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高評価をくれたAoi0706さん本当にありがとうございます!!!
ちょっと驚いてます!
「……ハジメ、ゴーレムなら核があるはず」
ユエの言う通り本来ゴーレムとは体内に核を持っている。その核が動力源となるとオスカーのゴーレム設計書に書いてあったのだ。ユエはその核を壊そうと言っているのだが…
「コイツら核を持っていやがらねぇんだ。魔眼石でも確認してるがそんな反応はない」
ハジメは動力無しで動くゴーレムはもしかしたら、特殊な鉱石で作られているのでは?と思い"鉱物系鑑定"を行う。
--感応石--
魔力を定着させる性質を持つ鉱石。同質の魔力が定着した二つ以上の感応石は、一方の鉱石に触れている事で、もう一方の鉱石及び定着魔力を遠隔操作することが出来る。
「コイツらを操ってる奴がいる。マジでキリがないから強行突破するぞ!」
ハジメの合図と共に全員祭壇の方に踵を返す。凶夜とスフォが進行方向の騎士達を蹴散らして隊列に隙間を空けつつ、ハジメが後方から迫ってきている騎士達なら向かって手榴弾を二個投げ込んだ。背後で大爆発が起こり、衝撃波と爆破風でゴーレム騎士達が次々と倒れていく。
シアが凶夜とスフォが空けた隙間なら飛び込みドリュッケンを体ごと大回転させて周囲のゴーレム騎士達を薙ぎ払った。技後硬直するシアに盾や大剣を投げようとするゴーレム騎士達をユエの"破断"が切り裂いていく。
ハジメが殿を務めながら後方から迫るゴーレム騎士達にレールガンを連射した。その隙に一気に包囲網を突破したシアが祭壇の前に陣取る。次にユエが祭壇を飛び越えて扉の前に到着した。その後に凶夜、スフォも祭壇の前に陣取る。
「ユエさん!扉は!?」
「ん……やっぱり封印されてる」
「あぅ、やっぱりですかっ!」
見るからに怪しい祭壇と扉なのだ。封印は想定内。
「封印の解除はユエに任せる。錬成で突破するのは時間がかかりそうだ」
殿を務めていたハジメがユエの横に並び立つ。
ハジメの言う通り錬成で強引に突破する事も可能だが、この領域では多大な魔力を消費して多大な時間が掛かるだろう。
なら、せっかくいかにもな祭壇と黄色の水晶が置かれているのだから、正規の手順で封印を破る方がきっと早い。ハジメはそう判断して戦闘で燃費の悪いユエを封印解除役に任せる。
「ん……任せて」
ユエは二つ返事で了承し、祭壇の黄色の水晶を手に取る。一種のパズルの様な物らしい。
凶夜とスフォはやはり、踊る様に入れ替わり立ち替わりゴーレム騎士達を薙ぎ払っていく。そんな中スフォがふふっと上品に笑う。
「なんだー?急に笑って」
「凶夜さんとこうやって、一緒に戦えることが嬉しいのですよ」
「変わり者だなー、こんな俺なんかを……」
「俺なんかはダメですよ。凶夜さんを大切に思ってる人への侮辱ですよ?」
「そーかい、忠告感謝するよ。……気を付ける」
「私は大切にじゃなくて特別にですけどね?」
「分かってる」
そうこうしてる間にユエが扉を開けた様だ。ハジメは全員に撤退を呼びかけ、自らも奥の部屋に向かって後退する。封印の扉を閉めればゴーレム騎士達の襲撃も阻めるだろう。最初にユエが、続いてシア、スフォ、凶夜の順番で扉の奥に飛び込み、両開きの扉を持っていつでも閉めれる様にスタンバイする。
ハジメは、置き土産にと手榴弾を数個放り投げると自分も奥の扉に入る。ゴーレム騎士達は逃すものかっと殺到するが手榴弾が爆発し、衝撃を撒き散らす。その隙に扉を閉める。
部屋の中は確認した通り何もない四角い部屋だった。てっきり、ミレディ・ライセンの部屋までとはいかなくても、何かしら手掛かりがあるのでは?と考えていたので少し拍子抜けする。
「これは、あれか?これみよがしに封印しておいて、実は何もありませんでしたっていうオチか?」
「……ありえる」
「うぅ、ミレディめぇ。どこまでもバカにしてぇ!」
「こんだけ苦労したんだ、なんかあるだろー。……あってくれー」
「凶夜さん。そこは言い切りましょう?」
一番あり得る可能性にガックリしていると、突如、もううんざりするほど聞いているあの音が響き渡った。
ガコン!
