支配する根絶者、地球に降り立つ   作:旧シリーズからの根絶者使い

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今回はじめてのファイト描写ですが、あまり細かい描写をしていません。スキルの説明などはしていますがパワー合計やガード数値などは曖昧に表現しています。ノリと勢いだけです。


天音アリスのヴァンガード

2話

 

 

 

「負けたぁぁぁぁ!!!!」

 

「勝った……のか」

 

「クロノ、おめでと」

 

 

ティーチングファイト見事勝利したクロノだが勝者にはふさわしくないような惚け顔だ。

 

 

「なんか疲れたぁ……」

 

「いい顔してたよ」

 

「え、そんなにか?」

 

「うん。見たことないような顔してた」

 

 

普段仏頂面なことが多いクロノがヴァンガードで笑ったりしていたことがアリスにとっては意外だったらしい。

 

 

「初めてにしては良いファイトだったぜ」

 

「ありがとうございます」

 

「そういやお前、名前なんていうんだ?あ、俺は葛木カムイだ」

 

「……新導クロノ」

 

「クロノね。そっちの嬢ちゃんは?」

 

「天音アリス。クロノの妹で、一つ下」

 

「アリスちゃんね。ん?天音……?」

 

 

今更ながら自己紹介をした2人だが、カムイは兄弟という2人の苗字が違うことに疑問を感じたようだ。

 

 

「血は繋がってない。ボクが引き取られた方」

 

「あちゃー、そうだったのか。わりぃな」

 

「慣れてるから気にしてない」

 

 

中学校に入学してからも、悪名高いクロノと共にいるアリスは噂になることが多く度々その関係性を聞かれているため良い理由ではないがこういったことは慣れているのだ。

 

 

「すっげぇ!!」

 

「お前やるじゃん!!」

 

「うわっ」

 

「デッキ見せてよ!!」

 

 

誰も見たことないクランを使う少年が有名ファイターである葛木カムイを倒した、ということでギャラリーからは称賛の歓声が上がっている。その際クロノが囲まれてしまってアリスが引き離されてしまったのでカムイの近くに避難した。

 

 

「……騒がしい」

 

「こういうのあんまり得意じゃないのか?」

 

「経験が少ないだけ」

 

「なるほどなー。そういやアリスちゃんはヴァンガードしないのか?」

 

 

ふと、カムイがアリスに聞きながら視線を向けると何やら微妙な顔をしている。

 

 

「……デッキはある。ルールとやり方、デッキの回し方もわかる。でもやったことはないしファイカも持ってない」

 

「そりゃ珍しいな。ちょっとデッキ見せてくれよ」

 

「ボクのデッキか……いいけど、誰にもバラさないって約束できる?」

 

「まだファイターになってないのに身バレ対策か?こりゃ大物になるな!!おう、絶対に他の人にバラしたりしねぇよ」

 

「……じゃあ」

 

 

アリスはカバンから3つあるデッキケースの内から一つのデッキを取り出すとカムイに手渡した。

 

 

「へぇ!!リンクジョーカーか、良いクランじゃねぇ……か……根絶者!?嘘だろなんで!!」

 

(こうなるからちょっと嫌だったんだよね。しかもあの戦いに居た人間だし)

 

 

数年前、《威圧する根絶者 ヲクシズ》の独断専行によって起こされた地球での事件。軌道上の星を飲み込む遊星ブラントの標的となった地球に対してヲクシズが1人の人間を唆し根絶者の先導者として数々のクランをデリートしてきた。最終的に2人の人間に倒されることになるが、問題なのは最後の部分だ。

ヲクシズに挑んだファイターが惑星クレイの神である《ハーモニクス・メサイア》を覚醒させたのだ。これにより明確に根絶者VSメサイアの相関図が出来てしまい晴れて根絶者は惑星クレイの敵という認識が生まれてしまったのだ。その証拠に根絶者は一般発売されていない。

 

 

「アリスちゃん、なんで根絶者を持ってるんだ」

 

 

カムイの目はとても真剣でアリスに対してあまり良い感情を持っていないことが読み取れる。

 

 

