支配する根絶者、地球に降り立つ   作:旧シリーズからの根絶者使い

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戸倉ミサキ

3話

 

 

「おはよ」

 

「…………おう、おはようアリス。平日だってのに相変わらず早いな」

 

「目が覚めるからね。今日は放課後どうするの?」

 

 

翌日、朝食の準備をしていたアリスは後から起きてきたクロノに挨拶をした。

 

 

「あー……特にすることもねぇしなぁ」

 

 

半分寝ぼけながらもいすに座ってテレビをつけたクロノ。しかしすぐテレビに意識を集中させた。ヴァンガード関連のニュースをしているためだ。

 

 

「できたよクロノ。何見てるの……ヴァンガードか」

 

「今までニュースとかで流れてきても耳に入らなかったんだけどさ。ありがとうアリス。いただきます」

 

「どういたしまして。いただきます」

 

 

2人分の朝食をお盆に乗せテーブルまで運んできたアリスはそのまま椅子に座り、2人は食事を始めた。

 

 

「もう一回行ってみたら?カードキャピタルに」

 

「……ありだなそれ。アリスも行くか?昨日楽しそうにファイトしてたしよ。ああいや、用事があるんだったらいいけど」

 

「ない」

 

「だろうな。いつも日の当たる場所で寝っ転がってるだけだし。猫みたいに」

 

「猫じゃないもん。お日様が心地良すぎるのが悪い」

 

「はいはい」

 

「むぅ……」

 

 

アリスは軽くあしらわれて少し不機嫌そうにパンに齧りつくが美味しさですぐに表情が戻る。

 

 

「今日のは良い出来。クロノには負けるけど」

 

「いや朝食でここまで手の込んだ奴作るならアリスの方がすげぇよ」

 

 

本日のメニューはコーンスープに野菜サラダ、食パンの中心を四角形に切り抜きベーコンエッグを入れて蓋をしたエッグトーストと手の込んだ朝食だ。

 

 

「せっかくなら美味しい物食べたい」

 

「だよな。これで一人暮らしなんかし始めたら味気ない生活になりそうだ」

 

「いつも自立したいって言ってるのに」

 

「飯の話だよ」

 

「作れるくせに……」

 

 

なんとも生活力の高い話だが保護者である新導クロノの叔母、新導ミクルが自営業で家を空けることが多くできることは自分達でやってきた為2人は大抵のことはできる。

 

 

「ボクのデッキ……登録できるのかな」

 

 

根絶者。一般には出回ってないカードであるが以前に伊吹コウジがファイトテーブルで使用できていた事実がある。恐らく大丈夫だろうが、それはつまり根絶者を知っている人間が事件関係者以外にいるという証拠でもある。

 

 

「それを言ったら俺のデッキもだぜアリス」

 

「ギアクロニクル……本当に聞いたことがないクラン(惑星クレイにもそんなクランが居たなんて知らなかった。しかもダークゾーンだとはねぇ……)」

 

 

クロノは懐からデッキを取り出す。生の状態で出てきた為、急いでアリスがデッキケースを渡した。

 

 

「んじゃ、学校行くか」

 

「ん……店までの道わかる?」

 

「お前じゃねえんだから大丈夫だよ」

 

「ボクはそもそも行き先を決めないから迷子じゃない。それにちゃんと家には帰れてる」

 

「余計にダメだろ……(帰巣本能みてぇだな)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いつも通り学校に行き放課後になった。一度家に戻り私服に着替えてから昨日と同じようにカードキャピタルに到着した2人は一度話したことでもう一度話しかけやすいカムイを探そうということになり揃って店に入った。

 

 

「ヴァンガードを知った後だと、ショーケースのカードも違って見えるな」

 

「……」

 

 

クロノは昨日と打って変わって陳列されているカードを興味深そうに眺めている。アリスは惑星クレイのユニットに思うところがあるのか少し微妙そうな顔をしている。

 

 

「何かお探しですか?……もしかして君達が新導クロノ君と天音アリスちゃん?」

 

