この素晴らしいボーダーに入隊を!   作:こしあんA

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前回の話出した時
「なんでカズマのチームに古寺が入るんだよ
めぐみん達はどうなってんだめぐみん達は!
お前このすば組出すって散々言ってたじゃねえか!
分かってんのか!?
俺たちが読んでるのはめぐみん達が見たいからだろうが
まだ出ねえのかよ!?
クソったれ!(評価1)」
ってワッカ構文来るんじゃないかってビクビクしてました。そんな事はなくて安心した。




第20話 この愚か者に制裁を!3

古寺がB級になってしばらくが経ち、ようやく合同訓練への出禁が解除されたカズマは久しぶりの合同訓練に参加した。

 

「おっ、鬼畜のカズマと評判のカズマじゃねーか久しぶりだな」

 

「おい、そのあだ名つけた奴について詳しく!!そいつのポイントむしり取ってやる!」

 

「まあまあ、お前がいなくなってからつまんねえ的ばっかで寂しかったんだぜ」

 

「当真先輩まだ俺の事的扱いですか!?他人を的扱いとかいくらなんでも酷いすよ!?」

 

「お前がやったC級ランク戦狙撃手出禁事件と比べたら負けるがな」

 

「いやいや、あれは悪質な狙撃手達による自業自得ですよ。純真無垢な俺は教えてくれって言われたから親切に教えただけで、それを悪用したのはその人達なんですから俺は悪くありません」

 

そうやってカズマは最大限ピュアな顔をする。

 

「お前からあの戦術教わったって言ってた狙撃手連中、口を揃えてお前が教えてる時悪魔みたいな顔してたって言ってたぞ」

 

よし、今日はそいつら狙おう。特に上位15%に到達しそうなやつからだ。もう顔は覚えているからそいつらの心を徹底的にへし折ってやる。

 

「ほら悪魔みてえな顔してる。お前の考えてることやったらまた奈良坂に出禁食らうと思うぜ」

 

そう言って当真はパシャっと写真を撮ってるとカズマにそれを見せる。

 

「なんですかこの人ならざるものみたいな顔してる人間」

「お前」

「いやいや、冗談きついですよ」

 

そんな雑談をしていると合同訓練が開始された。

 

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

 

 

 

 

カズマは転送後すぐ物陰に隠れじっと待つ。

開始早々動いてはバッタリ出会したり、初手で好位置についたスナイパーに狙撃されるリスクがある。

 

そうして数分してから遮蔽物に沿って動き移動しながら辺りの様子を伺っては狙撃ポイントを探す。

 

「見つけた」

 

目星をつけていた狙撃ポイントにはカズマから教えを乞いていたC級隊員の姿があった。静かに銃口をそのC級隊員の方へ向け引き金を引く。

 

「ソゲキッ」

 

C級隊員の額にヒットマークが写しだされ、それに気づいたC級隊員もどこから撃たれたのか探すもカズマを見つけることができずそうしてる内に一つ二つと被弾が増えてしまった。

 

彼は先週ようやく上位15%に入ることができたのだ。B級になる為にもここで順位を落とすわけにはいかないのだ。

しかし彼は知らず知らずのうちに焦燥感に駆られ、いつものコンディションを出せずにヒットマークだけが増えていき無残な結果に終わる事となる。

 

 

その後もカズマは自分から教えを乞いた者を出来る限り狙撃していく。

隠れることに集中しなかったため前回よりも被弾は多く今回参加したA級、B級には全員当てられてしまった。

ちなみに古寺も参加しており、今回は簡単にカズマに当てられたことでこれまで失っていた自信を取り戻すきっかけとなった。

 

 

 

合同訓練が終わってしばらくすると苦い顔をした奈良坂が俺に話しかけてきた。

 

「おいカズマ」

 

「なんだよ奈良坂?」

 

「言わなくても分かってるだろ」

 

「俺から教えを乞いたくせに悪魔だなんだと罵った連中を徹底的に狙って、あいつらが目星を付けるであろう狙撃ポイントにイーグレット置いたことか?」

 

「そうだ……って待て、後者の方は聞いてない!」

 

「でも今回はちゃんと撃ったんだから前回とは違うだろ?」

 

「……ハァ、まあいい、だが自重はしてくれ……おまえ今自分がどんなあだ名つけられてるか知ってるのか?」

 

どうやら奈良坂はカズマに怒りにきたのではなく心配して来ていたようだ。

カズマは恐る恐る内容を聞いた。

 

