立体機動戦士ライナー 進撃のオルフェンズ 〜鉄血の兵士〜   作:連邦士官

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第2話

 俺たちはただ歩き続けるだけでいいよな。食堂でみんな騒いでる飯のときは誰だって元気だ。サシャだったら全部食っていたか?

「フッ。」

 思わず、口を抑えてしまった。俺がこうしているならあのとき死んだ奴らもどこかで元気にしてるのだろうか?そう考えたら少しは‥‥。

 

『サシャはガビの撃った弾で死んだけどな。』

 そうだったな俺は‥‥いや、よそうみんな死んだ。だけど俺だけは生きている辛いかもしれないが、コイツらと一緒にバカをやってさ。楽しかったな。明日は何人ぐらい‥‥。

 

『ライナー、仕方がなかったってやつだ。わかるだろう?』

 確かに理解はできる。彼らは仕方がなかったのかもしれないがそうやって環境のせいにして逃げてきたから俺は‥‥アイツらは俺とは違うはずだ。俺は俺は。

 

「やっぱりさ、お嬢様っていい匂いがするのかな!」

 シノがそんなことを言ってる。そのクリュセの首相の娘のお嬢様クーデリアよりクリスタ‥‥ヒストリアのほうがいい匂いがするに決まってるだろうが。

 

『気持ち悪いなライナー。』

 いや、俺は‥‥ただヒストリアのことが‥‥やめるべきか俺みたいなやつがあんな女神をなんとかしようだなんて、おかしかったよな俺じゃ釣り合いが取れないしな。なんで、オレは今クリスタのことを?確か俺は‥‥。

 

「別にそんなことはないでしょ。同じ人間だし。」

 そうか?ヒストリアはアニとも比べてもいい匂いが‥‥。いや、やめたほうがいいな。それにしてもいつもの食事はこのとうもろこし粥にじゃがいもを入れたような飯だ。これかとうもろこしパンだ。スープすらない水だけだ。こんな飯ばかりで、壱番隊の社員たちは人工肉や野菜のサラダにスープが付いて飲み物だってある。俺たちの飯もなんとかしないといけない。

 

「ビスケット、どうだ?」

 ビスケットに任せてある準備を進めさせている。こんな飯でも腹に入れればマシにはなる。とうもろこしかじゃがいもしかない。コーヒーや紅茶が恋しい。紅茶、兵団のときによく飲んだな。コーヒーはベルトルトも入れていたか?

 

「ライナー、準備はできてるけどやるんだね?今からでも。」

 俺は静かに頷いた。やるしかない。今こうしてる間にもコイツらも死ぬかもしれない。仕方がないよな。

 

「あぁ、やるしかないさ。ビスケット、わかってんだろ。これをやらないと死ぬって俺たちは使い捨ての駒ぐらいにしか考えられてないんだからよ。」

 背中のピアスもそうだ。ピアスがなければ機械を動かすシステムの阿頼耶識すら動かせやしない。ピアスは施術を受けただけで死ぬおそれがある。俺と三日月ぐらいしか4本も入れてないからな。拒否反応が起きれば施術が成功しても背中は炎症で赤くなって早く殺してくれとか騒ぐ羽目になる。

 

『まるで巨人継承者選抜だな。』

 そうだなエレン。どんなに頑張っても13年ぐらいしか生きられないからな。俺たちはあんなに頑張っても結局は‥‥。

 

「?ライナーがやるっていうんなら俺はやるよ?他にライナーに異論がある人は?」

 誰も何も言わない。じゃあ、当たりだ。俺たちの道はここから始まる。今の座標がここでも明日は先に進むその先に環境とかそういうのは関係ない。

 

 ジークも‥‥こんな気持ちだったのか?わからない。このままなら俺たちはすり潰されるがこの地獄は誰が作った?地球にいる俺か?それとも今いる俺自身なのか?

