リリカルなのはvivid クローンの生き様   作:紀野感無

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「プライド〜。ちょっとこの技見てくれない?対ジークさん用の技〜」

『…?私でなくともシグナム様などに見せた方が良いのでは?』

「いいからいいから。それじゃ、いくよ〜」




〜数分後〜




「どうだった?」

『正直に言ってもよろしいので?』

「もちろん」

『とりあえずシグナム様たちにしばかれるのでは?』

「……。だ、だだ、ダイジョーブだよ。……………多分」

『顔はそう言っていませんが?ですが…まあ、そうですね。実戦でどうかと言われたら……これまで以上に戦いの幅が広がるでしょう。使いこなせれば、ですが』

「そこは気合いと練習の積み重ねでどうにかするよ。それじゃ次ね」

『いつでもどうぞ』

ユタとプライドの対ジークリンデ作戦会議はシグナムたちに見つかるまで続いていた。

「次こそは…ね」
『ええ、次こそは』


35話 みんなの『これから』

ヴィヴィオちゃんとの試合から早いもので、もう3日が経った。すっかりいつも通りの八神家に戻った私は、今日も今日とてシグナム姉さんたちにしばかれ…じゃなくて半殺しにされてるんですけども。

 

 

そろそろ死ぬんじゃないかと感じたのは、気のせいじゃないと思う。ザフィだけだよ優しいのは。

 

 

そんな時にヴィヴィオちゃんから着信が入る。

 

『ユタさん!お疲れ様です!』

 

「お疲れ様〜。どうしたの?」

 

『あのですね、3日後にアインハルトさんと試合をすることになりました!』

 

「おー。それはそれは。頑張ってね。応援してる」

 

『はいっ!ありがとうございます!それでですね、ユタさん、私たちの試合を観にきてくれませんか?』

 

「うーん、観に行けるなら行きたいんだけど…3日後は外せない用事があってね…。ごめん」

 

『あっいえ!無理しなくて大丈夫ですよ!』

 

申し訳なさが顔に出てしまってたのかヴィヴィオちゃんの顔が焦ってて、ちょっと面白かった。

 

『用事って、インターミドルではないですよね。何か特別な日なんですか?』

 

「うん。ほらこれ」

 

『…!なるほど、わかりました!』

 

予定表を見せると、めちゃくちゃ真面目な顔つきになり、元気に返事をしてくれる。

聞き分け良くて良きかな良きかな。

 

「ありがとね。いやぁタイミング悪いねぇ。せめて映像越しにでも見れるようにはするから、安心して」

 

『はい!それでは練習頑張ってくださいね!インターミドルもみんなで応援に行きますから!』

 

「ありがと〜。ヴィヴィオちゃんも無理しないようにね?来年のインターミドルではリベンジするんだから、私みたいに怪我しないでよ?」

 

『ユタさんじゃないんですから怪我するわけないじゃないですか!』

 

「お?喧嘩売ってる?」

 

冗談なのは分かってるけど、思わず反応してしまう。

そしてお互い思わず笑いあい、軽く言葉を交わし通信は終わった。

 

「ユタ!続きやるぞ!」

「はーい!すぐ行く!」

 

シグナム姉さんから呼ばれ、砂浜へ向かう。

 

さてと……

 

 

今日も死なずに終われるといいね。

 

 

 

 

〜3日後〜

 

「ユタ〜。準備できたか〜?」

「まってー!もうちょっと!」

 

母さんに急かされながら、必要なものを順番にとって行く。

 

「これでいいかな?忘れ物は……」

『ありませんね。問題ないかと』

「いよっし。それじゃ行こう」

 

外に出ると母さん達はみんな揃っていた。

けどいつもと違うのはその服装だ。

 

「みんなソレ着てるけど、本当に私はこれでいいの?」

 

学校の-st.ヒルデ魔法学院の中等科の-制服を見ながら聞くと、母さんはめんどくさそうに手を振る。

 

「構わへん構わへん。むしろしっかりと見せてあげぇ。ちゃんと制服見せてあげたことないやろ?」

 

「そうだけど…いやほら、いつも母さんたちその服だし。私もそのほうが…」

 

「ええからええから。それじゃいくでー」

 

ほぼ強引に車に押し込まれ、忘れ物等の最後の確認をして出発する。

向かう先は---

 

 

 

 

 

 

八神家一同が向かった先は、とあるお墓の前。そこに刻まれている名前は『八神・五月雨・マリナ』。はやて達は喪服を着て、ユタは制服を着て、その墓石の前で全員が手を合わせていた。