「……ちなみにどんな?」

 

「鬼畜のカズマ、新人潰しのカズマ、サブ垢乱造クソ野郎、ゲスゲスの実(モデルゲスマ)を食べた全身ゲス人間、セクハラカズマ、道徳の教育を受け忘れた男、特級呪物、卑怯検定一級保持者のカスマ……」

 

「分かった、もういい!自重します!!だからそれ以上はやめてくれ!!」

 

「そうしてくれ」

 

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

 

 

スナイパーの合同訓練が終わった今日の深夜。俺は来馬先輩と防衛任務に着いていた。

現在時刻は午前2:00、廃墟と化した警戒区域はとても不気味で基本誰もやりたがらない。

 

「そういえば深夜2時って草木も眠る丑三つとも言ってお化けが出やすい時間だよね」

 

「来馬先輩やめてくださいよ。考えないようにしてたんですから!!」

 

「あはは、ごめんごめん。でもカズマってこういうの苦手なんだね。意外」

 

「いや防衛任務前にホラー系の動画見ちゃったんですよ」

 

「何やってるの?」

 

カズマは防衛任務前に仮眠を取ろうとしたが寝付けず、少し動画を見てから寝ようとしたのだが、心霊現象特集などを見てしまったのだ。

 

普段ならそこまで怖くないが、見ていた動画の内容が脳裏に鮮明に残っており、この現状とどうしてもすり合わせてしまう。

 

「来馬先輩あんまり俺から離れないでくださいよ。今日見た心霊動画が頭から離れないんですから」

 

「深夜の防衛任務やる前に動画見るのやめたら?」

 

 

そうこうしているとモールモッド3体が現れた。

 

来馬が射撃で1体の動きを牽制し、残り2体はそのままの速度でこちらへとやってくる。

 

「グラスホッパー! アステロイド!」

 

足元に出したグラスホッパーを踏みモールモッドへ一気に加速して一直線に飛んでいく。

この速度にはモールモッドも反応できず、弱点部位に分割なしのアステロイドを至近距離で撃ち抜かれて動かなくなる。

 

そしてカズマは顔面からコンクリートに着地した。

 

「カズマ早く起きて!そっちにモールモッドが行ってる!」

 

コンクリートにめり込んだ顔面を引っこ抜くと後ろからモールモッドが駆けてきており、既に鎌の射程に入っており鎌を振り下ろしてくる。

 

「シールド!……ってちがう!!」

 

トリガー構成を変えた弊害によりシールドと間違えグラスホッパーを展開してしまった。

『整理整頓できないとトリガー入れ間違えるぞ』というキヨシさんの指摘が脳裏に浮かぶ。

ちょくちょくトリガーを変えていたが、今までに1度もトリガーミスを起こしたことが無かったので完全に油断していた。

 

このまま胴体を切り裂かれベイルアウトするのかと思ったその時、グラスホッパーに当たったモールモッドの鎌が大きく後ろに吹き飛ばされ、その勢いに押され、モールモッドの身体も1、2メートルほど後退する。

 

もしかしてグラスホッパーは実体のあるものだったらなんでも弾き飛ばす事ができるのか。

 

「グラスホッパー!」

 

試しに接近してくるモールモッドの前方に分割したグラスホッパーを展開する。それを踏んだモールモッドは空高く高く飛んだ。

 

「来馬先輩!」

「了解」

 

空に吹き飛ばされ動きの取れないモールモッドの腹下にアステロイドの雨が降り注ぐ。

 

来馬が宙に浮くモールモッドの相手をしてる間、カズマは来馬が受け持っていたモールモッドの対処へと向かう。

 

そのモールモッドは既にボロボロで挙動もだいぶ悪くなっている。

これならとカズマは距離を詰めた。モールモッドはカズマに対し鎌を振るう。しかし、大した速さのない一撃は容易く避けられスコーピオンがモールモッドの口を十字に斬り裂き活動が停止する。

 

 

 

そして次はモールモッド1体のみが出現した。

もう防衛任務終了まで数十分だ。これ以上の出現はないだろう。

 

「来馬先輩、最後にモールモッドと1対1でやり合えるか試したいので手出ししないでくれると助かります」

 

すると来馬は顎に手を当ててウムムと悩み出す。そしてしばらくの逡巡の末口を開いた。

 

「……うん、分かった。でも危ないって判断したらすぐ援護に入るからね」

「はいお願いします」

 

そう言ってカズマはスコーピオン片手にモールモッドと向かい合う。

 

