リリカルなのはvivid クローンの生き様   作:紀野感無

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ちゃんと最終話になったぞ!
文章量多くなったけど!

クローンの人生を、生き様を、最後までご覧ください

それではどうぞ


最終話 私に関わってくれた全ての人へ ありがとうを

 

〜数週間後 インターミドル予選決勝日 決勝会場〜

 

「ま、みんな勝ち上がりますよね」

『でしょうね』

 

ミウラの試合Liveを消し、母さん、シグナム姉さんと最後の調整をしていく。

 

んでもって上位ランカーさん達の結果としては、予想通りすぎてつまらない。

ルーさん、番長、ヴィクターさん、ミウラ、もちろんジークさんも勝ち上がってた。ちょっとくらいジャイアントキリング起きてよ。

 

 

ピコン

 

 

「ん?誰から?」

 

『アインハルトさんからですね。写真が添付されていますので表示します』

 

映し出された写真を見る。(事前に聞いてはいたけれど)本当にクラス全員で応援に来たらしい。

 

「うわっはぁ。緊張するう」

「いつもどーりにやればええんよ。変にかっこよく見せよーとせずにな」

「何なら一度緊張をほぐしてやろうか?」

「丁重にお断りします」

 

シグナム姉さんの緊張をほぐすは物理的に叩いてくるから、下手をしなくても死ぬんで、やめて頂けないでしょうか?

 

「おっ、なのはちゃんたちも無事到着したって」

「つまりは知り合いの観客が増えたということに他なりませんねあーヤダヤダ」

「エリオも来てくれてるって」

「……」

『顔真っ赤ですよ?』

 

その後も母さんとシグナム姉さん(とプライド)と一緒に真面目に話したりたまにふざけたりしながら時間が過ぎるのを待つ。

 

「八神ユタ選手。入場をお願いします」

 

そして、その時はきた。

 

「ユタ、意気込みは?」

「俄然やる気出てる」

 

セコンドの母さん、シグナム姉さんと共に入場する。

相手選手の情報収集はやりきってるし、作戦も考えてきた。負ける気はハナからないけど、それでもここまで勝ち上がっている選手相手に油断なんてできない。

 

まあでも…

 

「勝つしか、ないよね」

 

ここまでみんなが勝ってるのに、1人だけ予選落ちなんてしてられないよね。

 

リングの中央まで歩み寄り、相手と握手をし、リング際にもどる。

 

「そんじゃ…」「かましてこい」

 

「うん……行ってきます」

 

「「行ってらっしゃい」」

 

 

 

 

 

『な、な、な、なんとー!ユタ選手のK.O勝利!圧倒的な戦術、技術を魅せつけ都市本戦へ出場を決めました!』

 

 

「ぶいっ!」

『おめでとうございます』

「ありがとプライド。都市本戦も思う存分頼るからね」

『貴女の望みが叶うまでいくらでも』

 

会場から出て控え室に入った瞬間、母さん達に力強く抱きしめられる。シグナム姉さんからも珍しく「よくやった」って褒めてくれた。

 

「ヴィヴィちゃん達もユタに会いたいって。行ってきー」

「わかったー」

 

着替えてシャワーを浴び、必要最低限の荷物を持って部屋を出る。

 

「…………。なんだか、我が子が自立したなぁって、そう思うわぁ」

「そう、ですね。少し寂しい気もしますが……嬉しさもあります」

「せやね〜。さーて!帰ったら思い切り祝おう!そんでもって今度こそ、ユタが何の後悔もなく終われるようサポートしてあげよ!」

「はい。任せてください」

 

 

 

 

 

私の試合は予選決勝の大トリだったもんで、要するに本戦へ決めた選手は全員わかっている。ヴィヴィちゃんの元へ向かう途中、大会運営から本戦の日程とトーナメント表が送られてきた。

向かう道すがらトーナメント表をちらっと覗いてみる。

 

「私は〜…5回戦目か。相手は…。……え?は?ちょっ…」

『うわぁ。一昨年より酷いですねこれは』

 

やだ、これ以上現実を見たくない。

そっとトーナメント表を閉じ、無心で歩き出す。

 

