ありふれない狂戦士で世界最凶   作:黒い兎♪

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ストックする事?知らんなー。


異世界召喚とステータス

眩い光に目を閉じていた凶夜は目をあけ、周囲を見渡し唖然とする。どうやら自分達は白い石造りの巨大な建物の巨大な広間にいるらしいという事が分かった。巨大な壁画があり、そこには中性的な顔立ちの人物が微笑んでいるという壁画だった。

 

クラスメイトたちも周りにおり、ハジメや白崎、光輝達もいて怪我は誰もない様だ。

そしてこの状況が分かるであろう白い法衣をきてこちらに向かって祈りを捧げる格好をしている三十人程の人物達に目を向けると、その中からいっそう豪華な衣装を纏っている老人が前に出てこう言った。

 

「ようこそ、トータスへ。勇者様、そしてご同胞の皆様。私はイシュタル・ランゴバルドと申します。聖教教会の教皇の地位についております。以後お見知りおきを」

 

イシュタルと名乗る七十代くらいの老人は微笑んで、こんなところでは落ち着かないだろうと別の部屋、長いテーブルと椅子が置いている別の広間に移動した。全員が着席したタイミングでメイドさん達が飲み物を支給してくれる。男子達は美人のメイド達を凝視していて女子達に絶対零度の視線をもらっている。

 

(ハジメなんかめっちゃ喜んでるんじゃねーか?)

 

そう思い横にいるハジメを横目で見てみると香織と見つめ合ってそっと目を逸らしていた。何してんだコイツら?と思っているとイシュタルが話を始める。

要約すると、人間族と魔人族が何百年も戦争を続けており、魔人族は数は少ないが個人の力が強く、人間は数で対抗していたそうだ。戦力は拮抗していたが異変が起こった、魔人族による魔物の使役する様になった。それにより拮抗が崩れて人類滅びの危機を迎えている。

 

(勝手に滅んでろよ、俺たちに迷惑かけてくるんじゃねーよ)

 

凶夜がそう思いつつもイシュタルの話は続き、人類の守護神、聖教教会の唯一神エヒトが凶夜達を召喚したそうだ。

 

「’’エヒト様’’ご意志の下、魔人族を滅ぼし我々人類を救って頂きたい!」

 

恍惚とした表情でそう言うイシュタル。人類の九割が神エヒトを崇めてるらしくその信託を聞いた人はもれなく聖教教会の高位に着くらしい。

凶夜は寒気を覚え横にいるハジメに小声で声を掛ける。

 

「なんか、おかしくねーか?コイツら」

 

「凶夜もそう思う?"神の意志"に疑いもせずあんなに嬉しそうに従うのは少しおかしいと思う。」

 

どうやらハジメは凶夜が思っていないところまで疑問を抱いていたようで凶夜にそう言うとまた考え込む様な表情になった。凶夜は自分の寒気がハジメの言った"神の意志"に従うというところから来ていると納得しイシュタルに疑惑の視線を向けていると、抗議する人物が現れた。

今年二十五歳になる百四十センチほどのみんなから人気のある教師愛子先生だ。誘拐まがいの召喚に異議申し立てているとイシュタルは「現状、皆様の帰還は不可能、エヒト様が召喚したから自分達では返せない」と答える。その言葉に次々とパニックに陥る生徒達の中光輝が机を叩きながら立ち上がり注目を集める。

 

「みんな!聞いてくれ!俺は…俺は戦おうと思う!人類滅亡の危機を俺は見逃すことはできない。」

 

と言う。イシュタルも「救世主ならば帰れるかもしれない」と光輝の意見に肯定的だ。どうやら自分達にはトータスの人々より数十倍の力があるらしい。

 

「うん、なら大丈夫。俺は人々を救いみんなが家に帰れる様に。人々もみんなも救ってみせる!」

 

カリスマを遺憾なく発揮し、生徒達は冷静さを取り戻し始め、まさに希望の光だといった表情をしている。そして、龍太郎や香織、雫といった面々も光輝の意見に加担していく。そして次々と生徒達が賛同していく。

これを聞いて凶夜はとても不機嫌になっていく。

 

(あ〜あ、クソ主人公気取りがマジでクソ主人公気取りじゃねーか。分かってんのか?コイツらは。ただの喧嘩じゃねーんだぞ?殺し合いだ、殺し合い。)

 

