リリカルなのはvivid クローンの生き様   作:紀野感無

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「「「連続傷害事件?」」」
 
『ああ、まだ事件ではないんだけど』
 
「どゆこと?」
 
と、ナカジマ家では今噂の連続通り魔の事件について話していた。
部屋にはノーヴェ、チンク、ウェンディがいた。
 
『被害者は主に格闘系の実力者。そういう人に街頭試合を申し込んで…』
「フルボッコってわけか?」
 
ノーヴェが答える。
 
「あたし、そーゆーの知ってるっス!喧嘩師!ストリートファイター!」
「ウェンディ、うるさい」
 
『ウェンディ正解。そういう人たちの間で話題になってるんだって。被害届が出てないから事件扱いではないんだけど。みんなも襲われたりしないように気をつけてね』
 
「気をつける。つーか来たら逆ボッコだ」
 
「で、これが容疑者の写真か」
 
『ええ』
 
と、映し出されていたのはバイザーをした、少し大人びた女性だった。
 
『自称【覇王】イングヴァルト。古代ベルカ聖王戦争時代の王様の名前ーーー』




1話 〜復帰練習1日目〜

ヴィヴィオちゃん達の愛機(デバイス)のセットアップを眺めていると大人のような姿に変身をしていた。

 

「……?どこかで見たことあるような……」

 

こう、何か母さんの事件の主要人物ファイルを覗き見した時に見た気がする。

 

ボーッと考えているとフェイトさんが口を開けて戸惑い、その場にヘナッと座り込んでいた。

 

「あ、思い出した……。JS事件の時の……私と同じ……」

 

小声で思わず言ってしまう。がそれがなのはさんにも聞こえてたらしく隣に座って話しかけてきた。

 

「どう?ユタちゃん。自分以外のクローンを見た感想は」

 

「へ?いや別に何もないです無いです。クローンだろうがなんだろうが人間なんですから」

 

「うんっその答えが来ると思ってた。これからも仲良くしてね」

 

「はい、もちろん」

 

『マスターがお宅のお嬢様に手を出さぬよう私が随時見張っておりますのでご安心ください』

「おいコラ、どういうことよ」

 

すぐそばではフェイトさんがやけに慌ててヴィヴィオとなのはさんの間を行ったり来たりしている。

なんで聖王モードに⁉︎とか色々と言っている。よほど混乱してるのだろう。

 

「フェイトちゃん、落ち着いて。これはね?」

「ちよ…なのはママ!なんでフェイトママに説明してないのー!」

「いやその…ついうっかり」

「うっかりってー!」

 

 

「賑やかな家庭だなぁ」

『我が家も劣らず負けずだと思いますが?』

「確かに」

 

 

しばらく見てると家族会議みたいな雰囲気になていた。

正直に言おう。

 

蚊帳の外である。

 

「親子になって時はゆっくりと流れてるって、思ってたんだけど。なんでまたこんなことに」

 

こんなことって言うのは多分ヴィヴィオちゃんの大人モードだろうね。

 

「あー、えーと」

 

「いや、あのね フェイトママ?大人変化自体は別に聖王化とかじゃないんだよ。魔法や武術の練習はこっちの姿の方が便利だから、きちんと変身できるよう練習もしてたの。なのはママにも見てもらって、もう大丈夫だね、って」

「ハッ、そうなの!」

 

ハッて、なのはさん。そのこと忘れてたの?

 

「でも…」

 

だけど、フェイトさんはまだ渋っている。

 

「んー…。クリス変身解除(モード・リリース)!」

 

と、その合図とともにヴィヴィオちゃんが元の姿に戻った。

 

「何より変身したってヴィヴィオはちゃんとヴィヴィオのまんま!ゆりかごもレリックももう無いんだし。だから大丈夫。クリスもちゃんとサポートしてくれるって」

「うん……」

「心配してくれてありがとう。フェイトママ。でもヴィヴィオは大丈夫です」

 

うわー、なにこの超理想的な家族の団欒。本当に邪魔者になってきた気がするよ。

 

「ゆりかごにレリック……」

『何か知っているので?』

「いや全く。母さんの資料を盗み見た時に載ってたのを知ってる程度」

 

プライドと話してるとヴィヴィオちゃんがわざとらしくクルッと一回転し悪戯な笑みでなのはさんとフェイトさんに言う。

 

