この素晴らしいボーダーに入隊を!   作:こしあんA

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B級ランク戦の構想を練ってたら部隊数が足りないという事態に陥り話が進んでおりません{ランク戦を面白くするために作った話もしばらく没になる)
ランク戦入る前になにか面白いことやったりしようと思ったんですけどこれ以上A級と絡めたり練習されてカズマに強くなられると話がつまらなくなって困るというジレンマに。だから日常パート入れようかとも思ったんですけどそれも合間合間に入れるから面白い小ネタなので難しい。


6話 この狙撃手たちにハーミットを!

イーグレットのスコープ越しに遠くの的が映る。

 

「力まないで、そのままの姿勢を維持して、撃ってください!」

 

古寺に言われた通り引き金を引く。すると弾は的のど真ん中へと飛んでいった。

 

 

「おお!すげー!!ちゃんと当たる」

 

「カズマ先輩の射撃を見させてもらいましたが、自己流でやってたせいで姿勢に変な癖がついちゃってるんです。まずはその姿勢を直しましょう」

 

俺は先日古寺に弟子入りを懇願してから狙撃の訓練を受けていた。

 

「あとランク戦も見たんですけどなんですかこれ!?」

 

というと俺が孤月と戦って爆発する映像がタブレットに映し出されていた。

 

「あー、逃げきれないから攻撃して相手の攻撃を銃身で受けて反撃したらこうなった」

 

「いや、訳わかりませんよ」

 

俺も相手の攻撃受けられるとは思わなかったし、そのせいで暴発して引き分けになるとは思わなかったよ。

 

「……しかし数日で本当によく上達しますね」

 

「そりゃそれ以前の努力もあったからってのもあるが、古寺の教え方がいいんだよ。論理的で実践すれば本当に出来るようになるんだからさ」

 

俺なんて弾当てる練習をただひたすら繰り返してなんとなくで当たるようになったが、古寺はちゃんと当てるための姿勢などを理論として持っている。

 

「そんな、僕は大したことはやってないですよ」

 

少し嬉しそうにしながら古寺は頬を掻く。

そうして姿勢の矯正を延々と続けていると古寺がある提案をしてくる。

 

「そうだカズマ先輩、このあとスナイパーの合同訓練があるんですけど一緒にどうですか?」

 

「訓練?ああ、そういえばそんなのもあったな。自己練とランク戦ですっかり忘れてた」

 

「一応説明すると、狙撃手の訓練はB級やA級の人たちと一緒に射撃訓練だったり、補足・掩蔽訓練というレーダーなし、発砲音無しで自力で見つけて撃ったりというものです」

 

「へえ、スナイパーのランク戦と同じだな」

 

「そうですね。これで3週連続上位15%になることでもB級に上がれます」

 

「いや無理だろそれ!?A級とB級も参加して連続で上位キープしろ?C級を馬鹿にしてんのか!」

 

「まあみんなそんな感じでランク戦やりますよ。でも僅かですがポイントも貰えるので経験がてらどうですか?」

 

 

確かに、姿勢については何とかなったしその前にも、スナイパーとして基本的な行動も教わった。ちなみにこればかりは実際のスナイパーとやることは変わらなかった。

 

確かにいい経験にはなりそうだ。

 

 

「いいと思うぞ。ささ、案内してくださいよ。師匠」

 

「師匠と呼ぶのはやめてください!!」

 

 

 

 

◆◆◆

 

そして2人は合同訓練室へとたどり着いた。

 

「おっ、何だ古寺?そいつが噂の弟子か?随分偉くなったもんだな?」

 

特徴的なリーゼントをした男がこちらへとやってきては古寺の頭をぐりぐりとする。

 

「いや……ちが」

 

「はい、弟子のカズマです。師匠には大変よく教えてもらってます」

 

「おう、俺は当真勇。よろしく」

 

「……だから!師匠と呼ぶのはやめてください!!」

 

周りの隊員たちの視線が古寺へと集まる。やはり師匠が周りに一目置かれると弟子として嬉しくなるな、うんうん。

 

「あんたがうちの古寺の弟子か?」

 

