この素晴らしいボーダーに入隊を!   作:こしあんA

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5/25 三雲くん誕生日おめでとう!!
三雲の誕生日は覚えやすい。なぜなら社会人の大半は今日が給料日だから(20日の人もいるらしいですね)
ちなみにタイトルにメガネがあるからと言って三雲くんは出ません。



第17話 このB級隊員にメガネを!

夏休みも終わり学校が始まってから早数日。

今日は14時から防衛任務が入っている。

 

カズマは病的なまでにボーダーに入れ込んでおり授業中もボーダーに行く事ができないかとバカなことを考えていた。しかしそのバカなことは実現することとなる。

なんと防衛任務参加時は学校側は公欠扱いにするというのだ。

 

三門市の学校は基本ボーダーと提携しており防衛任務の際は公欠扱いとなっている。それを悪用しカズマは学校の日に防衛任務を入れまくったのだ。

まあそれ以外にも目的はあるのだか。

 

「先生」

 

「ん、何かね?」

 

昼休み前、クラスメイト全員が集まっている時間帯を見計らって先生に話をかける。そうするとやはり話の内容が気になるのか何人かは俺の方へと視線を向ける。

 

「実は俺ボーダー隊員でして、防衛任務が14時から入っていまして……」

 

他の人にも聞こえるか聞こえないかの大きさでそう話すと予想通り耳聡い者が『ボーダー』という単語に反応してカズマの元に人だかりが出来ていく。

 

「カズマお前ボーダー隊員だったのかよ!」

 

「すげーな!」

 

はいきました!やっとこさお決まりの展開だ。

 

「ねえ、奈良坂さんって知ってる?知ってたらサイン欲しいんだけど!」

 

「「私も!」」

 

「なあ、ボーダーに那須さんっていう美人いるだろ?写真くれよ!」

 

「「俺も!」」

 

 

あれ?

お決まりの展開は一瞬で消え去り俺の話題からボーダーの美男美女の話題へと切り替わってしまった。

奈良坂とは知り合いだが絶対こいつらにはやらねえ!那須って人に会ってもこいつらには絶対に教えねえ!

 

「カズマお前もボーダー隊員だったのか」

 

そして遠巻きに見ていた白髪眼鏡の男、クラスメイトの若村麓郎が声を掛けてきた。

こいつ自身は気付いていないがかなりのイケメンで女子人気が高い。そう俺の嫌いなイケメンだ。って待てよ。

 

「……今“お前も“って言ったのか?……もしかして」

 

「ああ、ボーダー隊員なんだ。そして俺も今日14時から防衛任務が入ってる。よろしく頼む」

 

そう爽やかな笑顔で話しかけて来る麓郎にみんなの関心が移っていく。さらには会話に入っていなかった者までも加わりだす始末だ。

 

「なんか一気に奪われたなあ」

 

と先程まで那須さんの写真をねだって来たクラスメイトが哀れみの視線を向けてくる。

 

「分かるかこの気持ちが!せっかくボーダー入ったと思ったらアクアの方が人気出て!B級に上がって学校でボーダー隊員ってバレみんなにチヤホヤされると思ったらそんな事はなく!挙句クソイケメン野郎に出番奪われたんだぞ!」

 

「お、おう……ってあのヤバいのもボーダー隊員なのかよ」

 

 

 

 

 

そうして昼休み、弁当を食べ終わると麓郎と一緒に学校を後にする。

学生服のまま警戒区域を歩いてはボーダー本部へと向かっている。

 

「なあ?」

 

「……」

 

「なあ?」

 

「………」

 

「何でそんなに不機嫌なんだ?俺なんかしたか!?」

 

「うるせえこのクソイケメンが!」

 

「それは……褒めてるのか?」

 

「お前に分かるか、俺の気持ちが!ボーダー隊員になってクラスメイトにバレて『えっ、カズマくんボーダー隊員なの!?きゃー憧れる』とか『カズマくんステキ』とかチヤホヤされると思ってたら話題全部お前に奪われたんだぞ!」

 

「いや、その……なんかすまん。クラスメイトにボーダー隊員がいるってわかって嬉しかったからさ……」

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

しばらくしてようやく機嫌を取り戻したカズマは麓郎と戦術の打ち合わせをする。

 

「なんかお前のトリガー構成、欲張りセットみたいだな。射手トリガーあんのに銃手トリガーいるか?……」

 

