、人々の前に突如として現れたのが"(ヒカリ)魔王獣(マオウジュウ) マガゼットン"
 当時の内浦を火の海に変えて行きました。だがそんな時、眩い光と共に現れたのがウルトラマンオーブ。激闘の末、マガゼットンを倒すことに成功しましたが、オーブは姿を消してしまうのです。(さらに遡る事数年前、とある海で闇を撒き散らす巨大生物を見た人たちが狂乱状態になったとの噂が……)

 この日を境に、所謂「怪獣出現期」へと突入していく事となっていきます。

 多くの怪獣や宇宙人が出現すると共に、光の巨人がこの星へと降り立つ事となるのですが……それはまた次の機会に。
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