「「「「「!?」」」」」
仕掛けが作動する音と共に部屋全体がガタンと揺れ動いた。そして、凶夜達の体に横向きのGが掛かる。
「っなんだ?部屋自体が移動してるのか?」
「……そうみたッ!?」
「うきゃ」
「酔いそう」
「大丈夫ですか?」
今度は真上からGが掛かり、ユエは舌を噛み、シアはひっくり返っている。部屋はその後も何度か移動方向を変えて移動している様で、役四十秒ほどしてから慣性の法則を無視する様に止まった。
ハジメは途中から靴をスパイクにして立っておりユエはハジメにしがみついていて、シアは方向が変わるたび、そっちにゴロゴロ、こっちにゴロゴロして酔っていた。凶夜は普通に立っていたが酔っており、スフォに背中をさすられていた。
「ようやく、止まったか……ユエ、大丈夫か?」
「……ん、平気」
「凶夜さん、止まりましたよ?大丈夫ですか?」
「ありがとう。スフォ、だいぶマシだ」
周囲を観察するが変化はない。先程の移動を考えると扉を開けると違う場所という事だろう。
「ハジメさん。私にかける言葉はないので?」
青い顔で口元を押さえているシアが、ジト目でハジメを見る。ユエだけに声を掛けたことがお気に召さなかったらしい。
「いや、今のお前に話しかけたら弾みでリバースしそうだしな…」
「それでも、声を掛けて欲しいのが乙女ごこっうっぷ」
「ほら見ろ、凶夜と一緒に少し休んでろ」
そして唐突にユエと二人の空気を作るハジメにシアが突っかかる。凶夜はまだスフォに看病して貰っている。
扉の先は、ミレディの隠れ家か、ゴーレムの操者か、あるいは別の罠か……ハジメは「なんでも来い」と不敵な笑みを浮かべて扉を開いた。そこには……
「……何か見覚えないか?この部屋」
「……物凄くある。特にあの石版」
扉を開けた先は、別の部屋に繋がっていた。その部屋は中央に石版が建っており左側に通路がある。見覚えがあるはずだ。何故ならその部屋は、
「最初の部屋……みたいですね?」
シアが、思っていても口に出したくなかったことを言ってしまう。そこに復活した凶夜やスフォも扉から出てくる。確かに、シアの言う通り一番初めに入ったウザイ文が彫り込まれていた石版のある部屋だった。よく似た部屋ではない。それは、扉を開いてから浮かび出た文字が証明していた。
"ねぇ、今、どんな気持ち?"
"苦労して進んだのに、行き着いた先がスタート地点だと知ったときって、どんな気持ち?"
"ねぇ、ねぇ、どんな気持ち?どんな気持ちなの?ねぇ、ねぇ"
「「「「「………」」」」」
ハジメ達からストンと表情が抜け落ちる。能面という言葉がピッタリと当てはまる表情だ。すると更に文字が浮かんできた。
"あっ、言い忘れてたけど、この迷宮は一定時間ごとに変化します"
"いつでも、新鮮な気持ちで迷宮を楽しんでもらおうというミレディちゃんの心遣いです"
"嬉しい?嬉しいよね?お礼なんていいよぉ!好きでやってるだけだからぁ!"
"ちなみに、常に変化するのでマッピングは無駄です"
"ひょっとして作っちゃった?苦労しちゃった?残念!プギャァ!"
