練習作:異世界クラス転移モノ   作:初心者その1

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与えられた力/はじめての戦い

翌日、僕たちは広いグラウンドのよう場所に呼び出された。

 

そこにはギルドの職員のマリーさんが謎の水晶を複数持って来ていた。

話を聞くに、あの装置でスキルの形を見るらしい。まずは一番左端の人が呼ばれた。

その人は、身長180センチぐらいの大柄な人で筋肉質だ。

髪は黒で短めのスポーツ刈りのような髪型をしている。

たしかバスケ部かなんかだったかな?

 

彼は前に出て行くと、マリーさんの言う通りに水晶に手を置いた。

すると水晶が光り始めた。

少しして光が収まると、職員の人が説明を始めた。

 

この水晶で判断できることは自身が持つ権能と魔力を判断することで、

異世界人は理由は分からないが多くの属性への適性の魔力をもつ事が多いらしい。

属性は四大属性である、『火』『水』『風』『土』

そして『光』と『闇』

 

そして、彼の場合は土属性と水属性に適性があったようだ。

そして権能の形は山のようなモノが見えたらしい。

 

(どんな属性が出るのだろうか)

 

そう考えているうちに次の人の番になった。

次は背の低い女子生徒だ。

彼女は髪を茶色に染めており、肩までのセミロングだ。

 

彼女の適性は四大属性全てにあった。

これはなかなか珍しいらしい。

権能の形は瞳だったらしい。

 

次に先生が水晶の触れた。

どうやら、光属性と水の属性にあるらしい。

そして権能の形は植物の種のような形だったらしい。

 

そして祐樹の番が回ってきた。

彼も四大属性全ての魔法に適性がある。

そして権能の形は円だった。

 

最後に僕の番がきた。触れると一瞬だけ強く光った。

どうやら、僕は光の属性が強く少し弱いが風の属性を持っているようだ。

そして、異世界人とあってか他の人より魔力がかなり多いらしい。

そして権能の形は光り輝く『剣』だった。

 

全員の適正が分かった。

そこで、マリーさんが口を開いた。

どうやら、僕たちの今後について話し合うようだ。

・これから君たちには、それぞれの得意な分野に分かれて貰う。

・まずは1週間いないに紹介する冒険者と師弟関係を組んでもらう。

・その期間はギルドから報酬を出す。

・そして、それが終わり次第で強制はしないが冒険者として活動してもらいたい。

とのことだ。

 

そう言われた後、僕たちは何人かに別れて、師匠となる人たちを紹介された。

僕と祐樹には、剣と魔法の基礎を教えてくれる人がついてくれた。

「はじめまして、オレはジークだ」

そう言って来たのはかなり大柄な男性だ。190cmはあるんじゃないだろうか?

髪は白に近い灰色で長く伸ばしていて、オールバックにしていて 顔立ちは整っていて、とてもイケメンだ。

年齢は30代後半といったところだろうか?

「えっと、よろしくお願いします」

そう言いつつ握手をした。

彼は剣術と体術が得意で主に戦い方を指導してくれるそうだ。

僕と祐樹に指導をしてくれるのはこの人になるようだ。

そして、もう一人紹介された人がいる。

この人は、リリアさんジークさんのパーティーメンバーで魔法使いをしているらしい。見た目は20代の半ばほどで赤毛の長いポニーテールの美人さんだ。

スタイルはかなり良い。

僕と祐樹の魔法の基礎についての指導は彼女が担当するらしい。

この人は、攻撃魔法と回復魔法の両方を得意としているようで、 前衛職の人と組んで戦うことが多いらしい。

「今日は顔合わせ程度だが明日の指導からよろしく頼む」

そう言ってジークさんは少し笑った。

「わたしがいるかぎり怪我しても治せるから安心してね〜」

リリアさんはサラッと恐ろしいこと言っているし、

「はい!明日からよろしくお願いします!」

そう祐樹は元気良く返事をしていた。

 

ーーー 翌日、僕たちは朝早くからギルドの訓練場にいた。

祐樹は使う属性が多彩なためリリアさんにメインで見てもらうらしい。

「さあ、早速始めるぞ」

「はい!」

「まずは基礎からだ、軽い魔力操作についてと、自分の使える魔法の属性の効果を把握してもらう」

「魔力の操作ですか?」

「そうだ、まず自身に宿る魔力について知ることから始めよう」

そう言うと、ジークさんは剣を抜き放った。

そして、自身の剣に魔力を流し込んだ。

すると、刀身が薄く光り出した。

「これは、魔力を纏わせるって技術だ。

 魔力操作の応用の一つだな」

そう言って刀身を触るように促してきた。

「何か感じなかったか?」

「キミは『剣』という権能を持っている、

 だからこのやり方が手っ取り早いと思ったが?