 

『辛いよなライナー。だが、俺たちは決めてしまった。なら、死んでいった者たちのためにもやるしかない。死んでいった者に謝って許されると思ってるのか?マルセルに今から謝るのか?違うだろ?お前は人類を救うために兵団にやってきたのなら覚悟を決めろライナー・ブラウン!お前はあの父親のように三日月やビスケットにシノやライドたちを見捨てるのか?穢れた血と違うことを証明しろとアニに言ったんだろ!お前に流れる父親と違うことを示してみろ!ライナァァァァァ!』

 わかったよ!やりぁいいんだろ!その先にどんな地獄が待っていようとも俺がお前たちをエレンをその先に連れて行ってやるよ!それが俺の役目だろ!今ならわかるよ。

 

 あと10年しか保たない俺たちは3人はあの農地で愚痴って10年死ぬまで暮らせば幸せだったのかもな。兵団に入ってしまった。エレンたちと同じだよ。俺たちは俺たちは本当にお前と同じなんだ。エレン‥‥。

 

 俺だって気付いていた。英雄になりたかったのは周りの奴らにちやほやされたかっただけだ。アニやベルトルトでも良かった。特にマルセルに尊敬されればよかった。だから、マーレでの歓迎も虚しかった。兵団のみんなはマルセルのように俺を慕った。俺はマルセルになりたかった。マルセルみたく尊敬されたかった。マルセルに‥‥マルセル本人に尊敬されたかった。ただそれだけだったんだよ。

 

 マーレがどうのといい、あのクズを待つだけで俺をほっといた母。ジークがある程度、俺に理解を示したのは似たような家庭だったからかもしれない。じゃあどうすればよかったんだ?

 

 俺には‥‥ジーク、お前の親代わりになってくれたクサヴァーさんみたいな存在はいない。みんなが俺をだしにうまい汁を吸っていた。天と地の戦いの終わりには母親とわかり合えた気がする。だが、俺がうじうじ悩んだせいでガリアードは死んだ。全部俺が悪いんだよエレン!そんな俺に彼らを導く資格があるのか?

 

『止まらずに前へ進むだけでいいのさライナー。お前には義務があるからな。アイツらを早く連れて行ってやれ。お前がマルセルになろうとしたのなら、マルセルになればいい。それがお前の義務ってやつだろ?逃げるなんてできない仕方がないってやつだ。』

 お、俺は‥‥そうだな義務だよ。わかったよ俺はやるしかないんだ。

 

「ビスケット、今日の夜だ。明日の朝にはクーデリアとか言うのを迎えに行くからな。あいつらも大仕事前で浮ついてるはずだ。全員、このときのために我慢してきたんだからな。心臓を捧げよ!」

 俺はそう言うと立ち上がった。あぁ、これはなんて重いんだ。俺また誰かを殺そうとしてるだけど火星での俺らの扱いはマーレのエルディア人よりひどい。同じ火星人でも金持ちはきれいに暮らしている。まるで、ダイバー家みたいだな。

 

 酷い話だ。火星のスラム街みたいな隔離地区では一握りのとうもろこしがあれば救える命がゴロゴロと転がっていて、上流階級はステーキだって食える。ヴィリー・ダイバーは収容区を囮にして、祭りを開いて死刑囚に振る舞う最後の晩餐のようにした。同じエルディア人でも奴は違っていた。

 

 なら、ダイバー家が最初からエルディア人をマーレで保護しておけば各地のエルディア人だってああもならなかったし、エレンの親父や俺の親父だって‥‥。いや、それは良くないな。俺はまた誰かのせいにしようとしてる。だが、ガビやファルコは助かったが他のあの子達は?俺が壁の中でしたことは全部、口と目と耳を塞ぎ、エルディア人差別を容認して最前線に立たせて遊んできたダイバーのせいじゃないのか?