「ん」

 

「おっ、今日も来たな2人とも」

 

 

声をかけられ振り向いた2人の前にいたのは新田シン。カードキャピタル2号店の店長だ。

 

 

「この人が一応ここの店長のシンさんだ」

 

「どうもっす」

 

「……よろしく」

 

「ちょっとカムイ君。一応って何ですか…」

 

 

軽く自己紹介をした後カムイはクロノと、アリスはシンとテーブルを挟んで話をし始めた。

 

 

「昨日、ボク達を見てた誰か……貴方?」

 

「……気づかれていましたか。すいません、覗くような真似をして」

 

「別にいい。危害を加えるつもりがなかったのは分かってたから。ねぇ、ボクはファイカに登録していいの?」

 

「もちろんですよ。どうしてです?」

 

「メサイアスクランブルの黒幕の関係者だから」

 

「ッ!?」

 

 

アリスの衝撃の告白にシンの眼鏡がズレた。そのまま静寂が続いた後、眼鏡を直したシンは気を取り直して言葉を続けた。

 

 

「それを隠さずこうして言ってくる時点で大丈夫ですよ。カムイ君だって昨日のファイトで君の事は認めてるはずですから」

 

「ふーん……」

 

 

シンはクロノと話しているカムイを見ながらアリスにそう言った。

 

 

「さてと、私は仕事がありますからこの辺で……ヴァンガード、楽しんでくださいね」

 

「……聞かないの?詳しい事」

 

「それは私の仕事じゃありませんからね」

 

「人間は呑気でいいね」

 

「ッ……なるほど。いえ、ではごゆっくり」

 

 

一瞬、素を出したアリスのわざと聞かせるような言葉にシンは一瞬反応し、理解したように眼鏡を直すとダンボールを抱えて店の奥に引っ込んでいった。

 

 

「さてと……」

 

 

改めてクロノとカムイの方を向けば、見知らぬ3人が絡んでいた。

 

 

「クロノ、ファイカの登録しよ……誰?」

 

「左から多度ツネト、山路カル、長良ケイだ。ヴァンガードでトリニティドラゴンっていうチーム組んでるんだよ」

 

「あー!!カムイさん、自己紹介くらいさせてくださいよ!!」

 

「アレを日に2回は腹筋が死んじまうよ」

 

 

アレ……?とアリスは首を傾げるが、クロノは気にすんなと話を逸らした。どうやらクロノの中でよほど変な物を見たらしい。

 

 

「ま、まあ気を取り直して……見ろよこれ」

 

 

そう言うとカムイは四角いケースのようなものを2つアリス達の前に用意した。

 

 

「おお、ファイカだ」

 

「ファイカ……?」

 

「ええー、そんなことも知らないのぉ……おう!?」

 

「クロノをバカにしないで」

 

 

クロノを小バカにしたツネトへの強烈な拳が炸裂した。

 

 

「わ、わりぃ……」

 

 

トリニティドラゴンの3人は見た目から考えられないアリスの行動に内心ビビりアリスの前ではクロノはいじらないでおこうと心に決めた。

 

 

「お前ら初心者相手にあんま煽んなよ」

 

「初心者だからって甘かやすのは良くないと思いまーす!!」

 

「どうでもいい……カムイ、早く」

 

「(呼び捨て!?)お、おう」

 

 

カムイはアリスの態度に一瞬驚くが気にせず話し始めた。

 

 

「これはファイターズカード、通称ファイカだ。ヴァンガード普及協会が発行してるファイターの証みたいなもんだ」

 

「普及協会……」

 

「今朝ニュースで見たやつ」

 

「ああ!!あれか」

 

 

ヴァンガード普及協会、通称FIVA。ヴァンガードファイターを色々な形でサポートする組織だ。

 

 

「普及協会が出すクエストを受けるとポイントがもらえる。それが一定以上貯まるとファイターズグレードが上がっていくんだ。グレードが上がれば色々な特典があるし大会への参加資格が得られる。ファイカには自分の情報や戦績、受けたクエストなんかが記録される。最初は0からだから白だな」