その声の方へ顔を向ける。

きのこ頭の好青年がこちらへと向かってくる。

 

「えっと話の流れ的に古寺の師匠ですか?」

 

「いや、ただの先輩の奈良坂透だ。うちの古寺が世話になっている」

 

「そんな、とんでもない。教わってる側はこっちですよ!こちらこそ古寺にお世話になってます」

 

「いや、カズマと訓練をしてからあいつはいい方向に成長してきている……それにお前と関わるようになってから楽しそうにしてるからな。改めて礼を言う」

 

無表情な顔をしている奈良坂は、少しだけ頬を緩ませるとそう言った。

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

補足・掩蔽訓練がスタートする。

制限時間90分間の間それぞれが相手を見つけ撃つ。当たれば5点、当てられれば2点の減点だ。そして同じ相手には二度当てられない。

 

そうしてここにいる隊員全員が転送される。マップは高いビルが少々とそのほかに家屋や低いビルが点在している。

俺はすぐに近くの三階建のビルに身を隠し、しばらくここに居ることにした。窓から見えない位置に陣取り、入り口を見張る。今のところは誰も来ておらず制限時間も既に半分を切り、とうとう30分となった。

 

そろそろ動こう。

 

そうして行動を開始するとその直後後頭部に弾が当たりマークがついた。即座に後ろを振り返りイーグレットで覗くが何も見当たらない。仕方なくその場所から離れ、行動を開始した。

その後は古寺の教え通り、敵を探しては撃ちその都度場所を変えた。C級隊員は見かけたがB級や古寺、奈良坂と当真は見ることができなかった。

 

 

 

結果としては74/100位であった。

被弾は少なかったが、その分命中弾も少なく、あまりポイントを稼げなかった。

 

「なかなかやるじゃねえの、カズマ」

 

「いや、順位結構下なんですけど……」

順位一位の人が言うと嫌味にしか聞こえないんだが

 

 

「そりゃ当てた弾が少ねえからだろ?俺が褒めてんのは隠れる力だよ。まさかC級一人見つけるのにあそこまで当てるのに時間がかかるとはな」

 

「もしかして最初に俺の後頭部に当てたのって……」

 

「おれだな」

 

「いや、あそこまで辛抱強く隠れてたのに、動き出した瞬間当てられるとは思わなかったんですけど!?」

 

 

ちなみにカズマの被弾は当真、奈良坂や今回参加したB級、その他にC級の古寺その他数名の分であった。

 

 

「いや、隠れるのだけはうめーよ。おまえガキの頃ダチとかくれんぼして1人だけ置いてかれた口だろ?」

 

「……何で知ってんの?」

 

小学生の時の嫌な思い出が浮かんでくる。誰も見つけられないであろう場所に隠れてたら俺だけを残してみんな帰ってしまった。

 

「お疲れ様、カズマ先輩。それにしても途中までどこにいたんですか?残り30分切ってしばらくするまで全然見当たらなかったんですけど」

 

「転送されてすぐ近くのビルに残り30分くらいまで隠れて、一つしかない入口にイーグレット向けてた」

 

「射手やってた時と変わらず、する事がえげつないですね」

 

「褒め言葉として受け取るぞ?」

 

「本当にアステロイドからイーグレットに移行したのか……古寺が珍しく冗談言ったのかと思ってた」

 

と奈良坂も話に加わってくる。

 

 

「信じてなかったんですか奈良坂先輩……」

 

「素で信じられなかった……それにしてもカズマは何でわざわざ射手から狙撃手になったんだ?」

 

「そこの古寺に何もわからないままやられてポイント吸われたから腹いせに俺も同期の連中と他の奴らにも同じことやってやろう思った」

 

「……古寺、後で話がある」

 

「だから違うんですって!」

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

そんなこんなでしばらくの間は射手としての訓練とランク戦をやりつつ、互いに予定が合う時は古寺に稽古をつけてもらい、一緒に合同訓練に行くと言う日々が続いた。

そして今日補足・掩蔽訓練の順位は50/114位だった。

そしてカズマの被弾は当真、奈良坂、穂刈、半崎、隠岐、そして古寺のものであった。

 

 