「ほっとけほっとけ。射手トリガーじゃないといけない場面と射手トリガーだと間に合わない場面があるんだよ」

 

攻撃手トリガー、射手トリガー、銃手トリガーが入っているカズマのトリガー構成を聞いて入ったばかりでオールラウンダーでも目指しているのかと麓郎は若干引いた。

 

「でもお前が銃手なら俺が前衛でタンクをやった方がいいか。俺トリオンちっともないから火力担当は頼んだぞ」

 

「おう!任せとけ!」

 

そう息巻いて二人は防衛任務に向かった。

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

「あああっ!!!助けて、助けて麓郎さん!早くこいつ倒してくれ!!」

 

「ちょっ、射線が重なって撃てねえ!」

 

現在二人はモールモッド一体に手こずっている。

前衛をアクアに任せっきりだった事や、初のコンビという事もあり連携もボロボロ。

射線に敵とカズマが被っており麓郎も撃つに撃てないでいた。

 

前衛を務めていたカズマはシールドとスコーピオンでモールモッドの攻撃を防いでいたが、数発防いだだけでスコーピオンが壊れ、先程まで耐えていたシールドも破壊された。

戦線はわずか数秒で崩壊しかけている。

 

「くっそ!」

 

分かってはいたが俺のトリガー構成は防御にちっとも向いていないのである。

 

「こんな事ならレイガスト持ってくればよかったよ!……っと、アステロイド!」

 

モールモッドが鎌を振り下ろしてくるがそれを後ろに大きく飛んで避け、下がり際にアステロイドをモールモッドの左右に撃ちだす。

それにより一瞬動きを止めたモールモッドに麓郎の放った弾丸が雨のように襲い掛かり、モールモッドは活動を停止した。

 

先程までの苦戦が嘘の様に終わってしまった。

 

「……前衛張るのやめるか?」

 

「そうだな……一緒に中距離で戦おう」

 

 

 

次は2体のモールモッドが現れた。

 

「アステロイド!」

 

会敵してから即座にアステロイドの弱高速弾を両攻撃(フルアタック)で撃ちだし無数の弾丸が避けるままなくモールモッドに襲いかかった。

高速弾唯一の弱点である威力の低さを両攻撃の数でカバーするというC級隊員時ではできなかった芸当だ。

 

残ったモールモッド1体が接近するも側面の家屋の屋根に陣取っていた麓郎の射撃により大ダメージが入り動きが鈍る。

その隙を見逃さず、腰のホルスターからハンドガンを抜き構えては引き金を引く。すると瞬時に8発の弾丸が飛び出していき、弱点部位目掛けて飛んでいきモールモッドを撃破した。

 

その後も1、2体のモールモッドが出ては麓郎とフォーカスを合わせて各個撃破していった。

 

 

そうしてしばらくするとモールモッド2体、バムスター1体、バンダー1体が出現する。

 

バムスターが前に出て、それを護衛するかのようにモールモッドが側面に随伴しており、バンダーは後方で砲撃の準備をしている。

 

「おいおい、またこのパターンかよ!!」

 

早くバンダーを倒さなきゃいけないのに、とカズマは頭を抱えながらにそう言う。

 

アクアだったらあの高いトリオン量でクッソ硬いシールド張りながら旋空でバタバタと倒していくという戦術もクソもないパワープレイができる為モールモッド達を任せられる。

 

しかし麓郎のポジションは銃手だ。前衛をさせるわけにもいかない。かと言って俺のトリガー構成とトリオンじゃあ2体の攻撃を防ぎ切れる自信がない。

だがこいつらを放置して2人でバンダーの方へ行く訳にも行かない。

 

「おい麓郎どうする!?」

 

「俺が決めるのか!?」

 

そう言って冷や汗を掻いては麓郎は少し取り乱す。

 

「お前の方が経験あるんだから当たり前だろ」

 

「……しょうがねえ…………か、カズマはバンダーのとこへ行け。ここは……俺が時間を稼ぐ!」

 

「悪い。頼んだ!」

 

「おう!行ってこい!……出来るだけ早くしてくれ」

 

そう言ってカズマはバンダーめがけ一直線に駆けていく。もちろんその前方には前衛のモールモッド共が待ち構えており、1体のモールモッドが鎌を振り下ろそうとする。だが

 

「こっちだ!」

 