 どうだろうか?」

 

確かに『剣』への適正があるのなら魔力を扱えるのだろう。

でも、どうやって扱うのだろうか? そう思いながら、僕は試しにやってみることにした。

目を閉じて集中する。

すると自身の中を動く力の流れのようなモノを少し感じた。

手に触れている剣に宿る熱のような何かに似たものでもう少しで掴み取れそうで、

 

「そこまでだ」

 

そしてジークさんに止められてしまった。

どうやら上手く扱えなかったようだ。

 

「今はまだ、お前の中の魔力が外に漏れ出ているだけだ。

それをうまく操れなければ、魔法を扱うことはできない。

そして、属性によっては漏れ出た魔力で怪我をしてしまうこともある。

今のキミのようにだ」

 

そう、集中しすぎていて気づかなかったが腕に切り傷ができていて血が流れていた。

 

「キミのその集中力は才能だが、今はそれは邪魔になる。もっと、効率よくやる方法を教えよう」

そう言うと、ジークさんはまた別のことをやり始めた。

「まずは治療だな」

そうして両手を前に出して構えていた。

そして、詠唱を始めた。

 

「癒やせ《ヒール》」

すると、僕の身体から光が溢れて、痛みも消えていった。

「すごい、これが魔法なんですね……」

僕は感動していた。

そして、この世界に来てから初めての魔法だ。

「いや、魔術だな」

「魔術?」

「ああそうだ」

そう言って少し考えた後でジークさんは話始めた。

「ふむ、今すぐ訓練を再開するよりは少し世間話でもするか」

「魔術と魔法の違いについて話そう、

 学者というわけではないから適当な意見だと思って聞き流してくれ」

「簡単に言うと魔法は生まれ持った素質のモノで

 魔術は誰でも使えるモノだ」

 

「誰でも?」

「そう、誰でもな」

 

「魔法は神の与えたギフトと考えられた時代の誰かが

 神の奇跡を模倣しようとして生まれたモノらしい 

 そして生まれた魔術は魔力を特定の形に整えて特定の音声に魔力を乗っけると発動する」

 

「そう、魔法とは神の決めた法則のようなモノならば

 物を投げたら落ちるように魔力にも決まった動きがないかって考えから生まれたのが魔術だよ〜」

 

そう言ってリリアさんがやってきた。

祐樹を引きずりながら。

 

「祐樹!?大丈夫!」

 

「うん?大丈夫だよ、

 初めての魔法で魔力を一気に使いすぎただけだから」

 

「そうなんだ、よかった」

 

そう言ってリリアさんはこっちを見て、

 

「そう、良かったわね〜、

 キミの怪我も大丈夫そうだし、

 まだ訓練は終わってないからまたね〜」

 

そう言ってリリアさんは祐樹を連れて行った。

 

「まあ、そういうことだ。魔術の方は便利で誰でも使えるが知識が必要で扱いにくい、

魔法を習熟した方が短期的にも長期的にも冒険者となるなら良い」

 

そう、ジークさんは苦笑いしてそう言った。

 

「魔術はどこまで行っても理性を保ちつつけなくてはならない

 魔法は自らの機能だ、だから本能である程度は動かせるようになるだろう」

 

「キミの魔力の属性は光と風か

 魔力自体の知覚は問題はあったができたし、

まずは風属性の方を集中的に扱えるようになってもらうか」

 

さっき魔力を剣の意識で引きずり出そうとして怪我をしてしまったし、

まずは権能によらない、

風属性からということらしい

 

「はい!よろしくお願いします!」

 

そう言って僕たちは訓練を再開した。

 

ーーー 数時間ほど経った頃だろうか、祐樹が疲れきった様子で戻ってきた。

 

「どうだった?なんか倒れてたけど?」

僕は心配になって声をかけた。

「あぁ、属性の扱いの危険性は分かったわ

 目の前から火やら水やらが飛び回るんだぜ。

 やばいわ…」

 

そうゲンナリとした表情で言った。

 

「そういうお前はどうなんだよ大和」

 

「僕は風の魔法を重点的にやってる」

 

「へぇ、俺は火と土だな」

 

「俺の方は、魔力操作をある程度マスターすればいいだけらしいけど、お前は剣の指導もやるらしいじゃん頑張れよ」

そう言って肩を叩かれた。

 