「は、ははは」
「フフフ」
「フヒ、フヒヒヒ」
「ハ、ハハハ」
「ふふふふ」
三者三様の壊れた笑い声が辺りに響く。そのあと迷宮全体に届けとばかりに「ミレディェー!!!!」と怨嗟を孕んだ絶叫が響き渡ったのは言うまでもない。ミレディの言葉の通り、前に見たのとは大幅に変わった階段や回廊の位置、構造に更に怨嗟の声を上げたのは言うまでもないことだった。
【ライセン大迷宮】に入ってから一週間が経った。現在とある部屋で休憩を取っている影が五つ。凶夜、スフォ、ハジメ、ユエ、シアだ。ハジメを中心に右側にユエ、左側にシアが座り込んで肩にもたれ掛かっている。その隣では凶夜の横にユエ達と同じようにもたれ掛かっている。部屋には静寂が満ちているが微かに寝息が聞こえる。ユエ、シア、スフォの三人だ。ユエ、シアはハジメの肩を枕替わりにしており、スフォは凶夜の肩を枕にしている。
迷宮に入ってマーキングを駆使して構造変化には一定のパターンがあることを見つけたハジメはそろそろ進展があるかも知れないと思いながら横で寝ている少女達に視線を向けた。
「気持ちそうに寝やがって……ここは大迷宮だぞ?」
「まー、許してやれよ。俺達が警戒してんだ、そうそうは危険な事にはならねーだろ」
ハジメと凶夜は見張り役でずっと起きていたのだ。苦笑しながらユエの髪を撫で頬を緩める。凶夜はスフォの狐尻尾をモフリながら(撫でながら)ハジメに言う。「それもそうだ」と言いながらシアの髪やウサミミを撫でながらハジメは何とも複雑そうな顔をした。
「まったく、俺みたいな奴のどこがいいんだか……こんな所まで付いてきやがって…」
「まったくだな」
二人とも悪態をついているが眼差しはひどく柔らかい。凶夜はスフォには失礼だが告白は何かの勘違いや吊り橋効果だと思って色々先延ばしにして、告白を有耶無耶にしようとしていたのだが、ホルアドでハジメに言われてから真剣にスフォのことを考えるようにした。その結果、自惚れていなければやっぱり真剣に惚れられているということが嫌でも分かる。あれほど素直にアプローチしてくるのだ、わからない方がどうかしている。
そうして、尻尾やキツネミミ、髪などを撫でていると、ムニャムニャとスフォが寝言を言う。
「凶夜しゃん、しゅきですよ〜」
「ハハ、あざといな」
隣ではハジメがシアの口と鼻を塞いで起こしている。そして、デコピンを額に叩き込まれている。ユエも起こそうとしてるのでこちらもスフォを優しく揺さぶり起こす。
「ん…ふぁ…?」
可愛らしい声をあげながらボーとした目で凶夜を確認すると真っ赤になり身だしなみを整えていく。
(不意打ちで優しい笑顔は反則です!)
