この素晴らしいボーダーに入隊を!   作:こしあんA

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皆さま大変長らくお待たせしました。ifストーリーの方はちょっと練り直し必要ですね。よくよく考えてみればかなり重要な設定を含めたifストーリーを数話で終わらせるのが無理がある。

いせかる映画2万回見ました!めっちゃ面白かったです。俺たちの求めていた盾勇二期はいせかるの中にあったんだ。2期はOPとキョウとラフちゃんだけ良かったよ……うん



B級ランク戦シーズン1
第22話 このB級部隊に戦略を!


「はい、皆様にお知らせがあります」

 

まだ隊を結成したわけでは無いので作戦室は無い。その為みんなをラウンジに集めた。ラウンジはよく他の部隊もミーティングに使ったりなどしているのだ。

アクアは下を向いたまま気まずそうにしている。

 

「なんと俺たちの隊にオペレーターが見つかりました」

「カズマは本当に色々なところと繋がりがあるね」

「で、誰なんですか?」

「アクアさんです」

「「はい?」」

「オペレーターのアクアさんです」

「いやいや、どういうことですか!?」

 

これまでの事の顛末を二人に話すと二人は憐れみ顔をアクアに向ける。

 

「な、なによ……」

「いや、アクア先輩は……なんか本当にアクア先輩だなって認識したって言うか……よくボーダー辞めさせられませんでしたね」

「まあまあ、アクアもきっと今回のことを反省してるよ。次は気をつければいいんだよ。アクア、一緒に戦うことはできなくなったけど改めてよろしくね」

「く、来馬先輩……」

 

アクアは泣きじゃくって来馬の膝に顔を埋め頬をすりすりとする。アクアの涙鼻水で衣服が汚れる事を構わず来馬は子供をあやすかのようにアクアの頭を優しく撫でる。

 

 

しかしこれで銃手、射手、狙撃手と前衛が存在しない部隊が完成してしまった。これで戦線維持しろとか無理ゲー。

 

本来の戦術ではアクアが前に出て、カズマと来馬がそれを援護。又は来馬のみが援護に回りカズマ、古寺の2人が狙撃支援。もしくはカズマが遊撃手としてアクア達が戦ってる所に奇襲を仕掛け場を崩す。

大まかに分けてこの三つの戦闘スタイルの構想があったのだが、今となってはその全てが不可能となった。

 

 

「でもどうするんですか。ランク戦開始までほんの数日ですよ。これまで考えてた先輩の陣形も戦術も使えないですし、新たに考えるにしても時間が全然無いですよ」

「その点は俺がスコーピオン使ってアクアの代わりを務める……つもりだ。その代わり2人共めっちゃ援護してくれ。じゃなきゃ俺は死ぬ」

「たまにアステロイド外してますし、もう射手って名乗るのやめません?」

「やめません。スコーピオン投げてるから実質射手なんだよ!」

 

「そもそもアクアはオペレーターの経験ないわけだけど今から詰め込むにしても無理じゃないかな?」

「それに関しては国近先輩に指導をもう頼んであります。あとは防衛任務で慣らすつもりです。その時に俺たち3人の連携もマトモなものにしましょう」

 

その後全員がサインした書類を事務に提出し佐藤隊が結成され、作戦室も与えられた。

 

 

そして9月30日の早朝、B級ランク戦初日の日時と対戦相手が決まった。

ボーダーのイントラネット。その掲示板には佐藤隊の名が書かれていた。

 

10月1日、B級ランク戦昼の部

B級下位

14位 間宮隊

16位 吉里隊

19位 佐藤隊

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

間宮隊作戦室にて

 

「初日、最初のランク戦は俺達だな。作戦はいつも通り全員の合流が優先だ」

 

「「はい」」

 

間宮隊は全員が射手のコンセプトチームである。特徴はなんと言ってもハウンドストームと呼ばれる3人によるハウンドのフルアタックだ。

これがどれほど凶悪か説明するならば、仮に3×3×3に分割したトリオンキューブを両攻撃で3人が撃ったとしよう。少なすぎず、多すぎず、一定の威力は担保されている分割量だ。

