有坂優斗は勇者となる   作:雪印のフラン

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どうも雪印のフランです。今回でやっとプロローグが終わりそうです。あと、今回は内容重めなので注意してください。それでは第3話どうぞ。


プロローグ3

走った。呼吸が乱れる。足が痛い。頭が痛い。目眩がする。気分が悪い。吐き気もする。それでも優斗は走らなければならない。止まってはいけない。止まってしまっては()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。両親が死んだ様子を見たわけではない…しかしわかってしまう、二人が助かるわけがないと。そんな奇跡はありえないと。…だから走る。

何処かで悲鳴が聞こえた。何処かで泣き声が聞こえた。何処かで助けを求める声が聞こえた。

…それでも彼は止まるわけには行かなかった。

そうして…彼は神社へと辿り着くのであった。神社の中には様々な人がいた。家族を失い泣く者、急にわけもわからない状況になってしまい頭を抱える者、負傷してしまい痛みに苦しむ者。状況は違えど全員が冷静ではなかった。だが、優斗はそんな人達の様子を見て()()()()()()()。別に両親の死が悲しくないわけじゃない。だが、両親の死やこの惨状を見たことにより優斗の中で()()()()()()()()()()()()。そう考えていた彼はいつの間にか御神体の方へと向かっていた。いや…向かっていたというより()()()()()()()()()、無意識で彼は御神体へと向かっていたのだ。そうして彼はそこでとある2つの古い箱を見つけた。

「何だこれ?」

それを見て、優斗は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

そうして2つの箱を開けてみるとそこには弓と刀が入っていた。どちらもボロボロであり、とても使えるようなものではなかった。そんな弓であったが、一時期とは()()()()()で弓道をやっていた彼が興味を持ってその弓を持ち上げた。

…そこからだった。

「!?」

突如として弓から激しい光が発せられ、眩しくて思わず目を瞑ってしまう。次に目を開けた瞬間、彼は驚いた。持っていた弓はさっきまで見ていた、ボロボロなものでなく、美しく丈夫な弓へと変わっていたのだ。変わっていたのは弓だけではなかった。元々黒色に赤色メッシュがかかった髪であったのだが、黒色の部分は白へ染まってメッシュの部分は青色となった。目の色も同様に赤から青色へと変わっていた。服装もさっきまで着ていた服ではなくて、白色の装飾の服へと変わっていた。

「…どういう事だ?」

この弓は一体何で、何が起きたのかそれが何一つとしてわからない。そんなことを考えていると近くから物音がした。その方向に振り向くとそこには白色の怪物が優斗の方向に近づいてきていた。カチカチと口で閉じたり開けたりして音を鳴らしている。数分前の彼なら恐怖し、絶望していただろう。しかし彼は白色の装飾を着て、弓を持っているからか冷静であった。そうして彼は左手で弓を構える。

すると右手にはさっきまでなかった筈の矢が現れる。どうやら自分の意志で矢を出せるらしい。その現れた矢を引いて白色の怪物に放つ。すると怪物と接触した矢は怪物を貫き、怪物は光のようなものを放ち消滅するのであった。

「…倒せた…のか?」

優斗自身も無意識の行動であり、自分がやったという実感がなかった。すると後ろから声が聞こえる。また怪物かと思い振り返るとそこには信じられない顔をしたこの神社神主の姿があった。

そこから優斗は、神主から話を聞いた。詳しいことはよくわからないがとりあえず自分は神様に選ばれたあの怪物を倒せる存在だということは理解した。そうして優斗は唯一人の怪物を倒せる人物として神社に避難した人々を守ったり、食料や飲料水などの生活に必要なものの補給なども行っていた。最初の方は避難した人々も協力的であり、食料などの補給などについてきてくれたりもしたのだが、途中で怪物に襲撃にあったりして、今ではもう誰もついてこずに一人で優斗が補給の補充などを近くスーパーやコンビニなどに行って行っていた。人々も時間が経つに連れて衰弱していった。衰弱していった人達は口を揃えて『()()()()』と言っていた。食料も近場で手に入れることが難しくなり、残り少ない食料を巡った争いも少なくなかった。だからといって優斗が食料の補給のために長い期間離れることとなると誰が自分達を守るのかと許可がおりることはなかった。しかしもう、争いは見たくない。そう思った優斗はとあることを計画したのであった。その日の夜、皆が寝静まった後に、彼は一人で少し遠い場所へ行って、食料を補給しに行ったのである。少し離れたところにいったお陰か大量の保存食などを手に入れることができたのだ。神社の近くに帰ってきたときはもう日が昇っていた。彼が神社の中に入るとそこには数人の大人が何かを話していた。その中には神主もいた。神主が優斗に気付き物凄い形相で近づいていき、彼の目の前に立ち、そして…彼の左頬に平手打ちをしたのであった。

「………え?」

まさか平手打ちをされるとは思わなかったので思わず固まってしまう。そこから神主に説教をされた。しかしその内容には食料を補給した優斗を褒める事などは一切無く、逆に何故自分達から離れたなど優斗を罵倒するものだけであった。その説教が終わったら、神主が無理矢理食料が入ったリュックサックやカバンを奪っていた。そうして少し辺りを見渡すと可笑しいことに気付いた。()()()()()()()()()()()()()

「…すいません」

「なんだ」

「…避難した人の数、少なくなっていませんか?」

昨日までは居たはずの人間がいなくなっているのだ。子供に至っては全員居ない。 

「…そうだろうな、殺したからな」

「え…今…何て?」

「だから、死んだんだよ、俺達が殺した」

……な…なんでそんなことを?」 

「お前も知っているだろ、今は食料不足なんだ。全員に律儀に配っていたらすぐなくなっちまう。それだったら殺した方がいいだろ。特に子供なんかはよく食う割には何もしねえ、ただうるさいだけじゃねぇか。だから殺した、あとはそれに反対した邪魔な奴ら共々な。おかげでしばらく食料は持ちそうだな。」  

信じられなかった。この人達は数日前まではこんな人達ではなかった。優斗と一緒に行動しており、戦えるとはいえ、まだ小学生である優斗を気遣っていた。なのに…今ではその姿が夢のように思えてしまう。これは悪夢であると優斗は信じたかった。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。ショックで後ずさる、すると背中が襖に当たる。思わず振り返り、襖の方を向くと少し隙間があいており、そこを覗くと、

そこには…

 

 

 

 

 

大量の死体詰まっており、その死体の一つと目があった。

 

 

 

それを見たとき、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

『お前は私と似た異常者…いや、私以上の異常者だからな、一つ忠告してやる。そのままいくとお前は壊れるぞ…最悪の形で』

いつかの伯母の忠告を思い出す。思えば…この人は気付いていたのかもしれない。いや、気付いていたからこそ俺を試していたのかもしれない。

 

 

 

 

そうして…俺は…人を………殺したのだった。後悔はある、他にもっといい方法があったのかもしれない、けど俺にはこうするしかなかった。その行動に一切の躊躇いはなかった。

 

 

「…行くか」

保存食を入れたリュックサックと未だに反応しない刀、弓……【生弓矢】を持ち、四国へと向かう。両親の話やニュースを見る限り、四国への被害はまだ少ないらしい。今はどうなっているかわからないが行く価値はあるだろう。それに彼は生きなくてはいけない()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。そのため彼は歩を進めるのであった。

 

 

 

 

悪夢は終わった…しかし現実は悪夢よりも残酷なものだった。…しかし…希望はまだある

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回からやっと乃木若葉は勇者であるの内容に入れます。
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