「あっ!ユタさん!お疲れ様です!そしておめでとうございます!」

「「おめでとうございます〜!」」

「ユタさん。おめでとうございます。本戦も応援しています」

 

「みんなありがと。それと…ミウラ、見た?」

 

「…!はいっ、勿論です!」

 

ヴィヴィオちゃん達にもみくちゃにされながらミウラとじっと見つめ合う。

 

「思えば、ミウラと公式戦はしたことないね」

「そうですね。練習はよく一緒にしてましたが、本格的な試合はまだ一度も」

 

「ユタさん?どう言うことですか?」

 

「こういうこと」

 

ヴィヴィちゃんの問いに答えるように、トーナメント表を見せる。

5回戦目の対戦カードは『八神ユタ』と『ミウラ・リナルディ』の二つだった。

それを見つけた最初こそ3人とも目を輝かせていたが、他の組み合わせを見て次第に渋い顔をしていた。

 

「…あの、ボク思ったんですけど」

「うん、言いたいことはわかる」

「配置に悪意ありすぎません?」

「どんだけ私たち潰したいんだ、つってね」

 

インターミドル都市本戦は20人プラス1枠に前回の世界大会王者。去年ジークさんは途中で棄権しているので別の人がプラス1枠の部分。

つまるところ、20人の中に私たちはいるわけで。

 

簡単に言うと10人、11人に分けられて、それぞれの中から1人ずつ決勝に行ける。

そして10人組の中に私とミウラがいて初戦で戦い、勝った方が番長ことハリーさんと。そしてハリーさんに勝ち、次の試合にも勝てば準決勝でヴィクターさんと。

 

もっと簡単に言うと去年のインターミドル上位3〜8位経験者が私たち側に集まっていて、その中で勝ち抜かないとジークさんとは戦えないということです。

 

ちょっとくらい分散させてくれてもいいんじゃないかな大会運営さん。シード以外ランダム配置なんだろうけどさ。一昨年の初戦ヴィクターさんが可愛く見えるレベルだよ。あの時ですら上位勢の人で当たったの番長とヴィクターさんだけだったのに

 

「(ほんっとう、くじ運がいいのか悪いのか…)」

 

戦いたいか戦いたくないかで言われたら、そりゃまあ皆さんと、というか本戦出場者全員と戦いたいけども。

 

それとこれは話が別。やってられっかこんなクソゲー!

 

「おっ、やっぱりいたかユタ。それに抜剣娘も」

「うげ、番長…」

「うげってどういう意味だコラ!」

 

控え室に入ってきたのは番長ことハリーさん、それの後ろにヴィクターさん、エルスさんも付いてきており…

 

「ジークさん…」

 

ジークリンデ・エレミアもいた。

 

「ど、どうしたんや…?」

 

そんなジークさんと神妙な、一触即発みたいな雰囲気に鳴る。

 

 

「……なんでメイド服じゃないんですか⁉︎」

「こないなとこで着るわけないやろ⁉︎前の時も思うたけどウチのことなんやと思うとるん⁉︎」

 

なんで。おもsげふんげふん。可愛いのに。

 

 

ジークさん達とはもうわだかまりは解消した。少なくとも私はそのつもりだから無限書庫での出来事や、一昨年の決勝のやりとりなんかも蒸し返すつもりは(多分)ない。

 

「それよりもユタ。トーナメント表は見たか?」

 

「ええ、もちろん」

 

「ぜってぇ負けんじゃねえぞ。オレが雪辱を晴らすまでな!」

「それでしたら私もですよユタ!一昨年の雪辱、晴らさせていただきますわ!だから絶対にこの不良娘にも、準決勝に来るまで負けるんじゃありませんわよ!」

 

「あはは…だそうですよユタさん」

「そもそもミウラに勝てるかすら分かんないのによく言うよねぇ」

 

「勿論、抜剣娘が勝ったらユタの分までやらせてもらうぜ?」

 

ここにいる全員へ、来たついでとばかりに宣戦布告をする番長とヴィクターさん。

 