ここで凶夜の生い立ちを話そう。

凶夜の両親は父親はおらず、母親はネグレクト。家ではいない者扱いで当然グレた。そしてカツアゲや殴る蹴る折るなどいった喧嘩行為に明け暮れていた。そんな凶夜は無敗だった。大きな怪我をする事もなく暴力団に喧嘩を売ったり暴走族に喧嘩を売ったりして、警察に捕まる事も二度や三度ではすまなかった。その地域では【鬼】とか厨二のあだ名をつけられていた。それが大人しくなったのは中学三年生の頃、相手に卑怯な手を使われ動けない状態でボコボコにされていたところを同じ中学生に助けられた。

それがハジメだった。警察を呼ぶフリをして不良達を追い払ったのだ。もちろんハジメとは話した事もなければ目も合した事もない。それでも見ないフリをするどころかその後の看病もハジメの家で行ってくれた。看病中、漫画やゲームで盛り上がり、仲良くなったりしてそこで、ハジメの父親や母親に家庭の事情がバレて「私達が引き取る」とまで言ってくれた。凶夜はその日、初めて心からの涙した。そこからは刑事の叔父が気にかけてくれていたらしくそっちにお世話になる事になったがそこからよっぽどの理由がない限り暴力をやめた凶夜だった。

そんな喧嘩慣れしている凶夜でも人を殺すまで至ったことはない。だがナイフ等で狙われたことは少なくない。当たったら怪我で済むといった生優しいものではない事も多々あった。

 

時は戻って現在、凶夜は思っていた。

 

(殺し合いなんてやるもんじゃねー。やっぱ勝手に滅んでろよ、トータス)

 

横ではハジメがイシュタルを観察している様だった。

 

戦争に参加を決意した一同は王宮に行き、国王や王女、王子に挨拶をし(凶夜は目付きの悪さで少し怖がられた)晩餐会が開かれ異世界料理を堪能した。晩餐会が終わると各自に一部屋ずつ与えられた部屋に案内され、豪華な部屋に落ち着かないが気が張り詰めていたのかベッドにダイブすると意識が落ちていった。

 

翌日から訓練や座学が始まった。まず初めに少し大きめのスマートフォンの様な銀色のプレートが渡された。

 

「よし!配り終わったな?このプレートはステータスプレートと呼ばれていている。信頼できる身分証で自分のステータスを客観的に数値化してくれる代物だ。失くすなよ?」

 

そう話すのは騎士団長メルド・ロンギスだ。気楽な喋り方で「戦友になろうてのに堅苦しく話せるか!」というほどだ。

 

「プレートの魔法陣に血を一滴垂らしてくれ。それで所持者が登録される。ステータスオープンと言えば自分のステータスが表示される。あぁ、理由とか聞くなよ?そんなもん知らないからな。神代のアーティファクトの類だ」

 

「アーティファクト?」

 

「アーティファクトというのはな現代じゃ再現できない強力な能力を持った魔法の道具の事だ。まだ神やその眷属達が地上にいた神代に創られたと言われている。普通はアーティファクトと言えば国宝になるもんだが、これは一般市民にも流通している。身分証に便利だからな」

 

その説明に納得しつつ魔法陣に自分の血を擦りつけると、魔法陣が一瞬淡く輝いき、蒼くプレートが変色していく。

メルド団長曰く、人の魔力にはそれぞれ色がありプレートに所有者の登録をするとその人物の魔力色に染まるそうだ。

それはそうと凶夜は自分のステータスに目を落とす。

 

 

北野 凶夜  17歳  男  レベル : 1

天職 : 狂戦士

筋力 : 120

体力 : 150

耐性 : 150

敏捷 : 100

魔力 : 15

魔耐 : 50

技能 : 狂化・物理耐性・剛力・縮地・先読・気配感知・言語理解

 

メルドがステータスの説明を行い、凶夜も理解する。才能が狂戦士と狂化とは「鬼」と言われた俺にはちょうどいい天職かとも思う。

自分のステータスがどんなモノか分からない凶夜だったが分かりそうな人物に心当たりがあり、その人物に近付き声を掛ける。

 

「ハジメー。これどんなもんなんだ?」

 

といい自分のステータスを見せるとハジメの顔を顰める。顰めた理由がハジメのステータスプレートを覗きみる事で分かる

 

南雲 ハジメ 17歳 レベル : 1

天職 : 錬成師

筋力 : 10

体力 : 10

耐性 : 10

敏捷 : 10

魔力 : 10

魔耐 : 10

技能 : 錬成・言語理解

 