麓郎の射撃によりそのモールモッドは怯み攻撃のタイミングを逃す。そしてターゲットが麓郎に移った。

もう一体もカズマへ攻撃するがシールドでその一撃を防ぎ、モールモッド共を振り切ったカズマはバンダーへと全速力で向かっていく。

 

 

 

バンダーまで約100メートル。

射撃トリガーの射程内だがこうも走りながらでは当てられない。もっと近づかなくては。

バンダーは砲撃を放つが、高く跳んでそれを回避。さらに着弾した砲撃の爆風が、幸いなことにカズマの背中を押し出しバンダーとの距離をさらに近づけた。

 

空中に浮かびながら拳銃の引き金を引き、撃ち出された数発の弾丸がバンダーの弱点へ向かって軌道を変えながら進んでいく。そして数発のハウンドが命中しバンダーは地面に力なく倒れ込む。

そして接近したカズマは右手に出現させたスコーピオンで弱点を深く切り裂き確実にトドメを刺した。

 

 

 

 

◆◆◆

 

ダダッ、ダダッっと引き撃ち気味にアステロイドを数発ずつ撃ち出す。

 

引きながら射撃を繰り返す麓郎の体にはかすり傷が多く存在し、脇腹には一つ大きな傷があった。

モールモッドのどちらか1体を撃っている間に、もう一方のモールモッドが間合いを詰めてくる。

 

鎌の射程に入ったモールモッドの一撃をシールドで受けながら反撃をする。

どうしてももう一体がフリーとなり麓郎に攻撃を仕掛けてくるのでシールドで防いだり避けたりしているのだが、完璧には避けきれず多くの浅い傷からトリオンが漏れ出す。

先程もリロードタイムの隙を突かれ深傷を負った。

 

 

随伴してくるバムスターが厄介だ。装甲だけはなまじ硬い為モールモッドの盾にされてしまう為2体に決定打を与えられていない。

そして再び2体のモールモッドが攻撃を開始する。

 

(このままじゃジリ貧だ。やるしかねえ!)

 

突撃銃のレバーを切り替え、銃口を上に向け上空へと弾を撃ち出す。

天高く飛んだ弾は軌道を変えバムスターへと降り注ぎ、倒れて動かなくなる。

 

そして1体目の攻撃をなんとか避け、2体目の攻撃をシールドで受けきる。

だがそれと同時に次の一撃が降ってきた。

メイン、サブ両方のトリガーを使用しているためもうシールドは出せず回避も間に合いそうにない。

鎌はもう目の前だ。

 

(やっぱり犬飼先輩みたいにはできないのか……)

 

そう内心で悔しさに唇を噛むが、モールモッドの攻撃が麓郎に触れることはなかった。

 

「シールド!」

 

麓郎の目の前に麓郎を覆うほどのシールドが展開されモールモッドの一撃を防ぎきると砕け散った。

どうやらバンダーを倒したカズマが間一髪のところでやってきたようだ。

 

「助かったぜカズマ!」

 

そう言ってゼロ距離で先程攻撃をしてきたモールモッドの弱点にP-90の形をした突撃銃を向けアステロイドの雨を浴びせる。

残ったもう一体にも銃口を向けるが、引き金を引く前に背後から飛んできたアステロイドに貫かれ動かなくなった。

 

 

 

 

 

その後は一体のバムスターやモールモッドが散発的に出るだけでカズマがアシストして麓郎がトドメをさす形で順調に進んだ。

途中カズマのトリオンが切れるというハプニングがあったが、その後はネイバーが出てくることはなく無事防衛任務は終了した。

 

「最初はどうなるのかと思ったが上手くいってよかったぜ。あの時のシールドはホントに助かった」

 

「おう、流石に後ろからじゃ全然見えなかったから結構広めにシールド張ったんだけどモールモッドの一撃を辛うじて防げたみたいでよかったよ」

 

そう言いながらカズマはチラチラと麓郎の持つ銃に目を向ける。

 

「……ところでそのP-90みたいなメチャクチャカッコいい銃はなんだ?俺も使ってみたいんだが!!」

 

「ああ、これか?銃の形ってある程度変えられるんだよ。それで個人が持ちやすい形にデザインを変えたりもできるんだ。それで俺のは師匠のと同じにしてもらったんだ」

 

「俺もそのp-90風の突撃銃使いたいんだけど……」

 

「俺のやつコピーすれば使えるはずだぜ?」

 

「いいのか!?」

 

