まぁのんびり更新できればいいなっと思っていますけど。
「……コレなに?」
ユエがハジメの造っているモノに対して質問を投げかける。
「コレはな、対物ライフル--レールガンバージョンだ。俺のドンナーは見せたろ?要するにアレの強力版だ。」
この全長一・五メートル程の対物ライフル--シュラーゲンは最大威力でドンナーの数倍の威力が出る。素材は何とサソリモドキ。ハジメがあの硬さを調べてみたところ鉱物鑑定ができたのである。
シュタル鉱石
魔力との親和性が高く、魔力を込めただけ硬度が増す特殊な鉱石。
サソリモドキはシュタル鉱石の特性だったのだろう。大量の魔力を込め、あの防御力があったみたいだ。ハジメは鉱物なら錬成出来るのではと試した所出来た。錬成ならすんなりサソリモドキを倒せたのではないかと思うハジメだったがいい素材が手に入ったと思いシュラーゲンを完成させる。そして凶夜の剣が折れてる事を思い出して凶夜に話を持ちかける。
「素材もだいぶ余ってるし、剣、造ってやろうか?」
「マジか!?できれば頼みたい剣があるんだよ!!」
ハジメの問いに食ってかかるように答える凶夜。ハジメは「お、おう」と苦笑いしながら凶夜の要望通りに錬成で剣を造っていく。凶夜が要望したのは全長一・二メートル程のマチェットのような剣を二本だった。ソレをクルクルと手のひら、甲、指などで遊ばせる凶夜。
「マチェットでよかったのか?前みたいなロングソードでも造れるぞ?」
「ロングソードでもいいんだが、俺の二刀流は力任せに叩き斬る感じだからこう言った刃が片方についてる剣の方がいいとずっと思っててな。刀も考えたんだが折れる未来しか浮かばんかった。ソレにマチェットの方が狂戦士っぽいしカッコいいだろ?」
斧とかも考えてたんだよー。とハジメに語る凶夜だったがハジメは大体が最後の理由が本命だと思っていた。その後は慣れたモノでサクサクと弾を量産し、シュラーゲンを組み立てて凶悪なフォルムに迫力がある、と自己満足してるハジメと、オモチャを初めて買ってもらったかの様にマチェットを楽しそうに振り回している凶夜。一段落したハジメと動いた凶夜は腹が減りサイクロプスやサソリモドキの肉を焼き、食事する事にした。凶夜はユエの食事はどうするのかと聞きユエはもう満たされてるから要らないと答えた。
「もしかして、ハジメの血か?」
「……ん。……ハジメ…‥美味……」
ユエ曰く、野菜やお肉をじっくりコトコト煮込んだスープの様な濃厚で深い味わいらしい。舌舐めずりをしながら妖艶な空気を曝け出すユエにハジメはユエが歳上だと実感するが容姿と相まって背徳感がヤバく落ち着かない。とんでもない相方をもんだと。
ちなみに凶夜の血を飲んでみてほしいと言ってみたが断られた。ハジメは罪作りな男だ。
「ハッハァ!こんな集団に追われるのなんていつぶりだ!?」
「ちくしよおぉぉー!」
「……ハジメ、ファイト……」
「「お前は気楽だな!」」
現在、ハジメはユエを背負いながら凶夜は笑いながら走っていた。周りは肩付近まである草に生い茂り、ユエなんて完全に隠れてしまっている。そんな雑草を払いながら走っている訳は、
「「「「「シャアァァァァ!!!」」」」」
二百近い魔物に追われているからだ。
凶夜達が奈落探索を再開してから十階層くらいは順調に進んでいた。前線で凶夜が足止めし、なおかつハジメの装備や技量が充実し、ユエの魔法が凄まじい活躍を見せたからだ。
全属性のノータイムの魔法が的確に支援が入りハジメも凶夜もやりやすかった。ただ、回復魔法や結界魔法は不得意らしい。"自動再生"があるから無意識に不要と判断してたのかもしれない。もっとも凶夜には"不滅"、ハジメには神水があるから問題なかった。
そんな三人が降り立ったのは、空気が少し湿っぽく十メートル程の木が鬱蒼と茂った樹海だった。下層への階段を探していると、突然、ズズン!という地響きと共に完全にティラノサウルスの見た目の爬虫類の魔物が現れた。……頭に一輪の花を生やしているが。とてつもなくシュールな光景だった。そんなティラノサウルスが咆哮をあげてこちらに突進してくるが、凶夜は二対のマチェットを抜き去り突撃しようと、ハジメは慌てずドンナーを抜こうとして、ソレらを制するようにユエが前に出て手を掲げた。
「"緋槍"」
ユエの手から炎が渦を巻き槍となり、ティラノの頭目掛けて飛翔し、突き刺さり、一瞬で絶命させる。