「望むところです。私としてもこの大会でジークさんを、本気で世界最強を狩りに行くつもりですから。そのための秘策もかなり用意してます。だから私こそジークさんに勝つまでは、いや、世界大会で優勝するまで誰にも負けるつもりはないです」

 

とまあ、負ける気は一切ないからいいんだけどね。まずは番長達とかじゃなくミウラ対策の練習しないと。

 

「ユタ。ハルにゃん」

 

ワイワイギャーギャーしていた中、凛と透き通る声でジークさんに呼ばれる。不思議と全員が静かになり、ジークさんを見つめる。

 

「ウチとしても誰にも負けるつもりはあらへんよ。もちろん番長やヴィクターにもな。

 

ウチはこのまま二度目の世界を獲ってくる。

 

てっぺんで、ユタを、ハルにゃんを、みんなを待ってるから追いついてきてな」

 

と、ジークさんは、たった今宣戦布告までした私や番長、その他の都市本戦上位の人やミウラにまで堂々と世界を獲ると宣言してきた。

 

「おうコラジーク」

「ふえっ⁉︎」

 

それを聞いて案の定というか予想通りというか、番長がジークさんの頭を掴む。

 

「てめぇ、なーにすでに世界獲った気になってんだ?おお?」

「い、いたいいたい!番長痛い!」

 

そして頭グリグリの刑を執行されていた。イタソー。

 

「はーっはーっ。ば、番長にもヴィクターにも、誰にもチャンピオンの座は渡さへんよー。ユタやハルにゃんともう一回、試合で戦うまではなー」

「ええ」

「何だお前ら結託しやがって…」

 

ほっほう。ジークさん、宣戦布告はしかと受け取りましたよ。

 

 

それはそうと雑草食べてる人に体調どうこうは言われたくないです。

 

 

 

 

 

 

 

「そうだ!試合は決まってないですけど、ヴィヴィオはお母さんと戦うんですよ!」

「お母様?」「なんだ?親子喧嘩なのか?」

 

「母は管理局員なんで戦技披露会でエキシビションマッチをやるんです!」

「その前にボクともやるんですよー」

「ついでに私も都市本戦の進み具合によっては参加する予定です」

 

ヴィヴィちゃん、ミウラ、私の順で説明をする。

 

「ほーん。せっかくだから見学に行くかな?オレも局員志望だし」

 

「「「「「えっ?」」」」」

 

なんか、ハリーさんの口からすごい言葉が聞こえた気が。

 

「なんだその『えっ』はっ!オレが局員志望じゃいけねーのか⁉︎」

「「い、いえいえ!」」「いけなくはないけど驚いたんですよ」

 

どうやら聞き間違いじゃなかったみたい。

 

「というか、私も局員志望なわけですが…」

「そうなんです?」「マジか⁉︎」

 

エルスさんもだとっ⁉︎てっきりジークさんと共にメイドの道へ進むのかと思ってたのに。

 

「ユタさん、何か失礼なことを考えてませんか?」

「気のせいです」

「そうですか。それはそうとハリー選手。希望部署はどこです?」

「……せーの」

 

「「警邏(けいら)隊」」

 

と、2人同時に同じところを答えた。そしてまたギャーギャーと2人がいがみ合う。

 

にしても…将来の夢か。みんな似たようなこと考えてるんだね。

 

「そういえばミウラは練習どうする?普段私とやってたけど」

「変わらずやりますよ!試合するからと言ってユタさんと練習しないなんて勿体なさすぎます!」

「了解。シグナム姉さんにも伝えておくね」

 

 

コンコン

 

 

その後もワイワイと談笑してるとノックされる。

 

「あっ、エリオさん!おひさしぶりです!」

「ぶふっ⁉︎」

 

え、ヴィヴィオちゃんなんて?

 

「エリオ?知ってるかお嬢」

「いいえ。知らないわ」

 

「ヴィヴィオのお母様と同じ管理局の方なんですよー」

「ユタさんやヴィヴィオのお知り合いです!」

「とってもお強くて竜騎士をやってるんです!」

 

扉の向こうから聞こえてくる声は紛れもなくエリオ。

 

 

ナンデ⁉︎

 

 

「ユタさーん!エリオさんが『2人っきりで』話があるそうです!」

「何でそこを強調して言うのかな⁉︎」

 

ちょっとニヤニヤしながら言ってるから、おそらく色々と分かった上での発言なのはわかる。にしても私をいじることに何の躊躇いも無くなってきたね?

