リリカルなのはvivid クローンの生き様   作:紀野感無

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14話 〜合宿の終わり〜

「体全身が痛い……」

『物は試しとは言いますが、アインハルトさんと殴り合うとこうなるのは明白でしょうに。自分の体の体質のことお忘れで?』

 

私は試合が終わって部屋でベットに倒れこんでる。

1ラウンド目でアインハルトと殴り合ったのが効いてきてるのか全身、特に腕が痛い。

 

『治癒促進をかけるので力を抜いて楽にしてください』

「了解…。腕の硬化してても衝撃が消えるわけじゃないのがなぁ。改良の余地たくさんありそうだけど…」

『ま、改良した代わりに魔力をまたごっそりと使うようになって更に使い勝手悪くなりそうですね』

「だよねぇ…。ただでさえ影の方に魔力を回してるのに」

 

 

コンコン

 

 

?誰だろ

 

「どーぞ」

 

「はぁーい。ユタ。大丈夫?」

「失礼しまーす」

「お、お邪魔します」

「お邪魔しまーーす!」

 

入ってきたのはルーさんとヴィヴィオちゃん、コロナちゃん、リオちゃんだった。

 

「あれ?アインハルトは?」

「アインハルトは別室で休憩中。で、ノーヴェさんとお話し中」

「そう」

『そういえばみなさん。マスターはいまほとんど動けないのでいままで振り回された分やり返せるチャンスですよ』

 

は?いま何て言ったこの愛機。

しかもルーさんとリオちゃんが目を光らせてるのは気のせいかな?ヴィヴィオちゃんとコロナちゃんは慌ててるけど。

 

「ふふーん。それじゃあ」

「遠慮なく!」

「へ?嫌、やめ……」

 

そして、その後ユタの悲鳴が響き渡ることとなる。

 

 

 

 

 

 

〜ある一室〜

 

ユタとはまた別のところでノーヴェとアインハルトが話をしていた。

 

「どーだった?ユタとやってみて」

 

「はい……改めて思いました。私の見ていた世界は……本当に、本当に狭かったものだと」

 

「そうか。それならよかった」

 

「ノーヴェさん」

 

「ん?」

 

「改めて、インターミドルに向けてご指導お願いします!」

 

「おう。しっかり鍛えて行こうぜ」

 

 

 

 

 

 

 

「で、何か御用で?」

 

「色々と聞きたいことがあってね。特にその『影』について」

 

「というと?」

 

「間近でちゃんと見せて!」

 

特に何かを聞かれるというか、単に見せてくれと言うお願いだった。

 

「まあそれくらいなら構いませんよ」

 

別に隠すようなものでも無いし、直に見られたからと言って何が変わるわけでも無いし。

 

 

うん、影を実体化させた途端みんな急に後退りするのやめようか?

 

 

「普通こんなの間近で見せられたら怖いわよ⁉︎」

 

「そう?」

 

かっこよく無い?影が大量の目と牙を持ってるの。

これを初めて見た時もう、感動したものだよ。

 

「ユタ、この影ってどこまでできるの?」

 

「さあ?試したことがないですね。やろうと思えば鈍器にでもできるとは思いますけど」

 

実際試したことないからわからない。

 

「ま、割となんでもできるって思ってくれたら良いですよ。その分魔力消費が半端ないですけど」

「やっぱり?」

「ええ。って言うか気づいてたんですか?」

「当たり前じゃないの。私を誰だと思ってるのよ」

 

その後も魔法戦技について夜遅くまで話したり試合動画を見たりしました。いやぁ、やっぱり楽しいねぇ、なんてことを思ったりしてました。

 

 

 

 

 

そんなこんなで四日間の日程も無事終了し私達はミッドチルダへ帰る時間に。

 

「じゃあみんな」「ご滞在ありがとうございました♪」

「こちらこそ」「「「ありがとうございましたー!!」」」

 

 

 

~ミッドチルダ 首都次元港~

 

「ミッドチルダ到着ー♪」

「車回してくるから少し待っててね」

「「「「はーい!」」」」

 

あとはなのはさんに家まで送ってもらえばゆっくり休める。

アインハルトと殴り合ったやつがいまだに響いてるからあんまり無理はしたらダメだとノーヴェさんに念押しされたので大人しく送ってもらうことにしました。

 

「でも、みんな明日からまた忙しくなるねぇ」

「インターミドルに向けてばっちり練習しなくちゃ」

「はいっ!でも大丈夫です!」

「うちのコーチがトレーニングメニュー作ってくれますから!」

 

おお、ヴィヴィオちゃんにコロナちゃん。威勢がいいね。

 

「ま、しっかり鍛えていこうぜ。そういやユタはどうすんだ?」

 

「私は練習に来る頻度は減ると思います。これからがっつりとシグナム姉さんや母さんとの練習も増えるでしょうし」

 

「そうか。まあ来れるときだけこい。チビ達も喜ぶから」

 

「そうさせてもらいます」

 

ここで今更ながらコロナちゃんが緊張してることに気づいた。何かそんなに緊張するようなこと……

 

『マスター、練習に付き合う際に条件を付けたってことお忘れで?』

「あー、そういえば」

 

 

 

 

(条件がある)

 

(条件…?)