「……はぁ。今の根絶者にクランをデリートする力はないから大丈夫。ファイトでデリートしても、それはそのファイトでのことで終わった後にユニットとの絆が途切れることはもうないよ」

 

「本当か?」

 

「信じられないよね。試す?ボクの話が嘘ならキミのヴァンガードとの絆が絶たれるけど」

 

「ッ!!……いいぜ、ただしお前が嘘をついていたら、俺の仲間達にも連絡させてもらう。あの事件のこと知ってるなら誰のことか分かってるよな?」

 

「……先導アイチと櫂トシキ。良いよ」

 

 

そしてアリスとカムイのファイトが決まった。

 

 

「あれ、アリスもやんのか?」

 

「うん。せっかくだし」

 

 

向かい合いデッキをシャッフルした2人はお互いにデッキを渡し相手のデッキをシャッフルし返す。場にはヴァンガードとして一枚のカードが伏せてある。

 

 

「やり方は分かってるんだよな?」

 

「うん。だから普通にやって」

 

「ああ。じゃあ先行はやるよ」

 

 

山札から5枚カードを引き好きな枚数をデッキに戻してもう一度シャッフルし引き直すことができる。アリスの手札は、

《威圧する根絶者 ヲクシズ(3)》

《心酔する根絶者 グヰム(1)》

《責苛む根絶者ゴヲト(治)》

《蹂躙する根絶者ヲルグ(☆)》2枚

 

でありトリガーユニットが偏ってしまっている。アリスはそれら3枚の交換をする事で新たに

 

《威圧する根絶者 ヲクシズ(3)》

《心酔する根絶者 グヰム(1)》

《有毒の根絶者 ヱッゾ(1)》

《慢心する根絶者 ギヲ(2)》

《並列する根絶者 ゼヰール(3)》

 

となり比較的バランスのいい手札になった。これで両者の準備が整いファイトが始まろうとしていた。

 

 

「それじゃあ行くぜ」

 

「ん……よろしく」

 

「「スタンドアップ」」「ザ」「「ヴァンガード!!」」

 

「メチャバトラー ランボール!!」

 

「享受する根絶者 ヰゴール」

 

 

2人のイメージ上ではリンクジョーカー本部付近にある荒野で向かい合っている2体のユニットがいる。ここは星輝兵とクレイのユニットとの間で起こった大戦の戦場跡地だ。

 

 

「先行ドロー、ライド・ザ・ヴァンガード。《有毒の根絶者ヱッゾ》。先駆でヰゴールを移動。これで終了」

 

V 《有毒の根絶者 ヱッゾ》

中央後列 《享受する根絶者 ヰゴール》

 

 

「宣言の時、“ザ”をつけるんだな?」

 

「私が知っているファイターはつけて言ってたから」

 

「伊吹コウジか。なるほどな……《メチャバトラー ケンドール》に俺様ライド!!スキルでランボールを左後列に移動。ファイナル・レンチを左前列にコール!!行くぜ、ランボールのブースト、ファイナルレンチでヴァンガードに攻撃!!」

 

「ノーガード、むっ……ダメージチェック。トリガーなし」

 

 

ランボールによって強化されたファイナル・レンチの一撃がヱッゾにヒット。しかしアリスは大きな反応をすることなくダメージチェックを行った。

 

 

「(イメージが足りてない?いや、イメージしても痛くねぇってか!!)続けてケンドールでヴァンガードにアタック。ドライブチェック、いっけぇ!!」

 

「ノーガード、ダメージチェック……ドロートリガー。一枚引いてパワーはヴァンガードに」

 

 

ケンドールの持つ剣がヱッゾを一閃、しかし不幸中の幸いでドロートリガーを引き当てた。

 

左前列ファイナル・レンチ Vケンドール

 

左後列ランボール 

 

 

「ターン終了だ」

 

「ボクのターン、ドロー。《慢心する根絶者 ギヲ》にライド。追撃する根絶者 ヱゴットをコール。ギヲでヴァンガードにアタック」

 

「ノーガードだ」

 

「ドライブチェック、ゲット、クリティカルトリガー。クリティカルはヴァンガードに、パワーはヱゴットに」

 

「ぐわぁ!!」

 

 