 

「おいユタ。あのイケメンとどういう関係だ?」

「詳しく教えなさい!」

「イヤです。絶対嫌です。死んでも答えません」

『マスターの初恋の相手です。なんなら2年前の決勝でジーク様に勝ったら告白しようとしてましたね』

「何でバラしたの⁉︎ねえ!今言う流れじゃなかったよね⁉︎」

『誰がどう見ても言う流れでは?』

「よーしもう我慢の限界。叩っ斬る」

『出来るものならどうぞ。とりあえずはヴィヴィオさんにですかね』

 

待って何しようとしてるの。

 

「……なるほど!とりあえずユタさーん!こっちに!ほら早く!」

「待ってねえ待って。途轍もなくいい笑顔だけどプライドから何を送られたの。あとエリオも何顔赤くしてるの⁉︎本当にプライド何したの⁉︎」

 

ワーワーギャーギャーと騒がしくなりながら、同じくいい笑顔をしているアインハルトに無理やり背中を押される。ついでにプライドはヴィヴィオちゃんに取られた。

同時にエリオもヴィヴィオちゃん達に背中を押され、空いていた更衣室の中に押し込まれる。

 

「「……?」」

 

あまりのことに困惑から抜け出せないでいると、私たち2人を残して全員が退出。ドアからはガチャっと音が鳴る。

 

あの、まさかとは思いますが……

 

「なんで鍵閉めたの⁉︎ねえ!本当に何がしたいの⁉︎」

 

ドアをガチャガチャするも、開く気配はない。つまりはそういうことだろう。

 

ナンデ⁉︎

 

『マスター。はやて様から伝言です。『告白するまで出るな』と』

 

「あんの狸ィィィィィィィ!」

 

強引に出ようとするも扉を壊すわけにもいかず、脱出しようにも外に通じてそうなのは換気扇のダクトのみ。

 

オワタというやつですか。詰んだという奴ですか。

 

「どうなると思います?」

『マスターがヘタレるに一票です』

「いやいや!ユタさんならきっとできますよ!」

「ちゃんと録音してんのか?」

『もちのろんです。終わったら全員に共有しましょうか』

 

「何話してんじゃい!やめてよ⁉︎お願いだからやめてよ⁉︎私が社会的に死ぬから!」

 

しかし返事が返ってくることは無く、この場は静寂に包まれる。

 

「ほんっとうに……無限書庫の時から母さんのテンションがバグり散らかしてるよ……。このことは都市本戦が終わってからって伝えてたじゃん……」

 

「僕もそう聞いてたんだけど。どうせ都市本戦が終わってからもしばらく忙しくなるからさっさと済まさせるわ、って言ってたよ

 

「ねえまって。今ので察したけど何でエリオに事細かく伝えてるの母さんは。あとエリオも何で乗っかったの」

 

「なんというか……フェイトさんからもしっかり話を聞いてあげてって言われてたし。キャロからも、きっと告白されるよって前々から言われてたからね。だから僕にも責任があると思って。でも、あんまり意識しないようにしてたけど…ここまで露骨だと逆に恥ずかしくなるね」

 

「1番恥ずかしいのは私だよ⁉︎なんで初恋の人に自分のことを赤裸々に語られなくちゃいけないの⁉︎本当に母さんたちどこまで知ってんの⁉︎」

 

真っ赤になりながら頭を抱えてしまう。

 

「うー……。あとで部屋の外にいる人たちにはカチコミするとして……」

 

もうこうなりゃヤケクソというやつです。

いいよ乗ったろうじゃないの!女は度胸って私の見てたアニメでも言ってたし!

 

それはそうとしてめっちゃ恥ずかしいんだけどね!