 

「カムイさんは?」

 

「俺のはちょっと特別だからな……」

 

 

カムイが取り出したファイカは黒色。詳しくない2人から見てもそれは特別な物だとわかる。

 

 

「カムイ君は何気にトップレベルのファイターですからね」

 

「へぇ……でも昨日、アリス勝ってたよな?」

 

「運が良かったのと、カムイが初心者相手だから油断してた」

 

「んなっ、アレは紛れもなく本気で……ッ、いやまあ大人げねぇかなって思ってさ」

 

「さすがカムイさん!!」

 

 

トリニティドラゴンとクロノは気づいていないが、本気でやって負けた事を話そうとするカムイにアリスが雰囲気と目線で圧力をかけた。余程アリスは目立ちたくないようだ。

 

 

「つ、次はクエストボードの説明だな。こっちだ」

 

 

2人はカムイの案内で液晶の前に行った。カムイが手元のタッチパネルを操作しながら詳しく説明する。

 

 

「このパネルで操作をしてまずは地域を選ぶ。グレードアップのためにクエストをクリアしてポイントを貯めればいい。普及協会から出される公式クエストと、一般人が出したユーザークエストがある。クエストの何度によってもらえるポイントの数も変わってくる。決まったらファイカでタッチしてクエスト登録完了だ」

 

「じゃあ……これだ。っておい!?」

 

 

クロノがクエストを選び受領しようとした瞬間に横から割り込んできたツネトによってクエストが取られてしまった。

 

 

「おいおいお前ら……いい加減にしろよ」

 

「すいませんカムイさん。でも俺らもグレードを上げたいんで。トリニティドラゴン出撃!!」

 

「…帰ってきたら容赦しない」

 

「いいよ別に……カムイさん。同じのって受けられないんですか?」

 

「できるぞ。先にクエストを完了させた方がポイントをもらえる」

 

「じゃあもちろんやるぜ!!」

 

 

クロノはツネトと同じようにファイカをタッチするとクエストを登録。やる気は十分なようだ。

 

 

「んじゃ行くか」

 

「え、でもバイトはいいんすか」

 

「初心者を手助けするのも仕事のうちってな。アリスちゃんはどうする?」

 

「今はいい。自分で探す」

 

「じゃあアリス。終わったらここ集合にしようぜ」

 

「うん。行ってらっしゃい」

 

 

制服に着替えたカムイの先導でクロノが店を出て行った。

 

 

「……シンさん。クエスト発注してほしい」

 

「クエストを……ですか?」

 

 

カムイが居なくなって頭を抱えるシンに対して、アリスが問いかけた。

 

 

「人手が足りないから手伝いを募集しています。っていうクエスト」

 

「いいんですか!?」

 

「win-winの関係。クエストだから労基にも引っかからない」

 

「じゃあお願いしましょうか。そんなに難しい事はやらなくて大丈夫ですので」

 

 

シンはそう言うと端末を操作、手短にクエストを発注するとアリスはすぐにファイカをタッチしてクエストを受領した。

 

 

「2人とも最初のクエストに人助けを選びましたか」

 

「クロノは元々優しい。ボクは打算だよ?」

 

「人助けには変わりありませんよ。あ、これ制服です。アリスちゃんに合うサイズがちょっと難しいので少し大きいですが……」

 

「ボクからお願いしたから気にしない」

 

 

アリスはシンから渡されたエプロンのような制服を身につけると、荷物を置いてきた。

 

 

「力には自信がある。この通り」

 

「おお!!さすが……と言わざるを得ないですね」

 

 

アリスは床に置いてある中身の入ったダンボールを片手で持ち上げるとその上にもう一つ積んだ。ユニットとして人間の体を創った時に少し調節を間違えたらしい。

 

 

「じゃあこれらを倉庫に運んで……倉庫からこのリストのカードを出してきてください」

 

「わかった」

 

「お願いしますね」

 

 