僕は今日、魔力の操作を学んだ。

魔力というのは、生命エネルギーのようなモノで それを身体の中で循環させることで身体能力の強化や回復などに使うこともできるようになるらしい。

そして、それを外に放出することで魔法として放つことができる。

この魔法の使い方を学ぶために、魔法を使うためのコツをジークさんから教わる。

魔法はイメージが大切で、魔力の流れを感じ取りながら その流れに方向性を与える必要があるらしい。

魔力を動かすのは難しいが、魔法を放つには必要な技術だと言われた。

魔法とは体外へ魔力の属性を出現させそれを操作する技術だ。そのため、魔法を扱うためには魔力を正確に把握しなければならず また、魔力を制御することも必要になる。

魔力を正しく制御するためには魔力の感知と魔力の動きを感じることが重要だとジークさんは言っていた。

そして、魔力を操ることで魔法を発動させるのだが、これは慣れるまで時間がかかる。

なので、まずは魔力を認識することから翌日の訓練で始めることになった。

「よし、じゃあ次は魔力を認識できるように練習だな」

ジークさんはそう言って手を出した。

「魔力の感じ方は分かるか?」

「えっと、こう……ですか?」

僕はジークさんの手を触ってみた。

「ああ、そうだ。そして、自分の中に流れている魔力も感じ取るんだ」

そう言われて僕は目を閉じた。

すると、何かが自分の中を巡る感覚を覚えた。

「おお、上手いな。その調子だ」

僕はそれからしばらく集中して自分の中の魔力を認識し続けた。

「ふぅ、こんなものかな」

僕はそう言って目を開いた。

「うむ、やはり才能があるようだな。この短期間でここまでできるとは」

「ありがとうございます」

満足気に頷いて

「よし、じゃあ次の指導だな

 オレは自分で言うのもなんだが魔法は基礎しかできない

 だから実戦で使える技術を教えていこうと思う」

そう言って一本の剣を取り出して渡してきた。

「だから集中せずとも魔力の操作ができるように指導しよう」

「ついでに剣の振り方を教えてやる」

そう言って剣の握り方を教えられ、 まずは基本の型から教えてもらった。

そして、魔力の循環を体内でしながらの素振りが始まった。

僕は、魔力の循環を意識しながらひたすら剣を振り続けた。

魔力を意識する、という事は案外難しいもので 少しでも気を抜くとすぐに魔力が散ってしまう。

しかし、ジークさんは僕が魔力を散らしても それに気づくとすぐさま剣で突いてくるし、

素振りのフォームが崩れると小突いて修正をしてくる。

魔力を乱さないようにするだけで精一杯だった。

そんなこんなで1時間ほど経ってようやく終わった。

僕の身体からは汗が流れ、息も絶え絶えになっていた。

しかし、ジークさんはまだまだ余裕そうな顔だ。

これが、冒険者の先達としての実力なのか……。

ジークさんは訓練をやり切った後に少し驚いた顔をして笑った。

ーーー 次の日も同じように訓練をして、また翌日も訓練をする。

そうして、光属性の魔力を操作しても自傷してしまわないようになったと判断され自力で傷を癒すことが可能になった。なってしまった。

そう、怪我を治す魔法になれるためのの訓練が始まった。

そう真剣を扱う組手の始まりである。

「では、まずは軽くいくぞ」

ジークさんはそう言いながら剣を構えた。

「はい!よろしくお願いします!」

僕も剣を構え、そして打ち合いが始まった。

ジークさんは僕が剣を打ち込むと それを簡単に受け流し、カウンターを入れてきた。

僕はなんとかそれを受け止めるが、衝撃を殺しきれずに吹き飛ばされる。

そのまま数メートル程転がったが僕は起き上がり構え直した。

「よし、じゃあ今回はすぐに傷を癒してみてくれ」

そう言って、

こちらが立ち上がった瞬間に剣で軽く切りつけてきた。

僕はそれを咄嵯に左手で防ぐ。

そうすると瞬時に右手で殴られた。

「剣に意識が向きすぎだぞ」

「くっ……」

僕は痛みに耐えながらも立ち上がって再び構える。

「よし、今ので回復できたな? じゃあ、次行くぞ」

そう言って今度は剣で突きを放ってきた。

僕はそれを剣で逸らすように弾いた。

すると、ジークさんは剣を引いて 横薙ぎを繰り出した。

それを後ろに飛んで回避すると ジークさんは追撃として剣を縦に振ってきた。

それを剣で受けたがそのまま押し潰すようになってしまって剣を手放して横に転がった。

そして、地面に手をついて立ち上がると ジークさんはすでに目の前まで来ていて蹴りを放とうとしていた。

僕はそれをしゃがんで避けて ジークさんの足を掴んだが、身体ごと足でぶん回されて吹っ飛ばされた。僕はゴロゴロと地面を転がりながら立ち上がり、 ジークさんを見据えた。

