月曜日。それは誰もが憂鬱な気分になる日。前日の日曜日が恋しくなり、これから始まる一週間に溜息が出る。
そして、それは北野凶夜も例外ではなかった。ただ学校が面倒だからだ。
凶夜はいわゆる不良というやつで中学では警察にお世話になるくらい荒くれものだった。高校では自分を引き取ってくれた叔父さん、叔母さんに迷惑をかけない様に大人しくしてるが、中学の噂はなかなか消えず(8割がた噂ではない)また、目つきが悪く授業や学校には真面目に来ているが友達は一人で他は近寄ろうともしない。まぁ、一言で言うなら学校での居心地が良くないのだ。
「ハァ」
自分の席に座って溜息をつきながらチャイムが鳴るのを待つ。近くにいる生徒達が凶夜の溜息に肩をビクつかせているがそんなのは気にしない。そこにいつもの様にチャイムが鳴るギリギリで登校してくる唯一の友達、南雲ハジメが教室に入ってくる。目の下には隈が出来ており徹夜したことが丸分かりだ。
ハジメが教室に入ってきた途端、男子生徒ほぼ全員から舌打ち、睨みをもらっている。ハジメは極力気にしない様に自分の席まで行こうとするが毎度の事の様にちょっかいを掛けて来る者がいる。
「よぉ!キモオタ〜。また、徹夜でゲームか?エロゲーでもしてたんだろ?」
「うわ、キモー。徹夜でエロゲとかマジキモいじゃん」
一斉に笑い出す男子達。何が面白いのやら。
ハジメに声を掛けていったのは檜山大介、バカ笑いしてる男子生徒達が斎藤良樹、近藤礼一、中野信治の三人でこの四人が頻繁にハジメに絡みに行く。ハジメは確かにオタクだが罵られるほど見た目が汚い訳でも不細工な訳でもない。
「よお!ハジメ!なんか雑魚をボコす、スカッとするゲームねぇか?」
席から立ちハジメの肩を組みに行き、声を掛ける。ついでに檜山達に睨みをきかせる。それだけで檜山達はビクつき一歩後ずさる。
側から見ればカツアゲする不良とされる生徒だが生憎ハジメは凶夜のことを怖がらない。ハジメと友達になるきっかけはあったがそれはまた今度話そう。
凶夜が声を掛けるだけで檜山達は舌打ちをしながら席に戻っていき、ハジメを睨んでいた男子生徒達は目を逸らす。
「ありがとう。凶夜、助かったよ」
「ったりめーだ、ダチ助けるのは当たり前だ。と言いたい所だが嵐がまた来るぞ?」
ハジメはオタクだがオタクと言うだけでここまで風当たりは強くない。では何故ここまで男子生徒達が敵意や侮蔑をあらわにするのか?
その答えが来る。
「おはよう!南雲くん。北野くん。今日もギリギリだね。もっと早く来ようよ」
ニコニコと微笑みながら彼女がハジメに声を掛ける。ハジメと凶夜に気さくに話し掛ける数少ない人の一人であり、この事態の原因。それが白崎香織と言う美少女であり、学校で二大女神と呼ばれ、男女共に絶大な人気を誇る人物だ。
そんな香織が何故かハジメをよく構うのだ。それが男子生徒達は気に入らない、何故あいつだけ!!と。
「あ、あぁ、おはよう白崎さん」
香織に声を掛けるだけで殺気かっというほどの睨みに晒されるが凶夜が睨み返すとサッと誰もこちらを向いてないかのように前を向く。
ハジメに声を掛けられて嬉しそうな表情をする香織。
何故そんな顔をするのか?ハジメは分からなさそうにしてるが第三者(冷静な)から見れば一目瞭然、香織がハジメに惚れているからだ。
凶夜はこれ以上ここにいるのは野暮かと思ったが凶夜のキライな人物が歩み寄ってきた事によって思い止まる。
「香織、また彼の世話を焼いてるのか?本当に香織は優しいな」
正義感の強い天之河光輝。スポーツ万能、容姿端麗、成績優秀、非の打ち所がないイケメンで凶夜の嫌い、いや大嫌いな人物である。
それに伴い、二大女神のもう一人である八重樫雫、百九十センチも身長のある脳筋、坂上龍太郎がやってくる。
ハジメが苦笑いしながら言い訳を言う。がそれに光輝は反論し、ハジメは笑って流そうとするが凶夜が許さない。
「何様だ、てめぇは。世の中知らんお坊ちゃんはママのお乳でも吸ってろクソ主人公気取りが」
「なっ!?、北野は言葉遣いを直したらどうだい?」
こめかみをひくつかせながら凶夜の言葉に反論する光輝。一触即発の中女神の片割れが爆弾を投下する。
「光輝くん?私は、私が南雲くんと話したいから話してるだけだよ?」
女神は一触即発の空気もお構いなしにそう言うと教室はザワッと騒がしくなる。
「え?……あぁ、香織は本当に優しいな」
どうやら光輝の中でお得意のご都合主義が発動して勝手に納得したらしい。凶夜はこの光輝のご都合主義や、自分の正義を疑わないことを毛嫌いしている。
この中で人間関係や、各自の心境を理解している雫がハジメに謝る。ハジメも仕方がないという風に苦笑いするのだ。
そうこうしているうちにチャイムが鳴り各々、席につき教室に教師が入ってきて連絡事項を言う。そして、一日がはじまる。
しばらく後、お昼休みが来て凶夜は寝ているハジメの席に移動しハジメの前に座るとタイミングよくハジメが起きる。そして、凶夜は弁当を取り出し、ハジメは十秒チャージできるお昼ご飯を取り出し吸う。
「毎回、てめーの体内時計の正確さには呆れるわ。あとそれだけでよく足りるな」
「まぁ、母さんに作ってもらうのも悪いし何より手軽だしね」
凶夜との談笑をし、凶夜には悪いが午後のエネルギーをチャージし終えたハジメはもう一眠りするかと考えていたが、それを邪魔する者が現れる。
「南雲くん、一緒にお弁当どうかな?」
ハジメは断り、光輝達と食べることを勧めるが女神は攻撃をやめない。
「お昼それだけなの?ダメだよ!ちゃんと食べないと!私のお弁当分けてあげるね!」
ハジメは内心冷や汗を流してどうするか考えていたがまた一人ハジメにとっては救世主、凶夜にとっては邪魔者が現れる。光輝だ。
「こっちで一緒に食べよう。せっかくの香織の美味しい手料理を寝ぼけたまま食べるなんて俺が許さないよ?」
キザなセリフ吐く光輝に香織がキョトンとした顔で言う。
「え?なんで光輝くんの許可がいるの?」
聞き返す香織に思わず「ブフッ」と雫。「ダッハハハ」と大爆笑してる凶夜。光輝は香織を説得しようとしているが、結果、ハジメの席に学校で有名人四人が集まり、特異な友達が一人集まっており視線が痛い。
ハジメは内心思う。
(もういっそこの四人が異世界転生とかされないかなぁ〜。まぁ、凶夜もそういう雰囲気あるよなー。どこかの女神様、巫女様だれでもいいから召喚してくれませんか〜)
----ハジメの目の前で光輝の足元に白銀の幾何学模様の円環が現れのだ。
魔法陣は教室に広がり、輝きも増していく。硬直している生徒達に教室にいた愛子先生が何か叫ぶがもう遅い。魔法陣が爆発したかの様に輝いたあと教室には誰も居なかった。
読んで頂きありがとうございます。
評判が良ければ続けると思います。まだオリジナル要素は少ないですが応援してくれると嬉しいです。
クラスメイト組の話みたい?
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