この素晴らしいボーダーに入隊を!   作:こしあんA

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ワールドトリガーについて詳しい設定など知らないことが多いので指摘してくれると助かります。


2022.5.6やや修正。



C級隊員編
第1話 この厳しい試験に合格を!


4月も半ば

今年から高校に入って不安やドキドキもあった。しかし、入学式から2週間も経ち、ようやく高校生活にも慣れてきた。

 

 

 

キーンコーンカーンコーン♪

授業終了のチャイムが鳴り昼休みとなるのと同時に廊下からドタドタと慌ただしい音が近づいてくる。

 

ああ、なんかこの後の展開に予想がつくな。

 

「かじゅまさーん!」

 

その音の正体は教室の戸を勢いよく開け、俺の机へと飛びつくやいなや、わんわんと泣き出した。

 

「聞いてよかじゅま!……うう、もう今月のお小遣いがないの!お願い来週には返すから貸して!」

 

こいつはアクア……不本意ながら俺の幼馴染だ。

本名は違うのだが、数年前ひょんなことから新興宗教のアクシズ教にのめり込み込んでしまったのだ。詳しくは割愛するが、そのアクシズ教はタチが悪く関わりたくはない。

 

 

その宗教の御身体は水色の髪をした女神でありアクアはその容姿にそっくりだったのだ。そしていつからか自分の事を女神アクアだと名乗り出すようになった。

本名で呼ぶと怒ってめんどくさいから俺も呼ぶようにしたが、もうアクアという名前に慣れすぎてもはや本名が思い出せないまである。

 

「いやだ。お前これで何度目だ、それにたしか今日バイト代が出るんじゃなかったのか?」

 

菓子代だのゲーム代だの散々浪費の絶えないこいつは、中学を卒業してから、日々バイトの日々を過ごしていた。

 

「……」

 

「おい待て、なんだその顔。またか!?もしかしてまたクビになったのか!今度は何しやがった」

 

「じつは……」

 

どうやら居酒屋のバイト中、領収書と一緒に自分の入ってる新興宗教の入信書をこっそり渡して苦情が入ってクビになったらしい。そのほかにも皿を割ったり、仕事をほっぽりだして客とだべって一緒に飯を食べたりなどしてたこともあり、バイト代の大半が弁償などで消えていったそうだ。

 

「おまえバカか?いやバカだ!今までに何回クビになった!」

 

「……4回」

 

「5回ですぅ!自分の失敗の数すら覚えられないのかこのクソバカ!」

 

3月の頭に中学を卒業してすぐバイトを始めてかれこれ1ヶ月半ほど経っているのだがそのわずかな期間に5回もクビになっているのだ。

呆れるほかない。

 

「うう……お願いよ!もう頼む相手がカズマさんしかいないの!これじゃ昼の食堂代も払えないの、お願いよ!」

 

涙鼻水を垂らしながら必死にカズマにしがみつく。

 

「やめろ鼻水が付くだろバカ!……分かった!分かったから!昼飯代だけ貸してやるよ。本当にこれで最後だからな! それと新しいバイト先探して今度は真面目に働け!」

 

 

「ほんと!?ありがとカズマさん。いつもはパッとしないけど、いつか絶対やる男だって私思ってたの」

 

「……利息トゴな?」

 

「なんでよー!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昼休みも過ぎ、午後の授業も終わり放課後となる。

筆記用具とノート類をカバンにしまいそそくさと帰る準備をする。

すると昼と同様ドタドタと慌ただしい足音が近づいてくる。

 

「カーズーマーさーん!」

 

いったい今度はなんなんだ

 

 

さっき金貸したばかりの手前、金の無心ではないとは思うのだが。もしそうなら今度は確実に縁を切ってやる。

 

「かずまさん!いいバイト先見つけたわ!」

 

バンッ!と俺の机に叩きつけられたパンフレットに目を向ける。

『ボーダー隊員募集! ボーダーは君たちの活躍を待っている!』

という煽り文句が目に入る。

 

「生徒指導室の前にあったんだけどボーダーって結構お給料いいらしいじゃない!?それにA級になれば安定したお金が毎月入ってくるらしいの!それにボーダーに入ればみんなにチヤホヤされるの!でねでね、私1人だと心細いからカズマさんも一緒になんて……」

 

その後アクアは申請方法などの手順を得意げに説明し出した。

どうやら昼飯後にこれを見つけて午後の授業中もこのパンフレットの隅々まで読んで調べたらしい

こいつ金が絡むと急にやる気が上がるな。それを普段の勉強とバイトにも向けれればな。

 