「よし、これで大丈夫だな じゃあ、次は回復なしでやっていくか」

「はい……分かりました」

僕は剣を構える。

ジークさんは剣をだらりと下げたまま立っている。

僕は、剣を上段に構えて一気に駆け出した。

そして、ジークさんに向かって振り下ろした。

ジークさんはそれを軽々と横に避けると、 一瞬で間合いを詰めて、僕の腹に拳を叩き込んだ。

僕はそのまま後方へ弾き飛ばされ、壁に当たって止まった。

「よし、これで終わりだな」

そう言ってジークさんは手をパンッと叩いた。

「さて、今日はここまでにしておこう

 明日は自身の治さないといけない怪我だけを判断するようにしよう

 致命傷以外はリリアが治療できるからな」

 

その言葉を息絶え絶えの状態で僕は聞いていた。

 

「あ、ありがとう、ございました」

意識を失う前にお礼を言って

 

「うむ、明日も頑張ろうなヤマト!」

 

そうして僕は意識を失った。

その姿を見てジークさんは帰って行った。

 

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オレは金払いが良いしギルドの信頼が得られるという理由で受けた依頼だったが存外に楽しいモノだと感じていた。

あの少年は飲み込みが早く、オレの教えた事をスポンジのように吸収していく。

それに、教えれば教えるほど成長していく姿を見ると楽しくて仕方がない。

まあ、まだ子供だ。これからもっと強くなるだろう。

それにあの少年は戦う事を恐れていない。

いや何かを失うこととか痛いのも苦しいのも嫌がっているし損得勘定もあるのだろうが、

必要な時には命をかけるのも躊躇わないだろう。

あの組手の最中にオレは殺す気はなかったが急所である胸や喉、太い血管のある脇を狙ったが

避けれない場合は全て別の場所で受けることで致命傷を防いでいた。

素人のガキがだぞ?

