リリカルなのはvivid クローンの生き様   作:紀野感無

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7話 〜合宿に誘われました〜

~八神家~

 

「死ぬかと思った……」

『マスター、ノーヴェさんからメッセージです』

「読み上げて……今動けない」

『来週、ヴィヴィオさんとアインハルトさんで改めて練習試合を執り行うので見に来ないか、だそうです』

「来週?多分大丈夫だとは思うけど、特訓の予定次第になるって返していて」

『わかりました』

 

 

 

 

「んで母さん!抱き枕にするなっての!酔い覚ましいる⁉︎」

「ええやんええやん。ほほーん、にしてもユタ」

「……何」

 

 

「あいっかわらず胸ないなぁ」

 

 

「やっかましいわ!」

 

 

「なんやぁウチのこれそんなに羨ましいんかぁ?」

 

「だまらっしゃい!羨ましいに決まってんでしょうが!じゃあ言うけどね母さん結婚相手まだなの?ねえそろそろ婚期逃すぅ!?」

 

ヤな予感がして顔を逸らした瞬間に魔力弾が飛んできた。しかも結構な高密度だから鉄みたいに硬いやつ。

 

「あっぶないな!先ケンカ売ったの母さんでしょうが!」

「だまらっしゃい!有望な相手いるくせにぃ!」

 

 

 

「あのー、これもいつも通りなんですか?」

「だな。おーいプライド。今後のユタのスケジュール見せてくれよ」

『承知しましたヴィータさん。あとミウラさん。きっとすぐ慣れますよ。多分』

「ええ……」

 

 

 

 

 

 

ーそれから1週間後ー

 

 

~ヴィヴィオとアインハルトの約束の日 アラル港湾埠頭 廃棄倉庫区画 13:20~

 

試合時間十分前に着くともう既に一週間前と同じメンバーが揃っていた。

 

「お待たせしました。アインハルト・ストラトス。参りました」

「来ていただいてありがとうございます。アインハルトさん」

 

「ここな、救助隊の訓練でも使わせてもらってる場所なんだ。廃倉庫だし許可も取ってあるから安心して全力を出していいぞ」

 

「うん、最初から全力でいきます。セイクリッド・ハート。セット・アップ!」

 

掛け声と共にヴィヴィオちゃんが大人モードとやらになる。

 

「――武装形態」

 

お、アインハルトも大人モードになった。

 

「今回も魔法は無しの格闘オンリー。一本勝負。それじゃあ試合―――開始!」

 

と、その声で二人がぶつかる。

 

「プライド〜。一応、念のため録画ヨロシク」

『分かりましたが、何故?』

「将来的なライバルになりそうな予感だから〜」

 

しばらくは睨み合って動いていなかったがとうとう動き出した。

 

「(きれいな構え。油断も甘さもない。いい師匠や仲間に囲まれて、この子はきっと格闘技を楽しんでいる。私とはきっと何もかもが違うし、覇王(わたし)(いたみ)を向けていい相手じゃない)」

 

「(すごい威圧感。いったいどれくらいどんな風に鍛えてきたんだろう。勝てるなんて思わない。だからこそ一撃ずつ伝えなきゃ。『この間はごめんなさい』と――)」

 

 

今回はアインハルトから仕掛けた。それをヴィヴィオちゃんは受け止める。がさらにアインハルトは追撃していく。

 

そんな猛攻を避けヴィヴィオちゃんは腹にカウンターをヒットさせた。

 

うん、いいカウンターヒッターだね。私とは大違い。

 

ヴィヴィオちゃんはそのまま追撃をしていき、そこからは打ち合いだった。が

 

「おお、いいカウンター」

 

ヴィヴィオちゃんが顔にきれいなカウンターをヒットさせた。

 

「(この子はどうして、こんなに一生懸命に――?師匠が組んだ試合だから?友達が見てるから?)」

 

「(大好きで大切で、守りたい人がいる。小さな私に強さと勇気を教えてくれた。世界中の誰より幸せにしてくれた。強くなるって約束した。強くなるんだ。どこまでも!)」

 

ヴィヴィオちゃん渾身の一撃がアインハルトのガードの上から入った。

 

 

「覇王 断空拳!」

 