 

(うん、とは言ってもそんなに難しくはないよ。

 

私と練習する事をちゃんとコーチ……ノーヴェさんに言うこと。それが条件)

 

(え!?な、なんでですか?)

 

(なんだって……それが師弟の関係みたいなものでしょ。ちゃんと、正式な師匠以外から教わるってことを師匠が把握しておかないと。確かに秘密の特訓をして師匠を驚かせたいって言う気持ちはわからなくはない。けどそれとこれは話が別。それができないならこの話はなし)

 

(で、でも…)

 

(強くなりたくて私に頼むってのはわかる。けど、ノーヴェさんもノーヴェさんでしっかりとコロナちゃんと向き合ってる。

 

それに……言っちゃ悪いけど今までのコロナちゃんの言い方だとノーヴェ師匠のことを信用してないっていう風にとれる)

 

(そんなこと……そんなことないです!ノーヴェさんは信用しています!)

 

(なら、言えるよね?コーチのことを信用してるなら、ちゃんと頼めば受け入れてくれる。大丈夫。私もそのときはちゃんと援護してあげる)

 

 

 

うん、ごめんなさい。かんっぜんに忘れてました。そいやそんなこと言いましたね。

 

「コロナちゃん、ほら」

「は、はい…」

 

と、コロナちゃんが緊張しながらノーヴェさんのもとに行く。

さてはてどうなることやら。

 

「ん?どうしたコロナ」

 

「の、ノーヴェさん。実は私、ユタさんとも個人的に特訓をしてもらいたいと思っているんです」

 

「……それはどうしてだ?あたしに不満でもあったか?あったなら言ってくれ」

 

うわー、ノーヴェさんの顔が超が付くほど不安な顔になってる。

そりゃそうだよね。自分の知らないところで他の人にも教えてもらうとなったら誰でもこう考える。

 

「いえ、違うんです!ストライクアーツやゴーレム操作なんかじゃなくて、ユタさんと模擬戦を徹底的にやる事にしたんです!その過程で何かあったら教えてもらたら、って考えてて…。なのでノーヴェさんに不満があるとかじゃないです!決して!」

「ノーヴェさん、私が初めてコロナちゃんたちと会ったときに私たちが試合してたの覚えてます?」

 

「あ、ああ」

 

「その時に1発当てることができたらなんでも一つお願いを聞くって約束してたんですけどね、そのお願いがこれです」

 

「しかし…」

 

「ご心配なく。あくまでノーヴェさんが教えることを軸にして教えていくつもりです。というか、ストライクアーツとかゴーレム操作の応用なんかは私が教えれる範疇超えてますし。なので私はあくまでも、できる限り実践に近い形で相手をすることに留める予定です」

 

「ならいいんだが…」

 

と、チラッとヴィヴィオちゃんやリオちゃんの方を見る。

ああ、不公平なんじゃないかっていうのも心配してるのね。

 

「それと私をヴィヴィオちゃんやコロナちゃんのスパーリングの相手として使いたいときは、シグナムさん達との練習がない日ならいつでも呼んでください。それくらいなら相手になれます。……ヴィヴィオちゃんたちもそれでいい?」

「はいっ!」「大丈夫です!」

 

「…ならあたしはもう何も言わねーよ。その代わり、しっかりと相手してやってくれ」

「もちろんです」

『何かあったときは私が通報しておきますのでその点はご安心を』

 

おい、何かをやる前触れみたいに言うんじゃない

 

 

 

 

「(インターミドルねぇ。ヴィヴィオちゃんたちにとっては初めての『決定的な敗北』を知る場になりそうだねぇ)』

『(マスターも順調でしたが最後の最後にそれを叩き込まれましたもんね)』

「(それ言わないお約束でしょう)」

 

うーん、未だに2年前のことを思い出すと頭が痛くなる。

 

「インターミドルってかなり沢山の子が出場するんでしょ?予選会とかあるんだっけ?」

 