あいつは良い戦闘者になるだろう。

そんなことを考えながら帰路についた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

それから毎日訓練は続き、遂に1週間が経った。

僕にはこの一週間で1つの変化があった。

光属性の魔力を操作できるようになったことだ。

今までは体内で操作し回復を促すだけだった魔力を武器に纏わせるようになったのだ。

これの練度を上げていけば実戦にも通用するらしい。

魔力を纏わせることと剣の扱いを極めたならドラゴンの鱗さえも切れると言われているそうだ。これはかなり嬉しいことだった。

これでようやく冒険者としての第一歩を踏み出せると思ったからだ。

そして、ジークさんとの模擬戦も最後の段階に来ていた。

そう魔力操作などの技術を全て使った実戦形式での

ジークさんは全力ではないがお互いにかなりの傷を負うような状況になっていた。

それでもジークさんは余裕そうな顔をしているがこちらはそれどころではない。

少しでも油断をすれば一瞬で殺されてしまうほどの差を感じる。

しかし、このままではジリ貧だ。どうにかして一撃を入れなければならない。

僕は意を決して、ジークさんに斬りかかった。

ジークさんはそれを軽く避け、反撃してきた。

僕はそれを剣で受け流そうとしたが、剣ごと吹き飛ばされてしまった。

そして、僕は壁に激突した。

「よし、これで終わりだな」

ジークさんはそう言うと僕の方へと歩いてきた。

「くっ……」

僕はなんとか立ち上がり、構え直す。

「よし、じゃあ次はコレを使うか」

そう言ってジークさんは大剣を構えた。

「それは?」

そう問いかけると、

「ああ、オレは普段は大剣を使っているんだよ、

 そんなことはいいから続けるぞ」

「はい……分かりました」

僕は剣を構え、そして打ち合いが始まった。

ジークさんは僕が剣を打ち込むと それを簡単に受け流し、カウンターを入れてくる。

僕はそれをギリギリで回避するが、剣が掠ったのか頬から血が流れる。僕はそのまま数メートル程転がったが、すぐに起き上がってジークさんを見据えた。

ジークさんは大剣をだらりと下げたまま立っている。

「よし、じゃあ次行くか」

そう言ってこちらに向かって走り出した。

僕はそれを迎撃するために剣を構える。

するとジークさんは僕の懐に入り込んで大剣をかち上げた。

そしてそのまま、無防備にされた腹に膝蹴りを食らい、僕は吹っ飛ばされた。

「ぐっ……」

僕は腹を抑えながら立ち上がると、 ジークさんはまた目の前にいた。

僕は咄嵯に剣を振り大剣を持つ腕を打ち大剣の勢いを削ごうとするが、ジークさんはそれを軽々と避けて、僕を蹴飛ばした。

そして、壁まで飛ばされた。

「よし、ここまでだな」

ジークさんはそう言った後、 僕に向かって手を伸ばした。

「ありがとうございました」

僕はその手を掴み立ち上がった。

「うん、中々良かったぞ。お前さんの戦い方は 力押しじゃないし、

 何よりちゃんと相手の動きを見て行動していたな。

 最初の頃とは雲泥の差だ」

「ありがとうございます」

僕はそう言って頭を下げた。

「よし、今日はもう終わりにするぞ」

そう言ってジークさんは帰って行った。

僕も家に帰るために歩き出すと リリアさんが駆け寄ってきた。

「おっ、頑張ってるね〜

 怪我を治してしんぜよう〜」

 

そう言って回復をさせてくれた。

 

「キミもあの子もよく頑張っているね」

 

「それにしてもすごい成長の仕方だよねぇ〜

 さすがは権能持ちなのかなぁ?」

 

そう言われて、

 

「そうなんですか?

 そういえば聞く機会逃してたんですけど権能ってなんなんですかね?

 魔法っぽい何かって感じということしか知らないんですけど?」

 

「うーん、まあその認識でも問題ないよ、魔法とか適性とかに合うように鍛え上げた行動が噛み合ってできるようになる、こう一種の魔力自体の変質化のようなモノで何かに特化した分強くなるって感じらしいね」

 

リリアさんは顎に手を当てながら答えた。

「へぇー なんかよく分からないですが、 それでどんなことができるようになるんですか? あと権能を持っている人は珍しいみたいなことも聞きましたが、どんな人がいるんですか?」

僕は気になったことを聞いてみた。

「そうだね〜 有名なのは聖女様だね本人曰く信仰心が極まった結果、即死以外の回復ができるらしいね。実際は回復魔法を使い続けてきたからじゃないかって言われてるけど。他には竜殺しとかかな?龍の血を浴びて人から外れた不死性を手にしたって聞くし、こういう風に後天的に外部の影響を受けることもあるらしいよ?」

 

「なるほど、分かりました。ありがとうございます」

「いえいえ、どういたしまして じゃあ私は仕事に戻るからまた明日も頑張ろう!」

「はい!よろしくお願いします」

そう言って別れた。

そして、家に帰り、晩ご飯を食べてから考える。

その夜は祐樹や先生に話しかけられても上の空のまま部屋へと戻ってしまった。

自分が強くなったのは異世界にくる時にナニかと接触した結果として権能を手に入れてしまったからそれに沿うように、元に戻るように変わっていっているだけなんじゃないだろうかと考えてしまった。

悪い考えは止まらないのでそのまま意識を逸らすように眠りに堕ちた。

 

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次の日、いつも通り訓練をしていた。

「よし、今日の模擬戦は終了だ。

しっかり休んでおけ」

「はい、ありがとうございました」

そう言って僕は剣を下ろし、休憩に入る。

「なあ、ヤマト

 明日は卒業試験な」

 

「はぁそうですか…

って、え!マジですか!?」

 

そう驚愕してジークさんを見る。

 

「ん、マジだよ。だってオレがまともに教えれるのはこれぐらいだし

 これ以上はオレも隠していたい札を切らなきゃいけないし

 まあ、試験を合格したらあとはリリアに魔法の方を見てもらえよ」

 

そしてジークは試験の内容を語り出す。

 

「ま、試験は少し離れた元が墓場の洞窟が迷宮になったんだってよ

 そこはスケルトンばっかり出てくるらしい

 まあ、墓荒らしとかが入っても取るモノもない感じの場所だったから変な罠とかないだろうし

 お前の『剣』とは相性がいいだろう?

