リリカルなのはvivid クローンの生き様   作:紀野感無

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6話 〜復帰練習3日目 リベンジ〜

スパーが始まると同時に私はアインハルトから距離を取る。眼も慣れてないのにいきなりインファイトに持ち込まれるとアインハルトの早いステップに対応しづらいから。

 

「……眼帯は取らないのですか?以前は取っていましたよね?」

 

「別に舐めプじゃないよ。ちゃんと理由はある」

 

実際のところ、とある仕掛けをしてるので視界は両目あるのと大差ない。

 

「ノーヴェさん、身体能力の補助等なら、いいんですよね?」

「ああ。問題ない」

「了解です。んじゃプライド、例のやつやろう」

『了解しました』

 

けど実際問題、私の体質的に真正面からアインハルトと殴り合うのは分が悪すぎる。

 

スピードや技術なんかは努力で積み上げれた。

 

けれど体の頑丈さなんかはどうにもならなかったのが私だった。筋力もつきにくかったし。

 

 

だから私は真正面から打ち合うことをやめた。

 

 

そりゃ徒手格闘技(ストライクアーツ)で勝ち登ることに夢みなかったのかと言われると嘘になる。

しっかし、鍛えてくれた人たちから「向いてない」って真正面から言われると流石に諦めざるを得なかったよね。

 

 

けれど、だ。

 

 

だからといって近距離格闘戦を捨てたわけじゃない。

あくまでも正面が打ち合うのを、私から攻撃を仕掛けるのをやめただけ。

 

 

「ん……オーケー。精度も良し」

 

魔力が私の左目を覆って視界が一気に開ける。

 

アインハルトは二日前の時のように独特の歩法で一瞬で距離を詰めてくる。

そして、同じように顔、腹、肩など様々な部位を狙ってラッシュをしてくる。

 

それをひたすら避ける。二回目だからかだいぶ動きはわかる。

あとは目のリハビリのおかげか、二年前くらいまでの視力に戻ってきたと思う。

 

プライドが治癒促進をしっかりと寝てる間にかけてくれたのもあったりして。

 

今回も一撃も受けないよう注意はしているが二日前にやりあった時とは一つだけ違う避け方をしていく。

 

それは

 

 

「がっ!」

 

「はい、一本。まだ終わりじゃないでしょ?」

 

前みたく避けることに全力を注ぐのではなく、あえて打ち込んでもらえるように雑な避け方に、隙が出来やすい避け方した。

 

もちろん攻撃を受けやすい避け方なのは自覚してる。

 

けど、逆に言えばそれだけ相手の攻撃を利用しやすいってことでもある。

 

今は腹めがけて強打をしてきたからそれを()()よけながら膝蹴りをアインハルトの腹にかました。

自分の筋力は正直言って中の下くらいだが、相手がこっちに向かってくる力と自分が相手に向かう力の両方を使えればかなり大きい力として使える。

それもアインハルトのような強打者ならなおさら、ね。

 

これが私がシグナム姉さん達と血反吐を吐きながら編み出した近距離戦法。

 

超超超カウンターヒッター型。

 

ヴィヴィオちゃんのように狙える場面すら自分から打ち込みに行かない。

 

決して自分からは仕掛けず、延々と避けて避けて避けて受け流して、相手の必殺の攻撃の威力を利用したカウンター。それが私の型。

 

もちろん、一歩間違えれば致命傷になるけど、それでも私はこの型を気に入ってる。

 

 

 

「よっと」

「っ!」

 

今度は蹴りをご丁寧に顔を狙ってくれたので顔をそらして避けつつその足を持って床にたたきつける。

 

「二本目。覇王サマ、もう終わり?」

 

「っ、まだです!」

 

始まった時より荒く強いラッシュが来る、がそれは愚策でしかない。いや、本人は自覚してないんだろうけど。焦ったのかな?

 

「はあっ!」

「どうしたのかな?さっきより精度が落ちてるよ?」

 

挑発をしてみるとさらに怒ったようで大ぶりの右ストレートを顔めがけて打ち込んでくる。

まあ、そんな隙だらけの威力を利用しないわけもなく

 

「ぐっ!」

「はい、三本目。そしてちょうど試合終了かな?」

 

一本目と同じように前によけながら顔にカウンターをかました。

 

「そこまで!」

 

はい、ジャスト四分。いい時間配分だったね。

アインハルトは……信じられないといった顔で倒れている。

そこに近づき耳元で周りに聞こえないくらいの声で告げる。

 

「別にショックを受ける必要はないよ。()()()()()()()()()ならアインハルトは十分すぎるほど強い」

 