「「……」」
最近、ユエ無双が激しい。最初はハジメや凶夜の支援に徹していたが、何故か二人に対抗する様に先制攻撃をして瞬殺するのだ。
そのせいで二人ともメッキリ出番が減った特にハジメ。凶夜は前衛なので二人より前を歩いていることが多く、ユエが先制攻撃する前にマチェットで叩き斬る事もあった。だがソレも途中からユエが前に出てくるようになり最近はもうユエ無双状態だ。ハジメは自分が役立たずな気がしてならなかった。
「あ〜ユエ?最近俺が動いてないんだが…」
「……私、役に立つ……パートナーだから」
チラッと凶夜の方を見てからそういうユエ。どうやら軽く凶夜に対抗心を燃やしていたらしい、少し前にハジメが一蓮托生のパートナー的な事を言ってたしそれもあるんだろう。
ハジメが軽く注意し、ユエがシュンッとするとハジメがユエの髪を撫でるとほっこりとした顔になり、二人に甘い空気がながれる。凶夜は静かに遠い目をしていた。そんな時にハジメと凶夜の"気配察知"に魔物にが続々と集まってくる。
十体ほどが三人を取り囲む様に移動している。
その場を移動して少しでも有利な位置で撃退できるように三人とも動く。
円状に包囲する魔物の一体に向けて自ら突進していく。生い茂った木を払い除けた先にはラプトル系の魔物がいた。
頭からチューリップの様な花をヒラヒラと咲かせて。
「……かわいい」
「……流行りなのか?」
「……なんなんだコレ」
ユエがほっこりしながら呟き、ハジメはあり得ない推測にを呟き、凶夜は単純に思った事を口にする。
ラプトルはティラノと同じく花なんて知らんわ!というかの様に臨戦態勢だ花はゆらゆら、ふりふりしてるが……
「シャアァァ!」
花に気を取られ立ち尽くす三人に襲い掛かる、前脚には大きな鉤爪があり、ソレを凶夜が真正面からマチェットで受け止めている間にハジメとユエが左右に飛び退き距離をとる。そしてハジメは"空力"を使いラプトルの頭のチューリップを撃ち抜く。
ラプトルはビクンと痙攣してから倒れる。ユエかハジメの近くに寄ってきてチューリップの残骸とラプトルを見て、
「……死んだ?」
「……いや、生きてるっぽいけど」
ハジメの言う通りピクリと痙攣した後、ラプトルは起き上がり辺りを見渡し、チューリップの残骸を見つけると親の仇と言わんばかりに踏み付け始める。
ハジメとユエがイジメだの小学生だの言ってるが凶夜はとりあえずラプトルを観察してるとラプトルもチューリップを踏み付ける事に満足したのか、ようやく凶夜達に気付く。その瞬間に凶夜のマチェットがラプトルの首を一閃。首がポトリと落ちる。
「何だったんだ?コイツ」
斬ってから言う凶夜にやっぱりイジメだの言うユエにツッコむハジメ。そこで包囲が狭まっていることに気付き、急いで移動しつつ有利な場所を探していると直径五メートルはある太い樹が無数に伸びている場所にきた。隣り合う樹の枝が絡み合い空中回廊のようだ。
凶夜とハジメは"空力"でユエは風魔法で上にある太い樹の枝に飛び乗る。ハジメは頭上から、集まってきた魔物達を狙撃する様だ。そして次々にラプトル達が現れ始めた。迎撃しようとしていたハジメとユエは固まる。
何故なら……
「なんで、どいつもコイツも花つけてんだよ!」
「……ん、お花畑」
「ダッハハハ、言い得て妙だ!」
ハジメの言う通り十体以上のラプトルは色とりどりの花を頭に付けていた。
三人の声に気付き跳躍の姿勢をとるラプトル達に"焼夷手榴弾"を投げ、範囲外のラプトル達の頭を寸分違わず撃ち抜くハジメ。きっかり三秒後に爆発し、摂氏三千度の燃え盛るタールが飛び散りラプトル達を焼き尽くす。
結局十秒もかからず殲滅に成功しているがハジメの表情は冴えない。ユエがソレに気付き尋ねる。
「……ハジメ?」
「おかしくないか?」
「「?」」
「ちょっと弱過ぎる」
ハジメ以外の二人はハッとする。
確かにティラノもラプトルも動きは単調そのものモノ、特殊な攻撃もなく簡単に殲滅できた。殺気はあれど動きはどこか機械的、そして花が取れたラプトルの動きを見ると花がついたラプトルの動きがおかしく思える。
「ハジメ、数十の魔物が接近中だ。まるで誰かに操られてるみたいにな。どうする?」
「……逃げる?」
「…いや、この密度だと逃げ場がない。一番高い樹の天辺から殲滅がベターだ」
「ん……特大のいく」