「狙撃の腕も上がってきたんじゃないかカズマ?」

 

「そうですね。古寺も人に教える事で上達してきましたし、二人ともこのままB級に上がれそうだな」

 

「ありがとうございます奈良坂先輩」

 

「その前に俺は射手のほうでB級上がりそうだけどな」

 

「ほう、今なんぼだ?」

 

「3500くらいですね」

 

 

現状、射手の自己練、ランク戦、狙撃手の練習は3:2:5比率となっておりランク戦はそこまで出来ていないが着実にポイントを上げてきている。

 

 

「おーい師匠!」

 

むさ苦しい集まりの方へ可愛らしいC級隊員の少女がやってくる

 

「どうした日浦」

 

「聞いてください!ようやく自己ベスト更新出来たんです。しかも被弾も過去最高に少ないですよ!」

 

「よし、その調子だ」

 

「はい!」

 

なんだ、奈良坂こいつ!イケメンでしかも弟子にこんな可愛い子を取ってるだと!?許せん

 

「あっ、C級のアステロイドの人だ!なんでスナイパーになっちゃったんですか!?」

 

と顔をグイグイ近づけてなんでなんでと問いかけてくる。

マズい、これまでアクア以外の女子となんて関わった事ないから刺激が強い!

 

 

「こら、日浦あんまり迷惑をかけるな」

 

「どわっ、……だってこの前那須先輩達と歩ってたらたまたまこの人の戦闘が目に入って那須さんがいつか手合わせしたいっていってたから」

 

「へぇ、あいつが」

 

「そのナスさんってだれ?」

 

「これなんだが……ウチの従姉弟で、こいつはその那須率いる那須隊にスカウトされていてB級に上がったら加わる予定だ」

 

と奈良坂はスマホを手に画像を見せてくる。そこに映るのはスラリとした体型のショートカットヘアーの美少女だった。

 

「えっ、待って!めっちゃ美人じゃん!?従姉弟揃って美男美女とか羨ましいわ……日浦ちゃん!」

 

「は、はい」

 

「改めて佐藤和真です!那須さんには是非いつでもお相手しますと伝えてください!!」

 

「はあ、分かりました。でもカズマ先輩はもう狙撃手に移ったんですよね?那須先輩は射手として戦いたかったそうなんですけど」

 

「安心しろ日浦。こいつは気まぐれで狙撃手やってるだけで今も射手としてやってる」

 

「そうなんですね!よろしくお願いしますカズマ先輩!」

 

日浦はにっこりと太陽の様に明るい笑顔をした。

 

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

そしてその後も同じようにスナイパーの合同訓練に参加してそれが終わると当真と奈良坂に声をかけられる。

 

「……なんかお前隠れるのばかり上達してねぇか?いや、射撃の腕もちょこちょこ上がってはいるけどよ」

 

「そうですね。今回は見つけるのに少し手こずりました」

 

訓練が終わると当真、奈良坂が絡んでくる。しばらくして知ったのだが当真はスナイパー1位で奈良坂はスナイパー2位のスナイパーと2TOPだったのだ。

しかも当真はA級、奈良坂の隊もB級だがもう少しでA級に上がれるとのこと。

 

「そんな事ないですって、見てくださいよこの被弾痕」

 

カズマの両頬には被弾痕があり、アンパンマンみたいになっており片方は当真によるものでもう片方が奈良坂によるものだ。

 

「案外てこずるもんだから出来心でついな、だろ奈良坂?」

 

「そうですね。一時の感情に流されたとはいえ当真先輩と同じことをやってしまいました」

 

「おっ、やるか?どっちが上か今ここでみせつけてやってもいいんだぜ?」

 

 

「おーい、師匠!」

 

と日浦の声が遠くから聞こえてくる。最近では男ばかりのこの空間を和ませてくれるかけがえのない存在となっている。

 

「聞いてください!わたしようやく隠れ上手なカズマ先輩に当てられました!」

 

「腕を上げたな師匠として鼻が高い」

 

「ねぇ、待って。俺君たちにどう思われてるの!?」

 

「「日に日に難易度の上がる的」」

 

と奈良坂と当真は同じくしてそう言う。

こいつら、おれがお前らに当てられないからって散々言いやがって!