クリティカルが乗り2ダメージを与えたアリス。カムイは大きくのけぞったがクリティカルトリガーが一枚出たのみだ。

 

 

「続けてヱゴットでヴァンガードに攻撃。スキルで根絶者を含むヴァンガードがいるのでパワープラス3000。合計18000」

 

「俺様ガード!!」

 

 

スタンドトリガーでガードされたがアリスは表情を変えることなくターンを終了した。

 

左前列ヱゴット Vギヲ

        中央後列ヰゴール

 

 

「俺のターンドロー!!《メチャバトラー ケンビーム》に俺様ライド!!右前列にホワイトモンクをコール!!右後列にエナジーガールをコール!!」

 

「……展開してきた」

 

「ランボールのブースト、ファイナルレンチでヴァンガードにアタック!!」

 

「ガード」

 

「ホワイトモンクでリアガードにアタック!!」

 

「ノーガード」

 

 

ヱゴットが退却しドロップゾーンに送られるが、その瞬間ヱゴットがアリス……いやライドしているギヲに会釈をし退却した。

 

 

(ありがとうヱゴット。ボクの大事な民)

 

 

「ケンビームでヴァンガードにアタック!!ドライブチェック、うしっ!!スタンドトリガー!!効果は全てホワイトモンクに!!」

 

「ッ!!(エナジーガールでブーストせずヱゴットに攻撃してきたのはこのため……?)ダメージチェック、ゲット、ヒールトリガー!!パワーはヴァンガードに」

 

「やるな。エナジーガールのブースト、ホワイトモンクでヴァンガードにアタック!!」

 

「ノーガード」

 

「ターン終了だ」

 

 

左前列ファイナルレンチ Vケンビーム 右前列ホワイトモンク

左後列ランボール    中央後列無  右前列エナジーガール

 

 

「ボクのターン、ドロー。行くよ」

 

「ッ、来る!!」

 

 

刹那、アリスの纏う雰囲気が変わる。無表情で何も感じないようなものから一変、空気がひりつくような、威圧感のあるオーラがアリスから溢れ出す。

 

 

「蹂躙せよ、消去せよ。我らは侵略者にあらず、根絶者である!!ライド・ザ・ヴァンガード!!《威圧する根絶者 ヲクシズ》!!」

 

「あの時の伊吹のヴァンガード……!!」

 

「マヱストルをコールしヲクシズのスキルを発動。ダメージゾーンから3枚をカウンターブラスト、そして今コールしたマヱストルを退却」

 

「あのスキルは!?やべぇ!!」

 

 

ヲクシズのスキルをその身で受けたことのあるカムイはあの日のトラウマが蘇る。ユニットとの絆が絶たれカードが使えなくなったあの日が。

 

 

「戦う力を持たない矮小な霊体に帰って。デリート!!」

 

「やっぱり!!ケンビーム!?」

 

 

ヲクシズから放たれた黒い波動がケンビームに命中。ケンビームはロボットでありながらもがき苦しむような動作をした後その体を黒く染め、コックピットのカムイを残して消え去った。

 

 

「デリート……?」

 

「ボクの根絶者だけが持つ特殊なスキル。相手のヴァンガードを裏返す事で、ヴァンガードのスキルとパワーを消し去る。ソウルとグレード、名前はそのまま残るけどね。ヲクシズにパワープラス10000」

 

「へー」

 

『我らのデリートを、へー、だと!?』

 

(自分で受けたわけじゃないから仕方ないよヲクシズ)

 

 

実際にヲクシズがそう口にしたわけではないが、ヲクシズの性格をよく知るアリスだからこそそう言っている姿がイメージできる。クロノはよく分かっていないようだが、今日初めてヴァンガードをやった彼に固有名称のスキルなどはまだ早い。

 

 

「いいや、クロノ。これ結構やべぇんだからな!!パワーが0になるってことはそれだけガードする時に必要な手札が多くなるってことだ」

 

「なるほど!!すげぇなアリス」

 

「でしょ。ちなみにライドしたら戻るよ」

 

(まあ、ヲクシズはそれすら威圧するけどね)

 

 