これまでの戦闘ではモールモッドを倒すのに射撃トリガーを使用してきていたが1体を倒すのに消費するトリオンの量がかなり多い。おそらく腕を磨けばもっと少ない消費量で倒せるのかもしれないが、攻撃手トリガーで倒せるようになれば現段階でも継戦能力は大幅に上がるはずだ。

 

それにランク戦でも射撃トリガーによる攻撃は防がれることが多くなっている。俺のトリオン量では射手として圧力がが足りていないのだ。だから相手は不意打ち以外をほとんど警戒する必要がなく、上に行けばいくほどそれが通用しなくなっていった。

 

その為にもカズマの持つ手札の中で唯一シールドを突破する事が可能なスコーピオンの技量を上げる必要がある。まずはスコーピオンでモールモッド1体を倒せるくらいの実力が欲しい。

 

 

 

 

モールモッドが間合いを詰め、右前脚の鎌を振り下ろす。

何度も見た攻撃パターンだ。後方に下がることで容易に回避ができる。そしてもう一撃、今度は左前脚の鎌が振り下ろされる。

 

スコーピオンを逆手持ちにし、左手も添える。そして体全身を使って振り上げ、振り下ろされる鎌と前脚の間、その関節を切断する。

 

それにワンテンポ遅れて今度は右前脚で横薙ぎにしてくるが、それを集中シールドで防ぐ。そして、先程スコーピオンを振るった勢いを保ったまま、スコーピオンをモールモッドへと突き出す。

スコーピオンはモールモッドのモノアイに深く突き刺さり、モールモッドは活動を停止した。

 

「や……やった!……初めてスコーピオンでモールモッドに勝った!!」

 

前々からコソコソと仮想訓練室でモールモッドとスコーピオンで戦っていたのだが中々勝てなかったが、実戦でようやく勝てた。

 

「うん、おめでとう」

 

入隊式時、モールモッドに負けた雪辱を本当の意味で果たすことができた。

 

 

 

「僕が援護する必要なんて全くなかったね。本当にカズマはどんどん強くなっていくよ。僕も頑張って負けないようにしないと」

「そうだ、来馬先輩。次のB級ランク戦どこかの隊に入るとか予定ありますか?」

「特にはないかな……ところでそのB級ランク戦って?個人戦とは何か違うの?」

 

カズマはB級ランク戦について軽く説明した。

 

「なるほど……とくに誰にも誘われてないかな」

「じゃあ俺の隊に入りませんか?古寺やアクアもいますよ」

「楽しそうだね。でも僕なんかでいいの?」

 

「はい、もちろん。俺たち4人ってなんだかんだよく絡みますし、他に誘うとしたら来馬先輩しかいませんよ。それに俺って近寄って戦う近距離型の射手なんで来馬先輩みたいなまともな中衛が欲しかったんですよね」

 

とカズマはこれまで構想していた戦術や来馬を加えた場合の連携などをパトロールをしながら楽しそうに来馬に話す。

 

「うん、話聞いてたら入りたくなってきた」

「じゃあ後はオペレーター確保するかですね。あと10日くらいしかないんで急がないと」

「じゃあ僕の方でも誰か声かけてみるよ」

 

「お願いします。なんか俺オペレーターの子に話しかけようとすると逃げられるんですよね」

「……それはカズマの噂のせいだと思うけど」

「何でそんなにボーダーで俺の悪い噂広まってるんですか!? というか本当に俺どう思われてるの!!」

 

来馬先輩はそっぽを向くだけで何も答えなかった。

 

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

 

 

翌日の午前10時

 

防衛任務が終わり、眠りについていたカズマをスマホの着信音が呼び起こした。

夜勤明けで痛む頭を抑えながらスマホに手を伸ばす。

 

「はい……もしもしカズマです」

 

「こちらボーダーの忍田本部長だ。突然ですまないが至急司令室に来てくないか?」

 

「!!?……はい!!只今向かいます!!」

 

ボーダー上層部からの呼び出し。

その事実に寝ぼけていた頭が嫌でも目覚める。そして何かやってしまったのかと最近の出来事を思い返すが呼び出される事しか思い浮かばない。

 

一体どの件だ。あと少しでB級に上がれたC級狙撃手の心をズタボロにしたことか、ランク戦で勝てそうにない相手に時間切れまで隠れて遅延行為をしたことか。

それとも以前のC級狙撃手ランク戦出禁事件か。いくらでも心当たりが出てきてしまう。

 