「それにそもそもですね?ママたちだって、今のヴィヴィオくらいの頃にはかなりやんちゃしてたって聞いてるよ?」

 

と、その一言でママ2人が一気に顔を赤らめる。むぅ、この子意外とやり手だな。

 

「そうだねー。母さんから聞いた話しかないけど。一般人じゃやらないようなこととかやってましたしね。あ、なんならヴィヴィオちゃん聞きい?」

「え?いいんですかっ!」

「いや、ちょっと待ってユタちゃん!はやてちゃんからの情報は信憑性ありすぎていろいろと困るから!」

 

と、ただ情報を横流ししようとしたらフェイトママに慌てながら口を塞がれた。なのはさんからはなんとも言えない威圧感が出てて怖い。

 

「ま、そんなわけで。ヴィヴィオはさっそく魔法の練習に行ってきたいと思います」

「あ、私も!」

 

と、そんな会話をしながらヴィヴィオちゃんとなのはさんが外に出る。

 

「あ、ユタさんもご迷惑じゃなければ練習してくださいませんか?ユタさんの技を是非とも見てみたいです!」

「全然いいよ。2年前のカンも取り戻したいしね」

「やったー!ありがとうございます!」

「それにプライドも感覚鈍ってるかもだしね?」

『はっはっは。貴方が好きな作品のセリフを忘れるくらいあり得ないですよバカマスター』

「言うねぇ」

 

にしてもわかる。

 

やばい、この子天使だ。私の周囲の人間たちの中では間違いなくダントツで天使だ。ものすっごいピュアな天使だ。

 

穢せないですわね。

 

 

 

 

「やっぱりいいなー♪大人モード♪ねークリスー♪」

『ピッ!』

「だよねー♪」

 

今は練習もできる公園に向かっているのだがヴィヴィオちゃんはものすっごい上機嫌だ。よほど大人モードができたのと愛機(セイクリッド・ハート)(通称クリス)ができたのが嬉しいんだろうね。うさぎの人形にしか見えないんだけどね。

 

懐かしいなぁ…。

 

まあ私のは後々クソ生意気な性格になったけどさ。

 

「ユタちゃん、ごめんねー。わざわざヴィヴィオの練習に付き合ってくれて」

 

「全然いいですよ。他ならぬなのはさんとその娘さんからの頼みですし。それにどーせ帰ったらシグナム姉さんにしごかれますから。後、まだ付き合うって決めただけでやってはないのでそのセリフは早いですよ」

 

「うん、そうだよね。でも、ありがとうね」

 

「あ、そういえば私の生まれについてはヴィヴィオちゃんには?」

「あ……」

 

………そろそろ呆れてもいいよね?この天然な方には。いや呆れてもいいはずだ。

 

「まあ、聞かれたら答える、位でお願いします。別に隠してるわけじゃないんですがあまり言いふらしたくないんで」

「うん、わかった!」

 

その後もしばらく歩いているとなのはさんとヴィヴィオちゃんで幾つかの約束事を取り決めていた。

 

これに無下に入るほど空気読めない人じゃ無いですので動画をこっそり撮っておくことに留めておく。

 

ウチの狸もとい母さんに見せたら少しは私への態度が変わるかもしれない。

 

『あの人に限ってそれはあり得ないかと』

「起きてたんかい。てか口に出てた?」

『いえ。ですが考えてる事くらいお見通しです』

「何処でその読心術習ったのか知りたいよ」

『トップシークレットなので無理ですね』

「知ってた」

 

そんなことを話しているとまた2人でじゃれ合っている。2人はここに他人がいることをお忘れじゃありませんかね?

 

 

まあ心が癒える動画が撮れたからよしとしよう。

 

 

 

〜市民公園内 公共魔法練習場〜

 

「じゃ、基本の身体強化からね。それから放出制御!」

『ピシッ!』

「クリスの慣らしもあるんだからいきなり全開にはしないんだよ」

「だーいじょーぶ!」

 

ふむ、私はどうしようか。慣らしの部分は他人が入るのはやめたほうがいいだろうし。それなら

 

『なら、約1年ぶりのセットアップでもしてみます?」

「お、いいねー。プライド。乗った」

 

軽い準備運動をしてプライドを手に持つ。

 

「準備OK?」

『いつでもどうぞ』

「はいよ。プライド。セットアップ」

 

その掛け声とともにヴィヴィオちゃんがやってたような光に包まれる。すると私にとっては見慣れた、外装になった私が姿を現した。

 