 

プライドのことだから本当に録音されてもおかしくない。それの対策として扉と私たちの間にそこそこ厚い影の壁を作り出し、音が漏れてないか念入りに確認する。声を少し張り上げてみたり、ヴィヴィオちゃん達の名前を呼んだりしてみても反応がなかったから、多分聞こえてない、と思う。

 

「……スゥーーハァーーー。……いやそれでも恥ずかしいけど、恥ずかしいけど…。うぅ…」

 

ずっとウジウジしてしまうけど、エリオは急かすことなくずっと待ってくれていた。チラ見してみると、多少は顔を赤くしていたけれどそれでも私の方をじっと見ていた。

 

「……………………。

あーーーもうっ!」

 

ずっと逃げてる感じがして、頬を思い切りペチンと叩く。そのままの勢いでエリオの方を向く。

 

 

 

「エリオ!多分あらかた聞いてるだろうけど改めて私の口からはっきり言うよ!心の準備はいい⁉︎」

 

「勿論だよ」

 

「……ちょっとだけ、近くに寄って」

 

「うん」

 

「もうちょっと、もうちょっと…」

 

エリオが近づいてくるのに比例して、心臓の音がうるさいくらいドクンドクン鳴り響く。

 

そして私の目の前まで来たのを見計らい……

 

 

 

「……ッ!」

「……………………」

 

唇を奪ってやった。

 

 

 

「……思ったより動揺してないね?」

「心の準備はしてるって、言ったでしょ?」

「もしや母さんから何か言われた?」

「『追い詰めたら言葉じゃなくて行動で示してくる』とは聞いてた。抱きつくとかじゃなくて、多分キスしてくるぞ、って」

「つまりは全部母さんの手のひらの上なのね…」

 

案の定すぎて軽くため息をついてしまう。本当にあの人はどこまで読んでたの…。

 

「それで…その。答えたほうがいい、よね」

「待った。この流れで無理やり答えさせたみたいで嫌だから、今はやめて。ちゃんと考えてくれたほうが私にとってもありがたいから。何より今、私の覚悟が決まってない。だから…もう少し、もう少しだけ私に時間を……ください」

「うん、分かった。絶対にちゃんと返事をする」

「…………」

「ユタ?」

「もう無理!こっちからしたとはいえキスした相手の顔まともに見れるわけないじゃん!エリオ!またね!フェイトさんとなのはさんにもよろしくって伝えておいて!」

 

顔が熱いわ心臓バックバクだわで、自分でも何を言ってるのかさっぱりわからなくなりながら作っておいた壁を解除、影を扉の隙間に通し鍵を開ける。勢いのままに出ようとして目の前を確認してなかったからか誰かにぶつかる。

 

「いったあ…。そういえばみんないたんだった…」

「あはは…」

 

ぶつかった相手はヴィヴィオちゃんだった。その周りには顔を赤くしていたチームナカジマのみんな、都市本戦上位勢の方々。

 

「なんでそんな顔赤いの?」

「さ、さあ…?な、なんででしょうか?」

「……ねえプライド」

『なんでしょうかマスター』

「もしかして聞こえてた?」

『いえ。()()()()()()()は全く』

「だよね、よかっ…扉の向こうからは?」

『実はこのような映像をはやてさんから共有されましてね』

 

と、プライドから映し出されたのはどこかの部屋。見た感じ更衣室のような、というか見覚えあるような……

 

 

更衣室?

 

 

「……あの、もしかしてここに映ってる金髪の女子と赤髪の人……」

『お察しの通りです』

「あんの狸ィィィィィィィ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

-拝啓 八神・サミダレ・マリナお姉ちゃんへ

 

…なんて、堅っ苦しく書き始めたけど、どうにも私らしくないので言葉は崩すね。

 

最初にどうしても言いたいことがあるから、先に言わせてね。

 

 

ありがとう。私のお姉ちゃんでいてくれて。私とずっと一緒にいてくれて。私を見捨てないでくれて

 

家族でいてくれて

 

ありがとう-

 

 

 

「調子はどうや?」

「万全。絶好調」

「ならヨシ。かましてこい」

「うん、行ってきます」

「行ってらっしゃい」

 

 

 