それを受け止めたアインハルトがカウンターを入れそのまま吹っ飛ばされていた。

 

「――一本!そこまで!」

「陛下!」「ヴィヴィオっ!」

 

 

「はー、2人ともすっごい気迫だったねぇ。何考えてたんだろ」

『自分の過去とか先週のこととかじゃないですかね?』

「プライドの口からまともな発言が聞けるとは」

『喧嘩売ってます?』

 

 

ヴィヴィオちゃんは吹っ飛ばされた衝撃で気絶していて双子のうちのディードさんに膝枕されている。

 

ヴィヴィオちゃんの傍ではいろんな人が心配している。

と、突然アインハルトがふらついた。

そしてティアナさんの胸、スバルさんの胸と順番に寄り掛かった。

 

うらやま……じゃなくてけしからん。

『ヘンタイマスター通報しますよ』

ごめんなさいやめてください。

 

「ラストに一発カウンターがかすってたろ。時間差で効いてきたか」

 

ああ見間違いかと思ったけどちゃんと当たってたんだ。ヴィヴィオちゃんやるぅ。

 

 

 

 

「――で、ヴィヴィオはどうだった?」

 

ノーヴェさんがアインハルトに問う。

一拍おきアインハルトが答える。

 

「彼女には謝らないといけません。先週は失礼なことをいってしまいました。訂正しますと」

 

「そうしてやってくれ。きっと喜ぶ」

 

「ユタさんも、次は正式にリベンジさせていただきます」

「どうぞご勝手に。いつでも受けて立つよ。……あ、できれば魔法戦含めた総合格闘技の方で」

『そこで弱気になるから……』

 

こんな怪物と真正面から打ち合えるかっての。

 

 

 

(彼女たちは覇王(わたし)が会いたかった聖王女じゃない。だけど()()()はこの人たちとまた戦えたらと思っている)

「初めまして、ヴィヴィオさん。そしてユタさん。アインハルト・ストラトスです」

 

「「それ、起きてるときにいってやれよ(あげなよ)」」

 

「……恥ずかしいので嫌です。どこかゆっくり休める場所に運んであげましょう。私が背負います」

「「はい!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜2人の練習試合から2週間後〜

 

 

 

あれ?ここはどこだ。

 

私は何をしているんだろう?

 

……あ、人がいる。

 

あれは……私?それと、ジークさん?なんで……

 

 

 

(じゃあジークさんにとっては私は本気を出す価値すらない相手だったんですか!)

 

(違う!ウチはそんなこと……)

 

(ならなんで本気でやるなんて言っておいてあんな……)

 

(ユタ!よしなさい!傷口が……)

 

酷く覚えのある光景。

忘れたくても忘れられない2年前の光景。

 

 

またこれか。

 

 

ていうことは、これは……

 

 

 

 

 

 

「………夢か」

 

『マスター?酷くうなされてましたが大丈夫ですか?』

 

気づくと私はいつもの部屋のベットにいた。

 

それを見てとてつもなく安堵した。

 

「あーうん。ちょっと嫌な夢を見ただけ。……ゆりかご……戦火から……」

 

『はい?』

 

「ん?どしたの」

 

『いやいや、いまマスターが何か口走ったでしょう』

 

「私が?何も言ってないんだけど」

 

『……まあ良いです。それよりもマスター、物思いにふけっているところ悪いのですが。今日も試験では?』

「あ!そうだった!」

 

時計を見ると学校まで30分しかない。

しくじった。復習とかする時間が無い。

 

『あ、そういえばノーヴェさんと高町なのはさんからメールが来ておりますので試験後にでもご確認を』

 

「りょーかい。よし準備完了!あとはご飯食べてからダッシュするだけ!」

 

『怪我しないようお気をつけて』

 

 

 

 

 

 

〜試験終了後〜

 

「…………終わった。」

 

今日のテストは惨敗だ……。なんか夢のせいで体調悪いわ色々と忘れてるわで散々だった。

 

「こんなんだと学年主席とか取れるわけない……」

『ドンマイです、マスター。気を落とさず』

 

「あの…」

 

ん?誰だろ。声的に………

 

「ああ、()()()()。どうしたの?」

 

「え?」

『は?』

 

「ん?」

 

え、ちょ、なんでアインハルトの名前呼んだだけで2人(?)ともそんな凍りついてるの?