しかしボーダーか、大規模侵攻でそちら関係は敬遠していたが確かに憧れはある。俺もあんな風にチヤホヤされたくないわけでもない。

それにやっぱ侵略者から街を守るとかは男子なら誰でも一回は妄想するシチュだろう。

 

「ま、まあ他でもないアクアの頼みなら?一緒に入隊してやることもやぶさかではないが?」

 

「ほんと!?なら今すぐ申請書を出しましょ。大丈夫こんな事もあろうかと既にカズマさんの書類も作っておいたわ!あとはハンコを押すだけよ」

 

もちろん授業中にねと言う

よく見ると俺の筆跡を完璧に真似してやがるし住所、郵便番号、電話番号も正式な書き方をされており間違っている部分が見当たらない。

ほんとこう言うとこだけ器用だよな。

 

 

「お前なあ……というかA級目指すとか言ってたけどそいつらはトップクラス

なんだろ?俺たちが簡単になれるのか?」

 

「当たり前じゃない!今までもそうだったし、今回も私とカズマが一緒ならきっと上手くいくわよ!」

 

はにかんでは満面の笑みを浮かべるアクア。その顔が一瞬夕焼けと重なり、不覚ながら少しドキッとした。

いつもこうだったらいいんだがな。

 

「そういえばそうだったな……一緒にA級!目指せチヤホヤ生活だ」

 

「「えいえいおー」」

 

その後帰りに二つの書類をポストに入れ2人は帰路に着いた。

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

数日後

俺たちはボーダーの試験を受けた。

 

筆記試験

簡単で大量の計算問題、文章問題を時間内にどれだけできるかと言う内容だった。これは俗に言うspiというやつではないだろうか。

一問一問は簡単だが、早く、多く解くというだけでめんどくさい。

 

なんだろう、軽い気持ちできたのに就活をしてる気分になってきた。さっきまでのやる気が消えたし、もう家に帰ってゲームしたい。

 

筆記試験終了後、アクアの方を見るとげっそりとした顔を浮かべていた。

 

「なあアクア、もう帰らないか?こんなに人いるんだし2人くらい抜けてもバレねえよ」

 

そう、受験者が思ったよりいたのだ。パッと数えて百人はいるのではなかろうか。

よくテレビ番組やCMでもボーダー関連のものを見るが、ここまで人気だとは思わなかった。

受験者の顔も期待に満ち溢れた顔をしており、邪な考えで受験している俺の心が痛くなってくる。

 

「嫌よ!せっかくここまで来たんだもの!もう後には引けないわ!!……それにもう嫌なの!バイト先で怒られて給料を減らされて泣く日々は!」

 

どうやらアクアの意思は固いらしい。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

体力試験

 

「はあ、はあ、地獄だ……地獄のメロディだ……」

 

 

あの地獄のメロディーがまだ鳴り響く中俺は全身から汗を垂らし、地面に這いつくばる。こう言う時は上を向いて息をするのがいいと体育の教師が言っていたが、今は四つん這いになりながら地面に水滴を垂らして喘ぐことしかできない。

最初は何人か辞めたあとに抜けようと思っていたのだが誰も離脱しなかったのだ。

流石に最初に離脱するのは視線が怖いし俺のプライドが許さない。それでも誰も離脱する事なく俺は最初に離脱してしまった。

 

 

「クソっ……70……回いったら……誰か離脱しろよ……」

 

 

 

70回も行けば流石に誰か離脱すると思い、根性だけで走っていたのだが70後半で俺を支えていたものが壊れてしまい、床に這いつくばる。

 

アクアは余裕の表情で体力試験を乗り越え、俺はシャトルランで死んだ。

だが後は面接のみだ。内容はボーダーへの志望理由だけらしい。

アクアが生徒指導室の先生を捕まえて散々練習させられたんだ。言う内容だって完璧に覚えたんだ余裕に決まってる。

 

 

 

しかしカズマは知らない。

先生曰く

『アクアくんはよかったけどカズマくんはねえ? 内容が薄いし表面的な事しか言ってないから受かるか怪しいな。入り方の動作はかなり良くはなったけど』

とのこと。

 

そうアクアはバイトをクビになるたび新しいバイトを始める。その度に面接を行なっているため面接だけは一丁前なのだ。

 

 

 

◆◆◆

 

 

面接試験

 

 

「それでは019番の佐藤和真さん。中にお入りください」

 

 

深く深呼吸をしてから立ち上がる。

あれだけ練習したし先生にも『そこはかとなくいいんじゃないかな』って言われたんだ。自分を信じろ。

 

 

「はい、失礼します」

 

 