「相手のヴァンガードがデリートしたことでヰゴールのスキル発動。ヰゴールをソウルに送ることでカウンターチャージと一枚ドロー。左前列に並列する根絶者ゼヰールをコール。右前列に並列する根絶者ゲヰールをコール、登場時能力で前列のホワイトモンクを呪縛」

 

「うげっ、呪縛だと!?」

 

 

呪縛とは、カタカナでロックと読み、デリートとは異なりリアガードに対してのスキルだ。呪縛されたユニットは裏向きでそのサークルに置かれいない者として扱われる。前列のユニットがロックされてしまえばそのサークルからはアタックが出来なくなる。

 

 

「右後列に喰い千切る根絶者ギヰバをコール。ギヰバのブースト、ゲヰールでヴァンガードにアタック」

 

「ノーガード!!ダメージチェック……!!ゲット、クリティカルトリガー、パワーはヴァンガードに」

 

「ギヰバのスキル発動、ギヰバを山札の上に戻すことで1枚カウンターチャージと相手のドロップゾーンから一枚裏でバインド……いやバニッシュデリート!!その後デッキをシャッフル」

 

「はぁ!?聞いたことねぇよそんな能力!!」

 

 

バニッシュデリート、相手のドロップゾーンのカードを裏向きでバインドする能力だ。解除する方法はなく今のところただ相手の合計デッキ枚数が減るだけのスキルだが、その真価はまた別の機会に発揮される。一応、双闘をする際に必要となるドロップゾーンのカードの枚数を減らすという活用の仕方がある。

カムイのドロップゾーンから一枚のカードが浮かび上がり、裏向きの状態で牢屋の格子に閉ざされた。

 

 

「負けたから成長して帰ってきた」

 

「それっぽいこと言うなよ!?」

 

「続けてヲクシズでヴァンガードにアタック。パワー21000」

 

「くっ、完全ガード!!」

 

「ツインドライブ、トリガー無し……ゲットクリティカルトリガー、効果は全てゼヰールに」

 

(お帰りギヰバ。何度もお勤めご苦労様)

 

 

スキルで山札に戻したギヰバをそのままトリガーで引いてきたかのようなアリスは、何度も使いまわしているような気がして思わず心の中で労った。

 

 

「ゼヰールでヴァンガードにアタック」

 

「ノーガードだ。うわぁ!?」

 

 

ゼヰールの触手がクリティカルトリガーにより肥大化し一つの塊となって霊体だけのカムイを横薙ぎした。

 

 

左前列ゼヰール Vヲクシズ 右前列ゲヰール

 

 

「へへっ、良い攻撃だな。俺のターン、スタンド&ドロー!!」

 

「ヲクシズのスキル発動」

 

「このタイミングでだと」

 

「相手のライドフェイズ開始時、ヴァンガードがデリートされているなら、手札を一枚捨てないとライドできないよ」

 

「なにぃ!?仕方ねぇ、メチャバトラー ガンゾックを捨てて《メチャバトラー ビクトール》に俺様ライド!!手札が痛いけど仕方ねぇ、ジェネレーションゾーン解放!!今こそ示せ、我が真に望む未来を!!ストライド・ジェネレーション!!」

 

「ッッッ!!ノヴァグラップラーのGユニット……」

 

 

手札から合計グレードが3以上になるように破棄することで解放される未来への扉。超越と呼ばれるその力はあり得たかもしれない未来をその身に映し出す奥義のようなものだ。

 

 

「《メテオカイザー ビクト・テン》!!」

 

 

元々ユニットの中では巨体な方のヲクシズを悠に超える鋼のボディはGユニットとしての威厳を存分に醸し出していた。

 

 

「エナジーガールのブースト、ホワイトモンクでヴァンガードにアタック!!」

 

「ノーガード、トリガー無し」

 

「ビクト・テンでヴァンガードにアタックだ!!」

 

「完全ガード」

 

「トリプルドライブチェック……ダブルスタンドトリガー!!ホワイトモンクとエナジーガールをスタンド、パワーは全てホワイトモンクに」

 

「……」

 

「ノヴァグラップラーの連続攻撃にビビっちまったか?まだまだいくぜ、ホワイトモンクでヴァンガードを攻撃!!」

 

「ガード、インターセプト」

 

「エナジーガールのスキルでホワイトモンクをスタンド、もう一度アタックだ!!」

 