 

「ユタさん、今何と?」

『マスター?』

 

「え?いや、あのアインハルトって呼んだだけじゃない?」

 

「いえ、私のことをクラウスと」

『私もそう聞こえましたが?』

 

「え?私アインハルトって呼んだつもりなんだけど。え?」

 

……え?

 

「ちょ、あの、いったんこの話無し……にして欲しい。で、アインハルト。用事って?」

 

「え、あ、はい。実はお願いがありまして……」

 

「お願い?」

 

 

「私と……本気で戦ってくれませんか?」

 

 

え、はやっ。こないだのスパーで圧倒できたからしばらく来ないもんだと思ってたけど。

負けず嫌いにも程がない?

 

「あーまあ、断る理由がないけど、何処でやるの?」

「合宿先で、です」

「合宿?」

 

はて?合宿とは?

 

『マスター、メールみました?』

「あ……ちょっとアインハルト待ってて」

「はい」

 

そういやプライドから朝に言われてたような、気がする。

慌ててメールを確認すると両方とも試験後の休みをフルに使って合宿をするから参加しないか、というものだった。

 

「うーん、試験休みかぁ。行きたいのは山々だけど、シグナム姉さんたちとフルで入れてなかったっけ?」

『確か先週はそうでしたね』

 

シグナム姉さんたちが許可してくれるならいいけど。

 

「えーと、誰が来るんだろ。……うっそ何この超豪華メンバー」

 

参加予定メンバーを見るとなのはさんから始まりフェイトさんティアナさんスバルさんなどなど。

 

……あの人も来るのか。どうしようめちゃくちゃ行きたい。

 

「いや、でもなー。シグナム姉さんたちがみっちり特訓してくれるのも滅多にないしなぁ……」

『あ、噂をすればシグナムさんからです。なのはさん達から合宿について聞いた。遠慮せずに行ってこい。そしてシバかれてこい。だそうです』

「最後の一言余計だなぁ」

 

シグナム姉さんからも行ってこいと言われたので行かない理由はない。むしろ母さんから聞いていた六課の人たちと手合わせできるかもしれない。

 

そう考えるだけでワクワクが止まらなかった。

 

プライドに返信しておくように頼み、改めてアインハルトに向き直る。

 

「と、ごめんねアインハルト。で、試合だっけ?」

 

「はい。魔法を含めた全力のあなたに、どれだけ私の力を通用させれるかを知りたいんです」

 

「うーん、普通に練習試合をしたい、でいいじゃないの。練習とは言え手を抜くようには調教……じゃなくて教育はされてないから。……まあいいよ。やる時間帯とかはそっちで決めて」

 

「わかりました」

 

「あ、あともう一つ」

 

「はい?」

 

「スパーした日、私の言ったことを謝ってなかったよね。ごめん。アインハルトも真剣に努力してたのに」

 

「そのことでしたらもう気にしてませんので。こちらこそすいませんでした」

 

あー、よかった。そのことを謝る機会がなかったから心残りだったんだ。

ヴィヴィオちゃんとの再戦した日?忘れておりましたはい。

 

 

 

〜数日後 試験報告&出発日〜

 

 

「で?どうやった?試験は」

 

「最終日にやった教科以外は満点に近かったよ。赤点もなし」

 

「おお、よかったなぁ。これで思い切って合宿に行けるなぁ」

 

今は母さんの家の方で試験の報告会をやってる。このあとすぐ合宿の準備もするのだが。

 

「学年主席と都市本戦優勝とかしてくれたら私も心配せんでいいんやけどな〜」

「次こそは取るよ。次こそは……。あ、そろそろ出る準備しないと」

「りょーかいや。怪我せえへんようになー」

「わかった。行ってきます。母さん」

 






また夢を見た。 

はっきりとわかるような悪夢が。

大きな戦闘機のようなものに座って何かをしている。

周りの大人たちが何かを喋っている。けどはっきりと聞こえない。


ゆりかご、自我が無くなる、大戦を止める?

一体何を言ってるのかわからない。


大戦を止めると言うのならば、なぜ私は無表情で地上を焼き尽くしているのだろうか。

なんで、私は泣いているのだろうか。


何もわからない。
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