 ってことでオマエ一人で迷宮を破壊してこい」

 

そんな無理難題を言われてしまった。

 

 「ああ、そうだ核になったモノを破壊したらちゃんと持って帰ってこいよ

  そういうのは使い道があるからな」

 

そう言って今日の訓練は終わった。

訓練の装備を整えた後、リリアさんのところに相談をしに行った

「リリアさん、ちょっと相談したいことがあるんですけど……」

「ん?どうしたの?」

「実は……」

僕はジークさんとの会話を伝えた。

「なるほどねぇ〜確かにそれは不安になるよね〜」

「はい、それでリリアさんの見立てでは僕にはどのくらいちゃんと帰ってこれるでしょうか?」

僕は真剣な顔つきでリリアさんを見た。

「うーん、そうだね〜まあ変に油断しないと生きては帰れると思うよ?」

そう言って笑顔を浮かべた。

「そうですか…… やっぱり厳しいですね」

「うん、でも大丈夫だよ。キミならね。

それに私も迷宮の入り口までは付いていくからさ!」

そう言ってリリアさんはウィンクをした。

「そうだね、そんなに不安ならちょっと魔法の操作についてのコツを教えよう!」

「コツですか?」

「うん、魔力を纏わせることはできるようになったんだよね?

 じゃあ属性を使った初歩も初歩の魔力弾、

 しっかり習うと子どもでも発動はすぐにできるやつのコツ」

 

そう言われて少し魔法について教わった。

 

「じゃあ明日に備えて今日はゆっくり寝ようか?」

「はい!そうします」

そして、その日は早く眠りについた。

ーーーーーーーーーーーーーー

次の日の朝、 僕は朝ごはんを食べてすぐに出発した。

「気をつけて行ってこいよ」

「おう、行ってきます」

僕は祐樹に見送ってもらって、 迷宮へと向かった。

「ここか……」

着いたのは街を出てすぐの森を少し入った場所にあるにある地下墓所だった場所の入り口だった。

「おう、ここだなじゃあオレたちはここで待っているからまあ死にはせんよ」

 

「じゃあ行ってこい」

 

ということで僕のはじめてのダンジョン探索が始まったのであった。

 

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 剣が奔る。眼前の敵も群を切り裂き、鏖殺し尽くすために。いや、鏖殺という言葉は正しくないだろう。なぜなら敵はスケルトン、墓から起き上がった死者たちなのだから。複数の、数で言うなら悠に100体を超えるスケルトンに囲まれながらも周囲に寄ってくるものから剣で薙ぎ払いながら前に進む。触れれば冥府に誘うスケルトンに命を削られながら。そう、この迷宮(ダンジョン)に成り果てた地下墓所(カタコンベ)から脱出するために。

 

 しかし、行き着いてしまったのは行き止まり。よく知らぬ迷宮(ダンジョン)ではよくあることだろう。そうして追い込められたが故に自身に、自分に与えられた力であり自分の力だと誇れるかはわからない力を、自分の命を守るために 異世界から迷い込んだ転移者(・・・・・・・・・・・・・)に与えられた|権能《をようやく解放した。

 

 そもそもなぜこのような状況に陥ってしまったのだろうか、そう頭の中で愚痴を思い浮かべながらも手を止めることなく戦い続ける。生き残るために。一つため息をついて、剣城大和は一本の剣に光を宿しながら(・・・・・・・)独りごちた。

 

「面倒なことになったなぁ…」

 

「師匠、これって流石に試験にしては厳しすぎませんか?」

 

そう愚痴ってみたものの状況は変わらないために、

余計な悩みを頭から外して訓練を思い出して戦いを再開する。

 

まずは魔力を身体に走らせる。

次に武器や防具として着けてきた籠手や腿当てや金属を含むブーツに魔力を回す。

 

そして、敵の行動を視界に入れて処理していく。

 

一体一体は弱い、ジークさんのように見えていても身体能力や技量で上回ってくることはないが数が多い。

こういう時はどうするべきだろうか?

祐樹のように魔法を習っていたのなら魔法でまとめて吹き飛ばしていたかもしれないが自分にはできない。

 

(なら、迫ってくる敵に優先順位をつけて一体づつ確実に殺すか)

 

そう考えて、敵に一歩踏み出す。

そして、先程までとは比べ物にならない速さで剣を振るい始めた。

 

まずは一体手をこちらに伸ばしてくるスケルトンの腕を切り落とす。

そして後ろに蹴りよろめいた隙に別のスケルトンの首を叩き切る。

どうやらこの魔力を剣に纏わせれば打ちこわしても再び動き出すことはないようだ。

纏わせてなければ2、3回切り倒すことが必要だったのだが。

こうして対処法が分かれば容易いモノだった。

 

ーーーーしばらくの時間が過ぎ。

「これで終わりかな?」

僕は、剣を鞘に納めて呟く。

 