「ノーガード」

 

 

左前列ファイナルレンチ Vビクトール 右前列ホワイトモンク

左後列ランボール    

 

 

ダメージ5、後1ダメージでアリスの敗北というところまで押し込まれてしまった。

 

 

「ターン終了時に呪縛は解除だ(そういや本当にデリートされても大丈夫だったな……?)」

 

「ボクのターン、スタンド&ドロー。残念だけど、このデッキには根絶者のGユニットは入ってない」

 

()()()()()()()……?他のがあるのか」

 

「ボクはまだ根絶者のデッキを2つ持ってる。このデッキだとちょっと使いづらいから」

 

「Gユニットを使いづらいとかで入れないやつ、初めて見たぜ」

 

「良いことを教えてあげる。悪いことというのは重なるものなんだよ。ボク達の前ではね。ライド・ザ・ヴァンガード!!《並列する根絶者 ゼヰール》!!シークメイト!!」

 

 

ドロップゾーンのカード4枚を山札に戻すことでレギオンメイトを呼び出す能力。そして呼び出されたユニットはヴァンガードの隣へと並び新たな力を得る。

 

 

「仲間を呼ぶのは正義だけじゃない。並び立ち更なる力で敵を根絶せよ……レギオン!!」

 

「根絶者にもレギオン持ちが居たのかよ……!?」

 

「コストを支払ってヴァンガードをデリート!!さらに前列のホワイト・モンクと後列のランボールを呪縛、ゲヰールのスキルでファイナル・レンチを再び呪縛!!」

 

「一気に3体も!?しかもデリートまで……!!」

 

「ヱッゾとガノヱクをコール。ガノヱクのスキルでソウルブラストの後一枚引く。バトルフェイズ」

 

「ッ!!」

 

 

わざわざバトルフェイズを宣言するとカムイはより一層気を引き締めた。

 

 

「ヱッゾのブースト、ゼヰールでアタック」

 

「ガード!!」

 

「ヴァンガードでビクトールにアタック」

 

「完全ガード」

 

「ドライブチェック……キミがめくって」

 

「は?何言って……ッ」

 

 

常識外の一言にカムイが一瞬固まるがアリスの真剣な瞳に一瞬たじろいだ。

 

 

「ダブルクリティカルだから。不正なんてしてないし」

 

 

そういうとアリスは手札を置き、手を完全に離した。

 

 

「なんだと……ッ!!(今の手札じゃ、デリートでパワー0でしかもダブルトリガーはガードしきれねぇ!!)……おもしれぇ!!ドライブチェック、クリティカルトリガー!!」

 

 

カムイはアリスのデッキからドライブチェックを行う。

 

 

「効果は全てゲヰールに」

 

「セカンドチェック……なっ!!クリティカルトリガー!?」

 

「同じくゲヰールに」

 

 

ダブルクリティカルによってパワーとクリティカルの上がったゲヰールの触手が蠢いている。しかし少し不機嫌そうである。

 

(ごめんねゲヰール。今度はちゃんとボクがトリガーを引いてあげるから)

 

 

「キミの手札は今までのドライブチェックで出たカードしか残ってない。いくら手札が多くてもそれじゃ意味がない」

 

「なにっ……た、たしかに。だけどダブルクリティカルなんか出るか分かんねえだろ!?」

 

「ボクの為に決められた運命すら根絶し新たな可能性を塗りつぶす。それがボク達、根絶者だ」

 

「……ふっ、お前強いな」

 

「ん……久しぶりに楽しかった」

 

「ノーガードだぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 

デリートされカムイの形をした霊体に向けて容赦なく、ゲヰールの一撃が振り下ろされた。

 

 

「デリートエンド。ボクの勝ち」

 

 

ダメージ6、アリスの勝利だ。

 

 

「「「「「「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」」」」」」

 

「なんだあのチビっ子、カムイさんに勝ちやがった!?」

 

「あのデッキってガチデッキだろ!?すっげぇ!!」

 

「あっ、おいお前アリスにそれは……いでっ!?」

 

 

クロノの時よりもさらに大きな歓声が店を包んだ。今度はアリスを囲うように人だかりができた。クロノは何か言いかけたが誰かの方に当たり集団から弾かれたようだ。

 

 

バンッ!!!!