-聖王女オリヴィエのクローンとして生まれて、辛いことはたくさんあったけれど、それ以上の幸せをお姉ちゃんからもらえました。

けど…どうしても、死んだ時のことを思うと自分を責めずにはいられなかった。自分が聖王女のクローンという出自のせいで、私のせいでお姉ちゃんが死んでしまったって。いなくなってからの7年ちょっと。ずっと自分を責めて責めて、責め続けてた。母さんにも、シグナム姉さんにも、誰にも言わずに独りで抱え込んで。

こんなことを聞いたら、とても怒るだろうけど…人としての道を踏み外しかけたりもしちゃった-

 

 

 

「ユタさん。これから一緒に練習しませんか?」

「お、アインハルトとできるなんてありがたい。こっちこそお願い」

「ついでなのでヴィヴィオさん達も誘いますか」

「そこは任せるよ〜。それじゃあどこでやる?」

「ノーヴェさんが予約してくださっているので、後ほどメールで送りますね」

「了解。準備ができたら向かうね」

 

 

 

-でも、そんな私を八神はやてさん…母さんは優しく怒ってくれて人の道に引き戻してくれた。私のことを家族だって改めて言ってくれた。それだけじゃなくて、私が迷惑をかけてしまった人たちもみんな、私を聖王女としてじゃなく1人の『ユタ』っていう友達として、もう一度受け入れてくれた。

シグナム姉さんやヴィータさんからはこっぴどく叱られちゃったけど、それでも、もう私は独りじゃないって心の底から思えた-

 

 

 

「ミウラ、今日はよろしくね」

「はい、僕の方こそよろしくお願いします。今日も、本気でやらせてもらいます!」

「こっちもだよ。手なんか抜かずに、出し惜しみは無しで全力で……叩き潰しに行くよ」

「ええ、僕も遠慮なく斬り伏せにいきます」

 

 

 

-だから、私はもう大丈夫。

これから辛い時があっても、八神家のみんながいて、ヴィヴィオちゃんやアインハルト、リオちゃんやコロナちゃん、さらに学校にもたくさん友達がいるから。

お姉ちゃんとまた会いたいなとは時々思うけど…。なんなら今でもお姉ちゃんの胸に飛び込みたいけど!

 

それは叶わない願いだって、分かってるから-

 

 

 

「ありがとなユタ。私のところ選んでくれて」

「アインハルトとの勝負に負けちゃいましたからね。なんで格闘戦技オンリーで勝負受けたんだろう…」

『マスターは乗せやすいですからね』

「でも本当に助かるよ。アインハルトだけじゃなくユタもいてくれるなら、そこそこいい物件借りれそうだ」

「なら良かったですけど。それでも私の条件もよく飲んでくれましたね」

「ジムを立ち上げるならコーチの1人や2人は抱えててもおかしくないしな。何より私じゃ教えきれないこともユタなら教えれるから私個人としても助かるんだ」

「その辺はご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いしますよノーヴェ師匠」

 

 

 

-でも、叶わない願いを追い続けるのは、あまりにも私らしくないから。

 

なーんて…強がってるだけなんだけど。それでも私は前を向いて生きていこうと決めました。今はまだ無理だけど、それでもお姉ちゃんに誇れるような、そんな人に成りたいと、思ってる。

 

貴女に救ってもらった命で、今度は私が誰かを救う。そんな存在に成りたいと思ってます。あ、そうそう!今度友達を引き連れて挨拶行くから!準備しといてね!

 

 

最後に改めて

お姉ちゃんと出会えて、一緒に過ごせて、貴女の妹でいられて

 

幸せでした。

 

本当に、ありがとう-

 

 

 

 

 

「シグナム姉さん、今日は試合を受けてくれてありがと」

 

「気にするな。お前の成長を見れるいい機会だ」

 

「むー。まるで試合には勝てるみたいな言い方だね」

 

「さあ、どうだろうな」

 

「……ま、いいけど。ハナから全力全開で……倒しに行くからね」

 

「ああ。全て受け止めてやる」

 

「もし愛弟子可愛さに手を抜いたら怒るからね?」

 

「そんなことをするように見えるのか。心外だな」

 

「いや全く思ってないけど。それでも形式ってのはあるじゃん?ほら、負けた時の言い訳にされても嫌だからね?」

 