それがなんと約160発も襲いかかるのだ。防御に回れば大抵の相手は一瞬でシールドを壊されるであろう。

 

「新人チームの佐藤隊についてはデータが全くない。軽く調べただけだが隊長のカズマってやつの個人戦データがいくつか見つかった程度だ」

 

ちなみにアクアの戦闘データもあったのだが、彼女は数日前にオペレーターに転向したという話を耳にした為持って来てはいない。

 

USBにコピーしてきた映像を流そうとするとその前に隊員の鯉沼が手を挙げた。

 

「あっ、この人。前に一度だけ戦った事あります」

「ほう、見る前にどんな感じだったか軽く教えてくれ」

「基本的には射手トリガーをメインに使って戦います。あとは射撃による牽制をしつつ、距離を詰めてスコーピオンでの一撃も狙ってきます」

「なるほど、なら距離を詰められないよう立ち回ったほうがよさそうだな」

 

「いえ、スコーピオンの実力はそこまで大したことはないんですが射手としてはかなりの実力です。1対1の撃ち合いだと相当厳しいですね」

 

「覚えておこう。だが俺たちは……」

「「3人で1つ……ですよね」」

「そうだ。俺たちは3人が射手のコンセプトチーム。そして俺たちの強みは連携だ。それを存分に押し出していこう!」

 

間宮隊の士気は絶好調だった。

しかし映像を一通り見終えた後絶不調になった。

 

「なんでどの個人戦でもトリガー構成が違うんだ……」

 

そう言って隊長の間宮が頭を抱えては机に肘をつき、頭を掻きむしる。

先ほどから対策を構想する度に新たなトリガーが出てきてはその戦術構想をぶち壊してくるのだ。

 

カズマがいったいどんなトリガー構成なのか、そのトリガー構成に対する対策を立てるべく戦闘データを拝見していたのだが、どの戦闘データにもほとんど同じトリガー構成がなかったのだ。

 

最初はレイガスト+射手トリガーで戦っていたと思えば、2丁拳銃を使い始めたり、レイガストのスラスターを起動させものすごい速さで投擲して首を切断したり。だがしばらくしてようやくスコーピオン片手に射手トリガーか拳銃を用いての戦闘スタイルに定まってきた。

それは射撃戦をメインで繰り広げ、それで勝てないと踏んだら射撃による牽制をしながら距離を詰めていきスコーピオンでトドメを刺すという戦い方であった。

ようやく対策を立てられる。そう思った矢先、再生した次の戦闘データではグラスホッパーを使っていた。

 

 

「そもそもハンドガンであんなに弾出せるものなのか?一丁だけでも突撃銃並みの連射性能してたと思うんだが……」

 

実際は突撃銃に連射性能は劣るのだが、パッと見ただけでは同じに見えた事だろう。

 

「ま、まあ、落ち着いてくださいよ隊長。それによく見ればアステロイドとスコーピオンはどの試合でも使ってますよ」

 

否、常に入れているのはスコーピオンだけであり、アステロイドはハウンドと交換したり突撃銃と交換したりしている。

 

気を取り直して今度は佐藤隊それぞれの者の詳細について記載された資料に目を通した。2名の隊員は銃手の来馬隊員に狙撃手の古寺。これなら早川隊の隊長のような攻撃手寄りのオールラウンダーの立ち回りをしてくることが予想できる。

 

「他のメンツが狙撃手に銃手なら、きっとカズマは前衛寄りの構成をしてるんだろう……でもな……」

 

そう間宮隊長が言うと3人はこぞってため息を吐いた。

 

「「「どのトリガー入れて来るんだよ……」」」

 

レイガストを入れた防御寄りの戦い方をするのか、グラスホッパーを入れた機動力重視の構成にするのか。

間宮隊はまだ答えを出せていない。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

一方、吉里隊作戦室にて。

 

月見や北添達がやってきては席に座る。すると吉里隊長は事前に用意した翌日のランク戦とその対戦相手の資料をみんなに配る。

 

「さて、初日のランク戦に俺たちが出ることに決まった」

「相手は間宮隊と……佐藤隊?新人チームてすか」

「間宮隊は特徴がわかってるから集結する前に誰か一人でも倒すっていう対策立てれるけど、新人チームについてはデータがないから立てようもないわね」

 