ヴィヴィオちゃんに言い放っていた言葉をそのまま言ってやった。

 

自分がどんなことをしたかをしるなんて実際に身をもって体験するのが一番いい。

実際、いい具合にショックを受けている顔になっているしね。

 

「君が言った言葉がどういったものかをしっかりとその身に刻むんだね。キミがどういった思いを持っているかは知らないけど真面目な相手を侮辱するようなヒトすら受け入れられる程、私の心の器は大きくないからね。

 

……あ、そうそう。私の戦闘スタイルは魔法がメインだよ。格闘技術は弱点を補うために身に着けたに過ぎない」

『マスター、そこで更に追い打ちをかけますか…』

「うん、だってアニメの恨みと侮辱したことによる制裁も兼ねてるし」

『最初の一つがなければ立派だったんですがねぇ』

 

はっはっは。何を言っているんだねプライドさん。私が今までに立派じゃなかったことがおありだろうか。いやな『腐るほどありますからご心配なく』

コイツ後でシバク。

 

「ユタ、お前何言ったんだ?」

 

「いや別に大それたことは。ただ人に言われて嫌なことは言うなって伝えただけです」

『嘘ですよ。思いっきり心抉りにいってました。それにですねマスター。貴女、執拗にアインハルトさんの顔狙ってましたよね?』

「あ、バレた?」

『女性の顔を傷つけに行くとはゴミですね』

「いやアインハルトも遠慮なく私の顔狙ってたが?」

『マスターはいいんです』

「ドユコトだよオイ」

 

マージでこの愛機は私に対して辛辣すぎる。

 

 

その後の練習が終わり、初等科組と中等科組で分かれることとなった。私達中等科組にはスバルさん、ノーヴェさん、ティアナさんが送迎者として来てくれることに。ご飯を食べに行こうと誘われたので遠慮なく行かせてもらったのだけど、席がアインハルトの横。つまりめっちゃ気まずい。

 

 

「いやー、すごかったねえ。ユタちゃんもアインハルトもヴィヴィオちゃんも」

「そうだね。ユタになんかびっくりしたよ。ほんとに一年も現役退いてたの?」

「現役を退いてても染み付いた技術はそう簡単にはおちねえだろ」

 

と、大人三人組は感想を述べている。

母さんやシグナム姉さんと鍛え込んだあのスタイルが褒められるのはなかなか悪い気はしない。

 

「ところでさ。ユタのデバイスってなんでそんな独特なの?」

「え?これですか?」

 

ティアナさんがデバイスの形について聞いてくる。

プライドを胸元から取り出しみんなの前に見せると、やっぱり物珍しいのか皆がまじまじと見つめている。

 

『え、もしかして私人気者ですかやったー』

「だまらっしゃい。えーと、まぁ、アニメの敵キャラクターをモチーフにしてるんですよね。

 

傲慢の罪と書いてプライド。紋章の意味は確か……永遠や不老不死、再生と死、だったかな?」

 

「へー、ってことはプライド君は治癒特化、もしくは身体補助特化の性能かな?

 

「ご名答です。ティアナさん。私はクラッシュしてしまったら動きが鈍ります。さっき見てもらったのでわかると思いますが、私のスタイル上致命的になるのでクラッシュは即時回復するようにしてますね。その代わり消費魔力に結構持ってかれますけど。クラッシュの程度によってはしないこともありますが、それはプライドの采配次第です」

 

実際のところ、クラッシュを治すかどうかの判断まで頭を使えなかったからプライド任せにしたみたいな所もある。

 

にしても美味しいなここのお店。

今度この味付け試してみよう

 

 

 

 

「今日はありがとうございました」

「ありがとうございました」

 

ご飯を奢ってくださった三人にお礼をする。

 

「また明日連絡すっから」「アインハルト、何か困ったことがあればいつでもあたしたちにね」

「じゃあ、車で送ってくるから」

「うん」

 

その後はティアナさんがアインハルトを送っていった。

 

「ユタはどうするんだ?」

「このまま帰りますかねー。この後もシグナム姉さん達と特訓するので。……死なないように頑張ります」

「程々にな。体を壊したら元も子もないからな」

「わかってます。それではこの辺で。ありがとうございました。またよろしくお願いします」

「おう」

 

 

「ねーノーヴェ。アインハルトのことも心配だけどさ。ヴィヴィオ今日のことショック受けたりしてないかな?」

「そりゃまあ多少はしてんだろうけど。さっきメールが来てたよ。やっぱり私の修行仲間はそんなにヤワじゃねー。今からもう来週の練習試合を目指して特訓してるってよ」

 

 

 

 

 

 

〜八神家〜

 

「ただまー」

「おかえりー」

 

家に到着。リビングの方から母さんの気の抜けた声がする。

 

「……ん?誰の靴だろ」

 

玄関に知らない靴があった。

誰か来てるのかな?