「あ、ええと……確か地区選考会というのがあって」

「そーです!選考会では健康チェックと体力テスト、あとは簡単なスパーリング実技があって」

「選考会の結果で予選の組み合わせが決まるんです」

「普通の人は『ノービスクラス』。選考会で優秀だったり過去に入賞歴があったりするひとは『エリートクラス』から地区予選がスタートします」

「勝ち抜き戦で地区代表が決まるまで戦い続けてーーそうしてミッドチルダ中央17区から20人の代表と前回の都市本戦優勝者が集まってーー」

 

「その21人でいよいよ夢の舞台」

 

「「「都市本戦です!」」」

 

「ここでミッドチルダ中央部のナンバーワンが決まるんですよ」

「テレビ中継も入ります!」

 

ティアナさんが聞いたことに初等科トリオのみんながすごい生き生きと答えた。元気でいいことだ。

 

「まあ、さすがに私たちのレベルだと…」

「本戦入賞とかは夢のまた夢なので」

「『都市本戦出場』を最高目標にしてるんですけど」

 

あれ?一気に落ち込んだね。

ま、私も都市本戦優勝がひとまずの目標だけども。

 

「その…都市本戦で優勝したら終わりですか?」

 

あれ?アインハルト知らないの?夏の風物詩とまで言われるほどかなり有名な大会なのに。

 

「もちろんその上もありますよ。『都市選抜』で世界代表を決めて、選抜優勝者同士で『世界代表戦』です。ミッドだと選抜メンバーは3人ですね。ユタさんも一昨年ので本当は都市選抜に選ばれてたはずなんですが…」

「ま、私は怪我しちゃったからねえ」

 

「そこまで行って優勝できたら…文句なしに【次元世界最強の10代女子】だね」

 

まあ、正直そんなのはまだ夢のまた夢なんだけど。

もちろんいつかなってなろうとは思ってます。

 

「ノーヴェさん、ユタさん。率直な感想を伺いたいんですが。今の私たちはどこまでいけると思われますか?」

 

アインハルトに聞かれ思わずノーヴェさんと目を合わせる。

 

「ノーヴェさんからどうぞ」

「ああ。もともとミッド中央は激戦区なんだ。DSAAルールの選手として能力以上に先鋭化してる奴も多い。ユタと戦ったアインハルトやコロナ達もそれは身に染みてわかっていると思う。その上での話として聞けよ。

 

ヴィヴィオたち3人は地区予選前半まで。ノービスクラスならまだしも、エリートクラスじゃまず手も足も出ない。

アインハルトはいいとこ地区予選の真ん中あたりまで。エリートクラスで勝ち抜くのは難しいだろうな。そんじゃ次はユタ」

 

「はい、えーと。あんまり評価としては変わらないんですけども。いまのアインハルトたちの実力からして、アインハルトは運が良ければ予選の準々決勝あたりにギリギリ届くかな、ってくらいかな。それこそミッドチルダって格闘戦なんか一切やらない選手もいるし格闘技者対策をこれでもかってくらいしてる選手もいるから。

 

ヴィヴィオちゃんたちは悪いけどノーヴェさんとほとんど同じ。エリートクラスだとボコボコにされるだろうね。現段階なら、ね」

 

最近、真面目なことばかりな気がする。こんなの私じゃない。

まあ今はどうでもいいか。

 

「……でも!まだ2ヶ月あるよね⁉︎その間全力で鍛えたら?」

 

「ま、どうなるかはわからねーな」

「右に同じく」

「あたしも勝つための練習を用意する。頑張ってあたしとユタの予想なんかひっくり返してみせろ」

「「「「はいっ!」」」」

 

まあ脅しはしたけどこの子達の成長具合からするに普通にエリートクラスで戦えるくらいには成長すると思います。

アインハルトもくじ運よければ予選突破も夢じゃないくらいにはなると思うよ、うん。

 

だって私が行けてるんだから。

そこからみんなの練習内容を(対策立てれないかなーと言う邪な考えがないわけじゃない)聞いていた。みんながんばえーと思いつつ。

 

 

「ーで、あとユタ!」

「はいっ!?」

 

びっくりしたぁ。急に呼ばれるとは思ってなかった。

ん?てか私にも用意してくれたの?

 

「アインハルトの試合をみてて私が思ったこと…お前はテクニックはあるが魔力が足りてない。だから……これかとある特訓をしてもらいたいんだが…」

 

「私はいいですけど…一応シグナム姉さんや母さんに許可を取ってもらえると」

「それなら昨日のうちにとってある」

 

「なら、大丈夫です。ありがとうございます」

 

 

まあ後にこれが地獄になるとは予想してなかったんだけどね。




さて今回はどこを終点にするか。迷いつつあんまり長くなりすぎない程度に書いていけたらなーと思っています。



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