それからアリスはシンの言う通りダンボールを運んだり、来店した子供にヴァンガードのアドバイス、喧嘩の仲裁やショーケースと窓の掃除などしっかりクエストをこなしていった。

 

 

(カムイ君並にしっかり働いてくれますね……将来有望です)

 

 

一方シンはアリスが高校生になったらバイトとして雇うことも選択肢に入れるのだった。3年後と言う長い時間ではあるが。

 

 

 

 

 

 

 

 

夕方、ひと通り客が帰った後シンからクエスト完了のサインを貰ったアリスは内心ウキウキでクロノの帰りを待っていた。

 

 

「シンさん、調子はどう……ってあら?」

 

「ん?」

 

 

椅子に座って待っていると店の扉が開き女性が入ってきた。

 

 

「戸倉ミサキ……確かヲクシズがデリートした1人」

 

「店長いる?」

 

「えっと……倉庫の方に」

 

「ありがとう」

 

 

アリスのことを訝しげに見ていたミサキはアリスに軽く礼を言うとカウンターを通って店の倉庫へと入っていった。店の関係者なのだろうか?

 

 

「……あっ、制服着たままだった」

 

 

ミサキから注目を浴びていたのはそう言うことだ。店の関係者なら見知らぬ人物が制服を着ているのは怪しい。それから数分経つとミサキは倉庫から出てきた。

 

 

「天音アリスちゃんであってる?」

 

「ん」

 

「そう……店の手伝いしてくれてありがとね。本当はカムイのバカがやらないといけないのに」

 

「クエスト達成のポイント、色つけてくれたからいい」

 

「あら、結構もらってるね」

 

 

アリスがミサキに見せたファイカにはグレード1になりその3分の1程度まで貯まっていた。

 

 

「それに、なかなか楽しい体験だった。カムイが逃げたらまたやりたい」

 

「(逃げた、って言っちゃうんだ)ねぇ、時間ある?」

 

「クロノ……カムイが手伝ってる新人が帰ってくるまでなら」

 

「そう……ファイトしない?シンさんが強いって言ってたから少し気になっちゃって。どうせならクエストって形でも」

 

「…………いいよ。クエストじゃなくても、断る理由もないし……チームQ4の実力。知りたかった」

 

「あら、私の事知ってたんだ」

 

 

アリスは内心余計なことを、と思いながらも仕方なくファイトを了承した。

 

 

「……名前聞いてもいい?」

 

「知ってるのに?」

 

「人間同士のコミュニケーションには挨拶と自己紹介が大事だって教わった」

 

「なるほど……じゃあ改めて戸倉ミサキよ。カードキャピタル1号店と2号店のオーナーをやってるの。よろしくね」

 

「よろしくお願いします」

 

 

思ったより偉い立場で少し言葉が固くなってしまったアリスだがその足は素直にファイトテーブルに向かっていった。

 

 

「ステージの希望はある?」

 

「どこでもいい」

 

「そう……じゃあ、オラクルシンクタンクの神殿にするわ」

 

 

ステージ選択が終わり2人はファーストヴァンガードをセット、デッキをシャッフルして手札の入れ替えまで終わらせた。

 

 

「「スタンドアップ」」「ザ」「「ヴァンガード!!」」

 

「《神鷹 一拍子》!!」

 

「《享受する根絶者 ヰゴール》」

 

「根絶者!?そのデッキは……まさか!!」

 

 

やっぱりか、アリスはそんなことを思いながらもカムイの時と同じように説明を始めた。

 

 

「今の根絶者にクランをデリートする力はない。カムイで試した」

 

「…………メサイアスクランブルのこと、知ってるの?」

 

「ヲクシズのバカが本当に迷惑をかけてごめんなさい」

 

 

アリスは手札をテーブルに置き、しっかり腰を折って謝罪した。ヲクシズがミサキに勝利しオラクルシンクタンクをデリートしたことがある。そのためだ。

 

 