「それなんだが、隊長のカズマって奴とは戦ったことがある。アイツはかなり強かった。正直言ってタイマンじゃ勝てる気がしない。他の奴とは面識はないがポジションは銃手と狙撃手らしい」

 

銃手である吉里隊長は寄られれば弱い。その為カズマとの相性は最悪である。しかし、ならば月見を当てれば良いだけのこと。

カズマは総合力であれば月見より強いが、剣術においては月見の方が上であろう。果敢に攻め、subトリガーを使わせなければカズマは本領が発揮できないはずだ。

そう勝ち筋を思い浮かべる吉里隊長だが、カズマが最近グラスホッパーを使い出したという事はまだ知らない。

 

 

「狙撃手かー……この3部隊の中で唯一のスナイパーって事はこの試合の戦局の鍵を握ってますよね。早めに片付けたい所ですけど……」

 

そう言って北添は佐藤隊に関する資料から間宮隊に関する資料にチラッと視線を移す。

そこには『三人揃うと厄介、早めに対応すべし』と書かれていた。

 

「そうだ。だからと言って間宮隊も無視できない」

 

そう言って吉里は北添隊員に顔を向ける。

 

「だからお前には今回単独行動で古寺をマークしてもらいたい。そして俺と月見で連携して間宮隊の誰か1人を確実に落とす」

「了解です。後でバックワーム入れとかないと」

「隊長。私も何かトリガーでもいれますか?」

「……そうだな。じゃあ例のトリガーをそろそろ試してみるか」

「はい!」

 

そう言って吉里隊長はオペレーターにトリガー構成の変更を頼んだ。

 

今回のランク戦の為に1ヶ月も準備した。それなりに仕上がってもいる。

大丈夫、大丈夫だ。

一歩一歩着実にやれば俺たちだっていつかは中位に入れる筈だ。

吉里は誰にいうでもなくそう自分に言い聞かせた。

 

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

 

一方、佐藤隊作戦室にて

 

初日ランク戦の対戦相手の過去のログをまとめたカズマは全員を作戦室に呼んだ。

 

「よし、みんな揃ってるな。じゃあ対戦相手の過去ログ軽くまとめたから見ていくぞ。あと1日しかないんじゃ、もう連携の練習するより相手の行動知っといた方がいいだろ」

 

この2、3日は連携についての話し合いと防衛任務を通しての連携の練習をやったのだが、圧倒的に練習量が足りなかった。そして開き直った俺はもう相手の戦い方を覚えた方がマシだと考え、連携も本番のノリと勢いでなんとかしようとヤケクソ気味に判断をした。

まあそれもオペレーターの支援が他の隊と比べ満足に得られないという理由があるのだが。

 

「まあそれくらいしか無いですよね。オペレーターの支援があまり期待できない現状、個々で状況判断するしかなさそうですから」

 

「古寺、アクアも頑張ったんだからあんまりそんなこと言っちゃダメだよ」

 

あの日から国近先輩に指導してもらいつつ、防衛任務でアクアのオペレート能力の向上を図ったが全くと言って良いほど成果を得られなかった。

まあ、2日3日で得られるようなものでもないので、これはしょうがないだろう。というよりアクアの脳みそで一個でも頭に入っていれば奇跡に近い。

 

その後4人で吉里隊、間宮隊のランク戦集を視聴し、互いに気づいたところを言い合った。

これまで個人戦のログを何度か見る機会はあり、それを見るのも面白かったが、B級ランク戦のような大規模な戦闘はさながらアクション映画を見ているかのようで結構面白い。

 

「吉里隊はウチの隊から僕が抜けてアクア先輩が入ったって感じですね。もし3v3になったら、2人が気を引いている内に僕が狙撃すれば楽に倒せそうですね」

 

確かに来馬先輩からの援護を貰いつつ俺がスコーピオンで前に出て相手に圧力をかける。仮に倒せなくとも、その隙に古寺が狙撃をすればこの隊は楽に処理できそうだ。

 