ドアの前で大きく声を発しドアを開ける。

中に一歩入り一礼をして席の脇へと歩みを進めた。

 

 

「それではお座りください」

 

「はい、失礼します」

 

 

一礼して着席する。

 

「それではなぜボーダーに入ろうとおもったのかな?」

 

「はい、やはりテレビなどの広告などでボーダーの活躍を知り私も是非この街を守る一員になりたいと思いましたそれで……」

 

 

そうしていくつかの問いに対して回答をしていく。

 

「ふーんなるほどね、ありがとう。では君は大規模侵攻を知らないと言うことかな?たしか君のご自宅はあの時の場所とそう遠くはないと思うんだが?」

 

含みを持った言葉でこちらへと面接官は問いかけてくる

 

「……いえ、幸い私と家族は無事でしたが知人は自分以外の家族を失いました……」

 

「!!……いや、すまない。こちらこそ深入りしすぎた。不快ならやめても構わない」

 

面接官はバツが悪そうに謝る。大規模侵攻はここ数年前の事だ。トラウマを抱え話したくない者もいるだろう。

しかし面接とは話の深掘りしてその人物像などを知るためのものなのだ仕方ないといえば仕方ない。

 

「いえ、話を続けさせていただきます。その知人はその日から性格が変わってしまいました。大人しかった知人がそれ以降人前で、私の前でもおちゃらけた顔ばかりしているんです……すいません何が言いたいのかわからなくなってちゃいましたね」

 

頭をポリポリ掻きながら作り笑いを浮かべる。

その後深く息を吸い

 

「でも知人をそんな風にしたネイバーは許せませんね」

 

『では失礼します』

そう言うとカズマは席を立ち一礼して面接室から出て行った。

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

「トリオン量は平凡、体力は平均以下、学力は高い……これは合格には難しいな」

 

そう、ボーダーは一時期大量に入隊者を募集したのだが大半はC級のままなのだ。そのため少し前から合格ラインを厳しくしている。以前のボーダーラインであれば合格なのだが今回の基準では受かるかどうかは五分を切る。

 

佐藤和真の写真の載っているA4用紙には三つの欄があり、その中に△、✖️、○と記入されている。

そう言って面接官は先ほどの少年の顔を思い浮かべる

 

面接で大規模侵攻時の自分の悲惨な体験から云々という言葉は散々聞いてきた。しかし彼のは他人の事。他人を面接のダシにするのは気分がいいとはいえない。

そのため最初のような中身のない志望理由になったのだろう。

 

『でも知人をそんな風にしたネイバーは許せませんね』

 

先ほどの彼がそう言った時の顔を面接官は思い浮かべる。

冷たくも確かに燃える炎を宿したかのようなあの瞳が脳裏に着いては離れない。

 

「あんな顔して……よくもまあそんな言葉で済むものだ」

 

フッっと鼻を鳴らしながら引き出しを漁る。そうして取り出した印鑑を面接官は机に出ていた資料へと押す。

 

 

佐藤和真 合格

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

「ぬわわあぁーーー!やっちまった!」

 

面接室を出たカズマは急足で会場を抜けしばらく進むと急に大きな声を上げ建物の壁に顔を擦り付ける

 

「なんであんな柄にもない恥ずいことを!おれのバカ!バカ!バカ! つい勢いであんなことを。しょうがないじゃん大規模侵攻の話されたら言っちゃうよ!そもそも面接なんてものが気に食わないんだ!」

 

だからおれは入試に面接のない今の学校を選んだのに!

そんなふうに項垂れていると……

 

「あ!カズマさん」

 

ヘラヘラとした顔をしたアクアがこちらにやってくる。

 

「聞いて私面接した入ったら『いや〜君はかなりの逸材だ!見るだけでわかるよ。面接の必要もないくらいだ。今日は疲れただろう。面接はナシでいいから帰ってゆっくり休みなさい』って。やっぱわかる人にはわかるのよ。これからはカズマさんも私を敬っても構わないわよ」

 

「……やっぱお前今ここで貸した金全部返せ」

 

「調子乗ってごめんなさい!!!」

 

 

数日後俺たちの下に合格通知が届いたのだった。

 

 

 

 




1話目にしてカズマさんキャラ崩壊してるよ。こんなこと言うキャラじゃないのに……アクアも若干キャラとして弱いけど現代社会で異世界と同じ奇行させるわけにも……
めぐみんもダクネスも出す予定だけどいつ出るのやら。

ワートリの女性キャラがカズマにデレても良いか

  • いいぞ、やれ!
  • 許さん(血涙)
  • 男性キャラと仲良くしろ!
  • わ、分かんないッピ!
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