「シンさんがファイトしてみたらって言ったのはこういうことね……まあ、カムイもシンさんもあんたのことを認めてるみたいだし深くは聞かないよ。一拍子のスキル、山札の上から《三日月の女神 ツクヨミ》を探しライド。ターン終了」

 

「ボクのターン、ドロー。《有毒の根絶者 ヱッゾ》にライド。先駆でヰゴールを後列に移動。そのままブーストしてアタック」

 

「ノーガード」

 

「ドライブチェック、ドロートリガー」

 

 

Vヱッゾ

中央後列ヰゴール

 

 

サソリの姿をしているヱッゾの尾がツクヨミにヒットした。

 

 

「私のターン、ツクヨミのスキルで5枚見て《半月の女神 ツクヨミ》を探してライド。スキルで2枚ソウルチャージ。神宮衛士ツナガイをコール。ツクヨミでヴァンガードにアタック!!」

 

「ノーガード」

 

「ドライブチェックチェック、トリガーなし。続けてツナガイでアタック」

 

「ノーガード……クリティカルトリガー」

 

 

意味のないトリガーに一瞬顔を顰めるも、ヲクシズのコストが順調に貯まっているので必要経費だとアリスは割り切った。

 

 

左前列ツナガイ Vツクヨミ

 

 

「ボクのターン……ライド、《慢心する根絶者 ギヲ》。ヰゴールのブースト、ギヲでヴァンガードを攻撃」

 

「ノーガード」

 

「ドライブチェック、クリティカルトリガー。効果は全てヴァンガードに」

 

 

一気に2ダメージを与えダメージは2対3だ。

 

 

Vギヲ

中央後列ヰゴール

 

 

「どうして今までファイトしなかったの?昨日が初めてって聞いたけど」

 

「……する必要がなかった。クロノ……兄もしなかったし」

 

「そっか」

 

「根絶者以外使う気ないから……売り上げには貢献できない」

 

「子供がそんなこと気にしないの。私のターン。ツクヨミのスキルで5枚見て《満月の女神 ツクヨミ》にライド!!サイレント・トムをコールしツナガイと移動。ツクヨミでヴァンガードにアタック!!」

 

「ノーガード」

 

「ドライブチェック、クリティカルトリガー。クリティカルはヴァンガード、パワーはトムに付与」

 

「ダメージチェック。ドロートリガー」

 

「ツナガイのブースト、トムでアタック!!」

 

「ガード」

 

 

左前列サイレント・トム Vツクヨミ

左後列ツナガイ

 

 

 

「ボクのターン。スタンド&ドロー…… 蹂躙せよ、消去せよ。我らは侵略者にあらず、根絶者である!!ライド・ザ・ヴァンガード!!《威圧する根絶者 ヲクシズ》!!」

 

「伊吹が使ってたヴァンガード!!」

 

「略奪する根絶者ガノヱクをコール。スキルで2枚ソウルブラストすることで一枚引く。ヲクシズのスキル発動!!カウンターブラスト3枚で相手のヴァンガードをデリート!!戦う力を持たない霊体に戻れ……ヲクシズはパワープラス10000」

 

「ツクヨミ!?」

 

 

ヲクシズが放つ黒い波動がツクヨミを消しとばしミサキの霊体のみがフィールドに残された。

 

 

「相手のヴァンガードがデリートされた時ヰゴールのスキル発動。カウンターチャージと1枚ドロー。そして追撃する根絶者ヱゴット、喰い千切る根絶者ギヰバ、心酔する根絶者グヰム、剪断する根絶者エヴォをコール。エヴォのスキル、カウンターブラストで山札から根絶者を一枚選びコール……喰い千切る根絶者ギヰバ」

 

「トリガーユニット……?手札を全て使ってまで展開してくるなんて」

 

「ギヰバのブースト、ヱゴットでヴァンガードにアタック」

 

「ノーガード!!」

 

「バトル終了時、相手のヴァンガードがデリートされているのでギヰバを山札に戻してカウンターチャージと相手のドロップゾーンから1枚選びバニッシュデリート」

 