肩から先はほぼ全て露出していて髪も少し伸びており後ろで束ねている状態に。服は黒一点のみのシャツっぽいものと同じくほぼ黒一点のズボンだけだ。というか、外装というより夏場の少年?みたいな服だ

 

所謂、ハガレンのグリードを真似た姿。よくなんでこんな姿にと言われてるんだけど。

 

 

んなもん好きだからに決まってるだろう。

プライドもそうだ。10歳程度の子供がウロボロスの印の傲慢の罪とかいう名前のものを好き以外の理由で取るわけがないでしょう。

 

「にしても、1年くらい離れてたとはいえまだちゃんとできるもんだねぇ。これもプライドの性能のおかげなのかな?」

『当然です』

「否定しないのね」

『半分くらいしか思ってませんよ。こればっかりはマスターのイメージで左右されるのでマスターの力と見ていいかと。私はただそれの補助をしているだけなので。というか、マスター』

「ん?何」

『その眼の包帯はいつ頃取るんです?』

 

……忘れてた。まあいっか。別にかっこいいし。

 

 

 

その後、軽く体を慣らした後ヴィヴィオちゃんの元に戻るとそちらも慣らしが終わったらしく少し休憩を取っていた。

 

「あっ!ユタさん……ですよね?」

「うん、そだよー。いまはセットアップしてるからこんなだけど解除すれば元に戻るよ」

「なるほど。後ユタさん、えーとですね…」

 

と、またヴィヴィオちゃんがモジモジしながら言っていいのか迷っている。みたいな感じになっている。

 

「どうしたの?別に私の生理的に無理なこと以外だったら何も嫌がったりしないから言ってみなよ」

『マスター、最初の一言が非常に余計な気が』

 

「えーとですね。練習に付き合って欲しいんです!手合わせ、お願いできませんか!」

 

「うん。ok〜だぁよ〜。あんまり無理はできないけどね」

 

「やったぁ!ありがとうございます!」

 

ヴィヴィオちゃんは飛び跳ねんばかりに喜んでた。

 

この子純粋すぎて穢れた私ではみてられないかもしれない。

 

あと豊満なバストが揺れに揺れてちょっと私には目に毒です。

 

邪な考えは置いといて練習を始める。

 

「プライド、視覚補助お願い」

『了解しました』

 

内容は主にストライクアーツの型の練習だった。

それの受けをする役目に抜擢されたというわけだ。

 

「へぇ、なかなか筋がいいんだね。それに師匠にも恵まれているようで何より何より」

「はいっ!それに最近は友達とも一緒に練習するようになってますます楽しくなってますっ!」

「私の師匠もヴィヴィオちゃんみたく優しかったらいいのに」

 

それに、この子の型……ああそれで私か。

 

「もしかしてヴィヴィオちゃんが師匠に教えてもらってる型ってカウンターヒッター?」

 

「えっ?なんでわかったんですか?!」

 

「いやー、なんでというか。私と同じだから?いや違うな。君は生粋のカウンターヒッターとしてだから私みたいなのとは違うと思うし…。……そうだ、ヴィヴィオちゃん。一試合やってみない?インターミドルみたくガッチガチのじゃなくて、軽く拳を交える程度の」

 

「いいんですか⁉︎是非是非!」

 

「けど、なのはさんが許してくれるならなんだけど……ってなんでなのはさん涙目?」

 

ベンチにいたなのはさんを見ると何故か涙目になっていた。

 

「うう、だって2人とも私のこと忘れてる気がして…。あ、怪我しない程度ならどんどんやっちゃいなよ」

 

と、なのはさんからの許可も出たので私とヴィヴィオちゃんが構える。

 

「あー、そうだ。ただ手合わせするのもつまらないね。んー、ヴィヴィオちゃん」

 

「はい?」

 

「この試合中に私に()()()()()()()()()()()()()()()()何か一つ、なんでもお願い聞いてあげるよ」

 

それを言った瞬間、明らかにヴィヴィオちゃんのやる気が上がったのがわかる。こういう相手のやる気をあげるのが得意なのは母さんからの遺伝なのかね。血は繋がってないけど。

 

「それ、本当です?」

 

「本当本当。学校の友達とならまだしも君みたいな子やなのはさんのいる前では嘘はつかないよ。さあ、どこからでもどうぞ♪」

 