「おう、かましてやれ!」
「やることねー……」
三人は高速で移動して一番高い樹を見つける。そして、その枝に飛び乗り、足掛かりになりそうな太い樹を壊し、魔物が登りにくいようにした。
そして魔物が集まり始める。ラプトルやティラノまでいる。ティラノは樹に体当たりをし、ラプトルは鉤爪を使い器用に登ってくるがハジメが撃ち抜いたり"焼夷手榴弾"で寄せ付けない。凶夜は相変わらずやることが無い。まだまだ集まってくる魔物にとうとうその時が来てハジメがユエに合図を送る。
「ユエッ!」
「んっ!"凍獄"!」
三人のいる樹を中心にビキビキッと音を立てながら瞬く間に蒼氷に覆われていく。氷結範囲は指定座標から五十メートル四方。まさに"殲滅魔法"というに相応しい威力だ。
その事をハジメに褒められて「……くふふ……」っとと笑って照れている。そして吸血で回復しようとしてるところに、
「ハジメさん、ユエさんや、イチャついているところ悪いけど倍のお客さんだぜぇー」
「!?」
「こりゃいくらなんでもおかしいだろ。今、殲滅したところだぞ?また、特攻…まるで強制されてるみたいに……あの花……」
「寄生って考えるのが普通だわなー」
「……寄生」
「お前らもそう思うか」
「……本体がいるはず」
「だな。あの花を取り付けてる奴を殺らない限りこの階層全部を相手にする事になっちまうな」
物量に押し潰される前に魔物の本体探さないと下層の階段探しどころでは無い。ハジメはユエに神水を渡そうとするがユエか拒否。そして、ハジメに両腕を伸ばして言う。
「ハジメ…‥抱っこ……」
「「お前いくつだよ!」っていうか吸血しながら行く気か!?」
凶夜とハジメはツッコミ、ハジメの言葉に頷くユエ。ハジメは色々葛藤し抱っこは邪魔になるのでおんぶして本体探しに飛び出し、凶夜もそれに続く。
そして、場面は戻る。三人は二百体近い魔物に追われていた。ユエはハジメの背中から降りない。理由は草が鬱陶しいらしい。
後ろからは魔物が迫ってきていて、併走してるラプトルを凶夜とハジメが迎撃しつつひたすら走り続ける。
三人が睨んだのは樹海の先、今通ってる草むらの向こうの側に迷宮の壁、そこに縦割れの洞窟らしき場所だ。
そこに目をつけた理由はやはり魔物に規則性があり、一定の方向に行くと動きが激しくなるのだ。まるで、そっちに行かせないようにしてるみたいに。
ハジメと"空力"を使い"縮地"でさらに加速する。こんな追われてる最中でもユエとハジメは何か言い合い、イチャイチャしている。
「ハジメ!このまま洞窟に入るともしかしたら挟み撃ちになるぞ!俺が入り口で恐竜共の時間を稼ぐから早いとこ倒してくれよ!」
「おう!」
ハジメはそのまま洞窟に入り錬成で穴を塞ぐ、凶夜は"空力"を使いくるりと旋回し、壁に足をつけ向かって来てるラプトルの首を切り落とす。そしてまた空力を使って二百体近い魔物の真ん中に入り"狂化"を使いティラノやラプトルを切り刻む。
「ハッハァ!タノシモウゼ!!!」
我流二刀流で斬って斬って斬って斬りまくる。後ろからラプトルの鉤爪で切り裂かれるが"不滅"で回復。そして斬る。魔物が集まり始めてからはハジメの活躍が多く、少し鬱憤が溜まっていた凶夜は楽しく踊る。
「我流 双頭一閃」
交差した腕を開くと同時に十数体の魔物を薙ぎ払う。狂化で身体能力の上がっている凶夜には操られた魔物など敵では無い。狂化を使うまでも本当はないのだが、狂界突破という派生技能が増えた事でまだ使えば狂化は伸びるのではないかと思いモノは試しに使っているわけだ。まだまだ試す魔物達は尽きない。とことん鍛錬に付き合って貰おうと決める凶夜であった。
そしてハジメが何故か落ち込んでるユエを慰めながら出てきた頃には、魔物の返り血で真っ赤に染まった凶夜一人が立っていた。その姿はまさに狂戦士そのモノだった。
読んで頂きありがとうございます。
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アンケート入れてくれた人に感謝を
雫をオリ主のヒロインにしてもいいか?
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ダメ
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好きにしろよ