優斗が目を覚ますと知らない場所にいた。
「ん?何処だここ?」
そこは何処かの教室のような場所であった。
「丸亀城じゃ……ないよな」
優斗達が普段から使っている教室ではなく、そこは何処かの中学校の教室であった。
「zzz……遼東半島……」
「誰だよ、寝ながら中国の東北にある島を思い浮かべてるのは?」
声のする方向を振り向くとそこには、オレンジ色の髪をした、自分より小さな子供が腕を枕にして眠っていた。
「おい、起きろ。誰か知らんけど」
とりあえず寝ている子供を揺らして起こす。
「ん?……知らない天井だ」
「お前は、○ンジくんか!」
「ん?貴方は?」
「聞きたいのはこっちなんだが……」
(それにしてもこいつの声……何処かで聞いたことがあるような)
子供は
「そうですね、質問をするときは自分から名乗るのが、礼儀ですし、
「そうか……って男なのかよ!その見た目で!」
「その見た目って……差別ですか」
「いや、そういう意味じゃ……」
「まぁ、別に気にしてませんけど」
「そこはもうちょい気ににしろ!」
「はい、次はあなたの番ですよ」
「何か釈然としてねぇ……
「あれ、同じ苗字ですね」
「別にそこまで珍しくはないだろ。まぁ名前で呼びあえばいいしな」
「なるほど、では
「!?」
「ん、どうかしましたか?」
「いや、何でもない……よろしく頼むスズカ」
優斗はスズカに名前を呼ばれた途端に、目を見開き自分の疑問の理由がわかった。
(
その理由とはスズカの声が仲間であるひなたの声にとても似ていたからであった。ひなたと同じ呼ばれ方をされたことにより、疑問は確信へと変わった。
「ところで優斗さん、疑問があるんですけど」
「ん、何だ?」
「ここって何処ですか?」
「いや、それは俺にもわからん」
「えっ……中学生なんじゃないんですか?」
「あいにくと、この教室に見覚えはない。お前と同じだよ。目が覚めたら知らないとこにいた」
「……なるほど、私達を狙った誘拐とか?」
「それはないだろ、持ち物はそのままだしな」
そう言い、優斗はポケットの中からスマホを取り出し、スズカに示す。
「あ、本当だ私もスマホがある」
「まぁ、あっても圏外で使えないけどな。」
(勇者アプリは使えそうだけどな)
「本当ですね……あ、でも勇者アプリはつかえるかも」
「!?……勇者アプリだと!?」
「聞かれて…それより何故知って!?」
次の瞬間二人は大きく後退して、勇者へと変身していた。
「その姿は……何者だスズカ?俺の知っている勇者にお前みたいなやつはいなかった」
「貴方こそ何者ですか?……ん、【有坂優斗】って、まさか……」
するとスズカは急に考え込む。その行動に驚きはしたものの、優斗は警戒をとかない。
(
「……そうとしか考えれないか」
「よく分からないが、考え事は終わったか?」
「今からとんでもないことを言います。……信じてもらえますか?」
「……変身したり、警戒して距離を取ったりしてるのにこういうのも変だが、
「!?……フフフ、わかりました」
そうして二人は変身をとく。
「では、話させてもらいます……
「
「えぇ、そして私は有坂家の養子であり、神世紀298年、つまり貴方のいた時代から約300年後の勇者の一人【有坂涼翔】です」
「なるほどね……まじで待って!!」
「了解です」
(何だ有坂家って、初代当主?神世紀?約300年後?こんな話いきなり信じられるかよ。……でも、スズカが嘘をついてるようには見えない)
「……聞きたいことがいくつかある」
「私が知ってるのはことであれば」
「まず、有坂家ってなに?」
「あれ、知らないんですか?