と、その言葉と共になのはさんのデバイスレイジング・ハートがゴングを鳴らしてくれる。

 

すると、開始早々ヴィヴィオちゃんが突っ込んでくる。しかも思いっきり利き手の右で顎を狙ってアッパーをかましてきた。

それを避けると今度はそれを読んでいたとばかりに左で打ち込んでくる。

 

今度はその打撃を避けずに受け流す。すると今度は上段蹴りをしてくる。

 

「(間違っても直撃しようものならヤバそう)」

 

せっかく治ったのにまた治療する日々は流石に嫌ですし。死ぬ気で避けます。

 

そこからはひたすらあえてヴィヴィオちゃんの得意スタイルで攻めさせる。いや正確にはカウンターヒッター型なので得意スタイルとは言えないか。それでもひたすら近距離でのジャブや蹴り、それらを混ぜたコンビネーション技みたいなのもやってきてくれた。

 

だけど、それをひたすら避けた。それか受け流していった。

 

 

 

 

 

「(まっずい、調子に乗って飛ばしすぎた……)」

『アホですか、マスター。まだ体力も戻ってないというのに』

 

と、あれからひたすら避けてはいるが体力に限界が来ていた。

避けるというのは体力とかはいらないと思われがちだが相手の攻撃を見切るために見ることに集中しないといけないし今みたいに連続で攻撃される立場になった時の体力の消耗は半端じゃない。

 

まあ、今回のは私から煽ってやらせたわけなんだけど……。

 

『マスター前々から思ってたんですが……バカですね』

 

ひっどいなぁプライド。それでも私の愛機ですか?

『はい、愛機です』

そしてサラッと心を読んでくる。数年も一緒だともう驚かない。

 

「いっ?!」

 

やばい、避けすぎて足フラフラになった所を狙われた。しかもその足を。可愛い顔して案外えげつない…。

 

「やぁぁっ!」

 

「うわ、ちょいまち…」

 

と、好機とばかりにヴィヴィオちゃんが今までにないようなラッシュをかましてくる。

 

途中足捌きを間違え、よろけてしまった。

そこを見逃してくれるはずもなくヴィヴィオちゃんの拳が眼前まで迫ってきて、一瞬走馬灯が見えそうだった。

 

「あー、うん。参りました」

 

けど優しいことに当たる直前で止めてくれた。

なんともありがたい。たぶんあの勢いで入ってたら気絶してた。

 

「ありがとうございました!とても有意義な時間でした!」

「いえいえ、こんな程度でいいならいくらでも。あ、最後の一撃止めてくれてありがとうね。でも一発入れたらって話だったのになんで?」

「えっとですね。ユタさん。練習がほぼ一年空いてるっておっしゃってたじゃないですか?」

「うん言ってたよ」

 

「だから、もし当てちゃったらまたユタさんの復帰を延ばしてしまうんじゃないかと思いまして…」

 

女神だ。女神がここにいたよ。世界のみんな。

 

「私の体を心配してくれたんだ。ありがとうね。あ、約束のなんでも一つお願い。何か決めてる?」

 

「あ、はい!それはもう!えーと、明日から私たちと一緒に練習してもらえないかなーって思いまして」

 

遠慮しがちに言ってくる。提案したのは私なのになんで遠慮してるんだろうね。

 

「私から言ったんだから遠慮なんて必要ないよ。それに、練習なら日程被りさえしなければいくらでもオッケーだよ」

「本当ですかっ!ありがとうございます‼」

 

めちゃくちゃ喜んでいるから、まあ私程度が役に立つなら良いでしょう。こんな天使な子を見れるなら満足です。

 

「あ、そうだ。このことリオやコロナにも教えないと!」

 

また忙しそうにメールを打っている。

 

「なのはさん…お宅の娘さんは女神ですね…」

 

「ふふーん、でしょ?」

 

と、なのはさんがドヤ顔を決めてくる。

なんか面白かったのでコッソリ写真を撮っておいた。後で母さんにも見せてみよ。

 

「ユタさん、友達に写真を送りたいので一緒に撮ってもらえないですか?」

 

「いいよ、全然オッケー」

 

と、了承するとクリスが写真を撮ってくれる。この子飛べるわ自分の意思を持ってるわ、写真も撮れるわでいろいろと便利だね。

 

そんなこんなで復帰戦へ向けての練習一日目が終わった。

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