 

一方、話に入ってこなかった古寺はラスト5分までカズマを見つけられず、このまま追い抜かれるのではと気が気でなかったのだった。

 

後日、奈良坂の元に古寺がやってきてこう言った。

 

「先輩……なんか日に日にカズマ先輩を見つけるのが困難になってきたんですけど……昨日なんて五分手前まで見つけられなくて、このままいけば本業射手の人に追い抜かれそうなんですけど……僕……向いてないんですかね」

 

「落ち着け、古寺……落ち着け!」

 

なおカズマは狙撃の技量はある一点から伸び悩んでおり、それと同時になぜか隠密の技量が急に上がり始めた。

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

「おーい、こーでらくん!あーそぼ」

 

「なんで先輩が普通に僕の家を知ってるんですか!」

 

「?……なんでって、前に奈良坂から聞いた。それより今日も補足・掩蔽訓練行こうぜ。最近は被弾も少なくなってきたしようやく楽しくなってきたんだ」

 

「……もうやだこの人」

 

胃に痛みを覚える古寺は重い足取りで補足・掩蔽訓練へと向かった。

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

「なあ、いくら隠れるのが上達して嬉しいのはわかるが、流石にイーグレットは持ってくれ。これはかくれんぼじゃないんだ!」

 

 

119位中2位の奈良坂は119位中119位のカズマにそう言う。

今回のカズマの得点は−10点だった。

 

そう、カズマは今回イーグレットすらまともに出現させずに90分場所を移動しながら身を隠していたのだ。

 

 

「いやいや、ちゃんとイーグレット使いましたよ?スナイパーが気にしそうな場所にイーグレット立てかけといて、まるでそこにいるかのように演出しましたし」

 

「尚更たちが悪い!!見ろ!お前のせいで古寺がこれまでにないくらい落ち込んでるじゃないか!……と言うか待て、あれお前だったのか!?」

 

普段は表情ひとつ崩さない奈良坂が今日は一生分の表情筋を使ってるんじゃないかというくらいコロコロと表情を変えている。

 

今回で初めて古寺はカズマを捕捉することはできず隅っこで三角座りをしていた。

そもそもカズマに命中させた相手が当真と奈良坂、そして噂を聞いて今回やってきた東と木崎、佐鳥の5名だけであった。

 

「いやいや、古寺はまた自己ベスト更新してもうずっと上位15%キープしてるじゃないですか、このままいけば4000点待たずしてB級昇格ですよ?」

 

「お前もう二度とこの訓練に来るな!」

 

そうしてカズマはスナイパーの合同訓練に入れてもらえなくなってしまった。その後カズマが現れなくなった事でC級隊員の士気が上がったとかなんとか。

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

我々はボーダー新聞。

ボーダーで起きた出来事をボーダー内の掲示板に載せている部署のものである。

そして今回、スナイパーの合同訓練がいま話題になっているとのこと。その謎を探るため我々は3名の元にインタビューへ向かった。

 

『今回狙撃手界隈を賑わせてる彼について何か一言お願いします。東さん』

 

「そうですね、彼はけっこう隠れるのが上手です。まあ一切撃たずに狙撃銃をダミーに使ったのを見た時は流石に笑いましたね」

 

『なるほど、では次に木崎さんお願いします』

 

「そうだな。噂を耳にしてやってきたがなかなかやる。ただ、B級を目指すための訓練で他人の足を引っ張るような行為は感心しないな……何?本業は射手だと!?」

 

『では最後に佐鳥さんお願いします」

 

「見ました?俺の……」

 

 

『現場からは以上です!!』

 

 




これは本来5話目と連結させてたんですけど分けないと文字数が一万字超えてたしそれぞれ単品の方が面白かったので分割しました。
あとコメントのおかげで話数を増やせてしかもかなり整合性が取れたので万々歳です。二度と掲示板形式は作らないって決めました(緩い決意)

ワートリの女性キャラがカズマにデレても良いか

  • いいぞ、やれ!
  • 許さん(血涙)
  • 男性キャラと仲良くしろ!
  • わ、分かんないッピ!
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