カズマは重い足取りでボーダーの司令室へと向かった。

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

 

 

「君が、佐藤君か」

 

そこにはボーダーのお偉いさん方。そしてトップの城戸司令が待っていた。

顔には印象的な傷跡があり、鋭い目つきが脳に焼き付いて消えない。どう見ても堅気の人間ではないだろう。

 

「は、はい!……それでどういったご用件で呼ばれたのでしょうか」

 

城戸司令にビビりまくりながらも会話を始める。

 

「水名守葵君についてだ」

「……はっ?」

「入り給え」

「失礼します」

「えっ?」

 

そう合図を送ると背後の扉が開きボーダー隊員と泣きじゃくるアクアが入ってきた。

 

「ぐすっ、かじゅまさん!!!」

 

 

アクアはトリオン能力が優秀で個人の能力もかなり高い。だから基本1人でトリオン兵を倒せる為、最近は一人で防衛任務を受けていた。カズマがトラウマを与えたのもあるが、その方が報酬が美味いからだ。

ちなみに事務の例の金髪ウェーブ髪のお姉さんはシフトに余裕が出たと涙していたらしいが。

 

 

話が脱線したが、アクアは今日も一人で防衛任務を行なっていた。しかし、事もあろうか防衛任務中にネイバーがちっとも出ないからといって居眠りをしたというのだ。

 

その後すぐ目の前でトリオン兵が出現。

その日の担当オペレーターが何度も指示を出すも返答がなく不安になったオペレーターは応援要請を出し、駆けつけた正隊員が現場でバムスターを倒すと中から泣きじゃくるアクアが出てきたらしい。

 

報告を受けた上層部はアクアの処分を決める際、アクアの手綱を握ってるカズマも一応呼ぼうという流れになり、今に至る。

 

「……やっぱりアクアはクビですか?」

「……当たり前だろう。職務怠慢でネイバーに食べられるボーダー隊員など前代未聞だ!」

 

優秀な人材がこんな事で消えていくのか、と苦い顔をして忍田本部長はそう呟く。

忍田本部長はこの短期間でマスタークラス一歩手前にまで辿り着き、そしてマスタークラスの相手を倒したという事実を聞きアクアにかなり期待していた。

 

 

「いや、その……どうにかなりませんか?C級に降格させるとか。0ポイントからでいいのでもう一回だけチャンスを」

 

「それでまたなにか問題を起こされてもねえ?」

 

「……しかしアクアのトリオン量はかなりの物ですよね?トリガーの研究でもかなりトリオンがいるってエンジニアの方から聞いたことがあります。そういったものにトリオンの提供をする代わりにボーダーに残すという事は出来ませんか?」

 

「確かにそれは魅力的だ。だがな……」

 

鬼怒田開発室長はこの中では1番カズマと面識があった。夏休み中は同じ時間に帰ることもあり親近感が湧いているのかカズマに対し若干気まずそうにしてる様子だ。

 

「では聞こう佐藤君。なぜ君はそんなに彼女を庇う?」

「そ、それは……」

 

城戸司令の真っ直ぐとこちらを見つめる瞳からカズマはつい目を逸らしてしまう。そしてアクアの方をチラッと覗く。

そして数秒の沈黙の後、何か決心を付けた顔をしたカズマは城戸司令と目を合わせ声を発する。

 

「その前にアクアを一旦退出させてもらってもいいですか?」

「……よかろう」

 

そう言ってカズマの背後に立っていた正隊員に城戸司令が合図を送るとその正隊員はアクアを連れて出て行った。

それを確認したカズマはようやく口を開いた。

 

 




もうそろそろB級編終わるけど次はB級ランク戦とifストーリーどっちからやろうかな。ランク戦はめっちゃ面白く書けた自信はあるし、ifストーリーはめぐみん出るから待ってる人にとってはこっちのがいいだろうし……悩ましいな。(ifストーリーは4、5話で終わる予定で2話まで完成した所で詰まってます)

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C級隊員編で面白かった話教えてください。

  • 1話この厳しい試験に合格を!
  • 2話この新入隊員に洗礼を!
  • 3話このC級隊員に勝利の栄光を!
  • 4話このC級隊員に弾バカを!
  • 5話このC級隊員にも狙撃手を!
  • 6話この狙撃手たちにハーミットを!
  • 7話このロクでもないランク戦に終止符を!
  • 8話このランク戦に菩薩様を!
  • 9話この愚か者に制裁を!
  • 閑話
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