 

皆が順に終わっていく中、ユタとはやてだけは10分以上そのままだった。

 

「……ふぅ」

「終わったよ」

 

「おうお疲れ」

「お疲れ様。主も、お疲れ様です」

「何をお話ししてたの?」

 

「インターミドルのこととか、こないだの無限書庫でのことをごめんなさいっていうのと…あとはヴィヴィオちゃん達のことをね」

「ユタのことを色々とな。特に無限書庫でのクッソダサいイメチェンとか、エリオに未だ告れん臆病もんだとかな」

「ちょお⁉︎なら私も母さんが婚期逃しそうとか言うよ⁉︎」

「よーしユタ、帰ったらしばき回すから覚悟せぇよ」

「先に喧嘩売ってきたの母さんでしょうが!」

 

墓前だというのにギャーギャー騒いでいるいつも通りのユタとはやてに、周囲は自然と笑いが溢れていく。最終的にはユタが一方的に弄られ続けていたが。

 

「この後はどうするん?」

 

「ヴィヴィオちゃん達の試合を観戦してからヴィータさんと次の相手の研究。今回、相手が相手だし」

「無理し過ぎんようになー」

 

それから最後に手を合わせたあとは一度みんな揃って家へ帰り、一度解散になった。

それはそうと母さん。

 

 

胸を狙うのはやめよう?凹むから。物理的に凹むから。

 

 

 

 

 

〜八神家近くの砂浜〜

 

「んで、2人はどうだった?」

「試合はヴィヴィオちゃんの勝利」

「おーおー、流石なのはの娘だ。ユタをしばいただけの事はある」

「次やる時は負けないよ!たぶん!」

「そこは言い切れよお前」

 

プライドの映してくれた映像を見ながらヴィータさんと今後について話し合っていく。

中でも、アインハルトの顔がやけにスッキリしていたのは印象的だった。

 

ヴィヴィオちゃんとも少しだけ話をしたところ

 

『もう大丈夫です!私たちの大好きなアインハルトさんに戻ってました!』

 

とのこと。チームみんなでまた強くなっていくので覚悟してくださいねと宣戦布告されたので、受けて立つとだけ返しておきました。

 

「ユター。次の対戦相手はどんな相手だ?」

 

「どちらかというと格闘寄り。映像は…確かあったよね?」

『はい、映しますので少々お待ちを』

 

プライドがヴィヴィオちゃんの映像を消し、代わりに次の対戦相手を映してくれる。

 

「なるほど、大体はわかった。ユタはどう見てる?」

「格闘戦が得意だけど魔法戦も勿論仕掛けてくる。だけどそれ以上に絡め手が厄介かなって印象」

「そんじゃいつものに加えて絡め手対策もしていくか」

「押忍。……お手柔らかにお願い」

「心配すんな。シグナムほど追い詰めはしないからよ」

「ヴィータさんもシグナム姉さんのこと言えないからね⁉︎」

 

シグナムさんは物理的に速攻で殺しにきてるとしたら、ヴィータさん貴女はスタミナを削ってから殺しに来てるようなもんですからね?

 

 

 

その後は、まあ お察しください。

簡単にいうと砂浜にぶちまけました。

 

なんならシグナム姉さんもノリで参加してノリでしばき回しにきました。

あのですね、私がヴィヴィオちゃんに負けた分を罰ゲーム感覚でしばき回すのやめてください死んでしまいます。

 

 

 

 

 

 

〜2日後 学校〜

 

「えーと…」

『いましたよ』

「え?どこどこ」

『マスターから見て右の後ろの方に』

「お、ほんとだ」

 

プライドが示した先にいたのはアインハルト。遠くからでも雰囲気が変わったのが分かるほどには表情が柔らかくなっていた。

 

「ユタさん、ごきげんよう」

「おはよアインハルト。ヴィヴィオちゃんとの試合、見たよ」

「ありがとうございます。ユタさんが仰ってたこと…ようやく分かりました」

「ならよかった」

 

アインハルトと教室に向かいながら今後についてどうするのかとか、色々と話をしていく。特にアインハルト自身が格闘技を続けていくのかとか、過去の王様の記憶とかも色々と聞けた。

 

でも一番は…

 