「おう!この後俺のとこの作戦室寄れよ」

 

「ありがとう!俺戦争の次にイケメンが嫌いって豪語してるけどお前は大好きだよ」

 

「お前拗らせすぎだろ……」

 

 

 

そうしてカズマはボーダーに戻って報酬を受け取った後、香取隊作戦室にお邪魔した。

 

「ほらできたぞ。あとは突撃銃のチップにこのデータを入れれば良い」

 

パソコンに自分のトリガーを接続しカタカタと作業していた麓郎がカズマにUSBを渡しながらにそういう。

 

「おお、早いな。てっきりもっと時間かかると思ったんだが」

 

「まあ銃のデザイン変えるだけで性能自体を弄るわけじゃないからな。SNSのアイコン変えるようなもんだ」

 

デザインの複雑さやサイズにより多少トリオン消費は変わるが。

 

「ちなみにこういうのはボーダーが作った3Dデザインのアプリで色々好きにモデリング出来るんだが、まあそういうのは基本エンジニアに依頼してやる感じだな」

 

「へえ……というか隊の作戦室ってこんな感じなんだな。なんか良いな。俺も欲しい」

 

香取隊の作戦室を見渡す。

生活スペースや作戦を話し合うためのテーブルなど置かれている。他にもオペレーター用の机だろうか。PCなどが置かれており整理整頓が行き渡っている。

 

「お前どこかの隊に入ってる訳じゃないのか」

 

そう言って何か嬉しそうにこちらを見てくる。

 

「なんだよそれ!俺そんなに友達いなさそうに見えるのか!?……まあどこの隊にも入ってないけどよ」

 

「じゃあ良かったらこの隊に入らないか?もうすぐB級ランク戦も始まるし、お前が入ってくれたら心強い!」

 

「……そもそもなんだけど隊ってどうやって結成するんだ?あとそのB級ランク戦についても教えてくれ」

 

「マジで言ってるのか?」

 

「マジマジ」

 

俺がそう言うと説明をしてくれた。

部隊は1人のオペレーターと1人以上4人以下の戦闘員で成立するという事。

そしてB級ランク戦は3チームか4チームによる三つ巴、四つ巴戦になるという事。

 

「なるほどバトロワゲーみたいなもんか」

 

「?……まあそう、なのか?詳しくはボーダーで聞いてくれ」

 

あまりゲームをやらない麓郎はパッと来ておらず頭にハテナを浮かべては話を切り上げる。

 

「そうか、ちなみに俺はアクアとA級目指しててアクアと組みたいと思ってるんだが2人分入れるか?」

 

「っとなるとウチはもう3人だから最大戦闘員数の4人をオーバーするから無理だな……というかあのアクシズ教徒もボーダー隊員なのかよ……」

 

麓郎は心底嫌そうな顔をしながら頬に汗を浮かべ、いつかボーダーがアクシズ教の温床にならないか心配になる。

 

「ところでオペレーターってどうやって確保するんだ?」

 

とりあえず俺とアクアで組むとして、ほかにオペレーターを確保しないとならない。だがフリーのオペレーターについてなんて全く知らない。

 

「そうだな。知り合いに頼むとか。そもそも隊結成ってのは知り合い同士でやる感じだし」

 

「知り合いにオペレーターなんていないぞ?」

 

「まあ……頑張ってくれ」

 

一瞬自分だけでも麓郎の部隊に入ろうかと悩んでしまった。

 

 




那須さんは容姿が良いのできっと三門市の一般人にもファンはいるはず。居て(願望)
実現させる為に那須親衛隊を作ったのでね。ヤバい方の親衛隊がインしてるけども。
今9話もストック溜まってるぜえ!アクアの名前決まったから今度はそれを入れる作業が待ってる

お気に入り、コメント、評価等お願いします!!
あと活動報告もたまに更新してるから是非チェックしてくれよな!

C級隊員編で面白かった話教えてください。

  • 1話この厳しい試験に合格を!
  • 2話この新入隊員に洗礼を!
  • 3話このC級隊員に勝利の栄光を!
  • 4話このC級隊員に弾バカを!
  • 5話このC級隊員にも狙撃手を!
  • 6話この狙撃手たちにハーミットを!
  • 7話このロクでもないランク戦に終止符を!
  • 8話このランク戦に菩薩様を!
  • 9話この愚か者に制裁を!
  • 閑話
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