そう思うスフォ。頭に?を浮かべながらも凶夜は準備を終え、ハジメ達も準備万端だ。今度はスタート地点に戻されないことを祈って、菩薩の心で再びいやらしいトラップとウザイ文をクリアしていく。
そして凶夜達は一週間前に訪れてから一度も遭遇することのなかった部屋に出くわ。最初にスタート地点に戻され天元突破の怒りを覚えさせてくれたゴーレム騎士の部屋だ。ただし、今度は封印の扉は最初から開いており、向こう側は部屋ではなく通路になっていた。
「また、包囲されるのも面倒だ。扉は空いてるんだし一気に行くぞ!」
「OK!」
「んっ!」
「はい!」
「分かりました!」
凶夜達はゴーレム騎士の部屋に一気に踏み込んだ。部屋の中に差し掛かると、案の定ガシャンガシャンと音を立てながら窪みから出てくるが、完全に出てくる前に前な騎士達を銃撃して蹴散らしておく。
そうやって稼いだ時間で、凶夜達は加速し包囲される前に祭壇の側まで到達した。ゴーレム騎士達が猛然と追いかけてくるが扉をくぐる前に追いつけそうにない。逃げ切り勝ちだと、ハジメはほくそ笑んだ。
だがそんな笑みは剥がれ落ちた。なんと、ゴーレム騎士達も扉をくぐって追いかけてきたからだ。しかも……
「なっ!?天井を走ってるだと!?」
「……びっくり」
「重力さんしごとしてくださぁ〜い!」
「テンプレはどこいった!」
「地面を走ってください!?」
そう、追いかけてきた、ゴーレム騎士達はまるで重力など知らんとばかりに天井や壁やらをガシャンガシャンと重そうな全身甲冑の音を響かせながら走ってるのである。
「どうなってやがんだ?」
そんな呟きがハジメから漏れる。そして再度、背後の騎士をチラリと振り返って度肝を抜かれる。
天井を走っていたゴーレム騎士の一体がジャンプするとまるで砲弾の様に凄まじい勢いで頭を進行方向に、向けたまま宙を飛んできたのである。ハジメはドンナーを発砲するがゴーレム騎士は頭部と胴体が分かれ、更に大剣と盾を手放す。しかしそれらは凶夜達に向かって突っ込んできた。
「回避だ!」
ハジメの掛け声と共にしゃがんだり、飛び退いたりしてそれらを躱していく。通り過ぎたゴーレム騎士の残骸はそのまま勢いを減じることなく壁や天井、床に激突しながら前方に転がっていった。
「おいおい、あれじゃまるで……」
「ん……"落ちた"みたい」
「重力さんが適当な仕事してるのですね、わかります」
「重力ねー?俺達も天井に立てるのか?」
「仕事してくださいな、重力さん」
ユエとシアの表現がしっくりくる。ゴーレム騎士達は重力を操れるらしい。何故ら前回は使わなかったのか?
そんな推測もゴーレム騎士達がこぞって凶夜達に"落下"してきた事により中断された。銃撃や"破断"で遠距離攻撃しつつ、接近してきたものはシアや凶夜とスフォの連携で打ち払い、足を止める事なく先に進む。
しばらくすると、先へ落ちたゴーレム騎士達が再構築され、隊列を組んで凶夜達を待ち構えている。盾を前面に押し出し腰をどっしり据えて壁を作っている。二列目のゴーレム騎士達はご丁寧に盾役の騎士達を後ろから支えていた。
「チッ、面倒な」
ハジメは舌打ちしながら、ドンナー&シュラークを太もものホルダーにしまい、"宝物庫"から一つの兵器を取り出す。手元に十二連式の回転弾倉が取り付けられた長方形型のロケット&ミサイルランチャー"オルカン"である。ロケット弾の長さは三十センチ近くあり、その分破壊力は通常の手榴弾より高くなっている。
ハジメは、オルカンを脇に挟んで固定すると口元を歪めて笑みを作った。
「みんな、耳塞げ!ぶっ放すぞ!」
「ん」
「えぇ〜、なんですかそれ!?」
「派手に吹っ飛ばしてくれよ!」
「なんか、凄そうですね」
初めてみるオルカンにシアとスフォは目を見張る。ユエと凶夜は耳を塞ぐ。スフォも見習ってキツネミミをペタリと倒しその上から手で抑える。シアのウサミミはピンと立ったままだが、お構いなしにハジメはオルカンの引き金を引いた。
バシュゥウ!と、そんな音と共に、後方に火花の尾を引きながら、ロッケト弾が狙い違わず待ち受けてるゴーレム騎士達に直撃した。
次の瞬間、轟音。そして、大爆発が発生し通路全体を激震させながら衝撃を撒き散らした。
ゴーレム騎士達は直撃を受けた中心から左右に壁や天井に叩きつけられ、原形を留めてない程に破壊されている。再構築にも時間がかかるだろう。
凶夜達は一気にゴーレム騎士達の残骸を飛び越えていく。
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