そうして起き上がる様子がないのを確認して探索を進めていく。

そして最低限の警戒にのみ魔力を残して戦闘時のような魔力の回し方を止める。

そうすると、やはりというべきか、 徐々にではあるが体に違和感を覚え始める。

「やっぱり、だいぶ慣れたとはいえ違和感はあるなぁ」

魔力の強化時との差に軽く酔うような感覚を覚える。

そう言いつつも足を進めると、そこには大きな扉があった。

 

「やっとゴールかな?…さて、何が出てくるのか」

そう言って、扉を押し開けると、そこには巨大な空間が広がっていた。

「これは…広いな、貴族か何かの墓の一部か?」

そう、そこはまさに遺跡と呼ぶに相応しい場所だった。

そうして周りを見渡していると、 奥の方から鎧を着て禍々しい気配を放つ剣を持ったモノが現れる。

いや、あれは鎧を着ているのではない鎧そのものが動いているのだ。

その証拠に首から上は無く、ただ傷口のような場所から血が溢れ続けている。

「なるほど騎士の亡霊か…」

そんなことを考えつつ剣を構えて駆け出した。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

一方その頃。

ジークとリリアは 祐樹を連れて共に待機していた。

「大和は大丈夫なんですかね?」

 

「うん、大丈夫だよ

 まあ最初の方は何かに悩んで変な動きだったけど今はいい感じだね」

 

そう言われて少し安堵した祐樹に

 

「そこっ!魔力の循環がブレたよ!」

 

「はい!すいません!」

 

そんな風に訓練をしていた。

そしてジークはリリアに

「おい、オマエが放った使い魔の視点をオレたちにも見せろよ…」

と言う。

 

「ええ〜、できなくはないけどめんどくさいんだよねぇ〜

 まあいいや、これで見えるよね?」

 

そう言ってリリアは水のスクリーンを作り出しそこを鏡のようにして迷宮を攻略中のヤマトを写していた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

僕が亡霊の騎士に斬りかかると同時に、相手も剣を振り下ろしてきた。

それをバックステップで避けて、距離を取る。

相手の持つ剣は禍々しい気配を放っているため不用意に打ち合うことは避けなくてはならない。

それに、相手の剣には呪い(・・)のようなナニかが宿っているように感じる。

つまりは、触れればまずいだろう。

そう考えながら相手の剣を避けることに意識を向ける。

しかし、相手が剣を振れば避ける、振るわれれば避けるを繰り返していくうちに、次第に疲労が溜まっていき、遂には攻撃を避けきれなくなった。

そうして、ついに僕の腕に剣が触れてしまう。

瞬間、剣から黒いモヤのようなものが現れて、僕の体を蝕む。

そうして、剣を杖に膝をついた。

そこで、剣を握り直し、亡霊を睨みつける。

こうなったからには短期で決着をつけなくては何が起こるかわからない。

亡霊は、ゆっくりと僕に近づいてきて剣を横に薙ぎ払う。

僕は、それに合わせるように剣を縦に振り下ろす。

そうして、互いの剣がぶつかり合い、拮抗する。

そして、亡霊の剣が折れると同時に僕の剣が敵の胴体に突き刺さり、敵の動きが止まる。

そしてそのまま力任せに敵を壁に叩きつけた。

しかし、騎士の亡霊は鎧に宿っている剣は叩き折ったが鎧は破壊できてはいない。

時間は稼げた今の内に傷の手当てを始める。

蝕んでいる闇のようなモノを魔力を集中させ制御に失敗した時の応用で吹き飛ばす傷そのものは悪化したが魔力を用いて治療が完了した。

そうした内に亡霊は再び動き出す。

しかも、いかなる理屈か再生をした剣を手に持っていた。

(厄介だな……)

そう思いながらも、こちらに向かってくる敵に剣を構える。

そして、亡霊が剣を振るう。

僕はそれを避けてカウンターで剣を突き立てる。

今度は鎧に阻まれることも無く、剣は体に深々と突き刺さった。

(この騎士は剣を振るうことができている、ということは歪になったか劣化しているのかは分からないが思考能力はあるということだ)

 

しかし、この騎士は剣を避けようとはしなかった。

 

(つまり、鎧の内側に核があるわけではない…)

 

ならば、別の場所に核があるというのだろうか?そう考えてみるが今の自分の魔力感知能力では目の前にいる騎士以外からは強い魔力の反応を感じない。

 

つまり、魔力が溜まって変質してしまったこの迷宮の核であるのはこの亡霊で、

この亡霊自体にも何か仕掛けがあるのだろう。

 

(仮説としてはあの黒いモヤが本体で魔力をぶつければ倒せるのではないか?)