 

 あの戦鎚にしても、エレンを倒そうと思ったのはヴィリーが死んでからだった。早めにエルディア人をダイバーがなんとかしておけばエレンだってあんなことをしなくて済んだはずだ。

 

『いや、エレン・イェーガーは生まれてからずっとこうなんだから変わらない。』

 そうか、エレン。ならやるしかないよな。俺だって生まれてからずっとこうなんだから。コイツらはもう俺の家族なんだだから、誰かにもう奪われるのは御免だ。あの壁を破壊したのは俺なんだから、ジャンたちに協力したのもまた俺何だからさ。

 

 

 俺は薄汚い貨物室にいた。ここには社長を含めた奴等が縛られて転がってる。コイツラの飯や酒に薬を入れといたからだ。ジークの脊髄液入りワインで思いついたんだ。これをな。

 

 縛られてる奴らは睨みつけてくる。立場が逆転したが俺は釈然としない。復讐も何も虚しいんだ。生きてる奴らは生きているからなんとかしようとするが死んだ奴らのために殺すのは正しいのか?俺にはわからないが俺にはこいつらを生かす義務がある。そうだよなマルセル、ポルコ。

 

「宇宙ネズミがふざけんな!縄を解け!今なら一発殴るだけでなんとかしてやる!クソガキ共が!」

 威勢がいいことだ。縛られてるのにこんなに喚くのは見たことはない。捕虜ですらないんだぞお前たちは。馬鹿なんじゃないのか?

 

「死にたいのか?今、どの立場が強いと思っているんだ?」

 それでも、社長たちは喚く。シノと三日月が前に出てきた。いやなんだ?

 

「なんだ?縄を解くのか?いいぞ!ネズミに裏切られたようだな忠誠心だけがお前の取り柄だったのにな!ライナー!たっぷりいたぶってから殺してや‥‥。」

 そのまま、シノたちは社長を抱えていく、捕まっている社員たちが笑い始めたがそれは突然終わった。

 

 外から社長の声が聞こえた。

「よせ!階段からお前らは俺を転がそうとしてんだろ!まだ話し合えるは‥‥。」

 大きな物音が一回して、音は止んだ。

 

「社長は事故死しちゃいましたね。“事故”で死んだのですよ。これからも僕達は事故が続かないといいと思いますが。皆さんはどうです?」

 ビスケットの声に社員たちは黙った。しょうがないことだ。俺にはこれしか思いつかなかった。マーレのときも同じような事をエルディア人団体がしていた。しかし、彼らはすぐに捕まえられて無垢の巨人にされた。実際、この阿頼耶識も無垢の巨人と何が変わらないのか?同じだよな。阿頼耶識を動かすときに巨人のときと同じ感じがする。

 

 そのとおりだよな。

 

「社長を殺したのか!人殺し!お前ら人でなしと俺たちは違うんだぞ!」

 マーレでよく聞いた言葉だ。名誉マーレ人になっても、パラディ島から脱出したあともよく聞いた。これがあるからジークもあぁなったんだろう。俺には単なる笑い話にしか聞こえない。俺はエルディア人であり、半分はマーレ人でもあった。

 

 何が違うかわからない。巨人になれたからなんだっていうんだ?巨人兵器は一般兵器に凌駕されるわけで俺だって撃ち抜かれた。地ならしには勝てなかったが仕方がないよな。俺たち巨人兵器は所詮、兵器じゃないただのエルディア人だ。

 

『そうだな。人間だからな、だから俺は悩んだ。あの巨人の波に立ってこそ人は巨人とは何かを思い出し、エルディア人に対しての嫌悪を捨てれたんだろう。最初からパラディ島を攻撃してなければこうはなってなかった。進撃だってな。』

 その通りだ。エレン。進撃を進撃させたのは全部、俺のせいだ!俺が嫌なんだよ。あの虐殺は俺の責任でもある。俺の殺人なんだ。軍人でもない民間人がいっぱい死んだ。

 

「あぁ、人でなしだ。特に俺はいっぱい殺した。それは俺のせいだ。だがな、お前らだって同じだよ。いっぱい殺した。どこに違いがある?お前らと俺は同じだ。謝ってほしいのか!謝ったらそれで変わるのか?謝ったらお前たちは変わったのか?違うだろ!これがお前たちのやり方が帰ってきただけだ!お前たちはここから去るか、死ぬか働くか選べ!それが責任と義務ってやつだろうが!」

