あべこべ世界の貧民街に生まれ変わったので、ギャングのボスを目指す   作:山崎春のパン祭り

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まだ生きています。こんな感じに地道に書いて行きます。


第3話ーNight Life#2ー

 

 裸の男たちが妖艶にポールダンスを踊る姿など見たくなかった俺は、デミたちについて行かず、現在一人ソファに寝転びながらテレビを見ていた。

 

 テレビでは宇宙特集が放送されていた。特に集中して見てる訳ではないが、相対性理論、宇宙の起源、宇宙人は存在するのかなどなど、どの世界も変わらない問題は、ある意味宇宙人俺には実に興味深った。

 そもそもこの合衆国の言語も英語で、スペイン語やフランス語など元の世界同じ言語が存在し、世界地図、そして今住んで居る星の名前を太陽系地球と言うところすら同じなのだ。

 

 パラレルワールド? 未来? 

 俺が転生したと言う事は、魂は存在する?

 

 この世界に生まれた頃、何度も考えた様々な答えのない問題が頭の中を駆け巡るので、俺は考えるのをやめた。明日にでも死ぬかもしれないのに考えたって仕方ない。

 俺はテレビを消して、目を瞑った。あー、あの懐かしき平和な日本に帰りたい。

 

 

 

 

 赤を基調にした店内は、ミラーボールが回転しながら妖しく彩らせていた。その中央にはゆったりとした音楽をバックグラウンドにし、ポールを掴み宙に浮いている影があった。

 彼は、ポールダンスと共に収縮するその筋肉を観客に見せつけると、黄色い歓声が上がる。

 

 「やっぱ、質が悪いな」

 

 だがテーブル席に座って、見ていたデミからは不満の声が上がった。

 

 「南部ではストリップクラブは、この1店しか無いんだから贅沢言うなよな」

 

 それは、さっきまで黄色い歓声たちの一員だった隣のエリカに届いた。

 

 「そんな事ぐらいわってるよ」

 

 エリカの言葉を聞いてから、一旦は受け止めたデミだったが、それでも愚痴は止まらなかった。

 

 「……ったく。見ろよ。なんだあの腹筋のないたるんだ腹は、私の方がまだあるわ。そしてあれに金を払って、自分の前で踊ってる姿を想像してみろ。だったら、たまにジョージの腹筋を見れる家の方がまだましだよ」

 「へー。ジョージってあんな可愛い顔して、腹筋あったんだ」

 「ああ、いつ鍛えたのかは分からないが、見たらキレイに割れてたんだよ」

 

 エリカの頭にジョージの顔が浮かび、彼の日頃服の下に隠れた引き締まった筋肉を想像した。

 

 「でか……? お前。まさか、ジョージの着替えてる時に覗いたのか?」

 「ちげーよ! あれはっ!」

 「なに、なに、なんの話し?」

 

 トイレから帰ってきたソフィアとアリスが、話に加わった。

 

 「デミが、ジョージが着替えてる時を覗いたって話」

 「「うわー、まじかよ。引くわー」」

 「だから、ちげーって! てめぇら殺すぞ! だからっ! あいつはっ!」

 

 そこまで言って、デミの口は急に止まり、ポケットからタバコを取り出し、一本咥え火を付けた。煙を吐き出し、一服してやっと話の続きをした。

 どうやら、シリアスな話の様だ。エリカとソフィアとアリスは察して、真剣な顔になった。

 

 「はあ……あいつは、なんて言うかーーー貞操概念がバグってんだよ。昔フランチェスカが言うには、出会った当初は痩せ細ってて、体も青あざまみれだったらしいし。多分孤児院に居た時に、小さい頃から性暴力を受けてたのが原因だよ。だから、あいつはそこら辺が疎いんだよ。教えてやっても腑に落ちない顔になるし」

 

 白人とアジア人の、どっちもこの街ではマイノリティのハーフであるエリカは、昔虐められていた苦い記憶を思い出す。自分がそれほどなのだから、同じアジア人の血があり、男性な上子供だった彼が受けた仕打ちは想像を超えるものだろう。

 

 「なるほど……まあ、今幸せなら良いんじゃ。貞操概念とかそこら辺は、ゆっくり教えてやろうよ。私たちも協力するから」

 

 エリカが後半言ったセリフは、少しいやらしい意味を込めてデミを怒らせ、雰囲気を変える為に言ったが、デミは気づかないままだった。

 

 「ああ」

 「ささ、シリアスな話題もこれぐらいにして、飲め飲め、もうその東海岸のネオヨーク市のやつら見たいな、いっつもクソを我慢している様な表情を変えろ」

 

 エリカの困った顔に気づいたのか、ソフィアが言葉を屈折させずに直接言った。

 

 「……ああ、そうだな。あいつらは未だに連合王国と独立戦争してるからな」

 「ははは、違いない」

 

 笑いながら4人は、乾杯をしてグラスの中身を一気に飲み干した。アリスが未成年なのに酒を飲んでいる事は、ここでは誰も気にしない。

 

 飲み干した後、彼女らはどの男に個室で踊って貰うかなどを会話していた。彼女らの夜はまだ始まったばかりだった。

 

 

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