「ふっ…今日はよく吠えるなユタ。そんなに怖いか?」

 

「怖いに決まってんじゃん。何言ってんの。シグナム姉さんの怖さなんて骨の髄まで染み込んでるよ」

 

「ならもっと染み込ませてやらないといけないな」

 

「そっちこそ、愛弟子に負けた時の言い訳、ちゃんと考えといてよ?」

 

 

 

『お二方、準備はよろしいですか?』

 

「はい」「問題ない」

 

『分かりました。それでは五分後、開始の合図をします』

 

その連絡を合図に、シグナム姉さんと握手をして規定の位置まで下がる。

 

「ユタさん、調子の程は?」

「過去1調子いいけど、それはそれとしてあの人怖すぎる。練習の時から思ってるけど、何するか分かったもんじゃない。ま、それでも…

全力を、私の全てを出し尽くしてくるよ。だからヴィヴィオちゃんも、なのはさん相手頑張ってね?」

「はい!もちろんです!」

「ユタ、遠慮は要らねえ。シグナムのやつをぶっ飛ばしてやれ」

「ヴィータさん、過去一の無理難題を言わないでくれません?頑張りますけど」

 

最後にセコンドの人達-ヴィヴィオちゃんやアインハルト、ヴィータさん、ミウラなど-から激励を貰う。

 

「よっし。行こうプライド。最大最強の壁を倒しに」

『補助はいつも通りおまかせください』

「任せた」

 

頬をペチンと叩き、気合を入れる。

 

「それじゃあ、行ってきます」

 

「「「「行ってらっしゃい!」」」」

 

 

 

 

リリカルなのはvivid クローンの生き様 終




「みなさま。私の生き様をここまで見てくださりありがとうございました」

『タイトルにある『関わってくれた全ての人』は読んでくださってる貴方様も含まれております』

「私がここまで来れたのは、紛れもなく見てくださってた皆様のおかげです。心の底から感謝を。なお私の物語の綴り手もこの後に控えておりますので、もうほんのちょっとだけお付き合いくださいね」

『余談ですが、番外編としてVSミウラ様、VSハリー選手、VSジークリンデ選手。そして…』

「シグナム姉さんとの試合も、一応予定してますよ。ですが物語の根幹部分、つまりは私の今後については殆ど動きません。やるとしてもvivid strikeの世界線の話をするかも、くらいですね」

『話が脱線してしまってますね。させたの私ですが。ではマスター、そろそろ』

「うん、そうだね」


「『ここまでお付き合いくださり有難うございました。貴方に出会えて、私たちは幸せです」』


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

作者の後書き

これにて【リリカルなのはvivid クローンの生き様】は終了になります。
もうちょびっとだけ更新はしますがね。
まず初めに。お気に入りをしてくださった150人以上の方。評価をしてくださった方、感想をくださった方。
この場を借りてお礼を。 ありがとうございます。執筆の励みになりました。

いやはや…終わったはいいもののあまり実感がなく。書きたいことは書き尽くしたなぁ、という感想しか出てきませんでした。

リメイク前はもっとガッツリ、原作にある出来事(文化祭だったりリオちゃんの実家ルーフェン道場のことなど)を書いたりしてたんですけど、今回はその部分をガッツリ省きまして

【無限書庫での出来事】と少し後日談的なものまで、という予定で書き始めてました。
理由は単純明快、リメイク前と似たような感じでなあなあにしてしまいそうだったからですね。終わらせるならピシッと終わらせようと(笑)

二次創作ではありましたが、書いていて楽しかったですね。
余談ですが、ユタの名前は『感情が豊かに』という意味を込めて『ユタ』と名付けたそうですよ(

そのほかにも何か裏話的なのがあれば番外編で書いたりしてみましょうかね。筆が乗ればな!


さて長くなりすぎるのもまだるっこいので。


ここまでお付き合い下さりありがとうございました。
皆様の暇つぶしになれたなら幸いでした。

これからも別作品の二次創作、もしくはオリジナルをちまちま書いていると思いますので見かけた際はよろしくお願い致します。

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