 

魔力を鎧に刺した剣で内側にぶちまける。

しかし、あまり効果はないようだった。

仕方ないので剣を抜いて構え直す。

 

(もしかして、鎧そのものが本体で鎧を破壊しなくてはならないとかか?)

 

内側に核のようなモノがあるわけではない。

付近に核を仕込める場所はない。

そして剣は破壊できたが再生した。

ならば今の僕が知っていることで判断するならば鎧そのものが核となっている。

 

ならば鎧を断たねばならない。

いやこの鎧を断てるだろうか?

 

(よし、やるだけやろう)

そう決意をした。

 

魔力を纏わせ、剣を極めたなら龍鱗さえも斬り落とせるならば

今の未熟な自分でも斬鉄程度やってやれないはずがないのだから。

 

息を吸って、吐いて、吸って、止める。

 

目の前の光景をから必要な情報のみを頭に入れる。

 

相手の構えの角度、鎧の向き、自分の力の入れ具合、そして魔力の回し方。

力がこもりすぎてもダメで、力が抜けすぎててもダメ。

緊張してはいけないし、リラックスしすぎてはならない。

大事なのは自分を疑わないことだ。

剣を振るう時に雑念が入らないように、考えるのを止めてただ剣だけを意識する。

そうなによりも鋭く切り裂くモノへと今変わらなければならない。

 

そうして、亡霊の騎士が剣を上段に構えた剣を振り下ろす。

その動作の起こり、それに合わせて一歩踏み込みこちらも同じく剣を振るう。

そうして軌道を相手の剣に合わせて、相手の剣を逸らしそのまま剣を振り切った。

そうして、振るった剣は亡霊の騎士を鎧ごと一刀両断した。

 

そうすると亡霊は崩れて消えていき、剣と鎧はその場に残される。

そうして、その剣は放っていた禍々しい気配を感じさせなくなっていた。

「ふぅ……」

とりあえず戦闘が終わったことに安堵して息を漏らす。

そうして、気がついたら周囲が淡く輝いていた。

どうやらここは迷宮ではなくなり集まっていた魔力が散って行っているらしい。

しばらくすると、光が晴れた。

迷宮が破壊されたことを確認して僕は迷わずに歩き出した。

ーーー ーーーーーーーーーーーーーー

祐樹は大和の戦いを見て驚きを隠せないでいた。

「スゲェ……あんな戦いができんのか…」

思わずそんな言葉が漏れていた。

ヤマトは普通のスケルトンとの戦いはどこか余裕がある感じがあった。実際余裕だったんだろう。

戦いに集中し始めたら鎧袖一触だったし。

しかし先ほどの亡霊の騎士との戦いはさっきまでの自分では切れないという格上の存在との戦いだった。

そんな敵と戦い打ち破った。戦い方を工夫して倒すのではなく正面から自身の限界を超え敵を断ち切った。

それはまるで、唯一振りの剣である存在に生まれてきたようなそんな雰囲気さえあった。そこまで思ってから、自分が何を考えているのかに気づく。

(なんでこんな気持ちになっているんだ? オレがはヤマトに嫉妬しているのか?)

確かにヤマトは強いとは思う。だが自分より強い人間なんて他にもいる。

ジークさんやリリアさんとかがオレより強いことは知っているし、

この異世界は戦うことがオレたちよりもずっと近いから当然だろう。

なのになぜ自分はここまで感情を動かされているのか?

わからない。

わからないが、ただ、強くなって、そしてヤマトと肩を並べて戦えるようになりたいと思った。

そうすれば、もっと色々なものに胸を張れるようになる気がしたのだ。

そう考えて、強くなるために一歩ずつ前に進もうと思った。




魔法 生まれ持った属性と魔力で干渉し現象を起こすモノ
   魔力自体に何かを強めるなどの自身の身体強化などの効果を持たせることができる

魔術 魔法を誰でも使えるようにしようと考えた人が作り出した技術
   知識と魔力操作技術が有れば誰でも使える

権能 魔法を自身の才能に合わせて特化させた者や特殊な外的影響を受けると発現するという特殊能力
   転移者は誰でも持っている
   これは生まれ付き持つものはいない
   主人公はコレを持つが故に自身の特定の成長が権能を使える段階まで技量を無理矢理引き上げようとされているのではと疑念を抱いている。
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