ただ近中距離戦では、3対2と枚数不利が生じてしまい、火力差で押し潰されないかが心配だ。

吉里隊の戦闘スタイルとして基本は弧月攻撃手の月見隊員が前に出てそれを吉里隊長、北添隊員が援護する形がある。

俺が月見隊員の相手をしたとして、来馬先輩だけでは火力戦に押し負けてしまう。

古寺が狙撃位置に着くまではあまり相手をしない方がいいだろう。それでも誰か1人でも孤立していれば倒すチャンスだが。

 

 

「そうだな。他に分かった事と言えば間宮隊が揃うとヤバいってことだな」

 

ちょうど画面で一人の隊員が無数のハウンドに晒され、シールドごと戦闘体を貫かれてベイルアウトする映像が映った。

 

「これは……集結前に倒すくらいしか対策思いつかないね」

「フルアタックしてるなら古寺の狙撃でぶっ殺せるだろ」

 

「いや、あんなに固まってたら流石に2人は片手空けておくと思いますよ。それに僕は僕で狙われそうですし」

 

「まあこの中で唯一スナイパーのお前がこの戦局の鍵握ってるからな。間宮隊は最初に集まるだろうから吉里隊の内誰かを切り離して古寺を潰しにかかる感じか?……そうだ。俺も狙撃手に回って困惑させるか?」

 

「いやいや、来馬先輩1人に前線張らせる気ですか?銃手ですよ?それよりカズマ先輩は僕達の中で1番強いんですから間宮隊誰か一人を落としてくださいよ」

「いやいや来馬先輩とは互角だぞ?」

「それ銃手同士で戦った場合だよね?僕フル装備だと3-7で負けるんだけど」

「わかったわかった。しょうがねえな。俺が華麗に全員キルして来てやるよ!」

「……先輩が2部隊のど真ん中にスポーンしたりして」

「やめろよ!フラグって言うんだぞ。それ!」

 

そうして2部隊のログを一通り見終えた。

 

 

「よし見終わったな。あとはマップ選択権が最下位の俺達にあるけど、無難に市街地Aでいいよな?」

「ですね。個人戦でも他のマップはやったことが無いので」

「そうだね。僕も市街地Aでしか戦った事ないかな」

 

「俺は……」

 

「「言わなくても分かるよ」」

 

7割ほどのマップで戦った事あるぞと言おうとしたら2人に割って入られてしまった。

 

「でも良い狙撃ポイント少ないですね」

 

市街地Aのマップを眺めながらそう古寺が言う。

市街地Aは見晴らしの良い高層ビルやマンションがマップの四隅にいくつか存在している。それ以外にも狙撃ポイントはあるが、狙撃手がウチだけとなるとその四隅の何処かを押さえたい所ではある。

 

「最初はどこかの高層ビルで狙撃してそのあとは二、三階建ての建物から狙撃すれば良いだろ。流石にずっと有利ポジに居座ってると俺たちにヘイトが向かうからな」

 

間宮隊のログを見ると大抵間宮隊は2部隊からの集中砲火を受けていた。

それだけその3人が揃うと恐ろしいという証だ。

現にログでは3人揃うと、狙撃が複数枚重ねたシールドにより防がれていた。

 

「そうですね。ヘイトは間宮隊に買ってもらいましょう」

「分かってるじゃないか古寺!!」

「そりゃあ。先輩とはもう長い付き合いですからね」

「「ぐへへへ」」

「なんか古寺がどんどんカズマに染められていってる……」

 

 

後に2人が人とは思えない顔をしていたと来馬が同年代のボーダー隊員に呟いていたという。

 

 




これからは怪文書とか荒れそうだから出せない没ネタは活動報告の方に出すことにします。さすがにいせかる組出すなんて奇行はしませんよ?

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C級隊員編で面白かった話教えてください。

  • 1話この厳しい試験に合格を!
  • 2話この新入隊員に洗礼を!
  • 3話このC級隊員に勝利の栄光を!
  • 4話このC級隊員に弾バカを!
  • 5話このC級隊員にも狙撃手を!
  • 6話この狙撃手たちにハーミットを!
  • 7話このロクでもないランク戦に終止符を!
  • 8話このランク戦に菩薩様を!
  • 9話この愚か者に制裁を!
  • 閑話
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