 

「母さーん?誰か来てるの?」

 

リビングに入ると母さん、シグナム姉さん、ヴィータさん、ザフィーラ、リインさんと珍しく全員大集合してる。あ、いや。シャマル先生だけいないか。

 

その中で1人見知らぬ人が。

 

「……?母さん、とうとうこんな幼い男の子にまで手を出したの?結婚願望強いのはいいことだけど程々にしとこ?流石に犯罪だよ?」

「よーしユタ、お前覚悟せぇ」

 

 

 

 

「あ、あのー、止めなくていいんですか?」

「「「「いつものことだ(ですー)」」」」

「えぇ……」

 

 

 

「いったぃ……娘の可愛い冗談じゃんか母さん」

「それ以上言うようならお前の秘密暴露するで?」

「ほほぅ?一体どんな秘密でらっしゃるのか。こっちには秘蔵のだらしない母さんコレクションあるからね?」

「ユタ、お前が過去に書いてたラブレターなるものがうちの手にある」

「大変申し訳ございませんでした」

 

……いや待て!なんで持ってんの⁉︎

 

「どっから拾ったの⁉︎てかちゃんと隠してたはずなんだけど⁉︎」

「どこに隠すかくらいお見通しや」

「ぐぬぬ……」

 

相変わらず勝てる気がしない。

だから狸って言われるんじゃないの?

 

「それで、この子どうしたの?確か……八神道場によくいる子だよね」

 

ピンクの髪で短髪。中性的な顔立ちでおどおどしている。

見た目的に初等科5年くらいかな?

 

「あっ、はい!ミウラ・リナルディです!一年位前からここに八神道場にお世話になってます」

「あ、どうも。八神ユタです。このたぬ…じゃなくて八神はやての一人娘です。養子縁組だけどね」

「お聞きしてます!シグナムさんや師匠が鍛えてたって。インターミドルも都市本戦2位まで上り詰めれたって」

「……」

「?どうしました?」

「ミウラってさ、今、何歳?」

「12歳です」

「……マジ?」

「はい」

 

どうしよう、成長が乏しいと思われるミウラにですら(胸が)負けた。

 

「世の中不平等だ……」

『初対面の人に失礼極まりないですよ?』

 

大変申し訳ございませんでした。




「はい、で、今日のご要望はなんでしょう」

「鍋!」

「了解しました。具材は?貰い物のフグ、モツ、その他すき焼き用なんかもあるけど」

「んじゃあフグ!」

まるで子供みたいに元気に返事を返してくる母さんを横目にどれくらいの量が必要かを軽く計算する。

……まあ、多少多く作っても食べ切れるでしょう。

「そうだ忘れてた。ミウラ…さんは何かアレルギーとかあったり?」

「いえ大丈夫です!あとミウラでいいですよユタさん」
「わかった」

料理はシャマル先生直伝なのでそこいらの人よりかは上手い自信あります(ドヤ)
『ドヤ顔しなければカッコよかったですのに』
「ちょっとくらいカッコつけさせてよ」





それから1時間ちょっと。元々ダシは取ってくれておいたのでそれを使い、フグ鍋は完成した。

あ、勿論既に一般人でも扱えるまで捌かれてるフグです。
地球では高級のものという……トラフグだっけ。それのオス個体。

「母さん達お酒は?ヒレ酒やる?」

「やるー!」

「てかもう酔ってないすか?」

久しぶりの休暇だからか、もう呑んでる。
絶妙に顔が赤くなってるから多分確実。

‘「ほらほら、できたからお酒片付けて。ヴィータさんちょっとこの酔っぱらいお願いします」
「あいよ。酔ってすらないと思うけどな。酒パワーで元気にはなってるけど」
「それ世間一般では酔ってると言うんです」


ちなみに、酔っ払った母さんはすこぶるめんどくさい。


「あの……ちょ、食べにくい……」
「ええやんええやん。減るもんじゃないし」
「私が食べる分が減ってるの!」

大勢で鍋を囲うのは楽しい。
けどその分減りも早い。

追加分を念のため作っておいてよかったと思うけど、母さんが私を抱いたまま離してくれそうにない。

なお誰も助けてくれそうにない模様。

「わかってた。わかってたよ……こうなるってことくらい……いいよもう慣れたから……」
「仲良いんですね」
「違うよミウラ、おもちゃにされてるだけ」
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