 壱番隊の一部が俺にタックルをするのに動き出した。ユージンたちが銃を構えたが俺は手でやめさせて、そいつのタックルを体で受け止めた。

 

「なんでお前はびくともしねぇんだ!」

 そのまま、俺はそいつを軽く突き飛ばすとタックルをした。あのウォール・マリアを破壊した時のタックルに似ていた。そいつは強かに頭を壁に叩きつけて、壁に赤い命の花を咲かせた。

 

「わかったか?三日月たちにやらせたんだから、俺だってやらなきゃならない。わかってるのかこれは現実で夢じゃないんだ。誰かは助けには来てくれない。」

 俺も現実か夢かはわからなかった。だが、こうして歩かされてる自分の意志とやらに。

 

『大丈夫だライナー、お前は俺よりも自由だろう?』

 エレンよりは自由か。確かにな。お前もこんな気持ちだったのか?自由って辛いな。ヒストリア‥‥。

 

『はっ?なんでそこでクリスタが出てくるんだよ?気持ち悪いよお前。』

 ほっといてくれ。ピークとかにも言われたがそんなに気持ち悪いか?別にヒストリアに結婚してくれとか結婚しようと言ってるわけじゃない。思いを馳せるとかいい匂いがするとか言ったっていいだろ?だって天と地の戦いを走り抜いたんだぞ?

 

『いや、そういう問題じゃないから。』

 くそっ!

 

「わかった。俺は去る方で。」

 社員たちが一様に決意を固めたようだ。やっとか。

 

「会計のデクスターさんですよね?あなたには残ってもらいますよ。」

 ビスケットの発言にデクスターが「えぇっ。」と言っていた。モビルワーカーや武器弾薬に俺にはマーレとエルディアの軍学があるが、金勘定はうまくない。ガビたちに奢りすぎて財布が軽くなりすぎたからな。

 

 いや、あの後、俺のせいであぁなるんならゾフィアやウドにもっと飯を食わせるか退避させとけばよかった。

 

「みなさん、でどうしますか?」

 ビスケットの話は続くが俺はぼんやりしながら、経過を見ていた。その後はトドが入ると言って終わった。この組織にはトドとデクスターと雪之丞ぐらいしか大人がいない。そんなことを考えながら社長室の椅子に座り窓の外を見た。

 

 誰かが入ってくる。黒い小さい影‥‥それは三日月だ。

「どうしたのライナー?遠い目をして空を見て?」

 三日月は俺に声をかけた。俺は三日月に答えることにした。

 

「いい天気じゃないかと思ってな。もっと早くにいい天気だと思えたらなってな。」

 三日月は「そうだね。」と言って俺の隣に立った。三日月の体は小さい。こんな奴に無茶をさせるなんてやはり、俺はだめな人間だな。

 

「‥‥‥。震えてるよライナー?寒い?」

 三日月は少し、後悔で震えていた俺の肩に手を置いた。三日月の手は小さいが温かった。

 

「そんなことはないさ三日月。もう少し、このままでいようか。お前が言っていた鳥のような自由に一歩近付いたんだからな。」

 三日月の手に触れて、それを俺の肩から下ろすと俺は立ち上がり、三日月と並んで立ち上がりながら空を見た。本当にいい天気だ。あの時みたいに。

 

 





 オルフェンズと進撃の巨人全巻見つつ、やる夫スレもやらなきゃならないし、ハーメルンも更新しながら仕事もしなきゃならない。

 


 ライナー、大丈夫かな?と俺―三日月・オーガス―は思っていた。

 最近のライナーは妙に暗すぎる。もっとライナーは明るくて兄貴みたいなやつだったはずだ。

 俺がライナーの為に走ろうと思った。だから、もう少しライナーも一緒に走ろう。俺たちの居場所に向かって、こんなところで終わりじゃないよねライナー。



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