 

 

テーブルを叩いたような大きな音が鳴るがその発生源はアリス。手を叩いただけだが急な音に全員が黙りアリスを見た。

 

 

「今、チビって言った奴……ダレ?」

 

「「「「「「ッ!!!!!!!」」」」」」

 

「あっちゃー……俺しーらね」

 

 

ファイト中でもないのに嫌なイメージがよぎった彼らは一瞬で言った人物を指差して裏切った。

 

 

「お前ら!?」

 

「へぇ……ふーん……ねぇ、ファイトしようよ」

 

「え……いや、あの」

 

「返事は?」

 

「はい!!誠心誠意やらせていただきます!!」

 

 

〜1戦目〜

 

 

「ヲクシズでヴァンガードにアタック!!ダブルクリティカル!!」

 

「いやそれは運良す…ぎゃぁぁぁぁ!!」

 

 

〜2戦目〜

 

「ボクはチビじゃない!!レギオン!!」

 

「V字ロックはほんとにダメ…あぁぁぁぁ!!!!」

 

 

〜3戦目〜

 

「復唱!!」

 

「アリスさんはチビじゃないでsぐっはぁぁ!?」

 

((((((もうやめたげてよぉ!!!!))))))

 

 

 

 

 

「なぁ……アリスちゃんて……」

 

「見た目で馬鹿にされると、マジで手がつけられねぇんすよ。学校ではアリスの前で言わないってのが暗黙の了解です」

 

「へー……え、アリスちゃんってまだ1年生だよな?」

 

「はい」

 

「どれくらいの奴が知ってんだ?」

 

「教員を含めた学校の全員っすね。こないだ3年の男子がひでぇ目に遭ってました。カムイさんも気をつけてくださいね」

 

「…………あぁ(なんだろう、さっきまでめっちゃシリアスな話してたはずなんだけど)」

 

 

 

「ボクの身長がなんだって?」

 

「アリスさんは身長が高くて美人でめっちゃ良い人ですぅ!!」

 

「身長が高いはただのウソじゃん……アタック」

 

「じゃあどう言えば…おぼぉ!?」

 

((((((理不尽だ………))))))

 

 

彼は犠牲となったのだ。幾度となく叩きのめされ、教育という名の一方的なアタックがそれを見ているファイター達の心に、この人には逆らったらいけない、という意識を思い起こさせたのだった。

 

 

「次同じこと言ったらもれなくデリートする」

 

「「「「「「はい!!すいませんでした姉御/アリスさん!!!!」」」」」」

 

 

「そんでもってあんな風に上下関係を分からせてるんで気がついたら俺は学校でアレの兄貴って事で余計にビビられてます。ただでさえ目つきで怖がられてんのに」

 

「そ、そっか。お前も苦労してんだな……(聞かなきゃよかった)」

 

「なので今日はおやつ抜きです。これが1番アイツに効きます」

 

「へー(やっぱり精神的にもチb…………いやなんでもねぇ)」

 

 

それから数分後、真っ白に燃え尽きた対戦相手を一瞥するとクロノの元にアリスが帰ってきた。

 

 

「…………クロノ、帰ろ」

 

「満足したかバカ」

 

「ん」

 

「今日は叔母さんも帰って来ないからな。夜ふかしするんじゃねえぞ」

 

「分かってる。ちょっと熱くなりすぎただけ」

 

「……ホントかよ?」

 

 

(ヲクシズを使って負けたとか土産話にもならないから本当に良かった……思わず強引にギヰバ呼んじゃったし……カムイって人、ホントなら絶対負けてた)

 

 

内心、冷や汗だったアリスだが咄嗟の機転で見事威厳を保つことには成功したらしい。その後の行動でカムイから少し残念な子だと思われているがそんなこと知らないアリスの中では全て問題ないのだ。

 

そしてカムイに軽く挨拶をし2人は帰路に着いた。

 

 

「あっ」

 

「……どうしたの?」

 

「結局このデッキについてなんにも聞けてねぇ」

 

「明日また行けばいいよ」

 

「……確かにな」

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