 

「oh…マジか」

 

ステータスを見せ合いしてる時、メルドが「レベル1の時は平均10くらいだな」と言っており凶夜はナイス!メルドっと思ってハジメを慰める。

 

「今は平均でも伸び代が数十倍って可能性もあるぜー?」

 

「まぁ!お前たちなら数倍から数十倍高いだろうがな!全く羨ましい限りだ!」

 

(メルドォォォ!余計な事言うなよ〜!)と思いつつハジメと一緒にステータスプレートを見せる列に並んでいく。

 

「俺はホラ!喧嘩しまくってたからこんなにステータス高いなかもしれねーだろ?誰しもがこんな感じじゃねーはずだって!」

 

ハジメを慰めながらメルドの声に従い生徒達がステータスを見せ始める。

まずは光輝がメルドにステータスプレートを見せる。

 

 

天之川 光輝 17歳 レベル :1

天職 : 勇者

筋力 : 100

体力 : 100

耐性 : 100

敏捷 : 100

魔力 : 100

魔耐 : 100

技能 : 全属性適性・全属性耐性・物理耐性・複合魔法・剣術・剛力・縮地・先読高速魔力回復・気配感知・魔力感知・限界突破・言語理解

 

 

凶夜と似たようなチートの権化だった。

光輝はメルド団長に賞賛され照れているように頭をかいている。

ちなみに技能=才能なので後天的に増えることはないらしい。例外があり、それは''派生技能''だ。

なんとなく分かっていた事だが他の生徒達も光輝には及ばないがなかなかのチートっぷりで戦闘職ばかりだった。

次は凶夜の番になりメルドにステータスプレートを見せるとメルドは顔を歪める。それが気になり凶夜は尋ねる。それにメルドは答える。

 

「なんか、問題でも?」

 

「昔、一人狂戦士の騎士がいたんだが…技能の狂化を使った途端、敵味方関係なく暴れて最終的に糸が切れた様に死んでしまってな。だからこれだけは言わせてくれ、狂化は何があっても使うな」

 

その時の事を思い出しながら語ったのだろう、神妙な顔で警告してくるメルド団長に頷くことしか出来なかった凶夜。

凶夜の番が終わると次はハジメの番だ、狂戦士という例外はあれど規格外のステータスを見てきてホクホク顔のメルド団長にハジメはステータスプレートを渡す。

 

「まぁ、その……なんだ、錬成師というのは鍛冶職の事だ」

 

歯切れ悪くハジメの天職を説明するメルド団長。その様子を見て檜山達が食い付く。

 

「おいおい、南雲。非戦系か?どうやってたたかうんだよ?メルドさん、その錬成師ってのは珍しいんっすか?」

 

「……いや、鍛冶職の十人に一人は持っている。」

 

「おいおい、そんなんで戦えるわけ〜?」

 

執拗にねちっこくステータスの事まで馬鹿にしてしまいには肉壁にもならねぇと馬鹿共と馬鹿笑いし始めた。

凶夜がそれを許すはずもなく一発ぶん殴ろうとしようと一歩踏み出すとその前に怒りを表す者が現れた。愛子先生だ。

愛子先生は檜山達に仲間を笑うな!プレートを返しなさいと怒る。それに毒気を抜かれプレートがハジメに返される。

 

「南雲くん、気にする事ありません!先生も非戦系?ステータスもほとんど平均です!南雲くんは一人じゃありませんからね!」

 

そういってステータスプレートを見せにくる愛子先生。

 

 

畑山 愛子 25歳 レベル : 1

天職 : 作農師

筋力 : 5

体力 : 10

耐性 : 10

敏捷 : 5

魔力 : 100

魔耐 : 10

技能 : 土壌管理・土壌回復・範囲耕作・成長促進・品種改良・植物系鑑定・肥料作成・混在育成・自動収穫・発酵操作・範囲温度調整・農場結界・豊穣天雨・言語理解

 

 

ハジメは死んだ魚の目をして遠くを見だしていた。凶夜でも愛子のヤバさが分かる。食糧問題が愛子一人でほぼ解決してしまうからだ。それが分からず愛子は「あれっ?どうしたんですか!」とハジメを揺さぶっている。

 

(トドメは愛子先生だったか〜)

 

 




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クラスメイト組の話みたい?

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