一夏に可愛い可愛い言ってたら、いつの間にか恋人になってた件について 作:憲彦
「あぁカズマ。お前の専用機な、試合予定日の前日か2日前辺りに届くから、その日は予定開けとけよ」
「いやもう少し速く持ってきてくれよ。それか試合日を後回しにしろよ」
「えぇ~……ヤダ。めんどい」
何故この女が教師なのだろうと、シンプルに疑問に思ったカズマだった。放課後に放送で職員室に呼ばれたかと思えば、千冬から専用機の到着が予定日直前。じゃあ試合日をずらせと言えば、めんどいの一言で拒否られた。
「俺のデータって充分にあるって言ってたくね?」
「言ったぞ」
「じゃなんで直前なのさ。届くのが」
「知らん。と言うのは冗談だ。単純に今倉持が代表候補生の専用機と同時進行でお前の専用機を作ってるからだな。この前顔を出しに行ったら全員生きた屍みたいな顔色になりながら作業してたぞ。笑ったわ」
「鬼かよアンタは……」
「ちゃんと激励の品は渡してきたぞ。ほら」
そう言って千冬がカズマに渡したのは、思いっきりポーズを決めてる一夏の写真だった。普通に可愛いと思ってしまったカズマであった。
「全員元気になったぞ。流石は一夏だ。自慢の妹だな。全人類のアイドル!!」
「いや弟なんよ。一夏はアンタの弟なんよ。そしてアイドルじゃないんよ」
「ついでにこれも渡してきた。男性職員には大ウケだったぞ。私にも需要があったとは驚いた」
水着姿で胸と脇を強調するようなポーズをとっている千冬の写真だった。本当に何でこの人がこの学園で教師をやれているのか、そして人手不足とは言え、何故この人に教員免許を与えてしまつまたのか、何故学園が雇っているのか、本当に分からなくなってきた。
「その2枚はやるから。好きにして良いぞ」
「アンタは俺をなんだと思ってんだよ……まぁ貰っとくけど」
「え?」
「自分であげといて動揺するなよ」
「いや……お前には一夏がいるから、私の写真まで使う必要は無いんじゃないか?」
「何に使うと思ってんだよ……」
「何にって……ナニにだろ?」
手を出してしまいそうになるが、絶対に勝てないため殴りたいと言う欲求を抑え込んだ。
「訓練、どうすれば良いのさ?」
「あぁ~……訓練機を貸すことはできるが、武装が思いっきり違うからな~。しばらくは体を鍛えたらどうだ?」
「頼める相手がいないんだよな~。目の前のコイツは論外だし、一夏は俺より非力。しまった頼りになるのが誰もいない」
さらっと論外扱いされて、懐から出席簿を取り出して振り下ろそうとした。が、そのタイミングで箒が職員室に入ってきた。
「あ、ちょうど良いのいた!箒~。ちょいちょい」
「ん?何ですか織斑先生。学校で名前呼びなんて」
「細かいことは良いだろ。そんなことより、コイツを鍛えてやってくれ。あぁただ、あんまりハードなのはするなよ?試合で使い物にならなくなっちまう」
コイツが無様にやられる様をつまみにビールを飲むのが楽しみなんだと付け加え、ビール缶を開けながら剣道場の使用許可書を箒に渡して2人を返した。本当に何で教師ができてるのか不明である。
「何があってあんなことに?」
「実は斯々然々で」
「あの碌でなし教師……」
「箒ってたまにスゴい鋭い言葉出てくるよな」
「正直、千冬さんのことは姉さんよりマシだが同類だと認識している。あの変態兎と同類な時点でまともとは思ってない。一夏、ちょっと良いか?」
「あ、箒ちゃん!なになに?」
「この部室に行って、書いてあるものを借りてきてくれないか?簡単に地図も付けておいたから、迷うことはない筈だ。さっきメール送っといたから」