「くっ……カウンターブラストを使い切ったのは回復手段があったからなのね」

 

「ギヰバのブースト、ヲクシズでヴァンガードにアタック」

 

「完全ガード!!」

 

「ドライブチェック……ヒールトリガー、ダメージを回復(ッ……ふふ、ボクの勝ちは決まった。ありがとうヱンダー、ゴヲト。君たちが勝利へのトリガーだ)」

 

 

アリスはダメージゾーンから染み渡る根絶者ヱンダーをドロップゾーンへ送った。ヲクシズのスキルで使った裏のダメージだ。そしてドライブチェックで捲れたのは染み渡る根絶者ヱンダーと苛責む根絶者ゴヲトだ。この時点でアリスは勝ちを確信した。

 

 

「同じくギヰバのスキル、カウンターチャージとバニッシュデリート。続けてグヰムのブースト、エヴォでヴァンガードにアタック。ヒット時にグヰム

のスキルで相手の前列のリアガードを呪縛できる」

 

「ッ……ガード」

 

「ターンエンド」

 

 

左前列ヱゴット Vヲクシズ 右前列エヴォ

              右後列グヰム

 

 

「私のターン、スタンド&ドロー……ッ!!」

 

「ライドフェイズ開始時、相手がノーマルライドする場合手札を1枚捨てる……ヲクシズのスキル。もちろん超越すればデリートは解除される。さて……手札にもうグレード3はないはず。2枚切る?」

 

「……計算通りとでも言いたげだね」

 

「完全ガードの時に超越のコストになるカードを捨てた。正直助かった」

 

「すごいね……ライドフェイズとストライドステップは何もしない。中央後列にロゼンジ・メイガス、右前列にサイレント・トムをコール。デリートされてツクヨミのスキルも使えないし仕方ない、か……ロゼンジ・メイガスのブースト、デリートされたツクヨミでリアガードのヱゴットにアタック!!ロゼンジ・メイガスのスキルでツクヨミにパワープラス3000」

 

「ッ……次の次のターンまで考えてのアタック。さすがはヲクシズを下した人間の仲間……ノーガード」

 

「ドライブチェック……ダブルクリティカル!!ツクヨミにパワープラス5000……これでヱゴットのパワーに届いたわ。クリティカルは二つとも左のトムに、パワーは右のトムに。右のトムでリアガードにアタック」

 

「ノーガード」

 

 

ヲクシズの左右のユニットが退却し残るリアガードはグヰムのみ。アリスを見ているグヰムだが、優しい笑み(ヲクシズにライドしているので表情は変わらないが)で答えた。

 

 

「左のトムでアタック!!(でも、アリスちゃんの手札には完全ガードがある)」

 

「完全ガード、染み渡る根絶者ヱンダー」

 

 

クリティカル3のトムのアタックでは、ダメージが3のアリスの負けになる。しかしこのターンダメージを稼がないとヲクシズのスキルを発動できないと踏んだミサキは敢えて一体にクリティカルを集中させていた。目論見は成功しアリスの表のダメージゾーンは2枚のみ。これではヲクシズのデリートは発動出来ない。

 

しかし、アリスはそれすら計画通りだ。

 

 

「ヱンダーのスキル発動、相手のヴァンガードがデリートされていてボクのドロップゾーンにヱンダーがあるならこのターンの終了時に再びヴァンガードをデリートする」

 

「なんですって!?」

 

 

通常、デリートされたユニットはプレイヤーのターン終了時に解除されるが、ヱンダーのスキルはその後にもう一度デリートするのだ。

 

 

「ターン終了時、ロゼンジ・メイガスは山札に戻りシャッフル」

 

「希望には届かない。絶望は終わらない……デリートッ!!」

 

 

左前列トム Vツクヨミ(デリート) 右前列トム

左後列ツナガイ

 

 

「(最後の最後までトリガーを諦めない……いいね)ボクのターン。スタンド&ドロー……ふふっ」

 

「……(この子、表情が変わらないと思ってたけど、ちゃんと笑うのね)」

 