(あの老人どもか……)
「……他の名家は?」
「確か……トップが乃木家と上里家からなってその下に高嶋家、土居家、伊予島家、郡家、赤嶺家、三ノ輪家、鷲尾家、それで有坂家があるって感じですね」
(若葉とひなたがトップなのか……というか知っているのもあれば知らないのもあるな)
優斗の記憶には赤嶺、三ノ輪、鷲尾の三つの苗字の知り合いはいなかった。
「ちなみにそれぞれの家の初代当主の名前とかわかるか?」
「全部は知りませんが、乃木家はたしか【乃木若葉】で上里家は【上里ひなた】だった気がします」
「若葉とひなたか」
「知り合いですか?」
「……仲間だよ……とても大切な」
「そうでしたか……」
「……でも、そうなんだな本当にお前は未来の人間なんだな」
「信じてなかったんですか」
「……いきなり、信じられるかよ」
「フフフ、それもそうですね」
(でも、そうか……俺は…俺達は終わらせられなかったんだな)
優斗達、勇者はバーテックスとの戦いを終わらせる為に戦っていた。しかし、この場に約300年ほど未来の勇者であるスズカがいる。そのことが自分達の世代で終わらせることが出来なかった何よりの証明であった。
「……ごめんな」
「ん、何がですか?」
「俺達が終わらせなきゃいけないものを未来の子供である君たちに背負わしてる」
「「………」
「【有坂家初代当主】みたいな大層な名前つけられてるけど、過酷な運命を背負わせてるだけだからな。俺は結局なんも出来てないよ」
「それは違う!!」
悲観に語る優斗の言葉をスズカは強く、そしてどこか温く否定してた。
「それは違いますよ!優斗さん」
スズカは優斗の方へと歩み寄る。
「確かに戦いは過酷です。痛いし、友達が傷付くのを見ると悲しいです。……でもそれ以上に私はそんな友達に出会えたことが嬉しいんです。……だからこんなことを言うのは変ですけど、私は皆と戦うことできてよかったです」
「……スズカ」
「そして、こんな機会があったのも、優斗さん達が守ってくれたお陰です……だから優斗さん」
「ッ!?」
【有坂涼翔】という勇者は優斗達初代勇者がバーテックスとの戦いが終わらせれなかったという証明でもあるが、同時に
「……お前、本当に小学生かよ」
「ん?優斗さん急に後ろ向かないでくださいよ、あと何か言いました?」
「何でもねぇよ」
「フフフ」
「おい、なに笑ってやがる」
「いえ、なんでも」
「あぁ、本当に調子狂う。お前本当に小学生かよ」
「フフフ、もしかしたらあなたより歳上かもしれませんよ」
「……お前が言うと嘘に聞こえねぇな」
そうして笑いあう二人。しばらくしてスズカが口を開く。
「……どうやら、もうそろそろ終わりのようですね」
「何を言っ……ッ!?」
優斗が驚きスズカの方を見ると、スズカの体が光輝いて消えそうになっていた。
「……いっちゃうのか」
「そうみたいですね」
そうしてスズカは手を差し出す。
「ありがとうございました優斗さん。短い時間でしたけど楽しかったです」
その手を優斗は強く握り返す。
「ありがとうはこっちのセリフだスズカ。……また会えるどうかは知らないけどまたな」
「えぇ……またどこかで」
そうしてスズカは鈴蘭の花弁と共に消えていった。
「……ん」
目を覚ますと自分の部屋であった。
「……珍しく、しっかり寝れた気がする」
そうして朝日を浴びるために窓を開ける。すると風によって鈴蘭の花弁が舞っていた。
「ん、この辺に鈴蘭なんて咲いてたっけ?」
今回登場した有坂涼翔くんのほうの投稿です、気になったかたは是非見てみてくださいhttps://syosetu.org/?mode=write_novel_submit_view&nid=285760
今回も投稿遅れてすみません。そして亀よりも遅い更新なのに今回も見ていただきありがとうございました。次回も見ていただけると幸いです。