「は~い!」
一夏に頼みごとをして、カズマを剣道場まで連れていく。別に断ってもよかったが、箒としては幼馴染みが簡単に負ける姿は見たくない。その上カズマには個人的にも色々と借りがある。手を貸さない訳にもいかないのだ。
「道着でも着れば良いのか?サイズ無いと思うけど」
「いや?運動着で良い。まさか私が剣道を教えるとでも?」
「違うのか?」
「お前な……IS同士の戦いで剣道が役に立つとでも?刀1本で戦う訳じゃないんだ。飛び道具がバンバン来るんだぞ?お前は千冬さんじゃないから無理だ」
そんな話をしていたら、一夏が剣道場にやってきた。そして何かが大量に入っている大型のバッグを箒の前に置いた。
「なんなの?これ。スゴく重たかったんだけど?」
「すまなかったな。重たいものを運ばせて」
「別に良いけど、なんなの?」
「箒~。準備できたぞ~」
「ちょうど良かった。カズマ、これ着けてくれ」
投げ渡したのはフルフィンガータイプのアーミーグローブとゴーグル、メッシュタイプのフェイスガードだった。
「なんこれ?」
「着けないと怪我するぞ」
一夏が持ってきたバッグを開けると、中から出てきたのは大量の銃。小銃に短機関銃、拳銃、手榴弾の数々。それを見たカズマと一夏はドン引きしていた。
「あぁしっかり玩具だぞ?一夏に行って貰ったのはサバゲー部でな。私の先輩がそこの部長を務めてるんだ。だから借りられた」
「いやそうじゃなくてだな……」
「ほら。速く逃げ回らないと怪我するぞ?(コロコロコロ」
「ほへ?……うわぁぁあ!!!?」
弾の装填が終わると、カズマの足元に手榴弾を2つほど転がした。認識して全力で走り出した直後、辺りにBB弾が炸裂。当たることはなかったが、カズマを狙いすました銃撃が容赦なく襲ってきた。
「うぉおい!!合図も無しにこれかよ!!準備運動もしてねぇのによ!!」
「ギリギリ当てないようにしてるから安心しろ。ほらほら。キリキリ逃げないと当たるぞ。これガスブロだから当たったら痛いぞ?」
「分かってるなら準備させろよ!!」
「あ、忘れてた。これで抵抗してみろ」
「ん?……竹刀じゃねぇかよ!!しかも短い方!」
「短い方が取り回し楽だろ。一夏、次の弾倉くれ」
「は~い。箒ちゃん銃使えたんだね」
「いつの日か、必ずあのクソ兎を全身全霊の力を以て捻りきる為に色々とな……」
「本当に苦労してるんだね……」
そんな感じで、用意したマガジンが全部無くなるまで引き金を引き続けた箒だった。弾倉が無くなった辺りで、カズマがお返しと言わんばかりに突っ込んできたが、竹刀を銃で受け止められ、抜いたマガジンを逆手に持ち首に突き刺された。
「カヒュッ!?」
「カズマ?!」
「あ、すまん。つい本気でやってしまった」
ぶっ飛んで行ったカズマは気を失った。因にこんなことがあったが、剣道部員は誰一人として止めたり慌てふためいたりはしなかった。カズマを哀れに思っていただけだった。
「ここの部員の人、慣れてるの?」
「知らん」
「続けるの?」
「当然。ほらカズマ、早く起きろ。次は竹刀を投擲する予定なんだぞ」
「怪我するわ!!アホか!」
「抵抗したら良いだろ?次は一夏にも撃ってもらうからそのつもりでな」
「えぇ~?僕撃てるかな~?」
「意外と簡単だから大丈夫だぞ」
その後、何故かあり得ない方向に一夏の弾が飛んでいき、剣道場が阿鼻叫喚の大騒ぎになってしまった。これには箒も正直やってしまったと思った。
(帰ってきてくれ……俺の平穏!!)
半永久的にハーフタイムで休憩中である。
感想下さい。次回の投稿が少し速まると思いますw