「剪断する根絶者エヴォをコール。スキルで並列する根絶者ゲヰールをコール。ゲヰールのスキルで左のサイレント・トムを呪縛(エヴォ……ありがとう)」

 

 

トップドローで引いた来たのはエヴォ。ちょうど表のダメージゾーンが2枚残っているのでスキルを使うことができた。

 

 

「グヰムのブースト、ゲヰールでヴァンガードにアタック」

 

「右のトムでインターセプト、さらにガード!!」

 

 

グヰムのブーストしたユニットのアタックがヴァンガードにヒットすると前列のリアガードが呪縛されてしまうので先にインターセプトすることで呪縛されず攻撃を防いだ。

 

 

「ヲクシズでヴァンガードにアタック」

 

「ノーガード」

 

「ドライブチェック…………クリティカルトリガー。クリティカルはヲクシズに、パワーはエヴォに」

 

「なっ……(手札のカードじゃ足りないわね)」

 

「エヴォでヴァンガードにアタック」

 

「……ノーガードよ」

 

 

霊体のみのミサキにエヴォの刃が襲い掛かり最後のダメージチェックが行われた。

 

 

「ダメージチェック……(さっき山札に戻したヒールトリガーを合わせて残り2枚……いやダメそうね)トリガー無し。私の負けよ」

 

「デリートエンド……良いファイトだった」

 

「ええ、ファイトしてくれてありがとう。楽しかったわ」

 

「ん……ボクも」

 

 

ミサキが握手を求めそれにアリスが応えた。身長差があるため少しアリスが辛そうだ。

 

 

「さてと……良い時間ね。そろそろカムイも帰ってくると思うんだけど……」

 

「ただいまーシンさーん?……げっ!?ミサキさん!?」

 

 

完璧なタイミングで店の扉が開き、入ってきたのは噂をしていたカムイとクロノ。どうやらクエストが終わったようだ。

 

 

「ん……お帰りクロノ。どうだった?」

 

「おう!!ばっちりクリアしたぜ。って、なんでアリスはエプロンなんか着てんだ?」

 

「カムイの代わりに仕事手伝ってた。クエスト扱いで」

 

「ええ!?俺よりめっちゃポイント貰ってる!!マジか!!」

 

 

アリスがクロノにファイカを見せると、グレード1になったばかりのクロノ比べて圧倒的に多いポイントを持つアリスにクロノはとても驚いた。

 

 

「win-winのいい関係……これは世渡り」

 

「何言ってんだよ」

 

「アリスちゃん大人びてんなぁ……」

 

「カムイ?」

 

「は、はい!?」

 

「アリスちゃんは遊びに行ったアンタの代わりに仕事を手伝ってくれたんだよ。ほら、お礼言いな」

 

「え、マジすか!?ありがとよアリスちゃん。悪かったな」

 

「ん」

 

 

同じようにファイカを見せカムイが驚くという一連の流れを終えると、しっかり額に青筋を立てたミサキがカムイの後頭部を掴み自分の方を向かせた。

 

 

「給料差っ引くか、2人に晩御飯を奢るか、選ばせてあげる」

 

「しっかりご馳走させていただきます!!!!」

 

「だ、そうだよ。2人とも行ってきな」

 

「「え」」

 

 

クロノとアリスは顔を見合わせると少し相談を始めた。

 

 

「今日、ミクルさんは?」

 

「確か今日も出張……」

 

「じゃあ」

 

「ん」

 

「「ゴチになります」」

 

 

数時間後自宅に戻ったクロノがアリスに外食の感想を聞くと、アリス曰くあれほど美味しいお好み焼きは食べたことない。とのことだ。

 

あの味を再現するために数日連続で晩御飯がお好み焼きになり、クロノが悲鳴を上げたがアリスは一向に止めることがなかった。




カードファイトヴァンガードG(ゾーンを使う前に決着) 始源根絶者ヱヰゴヲグの使い所が難しい。そろそろ出します。
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