「ヴィヴィオちゃん、やっぱり強かったよねぇ」

「ですね。ユタさんが負けたのも納得です」

「確かにそうなんだけど、アインハルトに言われるとちょっと悔しい」

『どうせ次勝ったところで負けたことを一生弄られるんですから諦めては』

「何気にプライドが一番酷いこと言ってない?」

 

ヴィヴィオちゃんの話題が一番盛り上がっていた。負けた者同士ゆえか、それとも互いに過去を振り切れた為か、特にいがみ合うことなく笑い合う。

 

「ユタさん、インターミドル応援しています。また皆さんで応援に行ければと思っていますので」

「ありがと。みててよ、みんな下して私が都市本戦1位をとるからね」

「それでは、その1位になったユタさんを私がK.Oして見せましょう」

「受けて立とうじゃないの覇王サマ」

 

実際問題、()()アインハルトとは試合をしてみたいという感情はある。インターミドル終わった後になるだろうけど。

 

「そう言えばユタさん、眼帯はどうされたのですか?」

「家に置いてきた」

「え…」

「ん?なんか変だった?それともやっぱり眼帯の方がカッコいい?」

「いえ全く」

「それはそれで酷くない?」

 

アインハルトは悪びれる様子もなく真顔で言い切り、それをジト目で見てると堪えきれなくなったのか小さく笑い出した。

 

「申し訳ありません。悪気があったわけではないんです」

 

「それはわかってるけど、それで眼帯がどうしたの?」

 

「それほど深い意味は無くてですね。無限書庫に行く前までは学校でもされていたので、少し気になりまして」

 

「あー。まあ、うん。アインハルトの言う通り特に深い理由は無いよ。ただの気まぐれって言えばいいのかな。強いて言うなら…私の中でのこの瞳の色と折り合いがついたから、かな?」

『嘘おっしゃい。忘れただけでしょうに』

「おいこら、せっかくいい感じにしたのにぶち壊さないで」

 

その後もプライドとギャーギャー言い合っていると予鈴のチャイムが鳴る。

 

「ふふ、やはりユタさん達はこうでなくてはいけませんね」

 

「どういうことアインハルト」『どう言う意味でしょうか?』

 

「そのままの意味ですよ。ほら、行きましょう。授業が始まってしまいますよ」

 

 

 

 

「本当に良い意味で変わったねアインハルト」

『そのようですね。次からは彼女も強敵になり得るのでは?』

「何を今更。インターミドルに出てる子は全員が強敵だよ」

『それもそうでしたね。それで今日のご予定は?』

「試験勉強に時間割いてトレーニングは控え目。母さん達曰く『学業優先!』なので」

 

 

 

 

 

 

〜同時刻 管理局での一幕〜

 

「おーっすシグナム、お疲れ」

「ああ、お疲れ様ヴィータ」

 

ヴィータは仕事を終え、休憩室を訪れる。そこにはヴィータに呼ばれていたシグナムもいた。

 

「それで、なんの話だ?」

「ユタのことだよ。わかってんだろ?」

「まあな」

 

ヴィータの言葉にシグナムは特に反応を示さず、ヴィータと向き合う。なぜならヴィータの言う通り予想していたことだったからだ。

 

「以前から言っていた()()()だろう?」

 

「ああ。時期が時期だし、ユタの事情もあったから先延ばしにしてたかど、無限書庫での事件とヴィヴィオとの試合、その後のアイツの変わりようから今がその時期だと思ったんだが、シグナムはどう思う?」

 

「概ね賛成だよ。時期としてはちょうどいいだろう。ただユタがどう反応するかはわからないが…」

 

「なんだかんだアイツ、お前に一番懐いてるもんなぁ。いやぁ懐かしい。シグナムがまるで母親みたいになってて、はやてが嫉妬してたっけ」

 

「ゴフッ」

 

「お、珍しいこともあるもんだな」

 

ヴィータの不意打ちの一撃にシグナムは思わずコーヒーを吐き出してしまう。顔も僅かに赤くなっており、とても珍しい光景が映っていた。

 

「そんじゃ、試験終わりにでもユタに伝えようぜ。時期は早けりゃ早いほどいいからな」

 

「ああ。…もしユタがどんな選択をしようとも、最後まで師匠として在り続けるよ」

 

「シグナムがそう思っててもユタは死ぬまでシグナムを師匠と思ってそうだけどな〜」

 

「…だと、いいがな」




さぁーて、最終話まで(インターミドル戦などの番外編を除いて)あと1〜2話あたりを想定しています。
最後までお付き合い頂ければ幸いです。

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